New York City Ballet 2021 Spring Gala at the David H. Koch Theater ― 2021/05/09

ニューヨーク・シティ・バレエが5月7日から20日まで「スプリング・ガラ」を配信してくれています。ここを観てください。
舞台をそのまま見せるのではなく、監督がソフィア・コッポラで、とてもスタイリッシュな映像になっています。
デイヴィッド・H・コーク劇場はリンカーン・センター内にあるバレエやモダンダンスなどのための劇場だそうで、とっても豪華な素敵な劇場ですね。
<プログラム>
DANCES AT A GATHERING(excerpt)
Music by Frédéric Chopin
Choreography by Jerome Robbins
Dancer: Gonzalo Garcia
モノクローム。
男のダンサーが一人、練習場に入っていきます。
持っていた荷物を置き、久しぶりの稽古場に懐かしさを感じながら、踊り始めます。
DUO CONCERTANT (excerpt)
Music by Igor Stravinsky
Choreography by George Balanchine
Dancers: Ashley Bouder , Russell Janzen
舞台裏のような場所にピアノが一台、その前にバイオリニストがいます。
ピアニストとバイオリニストが音楽を奏でる側で、二人のダンサーが踊ります。
ちょっとコミカルな振付です。
LIEBESLIEDER WALZER (excerpt)
Music by Johannes Brahms(Opus 52)
Choreography by George Balanchine
Dancers: Maria Kowroski , Ask la Cour
ザ・プロムナードにあるエリー・ナーデルマンの彫刻の前で、優雅にタキシードと長いドレスを着た男女が踊ります。
SOLO (New Peck)
Music by Samuel Barber
Choreography by Justin Peck
Dancer: Anthony Huxley

ステージに一人の男性ダンサーが。
衣装が今一ですが、踊りは流れるように軽やかで優雅です。
この演目は女性が踊っても良さそうです。丈が長めの白い衣装が合いそうです。
DIVERTIMENTO NO. 15 (finale)
Music by Wolfgang Amadeus Mozart
Choreography by George Balanchine
Dancers: Emilie Gerrity, Lauren King, Ashley Laracey, Tiler Peck,
Unity Phelan, Daniel Applebaum, Andrew Scordato,
Andrew Veyette 他
ここからカラーになります。
舞台裏で踊る用意をするダンサーたち。
幕が上がります。
ニューヨーク・シティ・バレエは女性ダンサーの体型が色々で、ロシアの研ぎ澄まされた体型のダンサーたちと比べて、健康的な印象があります。
とにかく音楽に合わせて楽しく踊れればいいわ、なんて感じです、笑。
コッポラが監督しただけあり、美しい映像ですので、是非ご覧になってみてください。30分ちょっとですので、バレエに興味がなくても飽きずに観られます。
歌田年 『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』 ― 2021/05/07
『このミステリーがすごい!』大賞の作品が次々と出ていますね。
この本は第18回の大賞受賞作品です。
私的にはこの頃読んだ『このミステリーがすごい!』受賞作品の中で、一番のお勧めです。

渡部圭は新宿にある渡部紙鑑定事務所の紙鑑定士兼紙営業士です。事務所といっても彼一人しかいないんですけど。
紙鑑定士とは何か。
「持ち込まれた紙のサンプルを調べ、メーカー、銘柄、紙の密度でもある米坪を推定し、紙厚を測定する」職業らしいです。
得意なものは本で、カバー、オビ、表紙、見返し、口絵、本文、上製本なら芯ボールなど、それらのパーツにどんな銘柄の紙が使われているかを鑑定します。
予算に合わせて、それらに準ずる銘柄を提案することもやります。
どこの版元であろうが、書籍や雑誌の使用紙明細や刷り部数も聞きだすことができます。
判型とページ数がわかれば、納品数量から逆算して部数を弾き出すこともできます。
こういう風に書くと、本当にある資格みたいですが、実はないんです。
紙営業士(ペーパーアドバイザー)は本当にある資格です。
彼の事務所に二十代半ばの可愛らしい女性がやってきます。
カレシの浮気調査をしてもらいたいとのこと。
アレ、ここは紙鑑定事務所ですよね。
彼女は<渡辺探偵事務所>と間違って入って来たのです。渡辺探偵事務所には神探偵がいて、何でも解決してくれるんだそうです。
「神」と「紙」の間違いですね、笑。
彼女は米良杏璃という美容師で、鑑定士ということからどんなものでも鑑定できちゃうと思ったのか、渡部にプラモデルの写真を見せて鑑定してくれといいます。
それは戦車のジオラマで、今までプラモデルなんか作ったことのないカレシが急に作ったそうです。
こんなの鑑定できないと渡部は断りました・・・と書きたいんですが、彼は懐具合が寂しかったので、引き受けちゃいました。
前に勤めていた会社の得意先に月刊の模型専門誌があり、そこから専門家を紹介してもらおうと考えたからです。
『ホビーグラフ』の鈴木に会い、フリーのプロモデラーを紹介してもらいましたが、その人は別の人を紹介してきました。
超ベテランモデラーの土生井昇という「伝説のモデラー」です。
高尾に住んでいる土生井のところに行ってみると、ゴミ屋敷かと思われるようなとんでもない家に認知症の母親と一緒に住んでいました。
室内に入ると、もの凄い数のプラモデルが…。”積みプラ”って言うんですって。
彼は何らかの事情で自分の作品を発表できなくなり、今はメーカーからの依頼でプラモの完成品を作る仕事をしているようです。
土生井はネット情報に疎いようなので、作品を載せられるようにTwitterを教えてあげました。
杏璃から渡された画像を見せると、流石としか言い様のない推理を聞かせてくれました。
杏璃の問題は土生井のおかげで無事解決しましたが、報酬を値切られ、持ち出しとなり、ガックリきた渡部でした。
悪いと思ったのか、杏璃がお客を紹介してくれました。
これまたプラモデルのことで相談したいというのです。
専門でないので断るつもりが、また金に引かれて引き受けてしまいます。
依頼人は曲野晴子。三ヶ月前から行方不明の妹を探してもらいたいというのです。彼女は同居している妹の部屋にあった白い家のジオラマを持って来ました。
警察はジオラマの写真を撮って行ったけど、それ以来連絡はなし。
探偵社に依頼すると騙され、困っていた時に渡部の話を聞き、藁にも縋る思いでやってきたのでした。
プラモデルのことは土生井ということで、新しいジオラマが出現するたびに渡部は土生井に見せ、土生井は的確に推理していきます。
渡部の紙鑑定士の資格は事件には全く関係がないです、笑。
渡部は土生井の意のままに動くだけ。土生井がホームズで渡部がワトソンですね。
ジオラマを調べていくうちに、渡部と土生井は、それがとんでもない計画を示唆していることに気づきます。
著者の歌田さんは29年間出版社に勤務し、プラモデルと紙の専門的な知識を培ったそうです。どうりで詳しいはずですね。
シリーズ物にしてもらいたいです。よろしくお願いいたします、笑。
そうそう、新国立バレエ団で「コッペリア」を2時から無料で無観客ライブ配信しています。
明日が最後で、コッペリアが小野絢子ですので、是非観てみてください。
ついでに「上野の森バレエホリデー2021」でも9日までオンライン・プログラムを見ることができます。
まだ観ていませんが、モーリス・ベジャールの特別講演会「バレエ・リュスと自作を語る」を観てみようかと思っています。
読んだ本 ― 2021/03/09
とっても寒いニュースが届きました。
BBCの「白鳥救うため、バレリーナが凍った湾の上で「白鳥の湖」舞う 港建設に抗議」というものです。
氷点下15度でチュチュを着て踊ってます。さぞ寒かったでしょうね。絵面的には幻想的でいいですけど。
NYCB(ニューヨーク・シティ・バレエ団)がNYCB Digital Seasonでジョージ・バランシンの「Theme and Variations」を配信してくれています。
興味のある方は是非ご覧下さいませ。

成田名瑠子 『今日は心のおそうじ日和2』
平沢涼子は離婚後実家に戻りましたが、居づらくなったため、家事の能力を生かし、妻と子を亡くした作家・山丘周三郎の家の住み込み家政婦となりました。
それから一年が過ぎましたが、先生は滅多に笑わず、極端に口数が少ない人ですが、涼子たち親子に細やかな心配りをしてくれる優しい人で、思ったよりも先生との暮らしは安らかで心の落ち着くものでした。
しかし、そんな暮らしも終わりになりました。
片瀬結菜という女の子が弟子にしてくれとやって来たのです。
弟子は取らないからと一日だけ泊めてあげたはずなのに、彼女は居座り、先生に取り入り、涼子は自分たち親子の居場所がだんだんとなくなっていくような気がしてきます。
ちょうどそんな頃、実家からお見合いの話がきます。会ってみると、相手は家事好きな男性で、話が合います。心が動く涼子。
自分の悩みで鬱々としていて涼子は気づいていなかったのですが、娘の美空が担任と上手くいっていなかったのです。たまたま山丘が気づき、彼は学校を変ってもいいのではないか、その費用は自分が出すとまで言ってくれます。
結菜は一体なんのために山丘のところにやって来たのか。
涼子はどうするのか。
山丘先生、口数が少なく誤解されがちですが、実にいい人です。
そうそう猫のコヨーテが可愛いです♡。
柳美里 『JR上野駅公園口』
全米図書賞受賞作品というので読んでみました。
福島県相馬郡出身の男性が、世間が東京オリンピックで浮かれている時に、出稼ぎ労働者として上京します。これからという時に息子が死んでしまい、妻と二人で老後をという時に妻が死に、姪の世話になるのも心苦しくて上京したのですが、ホームレスになるしかなかったという、悲惨な男性の生涯を描いた作品です。
日本の高度成長期を担ったのが彼のような人たちですね。
最後の津波の描写は必要かな?と思いました。
高田在子 『まんぷく旅籠 朝日屋 ぱりとろ秋の包み揚げ』
親を亡くし、長屋からも追い出しをくらい、行く当てのないちはるの所に借金取りがやってきます。
ちはるの両親は夕凪亭という料理屋をしていましたが、久馬という男に騙され、店を乗っ取られ、心労が重なり、亡くなったのです。
借金取りはちはるに金を返すように脅しをかけてきましたが、死んだ父から聞かされていた火付盗賊改の宮藤怜治が現れ、借金の肩代わりをしてくれます。そのかわりにちはるは先月できたばかりの旅籠・朝日屋の調理場で働くことになります。
旅籠だけど料理がうまく、泊まらなくても料理を食べられるというのがコンセプト。上手くいくのでしょうか?
ちはるが夕凪亭を再開するまでのシリーズ物かな?
中島久枝『かなたの雲 日本橋牡丹堂菓子ばなし七』
小萩はお菓子が好きで、自分で作ってみたいと鎌倉から江戸に出てきて、日本橋の二十一屋で働いて三年になります。
お客の注文に応じてお菓子を考案する<小萩庵>にもお客が来るようになってきました。
そんなある日、鎌倉のおじいちゃんが寝込んだという知らせが来たので、心配な小萩は見舞いに行くことにします。家に帰ると、おじいちゃんは元気そう。
さて、何で小萩は呼ばれたのでしょうか?
そんな頃、小萩の思い人の伊佐の様子が変です。仕事の合間にどこかに行っているようです。そっと伊佐の後を着いていってみると、病に倒れた母親が身を寄せる寺に行っているのでした。幼い伊佐を捨てた親なのに…と小萩は納得がいきません。伊佐は頑なに助けを拒みますが、店のみんなは彼のために奔走します。
なかなか小萩は人の心がわからず、自分の思いで動いてしまいますねぇ。
苦労知らずだからでしょうね。でもそれは彼女の良いところ。めげずに頑張れ!
伊佐に思いを告げましたが、どうなるのかしら?次回に期待しましょう。
どれもすぐに読める作品です。

クリスマスローズがなかなか咲かないと思っていたら、やっと咲きました。
年々数が少なくなるようです。
肥料とか必要なのかしら?庭は勝手にいじっちゃ駄目なので、どうしようか考え中です。
碧野圭 『書店員と二つの罪』 ― 2021/03/03
キエフ・バレエの「くるみ割り人形」と「雪の女王」が配信されています。
「雪の女王」は日本初公開です。
簡単に言うと雪の女王に連れ去られた男の子を探し回る女の子のお話で、アンデルセンの話が基になって作られています。
日本語のあらすじもついていますので、お子さんと一緒に観ても良いかも。

椎野正和は大学を卒業してからずっと書店で働いています。今は契約社員ですが副店長で、主に文芸書を扱っています。一応カリスマ書店員の一人です。
ある日、17年前に名古屋で起きた女子中学生殺人事件の犯人が書いた告白本が新刊本として届きます。
その事件は女子中学生が殺され、頭と手足、胴体が切り離され、彼女が通っている中学校の校庭に放置されていたというもので、犯人は正和と同じクラスの男子中学生でした。
実はこの犯人は正和の家の隣に住んでいた友人でした。そのため正和は共犯ではないかと疑われてしまいます。
事件後、正和は名古屋を離れ、祖父母の家に世話になり、そこから高校に通いました。その時のことがトラウマとなったのか、今でも事件当時の記憶が曖昧で、思い出そうとすると気分が悪くなります。
しかし何故今頃、告白本などを書いたのだろう。
出版社は売れると思えば、どんな本でも出版し、書店は売れればどんな本でもに売るのかと憤る正和。
久しぶりに名古屋の家に帰ると、隣の家にあったみかんの樹は切られており、庭には誰がしたのかゴミが沢山投げ入れられています。
正和の弟の和秀は犯人の弟と親友であったため、事件後にひどいいじめに遭い、事件のショックといじめの苦しみから、引き籠もりになっていました。
家に帰ってしばらくして、元同級生の加藤つぐみから電話が来ます。クラス会のことを話した後、二人で会いたいと言われますが、何故自分に会いたいのかと疑念を抱く正和でした。
つぐみと会った後、高速バスで東京に帰る予定でした。
バスの窓側の席に座っていると、あの事件の時に現れた『週刊トレンド』の記者・青木毅が隣の席に座ってきます。会いたくない相手でした。青木の記事のせいで正和が共犯ではないかと疑われたのです。
青木は17年前のことは時効だとか、俺が書かなくても他の誰かが書いたはずだとか、大衆が欲したことだとかほざき、悪いことをしたとは思っていないようです。
あの本を読んだ感想を聞きたいようでしたが、読んでいないという正和に、彼は意味深なことを言います。
「きみに会いたかったのは違和感を覚えたからだ。…あれはほんとうにやつが書いたのだろうか?」と。
この青木の言葉が気になり、正和は本を読むことにします。
そして正和も違和感を感じます…。
神戸の酒鬼薔薇事件を下敷きに、「書店ガール」を入れてみましたという感じのミステリーです。
「書店ガール」、面白かったけど、紺野さん、次はこの路線でいこうと思っているのかしら?
出版社や書店、そしてマスコミの良心に関して、色々と考えさせられました。
最後は書きませんが、ちょっと薄気味が悪かったです。
正和は納得して生きていけるのでしょうかね。
ひと暴れした後のヨーキー。相手をするのも疲れます。

よくよく考えてみると、彼は人間では40歳。
人間の40歳が彼のように走れる?
普通の40歳なら、アキレス腱を切ってるわね。
「Gala d'ouverture - Ballet de L'Opéra national de Paris」を観る ― 2021/02/03
悲しいお知らせがあります。昨日、キャプテン・トムが新型コロナウィルスに感染して入院したことを書きましたが、2日にお亡くなりになったそうです。
一人でも人々のためにできることがあることを教えてくれたあなたは、私たちに希望と勇気を与えてくれました。

ご冥福をお祈りいたします。
パリ・オペラ座バレエのガラ公演が無料配信されています。
シャネルとロレックスがスポンサーという豪華さ。
もちろんシャネルは衣装を提供しています。
【プログラム】
1.Défilé du Ballet 「 デフィレ」
2.Grand pas classique 「グラン・パ・クラシック」
出演:ヴァランティーヌ・コラサント ユーゴ・マルシャン
3.In the night 「イン・ザ・ナイト」
出演:リュドミラ・パリエロ マチュー・ガニオ
レオノール・ボラック ジェルマン・ルーヴェ
アリス・ルナヴァン ステファン・ビュリヨン
ピアノ:久山亮子
4.The vertiginous thrill of exactitude 「精密の不安定なスリル」
出演:アマンディーヌ・アルビッソン、リュドミラ・パリエロ
ポール・マルク、オニール・八菜、パブロ・レガサ
「デフィレ」を初めてみました。
これは伝統行事だそうで、毎年9月のシーズンが始まる日に行われるそうです。
「デフィレ」とは「行進・行列」という意味で、約250名のバレエ学校の生徒から団員までが舞台上を行進します。
使われた音楽は2種類あるのだそうですが、今回はベルリオーズのオペラ「トロイ人」のマーチです。
最初に舞台奥に横たわっていた一人の女の子が起き上がり、観客席に向かって歩き出します。
その後方に6名の白いチュチュを着た女生徒たちが横一列に並びゆっくりと歩いて行き、最後に3人ずつ左右に分かれていきます。低学年から最長学年へと続きます。

学生が終わると、団員です。
コール・ド・バレエの女性ダンサーたちが6名並び、その合間にプルミエール・ダンスーズが2名、エトワールは1名ずつで登場します。彼女たちはティアラをつけていますね。

女性の後は男性。学生から団員へと行進は続きます。
最後に登場するのは、マチュー・ガニオです。

昇進の新しい人から行進するので、一番古株の彼がトリなんですね。
42歳で引退するまで、彼がずっと最後だそうです。若い頃の彼の印象が強いですが、もうそんな年(36歳だけど)になってしまったのですね。

最後はこんな風に全員そろって終わります。
一同にダンサーを観られるなんて、素敵な行事です。
今回特別に参加者全員がマスクをしていますが、こんな姿を見られるのは今年だけだといいけれど・・・。
「グラン・パ・クラシック」は、私はあまり好きではないのですが、笑。
とにかく衣装がシャネルです。濃紺の地にビーズが散らしてあるのかしら、キラキラして綺麗です。
ユーゴ・マルシャンは日本公演でエトワールに任命されたらしいですね。他の演目の彼を観てから判断しますわ(何様だ、笑)。
ヴァランティーヌ・コラサントは逞しく貫禄がありました(失礼)。バランス感覚が見事です。回転はスピードがありませんけどね。
「イン・ザ・ナイト」ではショパンの曲に合わせて3組の男女が踊ります。
大きな声で言えませんが、言っちゃいます。衣装はこちらの方が好きです。
日本人ピアニストがショパンを弾いています。
とってもしっとりとした情緒のある踊りでした。
「イン・ザ・ナイト」とは反対に溌剌とした踊りが「精密の不安定なスリル」です。衣装も奇抜でした。
オニール・八菜さんが出演しています。早くエトワールになって欲しいですね。
応援しています。
無料配信でこんなにいいものを観られるとは、とても嬉しいプレゼントですね。
いつまで配信しているのかわからないので、観たい方はすぐ観ましょう。
ここをクリック。
新国立劇場バレエ団 「ニューイヤー・バレエ」無観客ライブ配信 ― 2021/01/12
公演関係者にコロナ陽性反応が出たため公演が中止になりましたが、その他の関係者全員が陰性だったので、無観客ライブ配信をしてくださったようです。

2021年1月11日(月・祝)14:00~
指揮:冨田実里
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
第一部:「パキータ」
音楽:レオン・ミンクス 振付:マリウス・プティパ
出演:米沢 唯、渡邊峻郁 ほか
第二部:「小品集」
「Contact」
音楽:オーラヴル・アルナルズ 振付:木下嘉人
出演:小野絢子、木下嘉人
「ソワレ・ド・バレエ」
音楽:アレクサンドル・グラズノフ 振付:深川秀夫
出演:池田理沙子、中家正博
「カンパネラ」
音楽:フランツ・リスト 振付:貝川鐵夫
出演:福岡雄大
第三部:「ペンギン・カフェ」
振付:デヴィッド・ビントレー
音楽:サイモン・ジェフス
出演:ペンギン:広瀬碧 ユタのオオツノヒツジ:米沢唯
テキサスのカンガルーネズミ:福田圭吾
豚鼻スカンクにつくノミ:五月女遙
ケープヤマシマウマ:奥村康祐
熱帯雨林の家族:本島美和、貝川鐵夫
ブラジルのウーリーモンキー:福岡雄大
米沢さんが主役の作品は観たことがありませんでした。小野さんよりも大分若い方かと思ったら、同学年なんですね。竹内敏晴さんの娘だそうで・・・。
小野さんは17歳になるまでプロになろうとは思っていなかったので、ローザンヌなどの有名コンクールには出ていませんが、米沢さんは色々と挑戦しているのですね。知りませんでした。
「パキータ」ではぶれない軸が流石でした。
私の目が悪いのでしょうが、どの人も同じに見えてしまい、主役は白い衣装だったわね、などと着ている物で判断していました。
すみません。私ってまだまだ踊りの違いがわかる域には達していません。
豚に真珠ですね、笑。
そうそう、コール・ドがそろっていないところが多かったのが残念でした。
この演目の中で私的によかったのは、小野&木下の「Contact」です。
何故かこの演目だけ観ている人が2000人ほど減っていましたが、小品集の中では一番よかったと思いますよ。
コロナ禍の今、人と人の触れ合いってなかなか持てないものです。
それが男女の間で描かれていて、なかなか切ないものがありました。
衣装も素敵でした。
米沢さんのために作られたそうですが、彼女が踊ったらどんな感じなのでしょうか?次に観てみたいです。
「ソワレ・ド・バレエ」と「カンパネラ」は私は見た目が苦手でした。
男性のスタイルが・・・。コロナ禍でレッスンできなくて絞れなかった?
元々ガタイがいいのかしら?
特に福岡さんは上半身裸で下に黒い袴?スカート?のような物を着ていたため、上半身が逞しいのが目立ってしまい、駄目でした。
踊りもこれといって・・・。
「ペンギン・カフェ」は一度観ています。今回も絶滅危惧種たちが踊りまくっていました。いつ見てもペンギンさんが愛嬌があって可愛いです。
パソコン画面で観ていたためか、感動も半分ぐらいです。
やっぱり舞台は会場の雰囲気も含めて舞台なのですね。
早く何の気兼ねもなく、舞台を観に行ける日が来ないかな・・・。
無観客ライブ配信、ありがとうございました。
「ルジマトフ30年の軌跡 The Legend of FARUKH RUZIMATOV」 ― 2020/11/29
しばらくバレエから遠ざかっていますが、見るのを止めたわけではなくて、上野から遠くに引越したのが一番の理由です。
今回、香蘭社からのメールでルジマトフの動画があるのを知りました。
ルジマトフは日本で、特に年配のマダムたちに大変人気のあるダンサーですよね。
私は彼の若い頃を知らないので、動画で見ると細くて、飛躍が高いのにびっくりしました(失礼)。
各動画は5分程度なので、すぐに終わりますので、安心して(?)見てみてください。

私がルジマトフを見たのは2009年から2010年なので、動画には含まれていません。ちょうどその頃は現ミハイロフスキー劇場のバレエ部門芸術監督をしていて、踊ることに専念するため2010年に監督を辞めて顧問になった頃です。
私が見た頃の彼はペレンを仕込む教授のような雰囲気でしたけど(笑)。
彼は1963年生まれなので、現在は57歳です。
1992年には29歳、2000年、37歳、2015年、52歳。
若い頃のようにジャンプが出来なくなっていますが、私は年を取った彼の方が好きです。表現に深みが出てきていますし、カリスマ性も出ていますもの。
私が見たかったのは2015年初演の「信長ーNOBUNAGAー」です。

信長をルジマトフ、秀吉を岩田守弘、斉藤道三と明智光秀を藤間蘭黄が演じています。和と洋の融合です。
日本の古典芸能で使う、鼓や太鼓、笛でどう踊るのか、短い時間ですが、少し見ることができます。
コロナ禍でなかなか公演ができないでしょうが、そんな中でもダンサーたちはいつか舞台に出られる時を思い、練習に励んでいるのでしょうね。
早く彼らの踊る姿を見たいですね。
アンソニー・ホロヴィッツ 『その裁きは死』 ― 2020/10/19
「The Shows Must Go On!」でアルフィー・ボーの「Bring Him Home」コンサートが配信されていました。
アルフィーさんはコロナ・ロックダウンの影響か、離婚をしてしまったようです。
出会い系アプリで恋人募集をしているとか、コッツウォルズの家を売り出し中だとか言われています。
このコンサートでは「レ・ミゼラブル」の35周年コンサートにも出ていたマット・ルーカスが出てきて、お茶目な姿を見せてくれます。
彼のことが気になっていたので調べてみると、6歳の時に脱毛症ですべての毛を失ったのだそうで、小さい頃から苦労しているのですね。
何故かトム・フレッチャーが出てきて、二人の共通点が見えませんでした。
これからも「The Shows Must Go On!」で色々と配信してくれるようです。
次はどのミュージカルでしょうね。
見逃さないようにしなくてはと思います。

元刑事で探偵のホーソーン・シリーズの二作目。
ホロヴィッツのいる『刑事フォイル』の撮影現場にやって来たホーソーン。
彼が今回捜査するのは、離婚専門の弁護士殺害事件です。
殺害にはワインボトルが使われ、現場の壁にはペンキで「182」という数字が書かれていました。
容疑者として真っ先に上がったのはアキラ・アンノという小説家で詩人でもある、著名なフェミニスト作家。
殺された弁護士のリチャード・プライスは彼女の元夫の弁護士で、衆人環視の中、彼女はレストランのど真ん中でプライスにワインをぶっかけ、ワインのボトルでぶん殴ってやると脅したというのです。
この女が犯人か?
調べていくと、もう一つ事件がありました。
今回の警察官は前以上に嫌な奴です。
ホロヴィッツに「逐一ホーソーンが何を調べ、何をやっているのか報告しろ」、「この話はホーソーンにはするな。そんなことをするとあんたの人生をめちゃくちゃにしてやるからな」、などと圧力をかけてきます。
書店では万引きの疑いまでかけられ、窮地に陥るホロヴィッツですが、ホーソーンは取り合いません。(ホロヴィッツ可哀想)
ホロヴィッツはホーソーンのことを知ろうとしますが、なかなか心を開いてくれません。
ホロヴィッツに頼まれ、読書会に行くのですが、読書会のメンバーたちも彼のことはよく知らないようです。
唯一わかったことは、ホーソーンが犯罪者同然の手法を駆使して、ホロヴィッツの私生活を調べていたということでした。
今回の謎解きでホーソーンがホロヴィッツに言ったことは、「あんたは事件全体の形を見る必要がある」です。
未だにこのシリーズの面白さがわかりません。
気をつけて読んでいき、犯人の目星は何となくつきましたが、意外性がなかったです。
どうもまだホーソーンの魅力がわかりません。
このシリーズは10作まで書くらしいので、そのうちにわかるのかもしれませんね。
キャッシー・アーロン 『やみつきチョコはアーモンドの香り』 ― 2020/10/11
昨夜は『オペラ座の怪人』をYouTubeで見ました。
48時間視聴できるという、25周年記念公演のでした。
ファントムはラミン・カリムルー、クリスチーヌがシエラ・ボーゲス。
映画とは最後が違いました。
舞台は迫力があっていいです。ラミンさん、素敵。
カーテンコールに出てきたサラ・ブライトマンはお年を感じましたが、歴代ファントム役の方々は流石でした。
まだ見られると思うので、見たい人は急ぎましょう。
終わってからも有名な場面は見ることが出来ます。

久しぶりのコージー・ミステリーです。
舞台はメリーランド州にある町、ウェストリバーデイル。
この町でチョコレートショップ<チョコレート&チャプター>を営んでいるショコラティエのミシェル・セラーノは親友のエリカ・ラッセルと一軒の店をシェアしています。
エリカは妹のコリーンと書店を経営しています。
エリカは天才少女でスタンフォード大学に進み、修士号まで取ったのに、この町に戻ってきました。
二月に店のリニューアル一周年を祝うためにファッジ・コンテストを開催しようと思い、グウェン町長に意見を求めたところ、とんでもないことになってしまいます。
店で行うささやかなコンテストが、公園で行われる初のウエストリバーデイル・アートフェスティバルのオープニングイベントになってしまったのです。
ファッジ・コンテストにテレビ番組のスターシェフ、ヒラリー・パンキンまで来ることになり、ミシェルは気が気ではありません。
というのも、ヒラリーの番組には”賛(イェイ)?否(ナイ)?”コーナーがあり、店名と所在地を言った後に理由を述べずに”イェイ”か”ナイ”を発表するのです。
もしミシェルの店が”ナイ”になったら、どれだけの打撃がもたらされるのか…。
月曜日の朝、店に行くと、消したはずの明かりがついていて、解錠されていました。店に入ると、隣の写真スタジオのデニースがいつもつけているゲランのサムサラの匂いがします。
店頭に行くと、アーモンドのようなかすかな香りがして、ハイバックチェアから長い脚が突き出ていました。
近寄ってみると、それはデニースで、彼女の前のコーヒーテーブルには店のチョコレートの箱があり、チョコレートが3個なくなっていました。
ちょうどその時、エリカが店にやってきたので、彼女が警察に電話をしてくれました。
デニースがチョコレートに入っていた毒で死んだので、チョコレートショップはしばらく営業停止になりました。
店の信用を取り戻し、アートフェスティバルを無事に開催するために、ミシェルとエリカは自分たちでも犯人捜しをすることにします。
チョコレートは美味しそうですが、特に目新しさがなく、読むのがなかなか進みませんでした。
ちょっと私的には退屈なコージー・ミステリーでした。
樋口有介 『枯葉色グッドバイ』 ― 2020/05/02
柚木草介シリーズを書いた樋口さんの本を読んでみました。

吹石夕子が刑事になって初めて関わった事件が大田区の羽田一家惨殺事件でした。
半年たっても犯人に辿りつけず、捜査本部も縮小されました。
たった一人残った高校生の娘・美亜の友人が扼殺され、羽田事件と関係があるのではと思い事件現場に足を運んだ時に出会ったのが、警察学校で教官だった椎葉です。
彼は娘を亡くした後、警察を辞め、ホームレスをしていました。
夕子は椎葉の手を借りようと思い立ち、椎葉にアルバイトとして2つの事件を調べることを持ちかけます。
柚木草介シリーズに通じるものがありました。
椎葉が女にもてるところとか、ちょっとハスにかまえた生意気少女が出てくるところとか。
会話もしゃれていますが、さすが高校生の美亜には通じてませんでした(笑)。
事件や美亜の出生とか悲惨ですが、そうは感じさせず、よい未来に続けて終わるところが樋口さんのいいところですね。
どんな人にでも幸せになる権利がありますもの。
また椎葉に会いたいです。
この頃の楽しみはYouTubeで音楽を聞くことです。
テレワークで様々なアーティストたちが集まって「民衆の歌」とか「You've got a friend」、「Here Comes The Sun」、「We Are The World 2020」など歌ってくれています。
「We Are The World 2020」はLong Island版とかメタル・ミュージシャン版など色々あって面白いです。
ライオネル・リッチーはコロナ施策支援として新バージョンをレコーディングしたいようです。楽しみに待ちましょう。
ビートルズの「Here Comes The Sun」をコロナで退院する時に流している病院があるのだとか。いい選択ですね。
歌もいいのですが、私はアーチストたちがどんな部屋で歌っているかに興味があります。外国の人たちの部屋は素敵です。
他にもバレエとか塗り絵とか探すと色々とあり、暇潰しにいいです。
次は塗り絵に挑戦しようかと思っています。
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