ミス・マープル「カリブ海の秘密」&「パディントン発4時50分」を観る2021/11/30

ミス・マープル・シリーズの長編作品をドラマにした2作品を観ました。
2つ共に長くて、1時間40分ちょっとです。
ドラマを見てからついでに本も読んでみました。
『カリブ海の秘密』は翻訳本で、『パディントン発4時50分』は原文で読みました。
今はどうかわかりませんが、昔はアガサ・クリスティを原文で読むと英語の勉強になっていいと言われていましたね。
私は今まで一度も原文で読んだことがありませんけど、笑。
今はこういうドラマがあるので、ドラマを最初に見て面白かったら原文を読んでみるといいでしょう。
原作と違うところがあるので、どこが違うか探しながら読むといいかも。

作品の紹介はドラマに即して書きますね。


写真を見てもおわかりのように、カリブ海とミス・マープル、なんか海とそぐわないような…。なんでバッグ持っているの?編み物が入っているのかな。
後の作品、「復讐の女神」に関係するラフィ-ルじいさんが出てきます。この人、いやなじいさんで、最初はミス・マープルのことを場違いだのなんなのと言っていました。失礼な人です。
おばあさんは南国に行っては行けないのですかぁ。
アメリカ人女性だと年寄りでももっと肌を見せているのかもしれませんね。

ミス・マープルは甥の計らいでカリブ海のホテルで転地療養をすることになります。良い甥ですね。おばさんのためにお金を出してくれるんですもの。彼のおかげでミス・マープルは色々なところに行けていいですね。私もこんな甥が欲しいわ。
ホテルでは編み物をしながら他のお客さんたちと話したり、彼らの話しを聞いたりしながら気楽に過ごしていました。

ある日、ホテルの滞在客の一人、パルグレイブ少佐が話す過去の妻殺し事件に耳をすましていました。彼は犯人の写真を見せてくれようとしますが、突然話しを変え、写真をしまってしまいます。おかしいと思うミス・マープル。
翌朝、少佐がホテルの部屋で亡くなっていました。
高血圧の薬があったので、病死と判断されますが、メイドのヴィクトリアはその薬はもともと棚になかったと言います。
ミス・マープルは写真が気になり、医師に嘘を言って調べて貰いますが、写真はありませんでした。
ミス・マープルは少佐は殺されたのではないかと疑い始めます。

ミス・マープルが滞在しているホテルはティムとモリーのケンドル夫妻が経営していました。モリーは情緒不安定で、記憶が飛んでいることがあるようです。
ある夜、彼女が血のついたナイフを握りしめているところを発見され、別の場所でヴィクトリアの遺体がみつかります…。

失礼なじいさんだったラフィールとミス・マープルが意外と合っていて、共同で殺人事件にあたるというところが面白いですね。
ラフィールは女性蔑視の権化かと思っていたら、後にちゃんとミス・マープルのことを認めていて、だからこそ「復讐の女神」でミス・マープルにあるお願いをすることにしたのですね。

細かなところが原作と違うところがあります。
例えばドラマではミス・マープルがメイドのヴィクトリアのおばさんに会いに行き、仲良くなっていましたが、原作ではおばさんは出てきません。
現地の様子がわかって、いい場面でしたけどね。

1950年代の避暑地の様子がわかるドラマでした。


ミス・マープルに会いに行くために、パディントン発4時50分の列車に乗っていたマクギリカディ夫人は、平行して走っている各駅列車の中で、男が女を絞め殺す瞬間を目撃する。車掌に報告するが、取り合ってくれない。
話しを聞いたミス・マープルはスラック警部に通報するが、死体は見つからず、老女の世迷い言だと思われる。
しかしマクギリカディ夫人の言葉を信じているミス・マープルは同じ列車に乗り込み、線路沿いにあるクラッケンソープ家の屋敷に死体が隠されているのではないかと推理し、昔お世話になった家政婦のルーシー・アイレスバロウに死体捜査の協力を依頼する。
うまくクラッケンソープ家に雇われたルーシーは納屋の石棺の中に女性の死体を見つける。
クラッケンソープ家の人たちは皆その女性に面識がないと言うが…。

このドラマではルーシーが気に入りました。
彼女はオックスフォード大学で数学を専攻し、優秀な成績で卒業したにもかかわらず、家政婦になったのです。
料理や掃除は言うまでもなく、雇われた家族が満足するようなコツを持っているので、予約が殺到し、短期間の契約しか受け付けていないほどです。
ミス・マープルの甥が病気になった彼女のためにルーシーを寄越し、二人は意気投合したようです。気立ても頭もいいので、潜入捜査にふさわしい人ですね。
残念ながらルーシーが出てくるのはこの作品だけです。
ドラマでは次男のセドリックと次女の夫のブライアンに迫られていますが、原作ではブライアン以外になんと老いた当主のルーサーや四男のアルフレッドに結婚しないかと言われたり、ハロルドには高給で彼の会社で働かないかとリクルートされたりしています。魅力的な女性のようです。
ドラマでは結婚相手がわかりますが、原作では誰を選ぶのかが謎になっているようです。出てくる男性はどの人もルーシーには向いていないと思いますが、強いて言うと、ドラマと同じ人かな…。

原作ではミス・マープルはあまり出てこないので、この作品はルーシーが主役みたいなもんです。
そうそうドラマではミス・マープルの家が素敵でした。

私にとってこのドラマはミス・マープルが事件を解くのを見るのではなく、当時の人たちの暮らしを楽しむものです。
1950年代の古き良き時代(かな?)のイギリスを是非味わってください。

コメント

_ ろき ― 2021/11/30 21時00分56秒

私もカリブ海のは見ました。ラフィ-ル氏もけっこういいやつだったのが良かった。
この女優さん、ミス・マープルそのものですよねー。
当時の雰囲気が丁寧に再現されて、目に楽しいですね。
『パディントン発ー』は本は読んだので、ドラマでも見てみたいです。

_ coco ― 2021/12/01 11時10分06秒

ろきさん、他にもミス・マープルをやった女優さんがいるようですが、私は彼女だけでいいですわ。クリスティが頼んだだけあります。
イギリスの田舎の町並や屋敷、紅茶を飲んでいる姿など、眼福ですわ。
ブラウン神父シリーズも楽しいですよ。
彼って可愛いもの、笑。

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