NTL「欲望という名の電車」を観る ― 2025/11/29
NTL(National Theatre Live)は夜の回しかないことが多いのですが、探してみると昼間にやっている所があったので行ってきました。
日本では沢尻エリカや篠井英介などが主演で上演されたようです。

「A Streetcar Named Desire」 (2014年)
上映時間:2時間55分
演出:ベネディクト・アンドリュース
作:テネシー・ウィリアムズ
出演:ブランチ・デュボア ジリアン・アンダーソン
スタンリー・コワルスキー ベン・フォスター
ステラ・コワルスキー ヴァネッサ・カービー
ブランチ・デュボアはニューオーリンズにやって来た。
彼女はかつて南部の大地主の娘だったが、屋敷は失われ、英語教師をして暮らしていたが、ある事情から教師の職を追われた。
そのため妹のステラが兵隊あがりのポーランド系工場労働者スタンリー・コワルスキーと結婚して住んでいるニューオーリンズの家に転がり込んだのだ。
しかし、気位の高いブランチと粗野なスタンリーはそりが合わず、ことごとく衝突する。
ブランチはスタンリーの同僚のミッチと結婚して人生を立て直そうとするが、スタンリーはブランチの過去を詮索し、暴露し、ミッチとの仲をぶち壊す。
望みを失ったブランチは…。
この戯曲は1947年にジェシカ・タンディとマーロン・ブランドで初上演され、
1951年にエリア・カザンがヴィヴィアン・リーをブランチとし、他は舞台と同じ俳優で映画化しました。
同性愛や少年愛、レイプ等が描かれていたため、当時は自主規制がされていたようです。
映画のマーロン・ブランドと比べてはいけないのですが、ベン・フォスターの演じるスタンリーはちょっと粗野っぽさが足りない感じでした。
当時のポーランド系移民は「新移民」として下に見られる存在でした。
彼が執拗にブランチをいたぶるのは、ポーランド系であるというコンプレックスとマスキュリズムが影響しているのでしょうね。
こんな彼と喧嘩しては殴られているというのに離れられないステラは、子供が生まれてから後悔しそうですね。
ブランチ役のジリアン・アンダーソンは、実は私、彼女の甲高い声が嫌でした。
演技上わざとやっていたのでしょうかね。フランス語っぽい英語なのでしょうか。
私の思うブランチはもっと低音の酒で荒れたザラザラした声の人なのですが。
でも、休憩が終わったあたりから、彼女の声が気にならなくなりました。
流石、ロンドン・イブニング・スタンダード・シアター・アワードの主演女優賞やローレンス・オリヴィエ賞最優秀リバイバル賞を取っただけあります。
ブランチがスタンリーたちに偽りの姿を見せていたのは、ブランチの育った家庭や悲劇で終わった結婚生活、その後のすさんだ生活などを鑑みると、彼女が自分の世界を護るためには仕方がなかったのではないかと思えます。
ブランチは私は40~50代と思っていたのですが、ひょっとすると30代?
劇場はロンドンにあるYoung Vic。
舞台の真ん中にアパートの一室があり、周りを観客が取り囲むという形で、360度ステージが回転します。俳優たちの感覚がおかしくならないかと心配でしたww。
幕間に観客たちの前で俳優たちが衣装替えをしたり、スタッフが後片付けなどをするのが見えます。
カメラワークも様々な角度から撮られていて、最前列で見ている感じがしました。
NTL、昼間も上演する劇場が増えてくれるとありがたいのですが。
山本巧次 『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう その蔵はなぜ狙われる』 ― 2025/11/19
この頃、よく見ている動画があります。
それは「ヒカの台所日記」という50代女性が綴る毎日のご飯の動画です。
元お料理の先生なので、台所や道具はピカピカで、品のいい食器と盛り付けなどを見ていると和みます。
体調がふるわず、手が痛くなり、お料理教室は止め、ご両親の家の近くに一人で住み始めたようです。
よく実家に行き、畑を耕して、そこで採れた野菜を料理しています。
料理なんかできるだけ作りたくないという私と比べると、ちゃんと生きている人だなと思います。
人の声の好き嫌いがあるので、この動画のように調理をする音とバックグラウンドミュージックだけの動画は心地よくて好きです。
そういえば荒川弘の漫画『百姓貴族』のシーズン3が放送されているらしいですね。
私は見ていない、というか放送されているのを知らなかったのですが、YouTubeで見られるようになっています。
4分という短い時間で、北海道の農家の実態がわかります。
興味のある方は見てみてくださいませ。
「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」シリーズの十二巻目。

現代の東京から文政年間の江戸の間を自由に行き来する関口優佳ことおゆうは、小料理屋「さかゑ」で飲んでいる時に茅場町の岡っ引きの喜久蔵から、亀戸村にある札差「生田屋」の寮の蔵に三人組の侵入者があったことを聞く。
おかしなことに、蔵は三カ月前に建てられたが中は空っぽ、足跡があったが生田屋の旦那は何も取られていないという。
気になったおゆうは蔵を見に行く。
翌朝、本所緑町河岸で殺しの疑いのある土座衛門が見つかる。
殺された時間から推理すると、例の蔵と関係がありそうだった。
おゆうは科学分析ラボの宇田川に協力してもらい、二つの事件が関連することを突き止めるが、なぜ賊は何も入っていない蔵に忍び込んだのか、その理由がわからない。
調べていくと、とんでもない企みが明らかになる。
今回の江戸時代の有名人は松平越中守こと松平定信です。
大河ドラマに出ていましたっけ。
彼が事件とどのような関係があるのかは読んでのお楽しみ。
なんかおゆうと鵜飼伝三郎の間が進展せず。
その上、鵜飼の謎が未だ解けずで、お話のスピードの遅さに少しイライラしてきました。
このまま何十巻も続くのかしら…?
「アバウト・ライフ 幸せの選択肢」を観る ― 2025/11/13

久しぶりに神明宮に行くと、イチョウの木を刺繍した御朱印がありました。

意外と再現率が高いですね。
今年はファンだった俳優がお亡くなりになる年でした。(まだ一か月ちょっとあるけど)
まず、ロバート・レッドフォード。
ビデオで「追憶」を見た時に、初めてなんて美しい顔の男性なんだと思いました。
バーバラ・ストライサンドが椅子に座って居眠りしている彼の顔を愛おしいそうになでるところが印象的でした。
女優ではダイアン・キートン。年を取ってからの彼女が好きでした。
Prime Videoで「アバウト・ライフ」が見られるようなので、見てみました。
遺作ではなく、「Book Club:The Next Chapter」と同じ2023年の作品です。
英語の題名は「Maybe I do」。

一人で映画を見に行ったグレース(ダイアン・キートン)は、映画館で泣いている男、サム(ウィリアム・H・メイシー)に気づく。
彼の席の隣に行き、慰めるグレース。
話してみると、二人は気が合ったので、モーテルに入ろうとするが、止めて、ずっと歩きながら話を続ける。
ハワード(リチャード・ギア)はホテルのベッド上で頑なに雑誌を読んでいるふりをしている。
四カ月付き合っているモニカ(スーザン・サランドン)はセクシーなナイトガウンを着て彼に関係を迫るが、ハワードは君を抱くつもりはないと告げ、部屋を出ていく。
友人の結婚披露宴に出席したミシェル(エマ・ロバーツ)とアレン(ルーク・ブレイシー)。
花婿からブーケトスでミシェルがブーケを取ることになるから覚悟をしておけと言われ、アレンはブーケがミシェルの手に渡らないようにしてしまう。
そのためミシェルが激怒し、二人の関係は危うくなる。
ミシェルは結婚したいのだが、アレンは結婚はせずに今の同居生活を続けていたいのだ。
その夜、ミシェルは二人のアパートには帰らず、両親の家に行く。
ミシェルからアレンとのことを聞いた両親は話し合いをするためにアレンと彼の両親を夕食に招くことにする。
アレンと彼の母親はその招待を断るつもりだったが、父親が承諾してしまう。
翌日の夜、アレンたちがやって来るが、なんとアレンの両親はサムとモニカで、ミッチェルの両親はハワードとグレースだった。
サムとモニカは仮面夫婦で、二人の関係は冷めきっており、会話もない状態だった。
モニカはインテリアデザイナーで毒舌家。
サムはそんな彼女との会話を諦めていて、グレースとの会話に久しぶりに癒しを感じる。
アレンはそんな両親を見ているので、結婚には懐疑的だ。
ハワードとグレースの関係はサムたちほど壊滅的ではなく、傍目には仲良く見えるので、ミッチェルは両親のような結婚がしたいと思っている。
ハワードは本人曰く、ちょっと冒険がしたくなりモニカと四カ月付き合ってみたが、別れを切り出していた。
モニカはハワードと別れると別のがすぐに表れないからと、ハワードに固執しているだけ。
グレースはハワードの気持ちが自分から離れていることに気づいている。
サムとの楽しい会話に心が弾んだが、結局、自分がハワードをまだ愛していることに気づく。
若いカップルはというと。
アレンは結婚すると、自分が両親のように仮面夫婦になるのではないかという思いが捨てきれず、結婚に踏み切れない。
ミシェルは結婚はいいものだと一途に思い込んでいる。
未来は不確かだけど、今が大事。残りの人生をあなたと過ごしたいとアレンに言うが…。
モニカのような母親に育てられたら、女性嫌悪になってしまっても仕方ないと思えますが、アレンはそうはならなくてよかったですね。
サムは一見いい人そうに見えたのですが、二回しか会っていないのに、グレースにタヒチへ行こうとか言うのですよ。ちょっとストーカー気質?なぜ、タヒチ?
一番いい加減な人はハワードですね。グレースへの気持ちにやっと気づきますが、また浮気しそう。
グレースは信心深そうだから、ハワードがどうなろうが死ぬまで彼と暮らし続けていくのでしょう。
スーザンさんがちょっとイタイ感じの肉食女性を熱演していました。
ダイアン・キートンはダイアン・キートンでした。
素敵なお洋服です。着こなしがいいんでしょうね。
私が同じものを着ると、ただの太ったおばさんになってしまいますわ。
リチャード・ギアは意外と若い頃そのまんまで、少し優しそうになっていました。
いい年の取り方をしているのかもしれませんね。
若い恋人たちがレストランでイチャイチャしているのを見ている時の彼の表情がよかったです。
日本の映画の宣伝でW不倫と言っていますが、少なくともサムとグレースの関係は不倫以前だと思いますけどね。
「チーターズ」というマイケル・ジェイコブス監督自身の戯曲を下敷きにした映画だそうで、会話が主で、一方的に結婚についてどう思っているのか聞かされ、まともに聞いていると疲れますので、覚悟をして見た方がいいかも。
私は会話は適当に聞いて、俳優たちの顔や女性の衣装しか見ていなかったので、十分楽しめました。
まあ、名優たちを無駄に使っているなとか、ちょっと思いましたけど、舞台ならこんな感じよねぇ。
「ハード・トゥルース 母の日に願うこと」を観る ― 2025/10/30
原題「Hard Truths」。イギリス映画です。
副題が余計だと思いますが。

パンジーは朝から晩まで配管工の夫と22歳の引きこもりの息子に不平や文句を言って過ごしている。
虫や動物、植物などを異常に恐れ、毎日家じゅうをピカピカにしないではいられない。
ソファを買いに行くと、店員にクレームをつけ、病院ではいつもと違う若い女性医師の治療に文句をつけ、歯医者でも同じことをしたので他の病院に行ってくれと言われ、駐車場やスーパーではお客と喧嘩をする。
一方、妹のシャンテルは美容師として働きながら、シングルマザーとして二人の娘を育て、いつも笑顔で、笑いが絶えない生活をしている。
母の日に、パンジーはシャンテルに五年前に亡くなった母のお墓参りに誘われる。
パンジーはいやいや墓参りに行く。
母の墓前でパンジーは、母はシャンテルばかりひいきしていたと、母の悪口を言う。
どうもパンジーは母が亡くなっているのを見つけ、それがトラウマになっているようだ。
妹は「あなたを理解できないけど、それでも愛している」と言うが…。
妹の家に夫と息子も集まり、母の日のディナーを食べるが、パンジーは頑なに食べようとはしない。
息子が彼女に花束を買ったと聞き、微妙なパンジー。
家に帰り、一応、花束を花瓶に入れる。
しかし、その後、パンジーは夫に理不尽な怒りをぶつける。
夫はそんなパンジーに対抗するわけでもなく、ただ花束を庭に捨てるだけ…。
何も言わずに、罵詈雑言に耐えている夫と息子に同情してしまいました。
とても素敵な家に住んでいるのに、何が不満なのでしょうか。
夫に追い出されても文句を言えないですよ。
描かれていませんが、何か夫に負い目があるのでしょうか。
夫の方の家に何かありそうな感じが漂っています。
息子には明るい未来を暗示する場面がありましたが、夫はどうなんでしょうね。

運転しながら口をへの字にし、眉間にしわを寄せているパンジー(↑)。
怖いですねぇ(笑)。
パンジーはエレベーターに乗れないことや、人に対して攻撃的なわりに傷つきやすかったりするところから、母親との関係では満たされず、寂しい思いをしてきたことや周りの人たちとも何かあり、人に対する不信感が育まれたんではないかと伺い知ることができます。
何か精神的な病がありそうな感じです。
とにかく彼女の罵倒語の語彙の豊富さには驚きました。
女医さんを「眼鏡をかけたマウス」と言った時には吹き出しそうになりました。
だって、そっくりなんですもの。
たとえ彼女が自分は孤独だと思っていたとしても、理解しようとしてくれる妹がすぐそばにいるということに気づいて欲しいですね。
気づけないところが不幸なんでしょうけど。
この映画も見る人を選ぶ映画です。
中年女性の罵詈雑言に耐性がある方は見てください。
私はうんざりしましたが、悪態をつく言い方にも様々なバラエティーがあるんだなと感心しました。
マイク・リー監督は「脚本を用意せず、即興でリハーサルを重ねて作りあげていく」人らしいので、パンジー役のマリアンヌ・ジャン=バプティストがどう言えばいいか考えたんでしょうかね。
なんかほっこりする映画が見たくなりましたわ。
予告編 (悪態の一部をご覧くださいwww)
「アーサーズ・ウィスキー」を観る ― 2025/10/04
今月は映画館で観たい映画が特にないので、適当にPrime Videoで探して観てみました。
原題も「Arthur's Whisky」。

発明家だった夫のアーサーが雷に打たれて急死した。
ジョーンは親友のリンダとスーザンに手伝ってもらい、夫が使っていた納屋を片付けていた。
すると、冷蔵庫にアーサーが作ったウィスキーが入っていた。
三人で飲んでみる。
翌朝、起きると、三人は20代になっていた。
アーサーが残した記録をみてみるが、速記で書いてあるのでわからない。
たぶんウィスキーを飲んだせいだ。
そう思った三人が納屋をあさると、ウィスキーが4本見つかる。
若くなった三人はウキウキしながら町に行き、カフェに入り、やりたいことリストを作る。
ジョーンはいつ元に戻るかと心配だったが、後の二人は全くそんなことを考えていない。
しかし、しばらくするとリンダの髪に白髪が現れる。
急いでカフェを出る三人。
どうもウィスキーの効き目は6時間ぐらいらしい。
ウィスキーを飲んで若返った三人は今時の服を買い、メイクをしてクラブに行ったりして楽しむ。
ある日、若返った三人はシャーウッドの森に行く。
そこはジョーンの、アーサーに会う前の、カレン・ウォルターズとの幸せな思い出の場所だ。
スーザンはキッチンカーのベネズエラ人男性が気に入ったようだ。
リンダは気をきかせて、その男性にスーザンの電話番号を渡す。
やがてウィスキーは最後の一杯となる。
若返ったリンダは元夫カールの誕生日に彼に会いに行き、復讐を遂げる。
ジョーンはカレンを探しに行く。
スーザンはキッチンカーの男性、ジェームズと会う。
ジョーンと気まずい関係の息子が父親の遺品を取りに来る。
小さい子どもの時にいっしょに撮った写真を見せようと思い探していると、小瓶に入ったウィスキーを見つける。
三人はウィスキーがあるうちに、願望を叶えようと、ラスベガス旅行に行くことにする。
ラスベガスで彼女たちは本当の自分を見出していく・・・。
70代の三人と20代の三人は全く似ていません。
表情とか発言とかで予測がつきましたけど、似ている人がいなかったのかしら。
ダイアン・キートンが好きだったので、この映画をみたのですが、ダイアンは相変わらずのコメディエンヌで、ホント、変わりません。
ジョーン役の女性、パトリシア・ホッジが知的な感じで素敵でした。彼女はイギリス人で主に舞台で活躍している人らしいです。
ラスベガスでボーイ・ジョージが現れ「カーマはきまぐれ」(1983年)を歌い出して、びっくりしました。
いつの映画かと思ったら、日本では2025年1月に公開されています。
最近の映画なのね。知らなかった。(だから昆布茶ラテが出てきたのね)
ボーイ・ジョージも64歳。元気でよかった。
若い人よりもボーイ・ジョージを知っている年齢の人の方が楽しめるでしょう。
見ながら若くなれたら、何をしようかと考えるのもいいかも。
でも若いってことよりも、年を取ったことの方がいいって思えるようになりたいですね。
年齢不詳のダイアンを見習わなければww。
最後にほっこりする(かな?)コメディ映画でした。
「LOVE オスロ、3つの愛の風景」を観る ― 2025/10/02
久しぶりに渋谷に行って来ました。
駅の建て替えが進んで乗り換えに時間がかかるようになり、通勤するのが嫌になってから大分経ちます。
インバウンドの人たちが来る前から混んでいましたが、今はどうなのか心配でした。
でも、映画館が駅前に移っていたので、人混みの中を長く歩かなくてよかったです。
駅前の交差点では噂通りに写真を撮っている人たちがいましたが、赤になるとすぐに歩道に戻っていたので、前よりはお行儀がよくなったみたいです。
歩いている人の7割ぐらいは外国人です。
電車は混雑するのでバスを利用しましたが、観光客らしいひとグループが乗って来て、これ以上増えないでくれと思いました。
それにしても都心の物価は高くなっていますね。
外食はもう少し値上がりしたらできなくなりそうです。
今年のハロウィーンがどうなるのか、色々な意味で楽しみですww。
ノルウェー映画で、原題は「Kjærlighet(愛)」。

泌尿器科の医師、マリアンヌは前立腺がんの患者に手術のことを説明した後、男性看護師のトールに患者が手術のことをよく理解していないようだと告げられる。
仕事の後、友人から誘われ、フェリーに乗り島に行く。
フェリーにトールが乗っていて、二人は患者のことを話す。
トールと別れ、友人がマリアンヌに紹介したいと言っていた地質学者オーレの家に行く。
彼は離婚していて、元妻と娘が近所に住んでいる。
娘は両親の家を行き来している。
マリアンヌは彼に少し興味を覚える。
帰りのフェリーで、マリアンヌはトールと再会する。
彼は眠れない夜にフェリーに乗り、マッチングアプリでフェリーに乗っている男性を探し、会うという。
マリアンヌはオーレに興味はないとは言うが、フェリーに乗り、彼に会いに行く。
泊まらずに帰った夜、フェリーでマッチングアプリを使ってみると、一人の男性がいた。
マリアンヌは彼と話してみる。
トールはフェリーで出会った男性のビョルンが、偶然彼の病院で前立腺がんの手術をしたことを知る。
術後の彼をサポートしたいと思うが、看護師の仕事を逸脱しないか心配で、マリアンヌに相談する。
トールはビョルンに手助けが必要なら連絡してくれと言って電話番号を教える。
果たして二人の愛の行方は・・・。
前立腺がんの術後のことは、はっきり言って女性にはわからないことが多いです。トールは男性で、ゲイでもあるので、手術をした後の患者のことがわかるので、マリアンヌに教えてあげ、マリアンヌもちゃんと受けとめました。
映画を見ていて思ったのは、医師と看護師だからあけすけにセックスの話ができるのでしょうか。
それともノルウェーでは当たり前のことなのでしょうか。
日本人は未だに性の話はタブーですものね。
10代、20代の若者は前よりも話せるようになっているのかしら?
マリアンヌの友人でオスロ市に勤めるハイディが市庁舎の説明をしていましたが、あまりにも極端な説明にびっくりしました。
なんでもLGBTsに結びつけていませんか。
それに市の何周年目かのお祝いにするイベントを考えているのに、亡くなった人の話を聞いた途端にイベントにお金をかけるよりも、もっと有意義なことにお金を使おうと方向転換したりと、面白いキャラの女性ですね。
彼女のおかげで映画が深刻になり過ぎず、よかったですけどww。
マリアンヌとトールはとても真面目に人生と向き合っている人たちです。
彼らは心から信頼できる人と出会いたいんです。
マリアンヌは思い切ってマッチングアプリを使ってみますが、そんな関係は空しいばかり。
フェリーで会う女なんて「無料の売春婦」だという既婚男性、あんたのことよ。
私は殴ってやりたくなりましたが、マリアンヌは優しいですね。何もせずに帰らせるんですから。
「DREAMS」は少女、「LOVE」では愛に悩む大人の男女を描いています。
「SEX」はどうなんだろうと思ったのですが、残念ながら、夜に上映するので見られません。
近くの映画館でやりそうなのですが、来年の忘れた頃になりそう。
北欧の映画は映像、特に風景が美しく、会話も興味深くてくせになります。
アメリカ映画に飽きた方におすすめします。
「DREAMS」よりも聞き取れたノルウェー語の単語が増えたような気がします。
スウェーデン語を独学でやり始めたのですが、ノルウェー語とスウェーデン語は同じ北ゲルマン語派なので、とても似ています。
両言語共に英語やドイツ語と似た単語が出てきます。
曜日がほぼいっしょで、月は英語がわかれば推測できます。
問題は発音です。私は耳がよくない(病気ではないです。単に能力が低いんです)ので、聞き取りと発音が超苦手なのです。といって読むのも得意じゃないですが。
老後の楽しみということにしていますが、真面目にやり始めると時間が足りないです。
映画館での上映は終わりますが、もし見る機会があったら見てみてください。
特に「DREAMS」は主役の女の子が可愛く、オスロの夜景が綺麗なのでおすすめします。
「ファンファーレ!ふたつの音」を観る ― 2025/09/28
原題は「En Fanfare」。

指揮者のティボはオーケストラのリハーサル中に倒れ、白血病だと診断される。
骨髄移植のドナーを探すことになるが、適合検査の結果、妹と血縁関係がないことがわかる。
ティボは養子だったのだ。
生き別れた弟がいることがわかり、ティボは会いに行く。
弟のジミーはかつて炭鉱で栄えた町の学食でパートタイムで働いていた。
母親は亡くなり、父親は誰かはわかっていなくて、近所の家族に引き取られたという。
ティボの養父母はジミーを引き取ろうと思ったが、ちょうどその時に妹を妊娠したため、引き取れなかったらしい。
初めは自分に兄がいたことを受け入れられなかったジミーだが、養母の説得が功を奏して、ドナーになることに同意する。
ジミーは音楽好きで、町の吹奏楽団でトロンボーンを吹いている。
彼に絶対音感があることにティボは気づく。
吹奏楽団がコンクールに参加することになるが、指揮者が異動し、誰が指揮者になるかでもめる。
ティボは指揮者になるなんて自信がないというジミーを勇気づけ、指揮を教える。ジミーは指揮をすることになるが、コンクール当日に思いもかけないことが起こる。
その後、吹奏楽団は市長命令で解散状態になり、楽器は閉鎖寸前の工場に移される。
工場を閉鎖させないために、ティボは工場で自分が指揮をするコンサートを開こうと提案する。
演奏するのは、工場の機械の音を曲にしたという「ボレロ」。
なんとか周りを説得し動き出すが、ジミーは参加しない。
コンサートはどうなるのか。
ジミー役のピエール・ロタンは前に見た「秋が来る時」でヴァンサン役で出ていましたね。
粗野な若者という役柄が多いんでしょうか。
白血病の治療方法はよく知りませんが、今は化学療法よりも骨髄移植を優先するものなのですか。
変なところが気になりました。
思ってもいなかった展開の映画でした。
骨髄移植までのいきさつはサラッと終わり、その後の兄弟の交流が詳しく描かれています。
兄弟の育った環境の違いで人生が大きく変わっています。
そのことに憤りを感じるジミーと後ろめたさを感じるティボでしたが、だんだんと音楽で繋がっていく二人の場面がいいですね。
「ボレロ」はどこで使うんだと思っていたら、いい具合にきました。
音楽の使い方がいいですね。
映画のラストはいいんだけど、でも人生は続いていくのです。
よかったね、で終われない映画でした。
ちょっとおかしな映画、二作品 ― 2025/09/23
よく覚えていませんが、どなたかのブログで面白いと書いてあった古い映画を見てみました。

「リハーサル 再起をかけて(REHEARSAL)」(2015年)
元舞台俳優で舞台監督のロングフェローはロンドンの老舗ハイゲート劇場を買い取りチェーホフの「桜の園」を上演するが、客の入りはイマイチで、破産の危機に直面する。
次にチェーホフの「かもめ」を上演する予定だが、劇場プロデューサーのクライブは背に腹はかえられないと、ハリウッドの売れてるアクション・スター、ブライズ・レミントンに出演依頼をする。
契約書には配役の承認権を与えるとまで書いてあったので、ブライズは相手役を自分好みの女性にし、ロングフェローたちの足元を見て、リハーサルに遅れて来たり、台詞を覚えてこなかったりと好き勝手を始める。
映画嫌いのロングフェローはブライズのやり方を受け入れられないが、劇場存続を考えると強く出られない。
一体、舞台はどうなるのか・・・。
それほどオススメという映画ではないのですが、演劇好きにはいい映画かもしれません。この映画をススメてた人、演劇をやってたような・・・。
ロングフェロー役の人、イケオジです。
英語の聞き取りにはいいでしょう。
とにかくアクション・スターの若造にむかつきますけどねww。
演劇人と映画人は合いそうもありませんね。

「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式(Death at a Funeral)」(2007年)
父親が亡くなった。長男のダニエルは弔辞を読まなければならない不安で押しつぶされそうだ。引っ越そうと思っていたのに、思った以上に葬儀代がかかり、妻と喧嘩になる。
それなのに葬儀の朝に葬儀会社が運んできた遺体が別人だった。
作家の弟ダニエルはニューヨークからファーストクラスでやって来たというのに、葬儀代を出し渋る。
従姉妹のマーサは婚約者サイモンを父親に紹介しようと葬儀に連れてくるが、彼の気分を落ち着かそうと飲ませた安定剤が、弟の持っていたドラッグだった。
サイモンはおかしな行動を取るようになってしまう。
それだけでも大変なのに、葬儀の前に見知らぬ小さな男が現れ、ダニエルに話があると言う。
二人になって見せられたのが・・・写真だ。
これは一大事。ママに知られるとえらいことになる。隠さなければ・・・。
ドタバタ喜劇の始まり、始まり。
しめやかな葬儀になるはずが、とんでもない葬儀になってしまい・・・ませんでしたが、兄弟といとこたちで繰り広げるドタバタが面白くて、笑ってしまいます。
お下品なところや不謹慎なところもありますが、ブラックまでいかず、まあ私の許容範囲内にとどまっていますので、コメディ好きの方は安心して見てくださいw。
そういえばなんで葬儀を教会でしないんだろう。
「DREAMS オスロ、3つの愛の風景」を観る ― 2025/09/18
見るかどうか迷っているうちに終わりそうになったので、「オスロ、三つの愛の風景」三部作のうちの「DREAMS」を見に行って来ました。
原題は「Drømmer」です。

17歳のヨハンネはフランス語講師のヨハンナに恋する。
それは初めての恋で、二十四時間、ヨハンナのことを思う毎日。
学生カップルが誕生日プレゼントとして編み物好きのヨハンナに自分たちで編んだマフラーを渡しているのを見て、ヨハンネの気持ちは暴走する。
ヨハンナの住所をネットで調べ、告白しようとマンションに押しかける。
泣き出したヨハンネを見て、ヨハンナは友人とトラブルがあったと思い、部屋に招き入れて話を聞いてくれる。
編み物を習いたいというと、教えてくれることになる。
ヨハンネはヨハンナの部屋に九回ほど行ったが、最後の日にヨハンナは冷たく、ヨハンネはヨハンナの部屋を飛び出してしまう。
やがてヨハンナは学校を辞め、それ以来、二人は会っていない。
一年が経ち、ヨハンネは自分の味わった気持ちを忘れないようにと手記を書く。
誰かと自分の気持ちを共有したいと思い、詩人の祖母に手記を見せる。
とてもよく書かれていたので、祖母は手記を出版したいのかとヨハンネに尋ね、同時に母にも見せるべきだと言い出す。
母が手記を読んだことから、話は思わぬ方向に進んで行く。
10代の少女の純粋な初恋を大人たちが勝手にレッテル付けをしている感じです。
祖母と母が手記を巡って議論を戦わせているところが、世代の違いなどもあり、面白かったです。
森の中でアメリカ映画「フラッシュダンス」(1983年)のことで祖母と母親が言い合いをしているのが一番印象的な場面でした。
そういえば台詞のある男性が、カウンセラーか精神科医かわかりませんが、彼しか出てきませんでしたね。
初恋で躓いたヨハンネですが、これからいい出会いがあるでしょう。頑張れ。
ノルウェー語を二カ月ちょっと習ってどれぐらい聞き取れたかというと、フィンランド語同様に簡単な挨拶と「はい」「いいえ」、あなたを表すdu、否定のikke、接続詞、英語と似ている語ぐらいしかわかりませんでした。
そんなもんですね。
フィンランド語は発音が簡単ですが文法が難しく、ノルウェー語は発音が難しく、文法が今のところ簡単です。
フィンランド語講座は続け、ノルウェー語とスウェーデン語、オランダ語って似ているらしので、次はスウェーデン語を独学でやってみようかと思います。
どの言語も英語同様にものになりそうもないですが、ボケ防止ということでww。
「キノ・ライカ 小さな町の映画館」を観る ― 2025/09/13
懲りもせず、フィンランド語が聞き取れるか、フィンランド映画を見ています。
フィンランド語、98%、フランス語、1%、英語、1%の映画です。
英題は「Cinema Laika」。
ちなみにフィンランド語で映画は「elokuva」で、映画館は「elokuvateatteri」です。「kino」も映画や映画館という意味で使われるようです。
「キノ・ライカ」は2021年10月8日にオープンし、ワインバーや川沿いのテラスを併設し、毎月コンサートを開催しているほか展覧会なども行う、街の複合文化施設としての役割も担っているそうです。(映画のHPより)

フィンランド人映画監督のアキ・カウリスマキは、ヘルシンキから車で約一時間の鉄鋼の町、カルッキラ(Karkkila)へ恩返しのため映画館を作ることにする。
カルッキラは人口約8400人ほどの小さな森と湖の町だが、芸術家たちも住んでいる。
アラ・エマリという鋳物工場跡がキノ・ライカになる。
建物は三十年前に防水シートが張られたが、ここ十五年ぐらい雨漏りしていたので屋根から手をつけた。
地元の仲間たちとともにカウリスマキも映画館の建設作業に加わっている。
この映画はクロアチア出身のヴェリコ・ヴィダクが家族を連れて一年間カルッキラに滞在して、映画館のオープニングまでを撮ったものだそうです。
建設の様子よりも町の人々や協力している芸術家たちの会話に重きが置かれています。
キノ・ライカは映画館であるだけではなく、住民の交流の場でもあるようです。
そうそう、「枯れ葉」に出演していた「マウステテュトット(Maustetytöt)」が出てきましたが、「監督とは8ヶ月(?)前に会ったばかりなので、よく知らないわ」なんて感じで、歌のようにそっけない二人ですww。
実は私、映画のはじめに日本語の歌が流れてきたので、間違えて吹き替え版を見ているのかと思ってしまいました。
40年前にカルッキラに愛する人を追いかけて来たという日本人歌手の篠原敏武さんが歌っている歌なんです。
映画の中ではナマケモノ会の会長とチェスをしている姿が映っています。
フィンランド語の歌を日本語にして歌っているようで、カウリスマキが彼の歌を気に入り、CDにもしているらしいです。
この前テレビ番組でキノ・ライカが取り上げられていました。
「世界でいちばん犬に優しい映画館」なんですって。
犬用のビールがあるらしいです。
もちろん犬はタダで客席(の床)で映画が見られます。
フィンランドって犬に優しい国で、昨年空港に犬がいるのを見たのですが、私の目の錯覚ではなかったようです。
「枯れ葉」ではヒロインが病院に犬を連れていってたのですが、ひょっとしたらいいのかもしれませんね。
キノ・ライカの「ライカ」はスプートニク号に乗せられたライカ犬からとったカウリスマキの二匹の愛犬の名前でもあります。
カウリスマキはライカ犬に強い思い入れがあるんです。
カルッキラは「枯れ葉」のロケ地でもあるんですって。
次回に行ってみましょうか。

ここが入り口みたいです。
カフェもあるので、映画を観なくてものんびりできそうです。

キノ・ライカの共同経営者で作家・詩人でもあるミカ・ラッティ。
キノ・ライカに行くと彼がいるみたいですよ。
Kino Laika のHP (右上の日本語を押すと、日本語になります)
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