読んだ時代小説二冊2024/05/02



テッセン(クレマチス)が満開です。


つるバラも綺麗な姿を見せてくれています。
あっという間に五月です。
20度以上の日が続き、春を通り越して夏が来そうです。



風野真知雄 『魔食味見方同心一 豪快クジラの活きづくり』
「第一話 化かされそば」
殺された兄の仇討ちを成し遂げた月浦魚之進は兄嫁に心を寄せていたが、八州廻り同心・犬飼小源太の娘のおのぶと出会ってから、いつの間にかおのぶのことが好きになっていることに気づき、おのぶに求愛する。
どちらの親も大喜びで、二人は求愛の三日後に祝言を挙げる。はや、笑。
ある日、岡っ引きの麻次が化かされそばの話を聞き込んでくる。
深川の海辺橋のたもとに出ていた屋台の店で、うどんを頼んだのが、食っているうちに、いつの間にかそばになり、おやじだったはずの店の者が、きれいな女になり、そして、巾着に入っていた銭がぜんぶなくなっていたそうだ。
魚之進は麻次とともに深川に向かう。
「第二話 化粧寿司」
おのぶが鎌倉河岸にできた<化粧寿司>を食べてみたいと言い出す。
見た目もいいし、味もいいという。
並ぶのはおのぶに任せ、魚之進は店の裏口をのぞくと、外に立っている男と店の中にいる女が話しているのが聞えた。女は化粧師はやめたというのに、男は寿司と化粧師の両方をやればいいとしつこく女に言っている。
気になった魚之進は化粧師について調べてみると、化粧寿司の女はおきわといい、顔を別人のように変えることができることがわかる。
化粧の裏に隠された悪事を暴こうとする魚之進。
「第三話 カラスの黒鍋」
馬喰町の一膳飯屋で昼飯を食っていると、隣の縁台から「カラスを食っているやつらがいるんだよ」という声が聞えてきた。
魚之進が声をかけると、神田川の川原で鍋で煮たやつを食っていたという。
川原まで行ってみると、男が四人集まって鍋を囲んでいる。
彼らは食い詰めて奥州から江戸に来たという。咎めだてするほどではないと思う魚之進だったが、カラスは本当に食べられるのかが気になる。
お奉行が言っていた魔食会になんでも食う人がいるらしいので、紹介してもらい会いに行く。
「第四話 クジラのいきづくり」
魚之進はおのぶと秋祭りがおこなわれている小網町の神社にやって来た。
タコのぶつ切り焼きを食べて金を払い、「豪快だな」と声をかけると、あんちゃんにこの世で最高に豪快な食いものはクジラの活きづくりだと言われる。
クジラ漁師が銛を打ったところに、客たちがクジラの背中によじ登り、皮を切り、刺身を取って味わうというのだ。
奉行に話を聞くと、魔食会の面々も、何人か体験しており、死人も出ているという。死人は皆、溺死だったらしい。
仕切っているのが、潜りの八蔵というやくざの親分と聞き、気になった魚之進は調べてみることにする。

いつも面白い題名に感心している風野さんのシリーズものです。
こんな食べ物、本当にあるのかと思えるものばかりです。
風野さんの創作なのか、本当に江戸時代にあったのか、気になります。


筑前助広 『谷中の用心棒 萩尾大楽 外道宿決斗始末』
御禁制品である阿芙蓉(アヘン)の密輸を行っていた玄海党を潰した萩尾大楽は、故郷の斯摩藩姪浜に用心棒道場を開いた。
予想だにしなかったことだが、玄海党という重石がなくなったことで、福岡・博多の秩序が失われ、第二の玄海党にならんと覇を唱える集団がいくつも現れ、治安が悪化していた。
そんな中、第二の玄海党になり、阿芙蓉を含む抜け荷の道を奪取し、玄海党が瓦解して空白地となった博多を支配しようという野望を持つ男がいた。
その男は自分の野望の前に立ちはだかる大楽を亡き者にするために、薩摩藩主と手を組み、刺客を送りこむ。
大楽たちの命を賭けた戦いが始まる。

大楽は無欲で、玄海党に勝っても権力を持とうとはしませんでした。
それが彼の美学なのでしょうね。
前回は玄海党との戦いでしたが、今回はその後釜を狙う破落戸集団、丑寅会との戦いです。
戦いの場面を楽しみにしていたのですが、とっても短くて、残念。
あっけなく終わってしまいました。
男臭さがプンプン香る、珍しいハードボイルド風時代小説です。
そういう小説がお好きなら、読んでみて下さい。

ヨーキー弟、公園を走る♡2024/05/04

早めにいつもの公園へ行って来ました。
兄はこの頃歩きすぎたのか、右後ろ足が痛いみたいです。
お座りを嫌がるので、変だなと思っていたのです。
兄は野原の匂いとそよ風を味わうだけにしてもらいましょう。


朝早いのに飛行機が飛んでいます。


兄はこの時はまだ大丈夫だったみたい。


兄はママの膝の上なので、弟の写真ばかりになりました。
動き回るので、パパの足に挟まれたヨーキー弟。


すごいです。自分の力でパパの体を登っていきます。


膝に乗って嬉しそうなヨーキー。


おすまししてます。
連休だからか、いつも以上にわんこが沢山お散歩しています。


兄は他の犬が苦手なので、できるだけ接しないようにしていますが、避けきれないほど次から次へとわんこがやって来ます。
知り合いなのか、集まっておしゃべりしています。


パパが兄を抱いて、わんこたちのいないところに行くと、ヨーキー弟は気になるのか、ずっと兄たちの方を見ています。
すごく姿勢がいいですね。
ママは久しぶりに弟とお散歩に行きます。


兄みたいに走りませんが、ちょこっと走りました。
兄みたいに弾むように走らず、地面を這うように走ります。ヨーキーだから?
チキンなので、ずっとママの側を離れないので、歩いている写真は撮れません。


やっと離れたと思ったら、草を食べ始めたので止めさせました。
この公園は除草剤など使っていないとは思いますが。


飛行機と鯉のぼり、ゴールデンレトリバーの写真が撮れました。
帰る頃には駐車場がいっぱいでした。
暑いので、もう少し早く来てもいいかも。

夜にイタリア料理を食べに行きました。
連休中はお店が空いているみたいです。


カルボナーラ。


石窯焼きピザ。
夫曰く、ここのピザがこの頃食べた中で一番美味しい。
近頃、三軒の石焼きピザのお店に行ったのですが、他の二軒は生地が厚く、ここのお店は薄かったので、食べやすかったです。
サングリアを少し飲んで、酔った勢いで、この後にパフェを食べてしまいました。


本当はあまおうのイチゴパフェにしようかと思ったのですが、メロンとイチゴのパフェにしました。
時季外れなのかメロンもイチゴも甘味が少なかったです。
中に入っているアイスが美味しかったので、まあいいですわ。

伊与原新 『宙わたる教室』2024/05/05



東新宿高校定時制は一学年が一クラスで定員は三十人。
例年定員割れで、二年生になるまでには六、七割、ひどい年には半分以下に減る。
さまざまな事情を抱えた生徒たちが通って来ている。

二年生のクラスのメンバーは、最前列に三人の年配組、七十代のやせこけた男と四、五十代の女、最後列には素行不良で全日制高校をつまみ出された生徒たち、いるかいないかわからない元不登校組などで、クラスのまとまりはない。
担任は藤竹という理科の教員で、二年生では「物理基礎」と「地学基礎」を教えている。

藤竹は藤竹自身の実験として科学部を作る。
そんなことは知らない科学部員たちは「火星のクレーター」を再現する実験を始める。

科学部のメンバーは四人。
①柳田岳人、二十一歳。退学を考えていたら、藤竹に呼ばれ、その時にディスレクシア(読み書きに困難のある学習障害)であることがわかる。
科学部の一番最初のメンバーで部の中心人物。
幼児が抱く全能感にも似た感覚を持ち、あれこれ逡巡する前に、手を動かしやってみるという美点がある。
②四十歳の越川アンジェラは日比ハーフで、夫とフィリピン料理店をしている。
この頃、勉強についていけなくて悩んでいる。
陽気でおしゃべりで、「ママ」というあだ名がついている。
同級生のマリが全日制の生徒に絡まれたのを助けたことがきっかけとなり、科学部に入る。
学力は他の科学部の生徒たちより劣っているが、人生経験とそれに裏打ちされた知識を持ち、彼女の世間知が科学部でいかんなく発揮されており、部の潤滑油的存在。
③名取佳純は中学校で起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した。
しかし、入学してから過呼吸を起こし、保健室登校をしている。
保健室によく来る同級生の女の子との諍いをきっかけに科学部のメンバーとなる。
豊かな想像力と観察したことをつぶさに記録するという能力を持つ。
④七十四歳の長嶺省造は中学を出て、集団就職で東京に来た。三十七歳で「長嶺製作所」を開業したという苦労人。岳人と一悶着あり、その後で科学部に入る。
長嶺はどんな実験アイデアが出てきても、それを形にすることができる、なくてはならない存在。

いろいろなことが起こるが、科学部は五月に幕張メッセで開かれる、日本地球惑星科学連合大会を目指し、研究を続けていく。

今現在の定時制高校がどんななのか知りませんが、この本のようなんでしょうか。

藤竹先生のことば
「待っているんですよ。我々定時制の教員は、高校生活を一度あきらめた人たちが、それを取り戻す場所を用意して待っている。あとは生徒たち次第です」

元看護師で保健室の先生、佐久間のことば
「定時制では授業中のリスカなんてありふれてるし、暴行事件も多い。前にいた学校では、先生が生徒に刺されたこともあった。わたしの第一の仕事は、学校の中で子どもたちを死なせないこと。全員を生きて帰すことよ」

藤竹先生のような考えを持った先生たちがいてくれるということは、どんなに心強いことでしょうか。
佐久間先生のことばには驚きます。
アメリカなどのように銃の乱射事件はなくても、危ないことはあるんですね。
生徒の命を優先するためには切り捨てなければならないことがあるとは、究極の選択ですね。

今は定時制高校に通う生徒が少なくなり、定時制高校も統合されて少なくなっています。でも、昔は四年間も通わなければならなかったのに、三年間で卒業できる単位制の定時制高校ができたり、通信制高校もあり、昔に比べれば選択肢が増えています。
学ぼうと思えば、いつでも機会はあります。
それをどう生かしていくかは、藤竹先生の言うように、生徒たち次第ですよね。
頑張って下さい。

定時制高校の生徒がこんな研究ができるなんて、ありえないお話だと思う人がいるかもしれませんが、あとがきによると本当にあったことだそうです。
高校生の課題図書だったらしいですが、是非、中学生にも読んでいただきたい本です。
地学を学ばなかったわたしにはわからないところがありましたが、火星はロマンです、笑。

堂場瞬一 『夢の終幕 ボーダーズ2』2024/05/06

ボーダーズ・シリーズの二作目。


前回は警視庁SCU(特殊事件対策班)の八神佑が主人公でしたが、今回は一番の若手、最上功太が主人公です。
SCUは「どこが担当するかはっきりしないような事件を扱う警視総監直轄の特殊な部署」です。
なんと使える車が二台とバイク一台。
指揮車のトヨタ・ランドクルーザー(510万~)と移動用のルノー・メガーヌRS(599万~)、そしてバイク、KTMアドベンチャーR(157.5万~)。
車のことを知らないので何とも言えませんが、普通よりも少し高いお値段でしょうか?

最上が中央道でKTMを走らせてから一服していると、八神佑から電話が来る。
『フリーク・アウト・シアター(FOT)』という人気のエモ・ポップ・バンドのメンバー四人と運転手、マネージャーの六人が、長野でライブがあり、東京に戻る予定だったのが、帰って来ていないという。
バンドメンバーの車は八王子インターで降りてから、行方不明になっていた。
最上は新宿にある彼らの事務所の『アフターマス』で八神たちと合流することになる。

実は最上は工業高校の時にバンドでギターを弾いていたが、実習中に工作機械に巻き込まれて左手の薬指を骨折してしまい、プロになってステージに立つという夢を諦めていた。
そんなことから彼が主導を取ることになる。

FOTに関する情報を収集していくが、明確な手がかりは見つからない。
そんな時に、青梅市の梅郷の林道でバンドのマネージャーが遺体で発見される。
殺人事件の方は捜査一課が捜査し、SCUはバンドメンバーの捜索を引き続き行うことになる。
そこに運転手が現れ、保護される。
バンドメンバーと一緒に小屋に監禁されていたという。

行方不明なっていたバンドメンバーが見つかり、デビュー前にバンドを辞めさせられていた村上という男が捜査線上にあがる。
しかし、バイクで大阪へ行ったという村上はが山梨県の林道で遺体となって発見される。
SCUはここで引き上げることになる。

次にSCUは結城が個人的に相談を受けたという代議士の関係者の脅迫事件を担当することになるが…。

なんかSCUって中途半端な感じがしますね。
そういう役割だということはわかっていても、八神ではないですが、物足りなく感じます。
なんにも関係なさそうな事件が最後に繋がっていって、エンディングを迎えるというのが、このシリーズのパターンのようですね。
そうそう、合間に美味しそうなご飯が出てきて、どこのお店か探したくなりました。新橋にあるサンドイッチのお店はどこかしら。
カレーは刑事に取って、飲み物みたいなものねww。
前に読んだ堂場さんの本では食べ物がそんなに気にならなかったのだけど、「検証捜査」シリーズやこのシリーズでは色々とお店が出てきて、捜査同様(以上かも・笑)に気になります。

最後にまた結城さんが…。彼は本当に謎です。
最上君がギターを弾く日を楽しみにしています。
その場面を是非このシリーズ中に書いて下さいね。

かわいそうな兄犬2024/05/07



ちょっと早いけど、昨年トリマーさんが撮ってくださった紫陽花と兄犬の写真を載せておきます。
アラ、ハートが…。今、気づいたわ。


もう一枚も首輪に何やら模様が書いてあるような…。


弟はというと、こんなんです。
耳がいつものように寝ています。♡はないのねwww。

いつもの公園に行った時に、パパと走りに行って、右膝を痛めた兄を病院に連れて行きました。
レントゲンを撮り、獣医が触診した後にお話がありました。
膝の状態を1~5までで表すと、昨年はグレードが2だったのに、今年は3と両足共に悪くなっているそうです。
なお悪いことに、右膝の靱帯が切れているようだというのです。
小型犬なので、だましだましやっていくことができることがあるそうですが、ダメなら手術だそうです。
一週間、痛み止めを飲ませて安静にして、様子を見ます。
もし手術ということになれば他の病院に行かなければなりません。
(ちなみに手術になると、40万から80万円ぐらいかかるそうです)
そうすると兄は外で吠えることがあり、電車に乗せるのは無理です。
車で連れて行くしかないので、パパが会社を休めるかしら。


傷み止めをすり鉢で粉にして、ウエットフードに混ぜて飲ませます。
小さいすり鉢があると便利です。
(治療費はレントゲンと薬、診察料で一万円ぐらいです。犬が怪我をすると、結構かかります)

これからは前のようなお散歩は無理のようです。
公園に連れて行くのも止めた方がいいかもしれません。
野原があれば走りたくなりますからね。
小さい時から膝が緩いと言われていたので、仕方ないと思いますが…。

この頃運のないママです。
固いお煎餅を食べていたら前歯が欠け、飛行機の座席予約をしようとしたら、航空会社の手違いを見つけ、兄が…。
まあ、結果オーライで、歯も飛行機もどうにかなったので、兄も大丈夫でしょう。
神社に行って神頼みでもしてきますわww。

<今週のおやつ>


鎌倉小川軒のレイズンウイッチコーヒー。
ちょっと苦みの入ったレイズンウイッチです。

堂場瞬一 『野心 ボーダーズ3』2024/05/09

ボーダーズ・シリーズの三作目。
今回の主人公は朝比奈由宇警部補です。
五人の階級がわかりました。
キャップの結城新次郎が警視、サブキャップの綿谷亮介が警部、八神佑と朝比奈が警部補、最上功太が巡査部長です。
ちなみに警察官の階級は九種類あり、上から、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査だそうです。


朝比奈由宇は警部補の昇任試験に合格したので研修を受けており、久しぶりにSCU(特殊事件対策班)に戻った。
由宇は結城から昇進のご褒美をもらい、ついでに異動の話が出ていることを聞く。
警察には本部勤務のものが巡査部長から警部補に昇任すると、一度所轄に出るというルールがあるのだ。

その日、八神の同期で捜査二課の宮原がある情報を持ち込んでくる。
五年前の特殊詐欺事件の首謀者とみられていた秋山克己という男が、かつての詐欺グループを再起動しようとしているようだが、二課は捜査しないというのだ。

SCUは秋山を張り込みすることにする。
由宇と八神が張り込み中に秋山は動き出す。
尾行していくと、彼は有楽町駅で降り、銀座シャインに入っていった。
由宇たちは彼を見失ってしまう。
彼を探している時に爆発が起り、由宇は現場に駆けつけるが、二度目の爆発が起り、爆風で飛ばされ気を失う。
不運にも爆発時に宝石店で強盗事件が起り、由宇はその時の行動に判断ミスがなかったかどうか、監察官の事情聴取を受ける。
女性初の部長を目指している由宇にとって、これは汚点になるのか…。

翌朝、野川に浮かんでいる秋山の遺体が発見される。
秋山の死は宮原の件と関係があると判断したSCUは捜査を続けていく。

キャップ結城のご褒美が早々に出てしまい、ちょっと残念。
本の最後の楽しみだったのよぉww。

今回のヒロイン由宇は社会に出た女性が否が応でもぶつかざるおえないことで悶々とします。ガチガチの男社会の警察ですからねぇ。
ガラスの天井をぶち壊すほどのヴァイタリティがもっと欲しいですね。
そういえば、警視庁総合支援課の柿谷晶が由宇と友だちだったなんて、意外です。
好きか嫌いかと言えば、嫌いな方に入るキャラの柿谷ですが、今回はそれほど嫌ではなかったですわ。
まあ、二人とも三十代前半ですから、まだまだひよっこですねぇ。
これからも色々と大変なことがありますわよ。

そうそう、イケオジになり、捜査一課に復帰した大友鉄も爆破事件の担当として登場し、由宇にいいアドバイスをしています。
「誰にでもミスはある。問題は、その後どうやってリカバーするかだ」
「部下ができた時、絶対ミスするな、なんて言わない方がいいよ」
ひ弱になった今時の若い刑事はすぐに辞めるそうです。どこも同じなのね、笑。
岩倉剛ことガンさんもちょっとだけ登場しています。

美味しそうな食べ物と別のシリーズの主人公たちが登場するのが、このシリーズのいいところですww。
次は武道の達人、人間凶器・綿谷が主人公かな。楽しみです。

このシリーズの順番を載せておきます。

③『野心 ボーダーズ3』

「中島みゆきコンサート 歌会VOL.1」@東京国際フォーラム2024/05/11

久しぶりにコンサートに行って来ました。
相棒が一度もコンサートに行ったことがないと言ったので探すと、みゆきさんのコンサートを見つけました。
絶対に嫌なのは、席から立ち上がることです。コンサートは座って、のんびりと鑑賞したいんですもの、笑。
みゆきさんのコンサートでは、スタンディングはないでしょう。
ラッキーなことに、初めての抽選予約で、席が取れました♡。
二階席なのが残念ですが、前の方の通路側なのでよしとしましょう。

五時開場なので、五時ちょっと過ぎに行くと、並んでいます。
五時二十分ぐらいに中に入れました。
転売を防ぐためか代表者の本人確認がありますので、身分証明書をお忘れなく。
年配の方が多いような感じです。
まだ時間があるので、ロビーでコーヒーを飲みました。


二階席はステージ全体が見えるのがいいです。
でも、みゆきさんの顔が全く見えません。
片目のわたしだからかと思って相棒に聞くと、彼も見えなかったそうです。
一月のコンサートに行った人によると、みゆきさんは眼鏡をかけていたそうですが、そうなんですか?
オペラグラスを持って行けば良かった。(どこにあるんだろう?)

コンサートで歌われた歌を載せておきます。
これからコンサートに行く人で、知りたくない方はこれ以上読まないでね。


この写真を撮るのが大変でした。
コンサート後に貼りだされるのですが、二ヶ所(と思う)にしか貼ってないので、人が殺到するのです。
印刷した紙を置いて自由に取ってもらうか、貼る場所を増やすかして欲しいものです。

ステージには緞帳はなく、椅子やピアノなどの楽器が置いてあります。
次々とバンドの方々が登場して、いよいよみゆきさんの登場です。
2020年にこのコンサートを始めたのですが、緊急事態宣言が出されたため、コンサートは中止になり、4年ぶりにやっと今年再開したそうです。
70歳を超えるというのに、声の質も変わらず、話し方もそのままでした。

みゆきさんの実家は病院ですが、コンサートで病院の三部作(?)を歌ってくれました。
病院にお勤めの方は職場を思い出すかもしれないのでしばらく我慢してねというようなことをみゆきさんが言った時に拍手が聞えました。
結構医療関係者が来ているのねww。
「倶に」と「銀の龍の背に乗って」はそれぞれ「PICU小児集中治療室」と「Dr.コトー診療所」の主題曲ですが、「病院童」は知らない曲でした。
「病院は戦場だ 病院は外国だ 普通の表通りから さほど遠くない」という歌詞がコロナ禍の前に書かれたにもかかわらず、コロナ禍の病院や私たちの現在の立ち位置を端的に表しているようでした。

「店の名はライフ」は札幌の北大の側にあったスーパーのこと、「LASDY JANE」は下北沢にあるジャズバーのことを歌った歌だそうです。
バンマスさん、お亡くなりになったのですね。かつて彼が演奏したピアノが流れました。

「愛だけを残せ」の後に「お便りコーナー」があります。
ア、その前に新しく「わがままコーナー」があり、10秒間だけ客席の照明がつき、みゆきさんがステージ上からお客さんを見るということがありました。
「お便りコーナー」ではオールナイトニッポンの時の構成作家さんが現れ、彼が選んだお便りが読まれました。
500通ぐらいのお便りが書かれたそうですが、私はそんなものがあるとは知らなかったので、書けませんでした。書きたいことがあったんですが。
ひとつひとつのお便りを読む前に名前を言うか、後で名前を言うかを律儀に聞くところが笑えました。
今回は地方から聞きに来ている人たちのお便りが多く選ばれたようです。
この後、20分間の休憩です。
こういうコンサートは初めてなんですが、休憩なんてあるものなんですか?

後半の最初「ミラージュホテル」から「リトルトーキョー」までは夜会特集でした。夜会に行ったことがないので、全く知らない歌でした。
ステージ中央に衣装をつるしたハンガーがあり、この後ろで服を着替え、背景が歌ごとに次々と変わっていきます。
歌会、見たかったわ。

バンドの皆さんの紹介後の三曲も知らない歌でした。
倉本聰の脚本ドラマの主題歌「慕情」を作ったそうですが、倉本さんは台本を一話から最終話まで全て送ってきたそうです。
倉本さんって書くのが速いんでしょうか?
どのドラマなのかググってみると、「やすらぎの郷」でした。

ラストは「心音」。私のこの頃のお気に入りの歌です。
アニメソングを書くなんて、思ってもみなかったそうです。
背景が真っ白になったので、映画「アリスとテレスのまぼろし工場」のシーンが映し出されるのかと期待したら、しばらくそのままで、ないんかいと思っていると少しだけ映されました。
みゆきさんは先をいじいじと考えてしまう性格だそうです。
意外です。

アンコール曲の「野ウサギのように」も初。みゆきさんは踊ることもあるのね。
「地上の星」がエンディングでした。

年齢を思わせられない、元気なみゆきさんでした。

Jポップ(でいいのかな?)のコンサートは初めてですけど、気になったことがあります。
音がよくないのです。
東京国際フォーラムでバレエを見たことはあるのですが、その時は音のことは気になりませんでした。
バンドの音が大きすぎるのか、みゆきさんの声が、というか歌詞が聴き取りにくかったです。
それに毎回決まっているのか、同じようなことを話すようです。
Jポップのコンサートってこんなものなんでしょうか?

次はしみじみと歌を聞けるコンサートに行きたいです。
例えば優里のアコースティックライブなんかがあったら行きたいですね。
ジャズライブでもいいかな。

読んだ日本ミステリ三冊(文庫本)2024/05/12



梅雨に向けて、紫陽花が出始めました。


薔薇が盛りです。


変わった花だと思って調べてみると、「ブラシノキ」というんだとか。
見たままの名前ですね。

読んでからだいぶ経つお話もあり、記憶が薄れていますが、三冊載せときます。


米澤穂信 『冬季限定ボンボンショコラ事件』
<小市民>シリーズの五作目。
小市民を目指す小鳩君と小山内さんが学校の帰りに寄った鯛焼き屋から家に帰ろうと堤防道路を歩いていると、車が突っ込んできた。
かろうじて小鳩君は小山内さんに体当たりして衝突コースから押し出したが、小鳩君は轢かれてしまう。
病院で目を覚ますと、医師に右足の骨をおっており、手術が必要だと聞かされる。
小鳩君の大学受験は早々に終了し、浪人が決まる。
轢き逃げの犯人は見つかっておらず、小鳩君は警察の聴取を受ける。
小山内さんは犯人捜しを始める。
小鳩君は見舞いに来た友人と話しているうちに、三年前にも堤防道路で轢き逃げ事件があったことを思い出す。
その事件は彼にとって汚点だった。
ベッドに横たわりながら、小鳩君は当時のことを思い出していく。
その時の轢き逃げ事件と今度の轢き逃げ事件と関係はあるのだろうか?

<小市民>シリーズもこれで終わりのようです。
春季限定いちごタルト事件』(2004年12月)から始まり、『夏季限定トロピカルパフェ事件』(2006年4月)、『秋季限定栗きんとん事件』(2009年3月)、『巴里マカロンの謎』(2020年1月)、そしてこの『冬季限定ボンボンショコラ事件』と続きます。
小鳩君と小山内さんの出会いが書かれていて、謎が解けました。若い、もちろんまだ二人は高三ですから若いんですけど、中学生の頃の二人を垣間見られて嬉しかったです。
二人の関係性は変わりませんが、大学でもまた会えますよね。
新しいシリーズとして大学時代篇を書いてくれるといいんですけど。
<小市民>シリーズの中で一番面白かったです。

三上延 『ビブリア古書堂の事件手帖<4>扉子たちと継がれる道』
扇ガ谷にある鎌倉有数の資産家の邸宅で開かれるガーデンパーティに、篠川大輔と彼の妻、栞子は招かれた。
パーティには娘の扉子も来ていて、もぐら堂の家族も招かれているという。
そして、なんと、栞子の母親の篠川智恵子までもが招待されていた。
戦中、鎌倉の文士たちが立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」にまつわる、三者三様の物語が語られる。

祖母、母、娘と顔も頭脳もそっくりな三人と関係する大輔君は大変だろうなと思います。一番厄介なのは、もちろん祖母の智恵子ですけどね、笑。当たり前ですが、彼女にも若い頃があったんですねぇ。
扉子が主人公になってからのお話があまり好きじゃなかったんですが、今回は智恵子がメインなので興味深く読めました。
「鎌倉文庫」は実際にあったそうです。よくこのようなお話を紡げたなと思いました。

澤村御影 『准教授・高槻彰良の推察10 帰る家は何処に』
「第一章 ミナシの家」
五月十五日、深町尚哉の二十一歳の誕生日会が行われた。祝ってくれたのは、高槻彰良と彼の友人で刑事の佐々倉健司の二人。
大学三年生になった深町はそろそろ卒後後のことを考えなければならない。
高槻ゼミではグループ発表が行われており、『ひきこさん』についての発表が行われた。
深町は高槻と一緒に事故物件の『ミナシの家』に出るという幽霊について調べる。
「第二章 消えた少年」
夏休みになり、深町は自分と同じ異能を持つ遠山の事務所でバイトする。
バイトの休みの日、大学に行くと、高槻にコーヒーを誘われる。
バイトについての話をしていると、そこにゴシップ誌の記者の飯沼が現れる。
彼は二ヶ月前に行方不明になり、神奈川県の丹沢で遺体となって発見された少年の話をする。彼の背中の皮膚が剥がされていたというのだ。
その少年は飯沼の近所に住んでいて、話をしたことがあり、死ぬ前に彼から鍵が送られて来ていたという。
高槻の事件と関係があるのか?
高槻と深町の二人が少年の家に行ってみると、異捜の刑事がいた。
【extra】花占い
高槻准教授の父、高槻智彰とバレリーナだった清花の二人の出会いと、彰良の事件後の親子の確執のお話。
【extra】向井の家の猫の話
飯沼と殺された少年、相原塔矢との関わりについてのお話。

深町くんが進路を決めました。彼の将来が輝かしいものになるように祈っています。
それにしても高槻先生のお母様は怖い。ゾーとしました。幽霊よりも怖いかも。
飯沼はそれほど悪い人ではないのね。殺された塔矢君はかわいそう。
高槻先生、無茶はいけませんよ。
次回に何が起るのか、楽しみなシリーズです。

三冊とも、お勧めです。


<この頃のわんこ>


ママの布団の上で眠っている兄。まだ右足を上げて歩きます。
意外と素早い動きをします。
お散歩では歩かせず、スリングの中に入れて行きました。
今週、獣医に行きます。なんとかなってくれるといいのですが。


元気いっぱいの弟ヨーキー。
荒々しい動きをするので、兄の足のために、これから別々のスペースで過ごさせようと思います。

久しぶりの漫画紹介2024/05/13

漫画のことは書かなくなっていますが、主にシリーズ物を読み続けています。
その中で近頃、気にいったものをご紹介します。


二宮香乃 『珍獣のお医者さん 1~2』
わたしは医療物が好きです。もちろん動物のお医者さんの獣医を描いた作品もその中に入ります。
この漫画によると、「珍獣」とは「エキゾチックアニマル」のことで、犬猫以外の全ての動物を指すそうです。

幼い頃の夢を叶え、獣医になったというのに、神無望は犬アレルギーを発症し、勤めていた犬猫病院を首になった。
仕方ないので、犬猫以外を扱っている動物病院を探しては面接に行くが、上手くいかない。
ネットで探していると、たまたまエキゾチックアニマルを扱うという月光動物病院を見つける。
面接に行ってみると、病院はてんてこ舞い。
というのも近所で珍獣を飼っている家が火事になり、動物たちが運び込まれているからだ。
神無は行きがかり上、治療を手伝う。
一息ついたところで、月光院長と面接し、神無は採用されることになる。
しかし、初めて接するエキゾチックアニマルには戸惑うことばかり…。

亀、ウサギ、トカゲ、ハムスター、ワニ、ジリス、タランチュラ…。
種類が多くて、大変ですね。
飼っている人にとってはどんな動物でも我が子に等しいものです。
神無君の成長と月光院長のことが気になります。
面白い獣医シリーズが開幕です。

ずいの・糸山冏 『税金で買った本(11)』
この本も11巻目。結構長く続いていますね。毎回色々な利用者がいるもんだと感心(?)しています。
今回はバイトの石平君の家族、特に父親のことが明かされています。彼にも色々とあったんですねぇ。
図書館の裏側が知りたいと思ったら、読んでみてください。

池辺葵 『ブランチライン 6』
わたし、職人を尊敬しています。学生の時はなろうとは思いませんでしたが、後からなればよかったと思いました。でもその時は片目が見えないので、細かい手仕事はダメだなと諦めましたけどね。

「思いをこめて 大切に作られたものは なんでも 人の心を 震わす力が あるんだってね」

身体に合った手縫いの服を一度着てみたいです。とても着やすいそうです。

「ほんと おいしいものって 生きる力をくれる」

人によって元気をくれるものってそれぞれですが、わたしはなんてったっておいしいものです。
山田君の思いが届くように、祈りながら読んでいます、笑。

小山愛子 『舞妓さんちのまかないさん 26』
途中から登場した野球少年・健太ですが、舞妓さん、メインでお願いします。
舞妓でいるにも期限があります。つる駒は「芸鼓になるか、花街を去るか」決めなければなりません。どうする、つる駒。
大人になっていく彼女たち。舞妓である時期が短いからこそ、愛でられる。
名残惜しいですわ。

Cuvie 『絢爛たるグランドセーヌ』
コロナ禍でロイヤルバレエスクールは閉鎖され、奏は日本に戻る。
踊りたいのに踊れない毎日。
そういう日々の中、前へ進もうとする奏にいい知らせが届く。
進級試験に合格し、アッパーへの入学が決まったのだ。
しかし…。

医療関係のお話以外にも好きなものがありました。ダンスものです。
『アラベスク』以来、バレエの漫画が好きです。
バレエは芸術ですが、いいバレエ団に入ったり、いい役を取るために競争がある、誠に厳しいお仕事ですね。頭が下がります。

他にもありますが、今日はこの辺で。


<おいしいもの>


マルセイキャラメルと書いてあったので、マルセイバターサンドのクリームがキャラメル味だと思って買いました。
開けてみてびっくり。キャラメルじゃないですか。勘違いですねぇwww。
マルセイバターケーキも食べてみましたが、バターサンドに勝るものはありません。(六花亭ではチョコマロンも好きだけど)
口の中に入れると溶けていく、柔らかいキャラメルです。
この頃キャラメルは食べないので、あくまでも昔の印象ですが、普通のキャラメルよりも歯にくっつかないかも。

筑前助広 『颯の太刀』2024/05/15



上州新田郡太田宿まで一人旅をしていた筧求馬は、旅装の手代に助けを求められる。手代に着いて行くと、四人の浪人が待っていた。
初めての真剣での立ち会いではあったが、求馬はなんとか対処できたが、そこにもう一人、浪人が現れる。
その浪人は求馬に、「おぬしは斬る価値がない」と言いすて、商家の主人と手代を殺して去って行った。
求馬、十六歳、初めて知る、己の無力さ。

求馬は旗本である芳賀家の生まれであったが、母が低い身分の正室の下女であっため、母は里に戻され、彼を産み、すぐに亡くなった。
実の祖父、芳賀宮内は天涯孤独の身となった求馬を哀れみ、引き取って旧知の筧三蔵の養子とした。
宮内は「腰の二刀は、弱き者を守る為にある。武士が米を作らず偉そうにしているのは、いざという時に死ぬためだ」と求馬に武士たる者の役目を教えた。
養父の三蔵は偏屈な性格や稽古の荒さゆえに、江戸の剣客から〔剣鬼〕と呼ばれ、避けられていた。

求馬は十八歳になった。三蔵は一年前に他界した。
深妙流筧道場を継いだが、門人はいない。
無外流花尾道場での代稽古からの帰り道で、求馬は若い娘が曲者に襲われているのに遭遇する。
忌々しい二年前の屈辱と羞恥を思い出す求馬。
真剣が、斬り合いが、強い相手が怖い。
このまま臆病な負け犬のままでいるのか。
俺は逃げない男になるのだ。

求馬は初めて人を斬り、娘を助ける。
娘の名は茉名。追われる身で、行く当ても身の隠し処もないというので、自宅道場に連れ帰る。
しかし、鷲塚旭伝と名乗る者が現れ、茉名は求馬の命と引き換えに我が身を差し出し、連れ去られてしまう。
自らを負け犬と称し、自分のふがいなさを歎いている時に、茉名の密偵の音若と浪人の楡沼三之丞がやって来て、求馬を小村井村の外れにある商人の寮に連れて行く。
そこで求馬は幕政を牽引する男の嫡子に会い、剣の腕を認められ、茉名の身の上と事情を知らされる。
自分の不甲斐なさから茉名を奪われたと思う求馬は、幽閉されている茉名を救い、その後、命を狙う者たちから茉名を守り、蓮台寺へ送り届けることを決意する。

谷中の用心棒』とは違い、主人公はまだ剣士としては半人前。
ありきたりではありますが、心寄せるお姫様を無事にお国に送り届けるために戦います。
実ることはない恋とは知りながら、死をものともせずに戦う姿が好ましいです。
でも、自分を卑下し過ぎなところがちょっと気になります。
こういう言葉は今はNGですが、しいて使わせていただきます。
女々しいですww。
茉名の方が凜々しいです。流石です。
まあ、このお話は求馬の剣士としての成長物語ですから、仕方ないかもしれません。
求馬が谷中の用心棒の大楽みたいになるには時間がかかりますね。

このお話もシリーズ化し、求馬が公儀御用役として活躍していくのでしょうね。
そして、その合間に茉名からSOSが来て、白馬の騎士、求馬は駆けつけるのでしょう。
今後の求馬の成長と活躍が楽しみです。