宮島未奈 『成瀬は天下を取りにいく』 ― 2025/06/30
2024年の本屋大賞作品。文庫本になったので、読んでみました。
図書館で何人待ちかと見てみると1200人以上です。すごいですねぇ。
1200番台の人は来年に読めるといいですね。
文庫本(679円)を買った方がいいかも。
六編の短編集です。

「ありがとう西武大津店」
中2の1学期の最終日に、成瀬あかりが島崎みゆきに変なことを言い出す。
この夏を西武に捧げるというのだ。
大津市唯一のデパート西武大津店は八月三十一日に営業終了する。
八月になったら毎日、びわテレビの番組、「ぐるりんワイド」が西武大津店から生中継するらしい。成瀬は毎日映りに行くという。
初めは関わるつもりのなかった島崎だったが、ついつい成瀬といっしょに映りに行くのだった。
「膳所から来ました」
また成瀬が島崎に変なことを言い出した。
いっしょにM-1グランプリに出ようというのだ。
島崎は出ることにする。
成瀬がツッコミ、島崎はボケで、西武ライオンズのユニフォームを着る。
コンビ名は『ゼゼカラ』だ。
ついでに文化祭の自由発表にも出ることになってしまう。
一体、どうなるのか。
「階段は走らない」
敬太が西武大津店が来年8月末で営業終了するというニュースのツイートを見ていると、幼馴染みのマサルからメッセージが来て、日曜日に西武に行こうと誘われる。
約束通りに西武に行くと、小学校時代の同級生にバッタリ会ってしまう。
その流れで、マサルの事務所に行き、飲み、小学校卒業三十年ということで、西部が閉店する前に同窓会を開こうということになる。
実はマサルには会いたい奴がいた。そいつとは1989年の暮れに西武の大階段で別れて以来会えないでいた。
連絡先もわからないあいつと会えるのだろうか。
「線がつながる」
成瀬は滋賀県立膳所高等学校に入学する。入学式の日、成瀬は坊主頭だった。
いっしょのクラスになった大貫かえではできるだけ成瀬に近づかないようにするが、班活動(部活動)見学の時に会ってしまう。成瀬はカルタ班に入るらしい。
班活動がどうでもよくなった大貫は班には入らず、東大を目指して勉強に打ち込むことにし、塾に通うことにする。
八月に同じ塾に通うクラスメートの須田に誘われ、東大のオープンキャンパスに行くと、成瀬がいた。
成瀬は大貫に行きたいところがあるから付いてきてくれないかと頼む。
訳もわからず付いていく大貫。果たして行った先は?
「レッツゴーミシガン」
第四十五回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会団体戦Dブロック1回戦で、広島県代表錦木高校の西浦航一朗は滋賀県代表膳所高等学校の五番席に座る彼女に目を奪われる。素振りのフォームが独特で、見ているうちに目が離せなくなったのだ。お節介な幼馴染みの結希人がその子に話しかけてくれ、あさってに大津港で待ち合わせをしてミシガンに乗る約束をする。
さて、どうなるのか。
「ときめき江州音頭」
成瀬と島崎のゼゼカラは高校一年生の時からときめき夏祭りの総合司会をしていて、今年で三回目となる。
その打ち合わせの後に、島崎がとんでもない秘密を打ち明けた。
驚いた成瀬は島崎の友人が来たのをいいことに、ロクに話もせずに家に帰った。
それからの成瀬は不調に襲われる。数学が解けないのだ。
成瀬、巻き返しができるか。
この六編の短編の他に「大津ときめき紀行 ぜぜさんぽ」という作者の宮島さんが成瀬に膳所を案内してもらうというエッセイもあります。
さて、皆様、「膳所」の読み方がわかりますか。
実は読み方は出ています。「ぜぜ」なんです。
本当にある町です。
成瀬が通う膳所高等学校は滋賀県でトップレベルだそうです。
成瀬は小さい頃から何でもできる変わった子だったらしく、小学校低学年のうちは皆にすごいと思われていたのですが、次第に気にくわないと思う女子が増え、避けられるようになったようです。
でも、人のことなんて気にしない、一人で大丈夫という子だったので、高校生になれば嫌がらせをする子もいなくなるし、いいんじゃないですかね。
少し発達障害の傾向があるのかもしれないですね。
成瀬は二百歳まで生きるとか、大津にデパートを建てるとか、大きい夢を持っています。
成瀬が言うと本当になりそうですね。
私のようにひねた大人は読まない方がいいww、小学校高学年からYA(ヤングアダルト)向けの本です。
とても読みやすく、楽しいお話です。
人と同じでなくてもいい、あなたはあなたと勇気づけられる人が多いと思います。
夏休みに読んでみると、季節的にいいかもね。
兄、寝床で・・・ ― 2025/06/29
紫陽花はきれいに咲いていますが、暑さは続いています。

暑くなると、ママはもともと苦手な朝がもっと苦手になります。
わんこたちはどうなんでしょうね。
この頃、夜になると兄は自分の寝床で寝ています。
ママが寝る前に寝てしまい、起きれないのです。
朝にパパが仕事に行ってからママの寝床に来ます。

ママがこそっと写真を撮ろうとすると、起きてしまった兄犬。
前足が可愛いですね(親バカww)。

眠くなってきたようです。

お休みなさい。
ピンクのものはママの抱き枕で、使わない掛け布団を丸めているところがふわふわで気持ちよいらしく、近頃いつもここで寝ています。

前はこんな風に寝ていることが多かったんですけどね。
今朝は散歩から帰った弟が部屋から脱走して来て、ママのベッドに飛び乗りました。ヨーキーのジャンプ力は半端ではないです。

弟はいつもママの膝の上を占領して、兄に譲りません。
ベッドの上でもママの上に居座ります。
兄のように大人しく寝てくれるといいのですが。

いくつになってもやんちゃなのがヨーキーなのかもしれません。
ついでに、記録として、足の毛を短くしてしまった兄犬の写真も載せておきます。

頭と身体が大きいのに足が・・・。
この姿を一生ママは悔やむでしょうw。
皆さん、足の毛はほどほどに切りましょうね。
馳月基也 『拙者、妹がおりまして 6~7』 ― 2025/06/28
シリーズの六巻と七巻。

『拙者、妹がおりまして 6』
千紘の手習いの師匠である井手口家の百登枝の孫で、井手口家の嫡男である悠之丞が千尋にご執心であると知り、龍治も兄の勇実も困惑するばかり。
初日の出を見ようと誘われ、千紘は勇実と龍治も誘い、井手口家を訪れる。
年が明け、文政六年(1823)の正月三日。
勇実のところに亀岡菊香の弟の貞次郎が現れ、見合いについてきてほしいという。その見合いは二人の姉妹のうちから一人を選ぶというもので、すぐに選べというものではないが、どうやら貞次郎の気持ちは決まっているようだ。
二月の庚申の日の夜、勇実たちは北町奉行の定町廻り同心、岡本達之進から頼まれ庚申強盗を捕らえるために出ばる。岡本によると同じ北町奉行所の同心、赤沢勘十郎から助勢を頼まれたという。
昨年の冬十月の火牛党に関わる騒動で赤沢の隠し子が殺され、それに関わった岡本へ赤沢が報復を企てているのではないかというのだ。
さて、強盗と火牛党の捕物はどうなるのか。
勇実は支配勘定の尾花琢磨から彼の兄の死の話を聞いていた。
その時、千紘は一人の男が矢島道場をのぞいているのを見かける。
つぎの日、勇実の筆子の白太がその男を捕まえたので、千紘は色々と尋ねてみる。
彼は燕助という琢磨を慕っている元役者で、明日、江戸をたち、里に戻るので、最後に一目琢磨を見たかったというのだ。
千紘と白太は一肌脱ぐことにする。
四月、千紘が家に帰って来たときに、梅屋敷の主、中田歳兵衛が矢島道場の若者たちとやわらの術の稽古をしていた。
稽古の後にお茶を飲んでいると、白瀧家に仕えるお吉が筍の漬物を持ってやって来る。なんと歳兵衛はお吉に一目惚れをしてしまう。
お吉が花のお礼に歳兵衛に会いに行く日、千紘は龍治を誘い、お節介にも二人の様子を見に行く。
『拙者、妹がおりまして 7』
矢島与一郎の昔馴染みの剣術家、佐伯欣十郎が箱根で道場を開いている。
彼の招きで、与一郎や師範代の龍治をはじめとした門下生たちに勇実や千紘、菊香が加わり、箱根の剣術道場へ武者修行をしに行くことになる。
交流試合と温泉、箱根権現のお参りなどの物見遊山の旅のはずだった。
しかし、箱根に”関八州を荒らし回る盗賊がお宝を狙って潜んでいる”という噂があり、その上、怪盗・鼠小僧もお宝を狙っているらしい。
不穏な出来事が次々と起こり、矢島道場の面々も巻き込まれ、大捕物へと発展していく。
勇実たち男たちは剣術の腕が立つのでいいのですが、千紘は気が強いだけのお馬鹿さんで、危ない目に遭っても学ばないのは何故でしょうか。
私って千紘風の女の子が嫌いだということがよくわかりました。
六巻でよかったのは、例のおえんがやっと落ち着きそうだということと、老いらくの恋です。お吉には幸せになって欲しいです。
それにしても若者たちの仲はなかなか進まず、周りの人たちはさっさと決まっていくのはなんででしょうね。
引き伸ばし過ぎじゃないですかぁ。
七巻は一休みという感じです。
このシリーズは若者たちの恋模様を描く以外に捕り物も書きたいという作者の希望のせいか話があちゃこちゃに行ってしまい、進まないですねぇ。
まあ、この時代の箱根がどんな感じか、私は知りたかったのでいいんですけどね。
菊香さんがちょっと心配です。
彼女の頑なな心を勇実は溶かすことができるのか。
次回のお楽しみということで。
このシリーズ、10巻で終わりなので、もう少しです。
「おばあちゃんと僕の約束」を観る ― 2025/06/27
タイの映画で、題名が「หลานม่า(LAHN MAH:おばあちゃんの孫)」。
ポスターがいくつかあったのですが、家族全員が出ているポスターを載せておきます。

エム(ポスターの右下でヘッドフォンをしている男の子)は中華系タイ人。
大学を中退し、ゲーム配信でお金を稼ごうとしているが上手くいっていない。
未だにスーパーに勤めている母のチウ(後ろの列の真ん中)と住み、彼女の金をあてにして暮らしている。
看護師の資格を持っている従姉妹のムイ(エムの後にいる女の子)が祖父の介護をして、祖父から1000万バーツにもなる家を相続したと聞き、手っ取り早く金儲けしたいエムは羨ましかった。
そんなある日、祖母のメンジュ(真ん中のおばあさん)がステージ4の大腸がんを患っていると聞き、エムは祖母の家に押しかける。
うまく祖母に取り入り、彼女の財産を貰おうと目論んだのだ。
メンジュは朝早く起き、駅でお粥を売っているが、エムはだらしない生活を送っているので、早起きなんてできない。
やることなすこと、ことごとくメンジュを呆れさせる。
メンジュには三人の子供がいる。
長男のキアン(チウの左側の男性)は素敵な家を持ち、嫁と可愛い娘(おばあちゃんの左横の女の子)がいるが、彼女たちは滅多にメンジュに会いに来ない。
次男のソーイ(チウの右側の男性)は無職。借金で首が回らず、お金がなくなるとメンジュにお金をせびりに来る。
長女のエムの母、チウはシングルマザーで、スーパーに勤めながらエムを育てている。
エムの気持ちはメンジュの慎ましく生きる姿と大人たちの祖母の心を蔑ろにする姿を見ていくうちに変わっていく・・・。
タイには中華系移民の子孫が人口の10%ぐらいいるそうです。
中華系の人々は仏教を信仰し、祖先崇拝をしています。
映画でも清明節(チンミン)には家族で墓参りをして祖先を供養していましたし、家庭では祖先を祀る祭壇にお茶を捧げていましたね。
映画で気になったのが、親の財産を貰えるのが男だけということです。
メンジュさんは親の介護をしたのにもかかわらず、一銭も財産を貰えませんでした。余命いくばくかになり、恥をしのんで、裕福な兄にお金をくださいとお願いしに行ったのに、拒絶され、二度と会わないとまで言われています。
チウさんも結局何ももらえませんでした。
「息子は遺産を受け継ぎ、娘はがんを受け継ぐ」なんていう残酷な言葉を、よく娘に言えたもんだと思います。
それが中華系、と言えば終わりですが、なんでメンジュさんはチウさんに何も残さなかったのか疑問です。自分も苦労しているのにねぇ。
映画の初めはエムが嫌な奴でした。
しかし、途中から祖母を一番に考えるようになったエムはかわいらしくなりました。もともとエムはそれはど悪い子ではないんです。
仕事で疲れた母の脚をもんでやったりしてましたもの。
余計なお世話ですが、エムがこれからどうやって生きていくのかが心配です。
彼の甘い考えがなくなったとは思えないのですもの。
このままニート生活を続け、チウさんが苦労しそうです。
私はタイに行ったことがありませんし、タイ映画を見たことがありません。
タイと言えばスケベな日本人男性が喜んで行く所というイメージでした(古過ぎですね。ごめんなさい)。
しかし、映画で見ると、今やタイも変わり、日本なんか負けそうな勢いですね。
日本とタイのハーフ男性TJのYouTubeを見ると、行きたい国で日本はダントツ1位ですが、タイ人女性が恋人にしたい外国人では韓国人男性が1位で、日本人男性は最下位です。
日本はアニメや漫画の国で、韓国はドラマや歌手の、ハンサムな男性や可愛い女性の国なんでしょうね。
ちなみにタイ人男性が恋人にしたい外国人女性は日本人女性が1位でした。
TJはタイの美人ばかり取り上げ、男性は観光客相手が仕事の男性ばかりだったので、あてになるのかどうかww。
ア、映画のお話でしたね。
おばあさん役のウサー・セームカムさんは映画出演が初めてという新人さんですが、そうは見えませんでした。いい俳優さんです。
エム役のプッティポン・アッサラッタナクン君はビルキンという愛称のある、タイで人気の俳優であり、歌手でもあるそうです。
エンドロールでビルキン君の歌う「สวยงามเสมอ(Ever-Forever)」がとてもよかったです。
第97回アカデミー賞でタイ史上初の国際長編映画賞ショートリスト入りを果たし、タイだけではなく、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナムなど沢山の国で上映され、タイ史上最高の興行収入を記録した映画だそうです。
「泣ける映画」でもありますので、久しぶりに泣きたいと思う方は見に行ってはいかがでしょうか。
私も不覚にも泣いてしまいましたww。
馳月基也 『拙者、妹がおりまして 4&5』 ― 2025/06/25

知り合いからフクロウの写真をもらいました。
北海道に住むカラフトフクロウではないかと思います。
可愛いですね。

『拙者、妹がおりまして 4』
4月に入り、白瀧家にとんでもないお客が訪れた。
それは勇実の昔の女、おえんだった。
おえんは勇実よりも一回り以上も年上の女で、六年前に千紘の手習いの師匠である井手口家の百登枝から紹介された書物問屋、翰学堂で写本の仕事を始めた時に出会った。
おえんは今、行くところがないから、白瀧家に置いてもらえないかと言う。
しかし、おえんと勇実のただならぬ関係に気づいた千紘は、おえんに対しひどい態度を取る。そのためおえんは二度と勇実の前に姿を見せないという言葉を残して去っていく。
六月になり、勇実の筆子の鞠千代が家の蔵から出てきた短刀の由来を知りたいと言ってくる。龍次が剣術仲間の伝手を使い、水心子正秀に目利きを頼んでやることにする。
その五日後、鞠千代は手習所からの帰り道で何者かに襲われ、かどわかされる。
その場に落ちていた手紙に左文字の短刀を寄越せと書いてあった。
勇実たちは鞠千代を助けに行く。
七月に入り菊香の弟の貞次郎が龍次と勇実のところにやって来る。
姉に五十過ぎの書院番士の男との縁談が来たと言うのだ。
菊香は縁談を受けると言っているらしい。
勇実はどうするのか。
『拙者、妹がおりまして 5』
千紘と将太が祝言を挙げたばかりの幼馴染みの梅之助とおちよに会いに行った時に、おえんが梅之助の家の質屋にやって来る。
千紘はこっそりとおえんの後を追い、おえんが沢姫屋という旅籠に勤めていて、長屋に拾い子と住んでいることを知る。
おえんが拾った子はひどい怪我をしていて、壱と名乗った。彼は龍次と勇実のことを知っているようだった。
ある日、おえんのところにやくざ者がやって来る。壱はその男を刺し殺し、浅草新鳥越町のおえんが前に勤めていた料理茶屋に向う。
おえんから頼まれ、山蔵親分が勇実たちを呼びに来る。
一体、壱とは誰で、茶屋で何をするつもりなのか・・・。
勇実も二十三歳なら女性と何かあってもおかしくないのですが、妹としては嫌なんでしょうねww。
千尋と龍次の間も、勇実と菊香の間も、何も進展がありません。
特に勇実と菊香は今のままで行くと、勇実が振られて終わりになりそうです。
菊香の心の中には伺いしれない暗闇があります。
それを勇実がどうにかできるのでしょうかね。
5巻目に実在する刀工の水心子正秀が出てきます。
私は刀剣女子でないので彼のことは知りませんでしたが、読んで彼と刀剣について少し知ることができました。
意外と(失礼)面白いので、10巻まで読もうと思います。
「突然、君がいなくなって」を観る ― 2025/06/24
アイスランド映画で、原題は「Ljósbrot (光の屈折/光の裂け目)」。
英語の題名は「When the light breaks」。
日本語のは…。

アイスランド、レイキャビックの美大生ウナにはバンド仲間の彼、ディッディがいる。
ディッディには故郷の町にクララという恋人がいるので、二人の関係は秘密にしている。
卒業間近のある日、ディッディはクララに別れを告げに行くと言って出かける。
クララは授業に遅れて参加する。
その日、ディッディの乗るはずだった飛行機は欠航になり、ディッディは車で帰ろうとしてトンネル事故に巻き込まれて亡くなる。
突然のことで茫然自失になるウナ。
誰もウナとディッディのことを知らない。
だがディッディは車で去る前に、友人のグンニに二人の関係をあかしたという。
仲間と飲んで悲しみを紛らわせていると、クララがやって来る。
グンニはクララには何も言うなと釘を刺す。
何も知らないクララはみんなに同情され、慰められている。
ウナはそんなクララに嫉妬を覚える。
クララと行動を共にしながらも、行き場のない思いに押しつぶされそうなウナ。
ウナは美大生らしいイケテル女の子で、クララはいかにも地方出らしいぽっちゃりとした女性。ディッディが何を思ったのか予想がつきます。
クララはひょっとしてディッディと自分との間にできた距離感に気づいていて、彼が自分と別れるつもりだと感じていたんではないかと思ったりします。
ウナを見る目がちょっと怖いですもの。
ウナはクララに真実を言いたかったのでしょうが、そんなことを言ったってディッディが戻ってくるはずもなく、何にもなりませんよね。
互いに死者を悼むしかできませんものね。
そういえばウナがトイレで泣いた顔を洗っている時にクララがやって来て、ドアも閉めずにおしっこをして、その後、手も洗わずに抱き合ったのには驚きました。
なんかクララはけっこう図太い神経の持ち主なのではないかなと思いましたが、どうなんでしょう。
向こうの人には普通のことだったりしてww。
ウナ役の子の頭の形がとてもいいなぁと見とれてしまいましたww。
アイスランドの大学生の生活が垣間見られます。
日本ではタバコをすう若い人が前ほどいなくなったと思うのでですが、アイスランドではそうでもないのでしょうか。
レイキャビックの町の雰囲気がわかり、ハットルグリムス教会やデンマークの建築家ヘニング・ラーセンの設計による文化複合施設「ハルパ」などに行きたくなりました。
特に教会でクララがやったことをやってみたいですね。

映画の終わり間近の二人で夕日を見る場面が好きです。
ヨハン・ヨハンソンの「Odi et Amo」という音楽が映画にピッタリでした。
ストーリーは日本語のタイトル通りのもので、恋人を失った女性の一日を描いた作品です。
とても静謐な、光の燦めきが美しい映画です。
ルーナ・ルーナソン監督へのインタビュー記事
<この日のランチ>
ちょっと早く映画館に着いてしまったので、何か食べることにしました。
そうすると、売店に台湾のサンドイッチが売っていました。

お姉さんに見られながら食べました。
洪瑞珍(ホンレイゼン)という台湾の有名なサンドイッチ店のものだそうです。
野菜は入ってなくて、ハムとチーズ、卵が具です。
ちょっと甘いサンドイッチです。
どうやらマヨネーズにホイップクリームを混ぜたものかバターかの特性ペーストが塗ってあるらしいです。
甘いのなら日本のフルーツサンドの方が美味しいと思うのですが…。
葛西臨海公園に行く ― 2025/06/22
パパが急に葛西臨海公園に行こうと言い出したので、行ってみました。
兄犬は車に乗ったとたんに、クレートの中は嫌だと言うように甘え声を出します。
しばらく無視をしていましたが、吐いたら大変なので、抱いてあげました。
葛西臨海公園にはずっと前に電車で行ったことがありますが、まったく覚えていません。たぶん水族館に行ったはずです。
第一駐車場は大きくてどこにでも止められますが、日陰がありません。
大観覧車がすぐそばに見えます。

蓮池の方は木陰がないようなので、別の方へ行ってみました。

できるだけ日陰を歩くことにしました。

サクラ並木かな。わんこたちにはちょうどいい具合に日が当たらないので、歩いていきましょう。

兄は歩くのが好きなのでグイグイ行きます。
弟はママが後ろにいると、ママが近くまで来るまで動こうとしないことがあります。
この時も踏ん張って動こうとしませんでした。
橋があります。
海が見たいので葛西海浜公園事務所の方へ行ってみましょう。

アラ、パークトレインが走っています。
誰も乗ってませんねぇ。
パパは自販機で飲み物を買って飲んでいます。

わんこたちは早く野原で走りたいみたいです。
(ママが携帯を向けるとそっぽを向くのはお決まりのことですww)

弟は何でかわかりませんが、草を食べたいみたいです。
兄は野原と言えば、走れると思っています。
靭帯が切れているはずなのですけどね。
どうなのかと思ったら、走れるようです。でも、走らせません。
また怪我をしたらダメですから。
(奥に見える建物が葛西海浜公園事務所です)
葛西渚橋を渡って西なぎさに行ってみましょう。

向こうに東京水辺ライン発着所があるようです。
ディズニーランドのシンデレラ城が見えます。

風が強く、日が波に当たってキラキラしています。

兄はママのスリングに入れ、弟はパパが抱きます。
兄は嫌がらずにスリングに入っています。犬も風が気持ちいいのかしら。

気温は高いようですが、風が強いので涼しいです。

潮干狩りをしているようです。
遠くに東京ゲートブリッジが見えます。

これから人が増えるとすごそうです。
しばらく潮風に吹かれていました。

ねむの木があります。ねむの木は水辺に多いのでしょうか。

人が増えないうちに帰りましょう。

この公園はいい撮影スポットなんでしょうか。
モデル(といっても素人っぽい)を使い写真を撮っている人が何組かいました。

意外と暑くなかったらしく、わんこたちはあまり水を飲みません。
今回は右側しか行かなかったので、涼しくなったらまた来て、左側の水族館やカフェの方へ行ってみましょうね。
大きい公園で駐車場も広くてよかったのですが、唯一残念なのが、トイレが汚かったことです。
この頃、どこに行ってもきれいだったのですが。
10時を過ぎると公園が混んでくるようです。
帰りの車の中で兄を抱いていました。
すると全く酔わないようです。
これからは兄を抱いて車に乗るようにしましょうか。
ママが大変ですけど。
高瀬乃一 『往来絵巻 貸本屋おせん』 ― 2025/06/20
一作目の『貸本屋おせん』に続く二作目。

「第一話 らくがき落首」
地本問屋の南場屋の南喜がお縄になったと聞き、おせんは大急ぎで南場屋に駆けつける。小田切さまの落首(時事や人物を風刺した匿名の狂歌や狂句)を立てた科だという。
おせんは複数の貸本の中に落首らしき落書きを見つけ…。
「第二話 往来絵巻」
おおよそ一年をかけた大作、『文化六年巳年神田祭佐柄木町御雇祭絵巻』が完成した。しかし、子供狂言に従う底抜け屋台の囃子方は『十人』なのに絵には『九人』しか描かれていない。怒った町名主の佐柄木与左衛門は絵師に直接会い、描き直してもらいたい。それでなければ絵巻の代金を払うことはできないと言う。
たまたまその場にいたおせんは画工に引き合わしてもらうことを引き換えに、十人の囃子方が行列に繰り出していたかどうか確かめることになる。
「第三話 まさかの身投げ」
鈴屋の旦那が燕ノ舎に一枚絵を依頼し前金四両を手渡した。しかし、燕ノ舎は年明けに参和の訃報に気落ちし、絵が描けず、四両を返して絵の依頼を断った。
ところが鈴屋は一度人様に差し出した金を受け取るなんて、江戸っ子の名が廃るって金を突き返した。それからが大変で、おせんが燕ノ舎に頼まれ突き返された金を鈴屋まで持って行ったことから、鈴屋にまで頼まれることになり、おせんは燕ノ舎と鈴屋の間を行き来する始末。金は二十両にまでなっていた。
そんな頃、薬種問屋信濃屋の旦那ともめ、鑑札の差し止めを受けていた船宿奥川の吾平が芸者と川に身投げをし、重罪人として処罰された。
運航再開の申し立てをしようとするが、芸者と身投げしたことを理由に受け付けてもらえず、このままでは奥川は廃業だ。
実は芸者は信濃屋の情婦だったという。本当に吾平は芸者と身投げしたのだろうか。おせんは一肌脱ぐことにする。
「第四話 みつぞろえ」
植木屋の職人の信吉は女房と子どもがいるが、行きつけの飲み屋「まるふく」で貸本屋梅鉢屋のおせんと飲むのが楽しくてならない。このままおせんと・・・と思ったりもしている。
そんな時にセドリの隈八十という男に『艶道東国聴聞集 巻之人』を持っているはずなので、譲ってくれと言われる。まったく覚えがない信吉だが・・・。
「第五話 道楽本屋」
南場屋六根堂の主人の喜一郎は新春の目玉の読本が売り出しできずに困っていた。
『類板』の疑いありで、差し止めをくらったのだ。行事に訴えたのが、弁天堂というおせんも知らない本屋だ。気になったおせんは弁天堂のことを周りに訊いてみると・・・。
私はおせんと「貸しもの屋お庸」シリーズのお庸がゴチャマゼになっていました。
まったく違うキャラクターでした。
おせんの方が最初から落ち着いた頭のいい女性です。
絵師の燕ノ舎が亡くなってしまうのですが、一作目が三年ぐらい前なので内容を忘れてしまいました。おせんとどういう関係なのかしら?
おせんのお父さんが亡くなった時か貸本が燃えてしまった時に、おせんを助けた人なのかもしれないですね。
江戸の出版業界のことがわかるお話です。
次回の謎がどんなものか、期待して待ちましょう。
できればあまり時間を置かないで下さい。
私、忘れてしまいますwww。
馳月基矢 『拙者、妹がおりまして 2&3』 ― 2025/06/19
『拙者、妹がおりまして』の続き。

『拙者、妹がおりまして 2』
文政四年(1821年)九月、江戸に若い女性ばかりを狙って盗みをし、殺す女盗賊お七が現れる。
目明かしの山蔵親分が追っていたが、なかなか捕まらない。
困った山蔵は白瀧勇実と矢島龍治に助けを借りに来る。
山蔵は千紘に囮になってくれというが、勇実たちは反対する。
しかし、千紘はやる気満々。
たまたまそこに亀岡菊香とその弟の貞次郎がやって来た。
父親から剣術指南を受けていたという菊香が千紘と二人で囮になり協力することになる。
九月も終わりの雨の日、雨宿りをしていた千紘と菊香にお仙という女が話しかけてくる。
この女がお七だった。
捕らえてみると、盗みの罪は認めるが殺しの罪は認めなかった。
12月になり殺しをするお七が現れる。
お七は、盗みをするお七と盗みと殺しをするお七の二人いたのだ。
千紘はまた囮になると言うが、反対する龍治は千紘をコテンパンに負かし、自分が女の振りをして囮になるという。
果たしてお七を捕らえることができるのか・・・。
『拙者、妹がおりまして 3』
初日の出を見に行った千紘と龍治だったが、近所の剣術道場の連中に捕まり、龍治の告白は取り止めになる。
正月早々勇実たちは北町奉行所の定町廻り同心の岡本達之進から昨年捕らえたお七が牢を出たことを知らされる。
二月のある夜、お七が千紘に復讐しに来る。
勇実と龍治が気づき駆けつけるが、逃げられてしまう。
三月に入り、立ち合い稽古の後に行った勇実たち馴染みの湯屋で、勇実たちは板の間稼ぎに遭う。(「板の間稼ぎ」=「湯屋で着物を盗んでいく泥棒」)
盗むのは男の褌ばかりだという。
同心の岡本が調べることになるが、意外な犯人で・・・。
親友の龍治の千紘への思いを知った勇実は二人を見守ることにしましたが、いつ千紘が龍治の思いに気づくのでしょうね。
千紘もいらぬおせっかいをしている暇があったら自分のことを考えた方がいいんじゃないと言いたくなります。
兄の勇実は菊香が気になる存在になったようです。
菊香は過去のことがあるので、気をつけて接しなければならない人ですし、勇実も恋愛には奥手なので、どうなるのか心配です。
このシリーズは<龍治と千紘>&<勇実と菊香>の恋愛模様と勇実の将来決定が中心で付け足しのように捕り物があるというお話です。
時代小説初心者の方にぴったりだと思います。
「ただ、愛を選ぶこと」を観る ― 2025/06/18
ドキュメンタリー映画。
原題がノルウェー語で「Ukjent lanskap(未知の風景)」で、英題が「A New
Kind of Wilderness」。

ペイン家はイギリス人の父親のニックとノルウェー人の母親で写真家のマリア、母の連れ子の長女のロンニャ、夫妻の実子の三人の子ども、次女のフレイヤ、長男のファルク、次男のウルブの6人で、ノルウェーの森の中の農場に住んでいた。
ニックとマリアは競争社会や物質主義からの自由を求めて農場に移り住んだのだ。
自給自足に近い生活をし、子どもたちは学校に行かせず、ホームスクーリングで勉強させ、主にマリアの稼ぎで暮らしていた。
しかし、マリアがガンに罹り、闘病の末に亡くなってしまう。
彼女は家族のかけがいのない要だった。
母がいない生活に耐えきれないロンニャは実の父親と住むことにし、家を出て行った。
マリアは子どもたちが農場で暮らしていくことを望んでいたが、ニックは農場の仕事をしながら三人の子どもたちを育てていくことに限界を感じていた。
このままでは生活が立ち行かなくなると思ったニックは、農場を売って町の近くに住むか、イギリスに帰って実家の家族と住むか、どちらにしようかと悩む。
試しにイギリスに行くが、子どもたちはノルウェーに帰りたいと言う。
ニックは農場を売り、町に住み、仕事を探し、子どもたちを学校に行かせることにする。
フレイヤは頑なに学校に行くことを拒むが・・・。
フィクションのノルウェー映画だと思って見に行き、映画を見終わってからドキュメンタリー映画だということを知りました。
マリアさんの家族を撮った写真はとても素晴らしいものです。(ポスターの写真)
マリアさんは2019年にお亡くなりになっていますが、可愛い子どもたちを残して逝くことは辛かったでしょう。
のこされた子どもたちやニックはマリアを失った悲しみに打ちひしがれつつも、新しい環境に馴染み、なんとか暮らしていかなければなりません。
その三年間を描いたのが、この映画です。
自然と共に生き、町では体験できないような生活をすることは大人にはいいかもしれませんが、子どもにとってはどうなんでしょう。
他の子どもと触れ合うことも必要だと思います。
あれだけ学校に行くのを嫌がり、学校を「刑務所」とまで言っていたフレイヤが、家族とキャンプに行くよりも友だちに会いたいから毎日学校に行きたいというのがその答えだと思います。
子どもたちが撮影することに賛成したので、この映画が作られたそうです。
カメラが回っているのに、自然ですね。
幼いウルブ君がナイフや斧、包丁などを扱っているのが怖かったですが、彼にとっては普通のことなのですね。
やや不自然なやらせみたいなところも少しありましたがww。
ノルウェーの自然が美しくて、行ってみたいと思いました。
今年からスウェーデンまでの直行便が運航されたというのに、残念ながらノルウェーまでの直行便はありません。
ノルウェーって北欧の中で一番裕福な国らしいです。
愛する誰かを亡くした人が見ると、より胸に迫るものがあると思います。
母親のマリア・グロース・ヴァトネさんのブログが残されています。
「wild+free」をご覧下さい。
この中で「We govern our own lives, we strive for independence, we want
to be in this life wild and free and full of love.(私たちは自分たちの人生を自分たちでコントロールし、自立を目指し、この人生を野性的で自由で愛に満ちたものにしたいと思います)」とマリアさんは書いています。
映画「ただ、愛を選ぶこと」予告編
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