馳月基矢 『拙者、妹がおりまして 2&3』 ― 2025/06/19
『拙者、妹がおりまして』の続き。

『拙者、妹がおりまして 2』
文政四年(1821年)九月、江戸に若い女性ばかりを狙って盗みをし、殺す女盗賊お七が現れる。
目明かしの山蔵親分が追っていたが、なかなか捕まらない。
困った山蔵は白瀧勇実と矢島龍治に助けを借りに来る。
山蔵は千紘に囮になってくれというが、勇実たちは反対する。
しかし、千紘はやる気満々。
たまたまそこに亀岡菊香とその弟の貞次郎がやって来た。
父親から剣術指南を受けていたという菊香が千紘と二人で囮になり協力することになる。
九月も終わりの雨の日、雨宿りをしていた千紘と菊香にお仙という女が話しかけてくる。
この女がお七だった。
捕らえてみると、盗みの罪は認めるが殺しの罪は認めなかった。
12月になり殺しをするお七が現れる。
お七は、盗みをするお七と盗みと殺しをするお七の二人いたのだ。
千紘はまた囮になると言うが、反対する龍治は千紘をコテンパンに負かし、自分が女の振りをして囮になるという。
果たしてお七を捕らえることができるのか・・・。
『拙者、妹がおりまして 3』
初日の出を見に行った千紘と龍治だったが、近所の剣術道場の連中に捕まり、龍治の告白は取り止めになる。
正月早々勇実たちは北町奉行所の定町廻り同心の岡本達之進から昨年捕らえたお七が牢を出たことを知らされる。
二月のある夜、お七が千紘に復讐しに来る。
勇実と龍治が気づき駆けつけるが、逃げられてしまう。
三月に入り、立ち合い稽古の後に行った勇実たち馴染みの湯屋で、勇実たちは板の間稼ぎに遭う。(「板の間稼ぎ」=「湯屋で着物を盗んでいく泥棒」)
盗むのは男の褌ばかりだという。
同心の岡本が調べることになるが、意外な犯人で・・・。
親友の龍治の千紘への思いを知った勇実は二人を見守ることにしましたが、いつ千紘が龍治の思いに気づくのでしょうね。
千紘もいらぬおせっかいをしている暇があったら自分のことを考えた方がいいんじゃないと言いたくなります。
兄の勇実は菊香が気になる存在になったようです。
菊香は過去のことがあるので、気をつけて接しなければならない人ですし、勇実も恋愛には奥手なので、どうなるのか心配です。
このシリーズは<龍治と千紘>&<勇実と菊香>の恋愛模様と勇実の将来決定が中心で付け足しのように捕り物があるというお話です。
時代小説初心者の方にぴったりだと思います。
江戸時代の仕事の話(文庫本) ― 2025/06/11
前から救急車のサイレンが外出するたびに聞こえると書いていましたが、この頃は救急車の姿を見かけるようになりました。
それも走っているのを遠目にちょこっと見るのではなくて、近頃はバッチリ鉢合わせするようになりました。
そのうち乗ることになりそうです(冗談ですぅwww)。

横山起也 『お茶漬けざむらい』
妹尾未明のところにお蜜という芸者が相談を持ち込む。
連日宴の席にお蜜を呼ぶ角屋の義一との「舌試し」に勝つための料理を考えてくれというのだ。
何でおれがと思いつつ、友人の絵師、仁鶴に愚痴りに行くが、彼とモデルたちに海苔茶漬けを作って食べさせることになる。
仁鶴の作る茶漬けは、普段の『浮世』を忘れるような『芝居』を食わせるようなものだ。
お蜜の「舌試し」を発端に次々と難題が持ちかけられるが、仁鶴は茶漬けを使い解決していったので、やがて『お茶漬けざむらい』と言われるようになる。
そんな彼に膳奉行の長男・四条園城崋山が挑んでくる。
『編み物ざむらい』を書いた横山さんの新しいシリーズです。
妹尾未明は「舌の良さしか取り柄のない若き落ちこぼれ武士」とのこと。
緊張しいらしく、すぐこわばっちゃって、よく失敗をします。
その「こわばり」を取るのによかったのが、お蜜曰く「茶づる」こと、つまりお茶漬を食すことだったのです。
ちょっと風野真知雄さん風ですが、これから独自性を出して行くのでしょうね。
次回に期待します。
ア、未明の仕事はお茶漬じゃなかったわww。
坂井希久子 『星合いの空 江戸彩り見立て帖』
呉服屋「塚田屋」の三男坊・右近に色見立ての才を認められ、色見立て役として働いているお彩にライバル登場。七夕にちなんだ色合わせを競うことになる。
一難去ってまた一難。京都本店から長兄の蘇芳が偵察にやって来る。嫌味が趣味みたいな奴で、店の皆はピリピリしっぱなしだが、江戸っ子のお彩は彼の京風嫌味がわからない。お彩に迫る危機。
江戸彩り見立て帖シリーズの四作目です。
着物は着ませんし、持っていませんが、紋紗の着物が素敵で、着てみたくなりました。
京対江戸の戦いは、なんとか江戸の勝利で終わりましたが、未だに色々と文化の違いがあり、面白いです。
江戸の月見団子はまん丸で十五夜にちなんで十五個ですが、京の月見団子は里芋の形、しずく形で、十二の月を表し十二個(潤年は十三個)なんですって。今はこしあんや粒あんで包むようです。
月見団子って買ったり作ったりしませんが、京のは食べてみたいです。
<シリーズの順番>
①『色にいでにけり 江戸彩り見立て帖』
②『朱に交われば 江戸彩り見立て帖』
③『粋な色野暮な色 江戸彩り見立て帖』
④『星合いの空 江戸彩り見立て帖』(本書)
有馬美季子 『お葉の医心帖 きずなの百合』
弥生(三月)。道庵の診療所で働き始めてから一年が経ち、お葉は齢十八になる。
道庵のところに腰痛持ちの女絵師のお景が来る。道庵が彼女に鍼灸治療を施したのを見て、お葉は鍼灸に興味を持つ。お葉とお景は働く女同士として友となる。
卯月(四月)。二年前に怪我をした目が痛み出した元相撲取りの新太に、道庵の元弟子の源信が手術を施す。
皐月(五月)。道庵が咳き込み、熱を出す。お葉は診療所を休みにし、道庵を休ませ、お灸をしていると、お繁がやって来る。便秘がひどくなってしまったらしい。道庵はちょうどいい機会だからとお繁を稽古台にし、お葉に鍼灸を試させる。
水無月(六月)。高家旗本の奥様が駕籠に乗りやって来る。飲水病(糖尿病)で、壊死した足を切断するという手術を拒み、ある御典医を怒らせてしまい、他の御典医たちにも治療を断られたという。道庵は奥様の治療を引き受けることにするが、前途多難。
お葉と道庵は師匠と弟子ですが、父と娘みたいな感じでもあり、これからも上手くやっていけそうです。
源信とお葉の二人はこれからは道庵を支えていきたいと思っているようです。
いっしょになって診療所を継げばいいと思うのですが、どうなるのでしょうね。
出世を考えている源信ですから、いい縁談があったらそちらにいきますよね。
お葉は昔のこともふっきれ、いい医師になりそうです。
<シリーズの順番>
③『お葉の医心帖 わかれの冬牡丹』
④『お葉の医心帖 きずなの百合』(本書)
馳月基矢 『拙者、妹がおりまして ①』 ― 2025/06/09

「第一話 つき屋始末」
亡父の跡を継ぎ、手習所の師匠を務めている白瀧勇実には、六つ下の妹の千紘がいる。
千紘は明るく活発でせっかちで、好奇心旺盛な性格。
一方、勇実は出不精で、温厚でのんびりしている。
千紘は現状で満足している兄をふがいなく思い、おせっかいを焼くが、勇実は勇実でそんな千紘を幸せにしてやらねばと思っている。
勇実の手習所は白瀧家と境を接した、剣術道場を営む矢島家の離れを使わせてもらっている。
白瀧家と矢島家は家ぐるみの親しい付き合いをしていて、勇実は矢島家の嫡男の龍治とは親友同士だ。
そんなある日、外出から帰った千紘が勇実と龍次に煮売屋のつき屋が十両用意しろと脅されているという話をする。
話を聞いたら最後、有無を言わせず、すぐに勇実と龍次は千尋につき屋に連れられて行き、つき屋のために一肌脱ぐことになる。
「第二話 恋心、川流れ」
勇実が千紘と龍次といっしょに両国の花火見物に行くと、武家の娘が船から落ちるのに遭遇する。
勇実は娘を助けに大川に飛び込み、千紘と龍次は船を出して、二人を船に引き上げる。
娘はしばらく白瀧家で預かることになるが、名が亀岡菊花ということはわかったが、何も話そうとはしない。
困った勇実は山蔵親分に素性を探るように頼む。
「第三話 神童問答」
勇実の手習所に母親に連れられて乙黒鞠千代という男の子がやって来る。
まだ七つで、他の手習所から幼いからと断られ続けているというが、母親は聡い次男坊の鞠千代を学問で身を立てさせてやりたいのだ。
勇実は断ろうとするが、話を盗み聞きしていた千紘が現れ、余計なことを言い出し、結局、引き受けることになる。
「第四話 道を問う者」
小普請組支配組頭の酒井孝右衛門が尾花琢馬を連れてやって来る。
勘定所で働いてから後に手習所の師匠になった勇実の父の源三郎が亡くなって三年が経つが、尾花は勇実に勘定所の仕事をしないかというのだ。
このことがきっかけとなり、勇実は己の行くべき道について考え始める。
一巻目なので、登場人物の紹介という感じです。
とにかく千紘が口喧しくて、何事にも首を突っ込んでくるという女性で、苦手なタイプです。兄妹というと、こういう感じにならざる得ないんでしょうか。
ステレオタイプではないですか。
それでも手習所の子供たちや勇実や龍次、尾花などの男性群が好印象なので、読み続けていけそうです。
<この頃のわんこたち>
兄犬はやっと胃腸の調子がよくなり、今は水でふやかしたドッグフードにトッピングで食べています。体重も3キロ台に戻りました。

トリミングが延期になったので、モジャモジャです。
近頃、スリッカーブラシを嫌がります。
次回から毛がからまないように、耳と尻尾、足の毛を短くしてもらうことにします。
未だにママのベッドの上で横になって寝ていますが、真ん中ではなくて足元の左端で寝るようになりました。

元気で変わり映えしないのがヨーキー弟。
アヒルちゃんがとうとう壊れてしまったので、新しいアヒルちゃんを買いました。
このアヒルちゃんはお値段のわりに(600円程度)長持ちします。
歯が丈夫で、すぐにおもちゃを鳴らなくしてしまうわんちゃんがいる方は試してみて下さい。
あさのあつこ 「針と剣 縫箔屋事件帖」シリーズ1~3 ― 2025/05/30

『風を繍う 針と剣 縫箔屋事件帖』
おちえは十六歳の黒眸勝ちの眼と肌の美しい娘で、父親の仙助は三代続いた縫箔屋『丸仙』の主。
父親が縫箔師だというのに、おちえは針仕事が苦手で、唯一誇れるのが榊道場の道場主の榊一右衛門から「男であれば、比類なき剣士になったであろうと」言われた剣の腕だ。
母親のお滝は、おちよが十二歳の春に娘が殺される事件が続き、我が身を己で護る術を身につけさせようと、おちえを剣の道場に通わせてることにしたのだが、娘が剣才の持ち主だった知り、今では己の誤算を嘆いている。
ある日、『丸仙』に端正な顔立ちの侍がやって来る。
彼は吉澤一居といい、仙助に弟子入りしたいという。
榊道場で一居の剣を見たおちえは、何故一居が武士の身分を捨ててまで縫箔職人になることを切望するのか理解できなかった。
そんな頃に『丸仙』の職人の正造の娘が殺される。
五年前の娘殺しがまた現れたのか。
『風を結う 針と剣 縫箔屋事件帖』
町人となった一居は『丸仙』に弟子入りをする。
ある事件により榊道場は閉門となり、十七になったおちえは自分の行く末を決められず悩んでいた。
女だてらに竹刀を握っていられる年でも身分でもない。いいかげんに踏ん切りをつけなければならない。でも・・・。
ある日、おちえが気を失ったため、丸仙かかりつけの医者の井筒崇徳が呼ばれる。
お茶を持ってきた一居を見て、崇徳の顔色が変わる。
一居は崇徳とは会ったことがないというが、崇徳は一居を知っているのか。
その次の日、崇徳が部屋で毒を飲んで亡くなっているのが見つかる。
遺書はないが、自死なのか、殺されたのか。
『風を紡ぐ 針と剣 縫箔屋事件帖』
おちえたちの奮闘の末に榊道場が再開される。
そんな頃に、不思議なこそ泥が現れる。夜中に二店でみみっちい盗みがあったのだ。それだけではなく、おちえの竹刀が盗まれる。おちえも一居も賊の気配に気づかなかった。
玄人の技と来し方を持つ、相当の手練れの盗人の仕業か。
これは大きな事件の前触れではないのか。
それからしばらくして、大和屋から小袖が盗まれる。
その小袖はおちえの父、仙助が花嫁のために渾身の縫箔を施した一枚だった。
大和屋から盗まれた小袖は、小さな寺の本堂裏で骸になった女に被せられていた。
女は誰で、大和屋と関わりがあるのか。
「縫箔屋」とは「金箔や銀箔を縫いつけたり、金糸・銀糸を用いた刺繍を商売とする家・人」のことです。
江戸の職人の生活に興味があるので、どんなものかと読んでみたのですが、1巻目で止めればよかったと思いました。
あさのあつこさんだからもっと面白くなるだろうと思って続けて読んでみたのです。
縫箔というと、「神田職人えにし譚」シリーズがありますが、ヒロインに関する限りでは、おちえよりも「神田職人えにし譚」シリーズのお咲の方が落ち着いた雰囲気で断然いいです。
まあ、十八になるおちえよりも二、三十代のお咲の方が酢いも甘いも噛み分けていますからねぇ。
おちえは自分の道を決めるまで、このままで行くのでしょうね。
グタグタ悩んでいる姿が幼過ぎて・・・。
事件帖というので、江戸で起こる事件がメインで、おちえと一居の二人で事件を追うのかと思ったら、違ってました。
おちえの悩み事が大部分で、事件がちょこっとって感じ。特に縫箔とは関係がありません。
格好いい岡っ引きの仙五朗がいるので、どうせなら彼と一居のイケオジ、イケメンの二人をメインにしてもらいたいものです。
あさのさんは「10代の少年少女が悩み、成長する姿を描く作品に定評がある」そうなので、このシリーズはある程度の年齢のいった人よりも、若い人向きの作品なのかもしれませんww。
初めて時代小説でも読んでみようかなと思ったら、読んでみるといいですね。
歴史小説シリーズ ― 2025/05/23
シリーズ物はきりがないので、面白くなくなった物は読まないことにしようとは思いますが、なかなか止められません。
今回の三冊、面白さが盛り返してきています。

知野みさき 『秘す歌加留多~上絵師 律の似面絵帖~』
シリーズの十三冊目。
葉茶屋・青陽堂の嫁で上絵師の律は再び懐妊した。前のようにならないように律も周りも気をつけている。
そんな時に、今井の手習い指南所で歌加留多の「い」の札がなくなり、歌加留多を新しくすることになり、律が絵を描くことになる。今の加留多の取札は律の父が描いたものだ。その他に律は独楽回しに贈る独楽の意匠の着物を頼まれる。
そんな中、律と慶太郎の周りに怪しい男が現れる。
岡っ引きになりたがっていたお嬢さまで世間知らずの綾乃が茶屋で働き始めます。
いつまで働き続けられるのか。
お上の似面絵を描いている律ですが、知り合いからも似面絵を頼まれるようになります。似面絵は写真みたいなものです。
今回のテーマの歌加留多にも色々な意味合いがあるんですね。
律はまた子どもを助けようとして、危ない目に遭います。懐妊している時はやめてほしいです。
次回に律が無事に出産できることを願っていますわ。
坂井希久子 『桜ちらし 花暦 居酒屋ぜんや』
シリーズの八作目。
升川屋の若様の千寿がお花に求婚した。それをたまたま目撃した、千寿のことが好きなおかやはお花に口をきかなくなり、嫌がらせまでやるようになる。
千寿が本気であることを知った熊吉はお花への思いを断ち切り、仕事に邁進することにする。
臨月のお妙が無事に出産できることを祈る皆だったが、いよいよお産が始まる。
薬種問屋に勤めている熊吉は同僚に恵まれていないようで、彼が大旦那に目をかけられているのが気に入らないのか、いつも足を引っ張られています。
大旦那はそんな熊吉に同輩からの嫌がらせすらさばけない者が番頭になっても、よその店が足を引っ張ってくるのに太刀打ちできない。人の上に立つにはもっと太い、胆力のようなものが必要で、熊吉の優しさは美点だが、欠点でもある。奉公人を辞めるか、と訊いてくる。熊吉は試されているんですね。
お花がぜんやを継ぐまでのお話かと思ったら、熊吉がメインになりそうな雲行きになってきました。
さて、お花は千寿と熊吉のどちらを選ぶのか、それともどちらも選ばないのか、わからなくなってきました。
風野真知雄 『ざまあみろ わるじい義剣帖(五)』
愛坂桃太郎と盟友の朝比奈留三郎は女絵師お貞とおぎん殺しの下手人である川内玄斎を捕らえるのに難儀していた。
玄斎を泥人形を使っておびき出すのが一番簡単だが、孫の桃子に危害を加えられる恐れがあるからだ。
桃太郎は玄斎を捕らえる忙しいのに、頼まれると嫌と言えず、銭湯で高い湯銭を払う男の謎や綿を置いていくじじい小僧の謎、毎朝馬を、夕方、牛を連れて行く武家の奉公人の謎、木札をつけた亀の謎を解いていく。
桃子の義父の雨宮に桃太郎の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいですわ。
雨宮みたいな奴ってどこにでもいますね。私は桃太郎派なので、雨宮がちょっと羨ましいです。
今回はいつもより桃太郎の桃子愛にジーンとくるお話です。
畠中恵 『ああうれしい』 ― 2025/05/15
まんまことシリーズの十作目。

江戸、神田の町名主の跡取り息子の高橋麻之助は町名主・西森金吾の娘・お和歌と結婚し、息子の宗吾を授かる。
だが、相談事は待ってはくれず、相も変わらずの生活をしている。
高利貸しの丸三から、お虎と夫婦になりたいが、お虎に妻になれないと言われたと相談され、猫探しをし、大店の主から”ああ嬉しい”と思わせて欲しいと頼まれ、縁談の相手探しとかんざしの盗人探しをし、最後は風邪をひいて一波乱。
いつになったら父のような町名主になれるのか。
麻之助の悩みは尽きない。
このシリーズも長く続いています。
シリーズ物をすべて読んでいくのは大変なので、麻之助も落ち着いたことですので、ここらで読むのを止めようと思います。
麻之助が父親の跡を継ぎ、いい町名主になれますように、これからも祈っていきますわww。
<シリーズの順番>
④『ときぐすり』
⑤『まったなし』
⑥『ひとめぼれ』
⑦『かわたれどき』
⑧『いわいごと』
⑨『おやごころ』
⑩『ああうれしい』(本書)
読んだ文庫本(時代小説) ― 2025/05/12

鷹井伶 『てきてき 浪華おなご医師と緒方洪庵』
亜弥の生家は下総の古河で薬種を商っていた。十三の時に姉の代わりに、大阪の高名な蘭学者の息子で今は遊学中の男との縁談で大阪に行く。
姑になる定は日本初の蘭和辞典を完成させた海上随鷗の娘で、蘭学にも医学にも通じ、長年医師として稼ぎ、夫の天游を支えていた。
定は息子の嫁にいずれ自分のような医者になってもらい、息子の嫁として手助けをさせたいと思っていた。
亜弥は学問好きで、父より本草や陰陽五行など本道の基本を教わっており、蘭学を学びたいと思っていたので、この縁談に飛びついた。
定は亜弥を緒方洪庵の適塾に入れる。
男のなりをして亜弥は適塾に通い始めるが、小ぼんをはじめとする他の男性塾生たちと親しく交わうようになる。
やがて洪庵にも認められ、往診の手伝いをするようになるが・・・。
1838年に緒方洪庵が開設した適塾ですが、女性の塾生は実際にはいなかったそうです。
いたらどうだったかと考えると、亜弥のようにはいかないように思います。
やっぱり男からの嫌がらせがあり、通えなくなったのではないでしょうか。
悪く考え過ぎですかね。
高田在子 『茶屋占い師がらん堂 狐祓い』
最福神社門前の茶屋「たまや」の一角で開かれている占い処「がらん堂」の占い師・一条宇之助のところに様々な悩みを持つお客がやって来る。
女遊びが趣味の男と所帯を持つことを躊躇している女、息子が嘘をつくようになり、狐に取り憑かれたのではないかと心配する母親、道場主を決める試合に勝てるかどうか占いに来た武士、役者と親しくなるにはどうしたらいいかを占いに来た男・・・。
宇乃助はどのお客にも全身全霊で話を聞き、「占った相手が幸せになるために、一歩踏み出す勇気を与える」ために助言を与えていく。
茶屋占い師がらん堂シリーズの四作目。
「たまや」の娘のすずが主人公で進むのかと思ったら、違いました。
宇乃助がメインで、すずはそばにいるだけです。
すずは人が嘘をついているかどうかわかるという能力を持っていますが、今のところ役に立っていません。
この後、どうなるのかちょっと心配ですが、題名が「がらん堂」ですから問題ないですよねww。
<シリーズの順番>
①~③『茶屋占い師がらん堂』、『茶屋占い師がらん堂 招き猫』、『茶屋占い師がらん堂 異国の皿』
風野真知雄 『魔食 味見方同心(四)おにぎり寿司は男か女か』
今回、南町奉行所味見方に属する隠密同心の月浦魚之進が扱う奇妙な食べ物は、「おにぎり寿司」と食べると子どもが授かるという「子どもうどん」、ゾウの鼻の「ゾウ煮」、どじょう屋の「怪獣椀」です。
魚之進、何やら会津藩と薩摩藩に関わる陰謀に巻き込まれそうです。
毎回言っていますが、よく考えつくと感心しています。
「おにぎり寿司」が1番食べたいかな。店主が殺されちゃうのがなんですがw。
「子どもうどん」はキノコ、タケノコ、カズノコ、タラコ、きな粉、卵が入っているんですって。きな粉はいらないけど、まずくはなさそう。
「ゾウ煮」と「怪獣椀」はいりません。
次はどんな料理が出るのか、楽しみです。
<ChatGPTで遊んでみる>
動物を人間にできると聞いて、わんこたちの写真を二枚使って一枚の写真にしてもらいました。
すると・・・。

アラ、美女二人!
犬はメスと決まっているのでしょうか。
次は別の二匹で写っている一枚の写真ではどうなるのかと再度やってもらうと・・・。

こっちの方が家のわんこたちらしいかな。
でも、ひょっとしてこの子たちも女の子なんではないでしょうか。
最後に二枚の写真を使って一枚の絵にしてもらいました。

↑これがもとになる写真です。

右側の弟がヨークシャテリアだとわかりませんね。
本物よりも育ちの良さそうなわんこですww。
読んだ時代小説シリーズ ― 2025/04/02
読んだ文庫本が溜まっているので、いつものようにまとめて紹介します。
まず、私の好きな二つのシリーズ。

知野みさき 『南天の花 神田職人えにし譚』
縫箔師・咲の周りではおめでたが続く。しかし、桝田屋の美弥の義母から志郎の浮気疑惑を相談されたり、職人仲間の修次が女といっしょにいたと言われたりと、いろいろとつまらぬ噂話をわざわざ伝えに来たりする人がいる。そんな時に、昔の男、雄悟と出会う。
一方、仕事の方は順調だ。人形の着物の注文がくる。それが縁で、咲は戯作者・魔魅団三郎の秘密を知る。
しろとましろの双子の兄弟子の豆太郎という謎の人物が現れる。
修次は古い知り合いの喜兵衛の余命が短いことを知り、彼の娘を探している。
やっと娘は見つかるが、喜兵衛に会いたがるかどうかわからない。娘が武家に嫁ぐと聞き、喜兵衛は修次に簪を、咲に筥迫(はこせこ:着物を着たときに胸元に入れて持つ小間物入れ)を頼む。
いつものように、咲と修次の間に進展はありません。
咲は修次のことを職人仲間としか思っていないような感じですねぇ。
こんな調子で続いていくのでしょうか。
筥迫は普段着物を着ても持っていない人の方が多いですよね。
調べてみると、刺繍が映えそうな、今の化粧ポーチみたいなものです。
着物を着た花嫁さんが持っていそうです。
篠綾子 『十五夜草 小烏神社奇譚』
ある日、寛永寺の住職に仕える侍の田辺がやって来る。寺に首のない幽霊が現れたという。早速竜晴は寛永寺に行き、魔除けの呪を施す。
その夜、その霊が小烏神社に現れる。霊は天草四郎で、天海大僧正を訪ね、乱のさなかに呪詛を行ったかどうか訊きたかったという。
竜晴は行っていないと答え、四郎に忘れ草を渡す。しかし、仲間の悪霊が現れ、四郎を連れ去ってしまう。
茅の輪の件でやって来た大輔と花枝が夜の町に首なし男の幽霊が徘徊しているという話をする。竜晴は刀剣の付喪神である獅子王とおいちに夜回りを頼み、見つけたら小烏神社まで連れてきてほしいと頼む。
七月になり、父親の墓参りに行って来た泰山が墓守の鬼を連れて帰って来る。
墓守が首なし男の幽霊に会っていたので、竜晴は次に見かけたら小烏神社に案内するように頼む。泰山は墓守と会って以来様子がおかしい。どうも墓守から予知能力を授かったようだ。
その頃、竜晴は夢の中で何者かに早く目覚めるようにと命じられる。
無事に天草四郎は昇天するが、平将門公の首塚に関する気になることを話していく。
十月に鷹狩が行われる。ところがその後、首塚が暴かれ、伊勢貞衡が平将門公の霊に憑かれてしまう。
急いで竜晴は貞衡の屋敷に行こうとするが・・・。
最終巻だそうです。
賀茂家に伝わる使命が明かされ、付喪神たちが本性を現します。
よくできた時代物ファンタジー小説でした。
終わるのは残念ですが、西国でのお話で竜晴たちにまた会えることを願っています。
最後に10巻すべてを載せておきます。
ちなみに十五夜草とは「紫苑」のことで、花言葉は「君を忘れない」。
「思い草」とも言われていたようです。
反対の「忘れ草」は「萱草(かんぞう)」のようです。
「お江戸けもの医 毛玉堂」シリーズ ― 2025/03/01

江戸時代に獣医がいたとは思いもしませんでした。
本当にいたのでしょうか?
谷中感応寺の境内に、かつて小石川養生所で腕が良いと評判の医者だった凌雲と妻の美津が営んでいる≪毛玉堂≫という動物の病を診る医院がある。
凌雲と美津は≪毛玉堂≫の庭に捨てられた黒太郎と白太郎、茶太郎という三匹の犬とキジトラ猫のマネキを飼っている。
凌雲は腕は確かなのだが、無愛想。
美津が凌雲と患者の飼い主の間を取り持ち、なんとかやっている。
毛玉堂に毎日やって来るのが、美津の幼馴染みで江戸三大美人と言われる美貌のお仙。
お仙は笠森稲荷の境内にある水茶屋≪鍵屋≫の看板娘で、笠森稲荷一帯の地主で三百石の旗本である倉地家の跡取り息子の政之助と恋仲になっている。
毛玉堂に持ち込まれるけものたちの問題を、凌雲と美津は様々な観点から探り解決していく。
さて、どのような問題が持ち込まれたのか。
『お江戸けもの医 毛玉堂』
「お化け犬」
十二歳になるコタロウという犬が三日も食べていない。これ以上苦しませたくないという飼い主だが。
「そろばん馬」
算術ができるという”そろばん馬”の竹馬が、算術を間違えるようになったのは何故かという相談。
「婿さま猫」
六つになる牡猫のトラジが、この一月ほど、夜になると何の理由もなく急に飼い主の妻に襲いかかるようになったという。その理由は?
「禿げ兎」
絵師の鈴木春信が飼っている兎の耳の裏側に禿げができたという。近頃、春信は兎を抱いたお仙の絵を描いている。春信はお仙が原因だというが。
「おもらし犬」
深川今川町の足袋問屋≪山吹屋≫の若旦那が飼っている狆が、息子が生まれて一月ほどしてから、息子はを追いかけ回して、小便を引っ掛けようとするので、困っているという。何故なのか?
『玉の輿猫 お江戸けもの医 毛玉堂』
「玉の輿猫」
飼い主に連れられて来た茶色い狐顔の仔犬のコンタはとても利口な犬だ。
ところが数日前から脚を引きずり、押すと痛むという。どうも生まれつき節が弱いようだが。
「ご隠居鳥」
料亭≪玉屋≫で飼われていた緋鸚哥の赤玉が自分の嘴で羽を毟るので、胸のあたりの羽がごそっと抜けてしまったという。鳥に詳しくない凌雲は鳥屋に紹介してもらい、赤玉の相談ができるようにする。
「お馬鹿犬」
てろ助は飼い主が躾もせずにかわいがるばかりなので、傍若無人にふるまい、周りを困らせているが、飼い主は頓着しない。凌雲がてろ助はいつか命に関わる事故に遭うと言うと、それでは凌雲と美津で躾の行き届いた良い犬にしてくださいと言いだす。てろ助を引き受けた凌雲と美津は賢犬堂の伝右衛門に相談しに行く。
「目覚まし猫」
十三歳になる雄猫の玉三郎がこのところ夜中に騒いで飼い主を起こすという。
飼い主の家に行き、夜中に凌雲は飼い主と釣りをし、美津は玉三郎の様子を見ることにする。
「けんけん堂」
賢犬堂から迎えた一歳ぐらいの中型犬、影法師は穏やかで、何があっても怒らない。大八車に轢かれて尾が千切れても悲鳴さえあげず、微動だにしない。それなのに、人間が手を上げると怯える。なんとも不自然だ。何か理由があるのか?凌雲と美津は賢犬堂の伝右衛門に影法師のことを聞きにいく。
『うぬぼれ犬 お江戸けもの医 毛玉堂』
「よごれ猫」
お仙がもぐらという猫を連れて来た。もぐらは薄汚れていて、ものすごい臭いがする。猫は本来、匂いが少ないはずなのに何故なのか。
「猿田彦」
お仙が小梅という犬を抱いてやって来る。猫派だったはずなのに、この頃は犬の匂いが好きだという。
猿回しが猿を連れて来た。猿が鍵の開け方を覚えてしまい、檻の中に閉じ込めても、鍵を開けて外に出てしまい困っているという。猿を預かることにするが。
「うぬぼれ犬」
鈴蘭という女けもの医者が猿に噛まれ腫れていた美津の手の治療をしてくれる。
千駄ヶ谷の湯屋の娘が二歳の雌犬のお姫を連れてくる。お姫は鏡に映った己の姿に岡惚れしているという。
「愛馬小栗」
柳沢村の死産した馬の小栗が立てなくなった。早速、凌雲と美津、そしてたまたま毛玉堂に来ていた鈴蘭は柳沢村へ行く。鈴蘭は膿で晴れたところに針を差し、膿を出し、小栗を助けた。村人の男たちは凌雲先生のお陰だと言うが、女たちは…。
「金八金魚」
赤ちゃん連れの若い母親が金八という金魚が気鬱の病に侵されたといってやって来る。金八はもともと色鮮やかな琉金だったのに、色が黒ずんでしまったという。
凌雲と美津は彼女と亭主が営む古着屋に行って調べてみると・・・。
ほとんどのけものたちは環境の変化に馴染めず、問題行動を取るようになったようで、凌雲と美津夫婦はその原因を上手く探っていきます。
ちなみに、うちの弟犬はたまに休日に吠えるという問題行動を起こします。
休日はパパがいるので、何かあるんでしょうねww。
お仙はトラブルメーカーなのですが、美津はそんなこと気にしていませんし、凌雲や飼い主に対する接し方が優しいです。
美津はしっかり者で気のいい女性です。
いつか凌雲先生と本当の夫婦になれるといいですね。
けものたちのこと以外に、凌雲と美津夫婦のことやお仙に押し付けられた子ども、善次のこと、お仙の嫁入り話、女けもの医者、鈴蘭のこと、仔犬たちに厳しい躾をする≪賢犬堂≫の伝右衛門のことなどが書かれています。
悪い人の出てこない、ほっこりしたお話です。
犬の躾のやり方も参考になるかもしれません。
気になる方は読んでみてください。
食べ物を扱う女性職人シリーズ(時代小説) ― 2025/02/22
江戸時代に生きる若い女性たちを描いたシリーズです。
彼女たちは料理人や菓子職人、茶屋の経営などをしています。

泉ゆたか 『うたたね湯呑 眠り医者ぐっすり庵』
京都から戻った藍は≪ぐっすり庵≫が≪福もみ屋≫になっているのを見て驚く。
藍がいなくて差し入れが滞ったので、久の忠言をきき、福郎と猫のねうが按摩の仕事をしていたのだという。
神田明神下の茶屋、千寿園は藍が考案した”かくし茶”で繁栄しているが、赤字寸前で、このままでは半年も持たないという。
一心から次なる一手を考えるように言われる藍。
さて、どうする、藍。
そんな時に、兄の松次郎を探しているという為五郎という男がやって来る。
どうも長崎では松次郎の首に賞金がかかっているらしい。
為五郎が、松次郎が江戸に戻っていることを知らない伯父夫婦のところにやって来たらしく、それから彼らの様子が変わったという。
そこに京都にいるはずの幸四郎が現れる。
自暴自棄になっている松次郎に幸四郎は大草能登守のお姫さま、咲子の病の治療の話を持ってきた。
咲子の病を治すことは、大草に無実の申し開きをする、またとない機だが・・・。
眠りの大切さを教えてくれるお話です。ねうのような眠り猫がほしいです。
お話もハッピーエンドということで、これで終わりなのでしょうか。
美味しい日本茶が飲みたくなるシリーズです。
シリーズの順番
①『猫まくら 眠り医者ぐっすり庵』
⑤『うたたね湯呑 眠り医者ぐっすり庵』(本書)
中島久枝 『おでかけ料理人 おいしいもので心をひらく』
元日本橋の老舗「三益屋」の娘で今は出張料理人の佐菜は16歳。朝は大鼓の石山流宗家の一人息子の専太郎の朝餉を作り、その後に神保町の煮売り屋のおかねの店で働いている。依頼があれば、その家に行き、料理を作る。
今回は、須田町の居酒屋、満々屋の大将から黒門町に住む独り暮らしの母親へ料理を作る依頼と日本橋の白蘭屋のおかみかから軍鶏鍋の依頼、能の太鼓の石山名人と大工の甚五郎から船場汁の依頼、郷里から出てくる父親に食べさせるれんこん料理の依頼だ。
心に一物があり、なかなか心を開けなくても、いっしょにおいしいものを食べれば、心が通じるということはありますよね。
上方と江戸前では料理の味がちがうそうですが、食いしん坊の私は佐菜ちゃんと同じくどちらも好きです。
江戸は目の前が海ですが、京は新鮮な魚介類が手に入らないので、京の料理人が知恵をしぼり、工夫を重ねたそうです。
佐菜の腹違いの弟の市松の今後が気になります。
シリーズの順番
③『おでかけ料理人 おいしもので心をひらく』(本書)
中島久枝 『にぎやかな星空 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(十三)』
日本橋の浮世小路にある菓子屋、二十一屋はのれんに牡丹の花が白く染めぬいてあるので、牡丹堂と呼ぶ人もいる。職人は主で親方の徹次と徹次の息子の幹太、留助と伊佐、昨年、伊佐と所帯を持ったばかりの二十歳の小萩だ。
小萩はなんとか一通りの菓子が作れるまでになったので、小萩庵という看板を出し、お客の注文を受けている。
今回の注文は、夜咄の茶事のお菓子と二人静にちなんだお菓子、『鉢かづき姫』の物語にちなんだ最中。
二十一屋では幹太の考えた市村座の『阿古屋』で難役阿古屋に扮する人気女形の仲屋咲五郎にちなんだお菓子「咲五郎の阿古屋」を作って、芝居小屋で売ることになる。
私的には幹太の恋のお話が一番よかったです。
幹太は年上の母親と似た女性に恋したのですが、心の始末のつけ方が粋でした。
小萩がお客さんの事情に関わりすぎて、つかれ過ぎることを心配する伊佐はいい旦那さんです。
小萩は子どものことを考えていますが、仕事のことがあるので、思い切れないみたいです。伊佐は父親と幼い頃に別れたので、父親というものがわからず、自分みたいな者でも父親になれるのかと言っていますが、どうにかなりますよね。
シリーズの順番
⑥『はじまりの空 日本橋牡丹堂 菓子ばなし』
⑬『にぎやかな星空 にぎやかな星空 菓子ばなし』(本書)
坂井希久子 『菊むすび 花暦 居酒屋ぜんや』
お妙の体の調子が悪い日が続いている。
そんな時に、俵屋の若旦那とお梅の祝言の料理を何品か作って欲しいとの依頼がくる。
『ぜんや』で何度も飯を食べている花嫁のお梅を、思い出の味で慰撫してやろうというのだ。お花がお妙の代わりに作ることになるが、果たしてお花にお妙の代わりが務まるのか。
やっとお花も『ぜんや』を継ぐという強い意志を持ったようです。
いくらなんでも今まではいい加減でしたものね。
次が楽しみです。
シリーズの順番
②『萩の餅 花暦 居酒屋ぜんや』
⑦『菊むすび 花暦 居酒屋ぜんや』(本書)
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