明けましておめでとうございます。 ― 2026/01/01

我が家のわんこたちから、新年のご挨拶です。
今年はちゃんと二匹ともにカメラの方を向いてくれ、すぐに写真が撮れました。
見かけは若いですが、今年、兄犬、14歳、弟犬、12歳になります。
健康に気をつけて、長生きして欲しいです。
わんこ共々、今年もよろしくお願いします。
昨年読んだ本は、ブログで紹介したものが約215冊+αでした。
毎年コンスタントに200冊は読んでいるようです。
このペースで今年もいきたいと思います。
では、昨年、読んだ本の中で面白かった本を紹介いたしましょう。
伝記もので女性の生き方を描いた作品が私の好みに合ったようです。
『11ミリのふたつ星』 砥上裕將
『星の教室』 髙田郁
『天までのぼれ』 中脇初枝
桐野夏生の村野ミロ・シリーズ
次に映画を紹介します。
BBCドラマの「Miss Austen」
本当は舞台も見に行きたいのですが、なかなか行けないので、映画で我慢しています。
今年も月に2回ぐらいのペースで映画に行きたいです。
フィンランド語は続いています。
単語が覚えられませんが、ボケ防止にはいいので、長くやっていけば、そのうちどうにかなるでしょうww。
無料Duolingoはしばらく止めていましたが、携帯ではなくてiPadでやるようにして、10月から一日一レッスンをやり続け、やっとSection2、Unit18までいきました。
ノルウェー語もやりたいのですが、フィンランド語をやるとできません。
無料なので仕方ないですね。
今年の御節です。

イタリア風です。
風邪のせいで胃の調子がイマイチで、あまり食べられませんでしたが、美味しかったです。

福袋は、やっと買えたホットマンです。
うっかり忘れていて、売り出し時間から大分経ってから見たら、どこのデパートも売り切れていました。
某デパートは大っぴらに宣伝していなかったらしく、売れずに残っていたので、買えました。
旅行は海外に行こうと計画しています。
わんこたちと一緒の旅行も行きたいですね。
わんこたちが元気でいてくれればいいのですが。
とにかく今年は健康に気をつけることを念頭に置いて、わんこたちと楽しく過ごしていこうと思います。

「では、みなさん、僕たちも楽しく過ごしますので、がんばりましょう」
読んだ時代小説シリーズ ― 2026/01/03
少しブログに繋がりやすくなったかと思ったら、海外の方では全くダメみたいです。どうにかならないものでしょうかね。
さて、昨年に読んだもので、紹介していないものがあるので、一遍に紹介しちゃいましょう。

和田はつ子 『家族ぜんざい 料理人季蔵捕物控』
ある日、昼賄いでにぎわっている塩梅屋に酒問屋の若旦那、江戸屋治吉がやってくる。養母を刀で斬殺し、打ち首に処されたという幼馴染の和泉健治の無実の証をたてたいというのだ。手助けをすることにした季蔵だが…。
和田はつ子 『日ノ本一のおせち 料理人季蔵捕物控』
塩梅屋の安くてうまい昼賄いが好評だ。ある日、季蔵の弟分の豪助とその妻のおしんが切り盛りしている鳥料理の店、味楽里の庭で武家の娘の骸が見つかり、同じ時に塩梅屋に海苔を寄付してくれた品川屋の主と大番頭が店の近くの神社で殺されていた。辻斬りではないかと思われた。
そんな時に北町奉行烏谷は季蔵に、『四方八方料理大全』の著者であり、種々料理法の生き字引である松枝貴栄に手助けを頼み、”大江戸泉岳寺初参り”に出す日ノ本一のおせちを作り上げろと命じる。烏谷の真意は?
料理人季蔵捕物控シリーズも五十作目だそうです。長く続いていますね。
この頃、料理の記述が多くて、そこは流し読みになっています。
御節料理について詳しく知りたい方は読んでみるといいでしょう。
李蔵の思い人が今回は出てこなくて、ちょっと残念です。
麻宮好 『震える羊羹舟 おけいの戯作手帖<二>』
戯作者見習のおけいは二作目が書けずに苦しんでいたが、十一歳の弟の幸太郎には単独で妖怪絵の注文が来ていた。
そんなある日、おけいの想い人で、版元の勘助からお菓子競べに誘われる。
なんとそこで羊羹舟が宙を飛んだのだ。
おけいは羊羹舟の謎を解き、次作に書こうと思うが…。
「羊羹舟」は羊羹を作る時に使う型のことです。
おけいは一巻目よりもしおらしくなっていますww。
同じく女戯作者の桜木華絵が登場し、おけいと友だちになったので、次回は二人で謎解きをするのでしょうかね。
風野真知雄 『わるじい義剣帖(六)ありがたや』
孫愛溢れる愛坂桃太郎は相変わらず面倒な頼まれごとに悩まされている。
今回は「化け猫の墓」、「駕籠かきが消えた駕籠」、「役立たずの提灯」という謎解きだ。
こんなことばかりならよかったのだが、桃太郎は隠密同心の殺しと関わることになる。
ひょっとしたら桃太郎は次回は危ないことにまきこまれるのでは…。
有能な人はおちおち隠居もできないものですね。
坂井希久子 『撫子こがし 花暦 居酒屋ぜんや』
只次郎とお妙夫婦に子が生まれたが、産後の肥立ちが悪く、お妙はなかなか床を上げられずにいたため、お花は一人で『ぜんや』を切り盛りしている。
そんな時に一人のお侍がぜんやにやって来る。彼はお花の実母と何やらありそうな感じだ。
一方、熊吉は仕事の迷いとお花への想いから抜け出せずにもがいていた。
「どっちを向いて歩けばいいか分からないときは、周りをよく見てごらんなさい」
というお妙の言葉が熊吉の心に届くのかな。
一区切りがついたお花のこれからの活躍が期待されます。
馳月基矢 『掌 蛇杖院かけだし診療禄』
穢れが見える拝み屋桜丸が予言した通りに麻疹が江戸で猛威をふるい始めた。
桜丸の指揮の下、蛇杖院は総出で病人の世話をしていたが、小梅村にも麻疹の患者が出るようになり、やがて桜丸が倒れた。
市中には根も葉もない噂話や印施、瓦版などがばらまかれた。
薬が大手の医家に押さえられ、その医家は高い薬礼が支払える者だけに治療を施していた。
そんな頃、瑞之助の実家の長山家から甥や姪が麻疹に罹ったと手紙が来る。
瑞之助は治療のために長山家に戻り、三年ぶりに母や兄と向き合うことになる。
江戸時代の医師たちは治療法も確立していない時に、知恵を出し合って患者を助けてきたのですね。
瑞之助が医師として益々成長し、頼りになってきました。
次回に思わぬ展開がありそうで、楽しみです。
料理人季蔵捕物控シリーズとおけいの戯作手帖はそろそろ読むのを止めようかと思います。
それ以外のシリーズは面白くなってきたので、続けて読もうと思います。
せやま南天 『パルティータを鳴らすまで』 ― 2026/01/04

中学校二年生の時本拓実は里親のもとで4歳から暮らしている。
里父は弦楽器職人。部活には入らず、学校から帰ると彼の工房で過ごしている。
里父からバイオリンを教わり、出来上がったばかりのバイオリンを弾くのが楽しみになっている。
来年の三月で10年の委託期間が終わり、実母のもとへ戻る。
そのことでこの頃、拓実は情緒不安定気味だ。
ある日、何か父のためにしたいと思い、拓実を引き取ったせいで行き来が途絶えた父とバイオリニストである祖父との間を取り持とうと思い、拓実は祖父の家に行く。
祖母が招いてくれた部屋には憧れのストラディバリウスの「ヨーゼフ」があった。
父が「ヨーゼフ」の写真を作業机の真ん中に貼っているので、すぐにわかった。
拓実は弾きたいという思いに負け、「ヨーゼフ」を弾いてみる。
しかし、勝手に弾いたことで激怒した祖父に追い出されてしまう。
帰ろうと歩きだした時、バイオリンの音が聞こえてくる。
それはあたたかく、切なく、懐かしい響きだった。
別の日、拓実は祖父のバイオリンの音をもう一度聞きたいと思い、祖父の家に行く。
彼に気づいた祖母がまた家に入れてくれ、拓実の気持ちを聞いてくれた。
それから拓実は祖父にバイオリンを習うようになる。
そして、友人の八木沢に促され、実母のところに戻ると二度と会えなくなる父母と別れる前に、祖父が主催する信州の教会で行われる演奏会でバッハの「無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ」を弾くことにするが…。
YA(ヤングアダルト)向きのお話です。
里親制度のことを知らない人が読むと色々とわかります。
実の親のところに戻ると、里親に会えないことがあるんですね。
なんかそれは非情な感じがします。
実母と里親と両方で子どもに関わり、育てていくことはできないのでしょうか。
それがダメでも、大人になってから会っても問題ないと思いますが、ずっと会ってはいけないのでしょうか。
この話には裏があって、祖父母は他人だから、これからもバイオリンを教えてもらえるようですがww。
本の中で拓実と同じ境遇の幼馴染の果鈴がいいことを言っています。
家族とは死ぬまでずっと一緒にいられるわけがない、私と一緒にいるのは私だから「私が私を幸せにするしかない」。
その通りですね。
「パルティータ」とは音楽用語で「組曲」という意味ですが、実はフランス語の動詞「partir」が由来だそうです。
「partir<パルティール>」は「出発する」という意味です。
養父母と別れ、実母と新しい生活を始めるという本のテーマに合った曲ですね。
HIMARIちゃんの演奏をお聞きください。
観泉寺に行く ― 2026/01/05
ネットを見ていると、「東京23区で美しい庭園が楽しめるお寺4選」という記事を見つけました。
その中で紹介されていた観泉寺に行ってみました。
上井草駅から徒歩約15分、荻窪駅と西荻窪駅から徒歩約25分で、バスもあるようです。
お寺の中と横に2つ駐車場があります。
訪問者が少なく海外からの観光客も来ていないので、ゆっくり見ることができました。
曹洞宗のお寺だそうです。

ここから入ると、突き当りに駐車場があります。

左手に竹林があります。

駐車場からの入り口にポスターが貼ってあったのですが、11月下旬の二日間、「今川紅とうろ in観泉寺」というライトアップをしているようです。

左手に登楼。

本堂。

「観泉禅寺」と書いてあるのかな?揮毫は93歳の大光園心禅師だそうです。

本堂から振り向くと、山門が見えます。


閻魔堂。
春になるろ牡丹かなにかが咲きそうですね。

天気がよくて、気持ちがいいです。

飛行機でも通ったのかな。

池泉鑑賞式庭園がありますが、近くには行けません。
錦鯉が見えました。

右側に滝がありましたが、逆光なので、ちゃんとした写真が撮れませんでした。
写真の右の方へ行くと墓地があります。

墓地の入り口に石仏が並んでいます。
観泉寺は1597年(慶長2年)に多摩郡下井草に創建された観音寺を始まりとする寺院で、戦国時代、織田信長との「桶狭間の戦い」で敗れた戦国大名、今川義元で有名な今川家ゆかりの寺院だそうです。

今川家累代之墓があり、その説明文です。
今川家は滅びたと思っていたのですが…。詳しくは調べてみてください。

お墓の写真写りがよくないので、興味がある方は実際に行ってみてください。

白梅が咲いていました。

紅梅も咲いています。

庭には枝垂桜や紅葉があるそうなので、3月か11月ごろに来るといいでしょう。

竹林の全体像です。
駐車場に彫刻らしきものがあったので、見てみました。

笠置李男の「生存」という作品です。
写真を撮っていませんが、お寺の周りも趣があるので、歩いてみるといいでしょう。
<今年の福袋>
抽選のある福袋に挑戦してみました。
残念ながらたったひとつしか当選しませんでした。

カルディの食品の福袋です。なかなか盛沢山で、使えるものが多いです。
<新春ビュッフェ>

ビュッフェに行きましたが、それほど食べられませんでした。
少しずつ、満遍なく食べようと思ったのですが、すぐにギブアップ。
デザートのケーキはひとつも食べられませんでした。
もう無理ですねww。
読んだ文庫本 ― 2026/01/06
2025年中に読んだ本をまとめて書いておきます。(まだありそうだけどww)

上田健次 『サツ飯 刑事も黙るしみしみカツ丼』
担当していた社内報が休刊となり仕事がなくなった桜花(さくらはな)は部長に呼び出され、県警内部の広報誌『桜花(おうか)』の中の連載『サツ飯!拝見』を担当することになる。
料理を作る人や食べる人に取材し、料理に絡んだ出来事や思い出を記事にしていくのだ。
県警総務部広報課の長山が取材先を決め、花を案内してくれる。
花が取材した『サツ飯』は、『長寿庵』のカツ丼、機動隊の『隊弁』、喫茶店『ポアンカレ』のナポリタン、警察学校の食堂で作るから揚げ、繁華街パトロールの前に出されるカレーライス。
どれもおいしい、警察職員一押しの食事だ。
出てくるどの料理も食べたくなります。
料理もいいのですが、警察のことを何も知らない花ちゃんに長山が説明する内容がいいです。
警察のことを少しでも知りたい方は読んでみてください。
えー、そうなの、テレビと違うじゃん、と思うことが多々あるでしょう。
澤村御影 『准教授・高槻彰良の推察12 破られた約束』
高槻彰良の祖父・嘉克が死んだ。高槻の神隠しの真相を知る唯一の人物で、会って話を聞こうと思っていた矢先だった。
葬式に行くが、中には入れず、久しぶりに会った祖母から話を聞けることになる。
祖母は離縁される前のある夜、祖父のところに「友」が会いに来たという。
「友」とは一体誰なのか。
そんな頃に異捜の山路が現れ、料亭で見つかった呪物「鬼女の腕」の調査を高槻に依頼する。
高槻の神隠しの真相がいよいよ明かされようとしています。
次回に続きますが、楽しみに待ちます。
伊多波碧 『犬飼ですが、猫しか診ません』
犬飼倫人は信濃大学の付属動物病院の猫専門医。犬が大嫌いで、猫以外を診るのを拒否している。犬のすぐに懐いて、全身を委ねてくる感じが堪らなく嫌なのだ。
ある日、犬飼は大雪で被災した市民のための避難所に設置された仮設動物病院で嫌々働らいていた。避難所で次々と猫や犬たちの逃亡や失踪などの事件が起こる。
何かおかしいと思った犬飼は事件解決に奔走する。
犬飼は猫の通訳で、生きる猫語翻訳アプリなんだそうです。翻訳アプリよりも高機能って、彼の頭の中はどうなっているの?
猫愛のために頑張り、悪い奴を炙り出す犬飼はいい人だけど、人とはうまくやっていけそうもないですねぇ。
幼馴染の子がいるからいいかwww。
北村浩子 『日本語教師、外国人に日本語を学ぶ』
現在、日本語教師をしている北村さんが9人の日本語を流暢に話す外国人にインタビューして書かれた本です。
9人とは、韓国出身のシンガーソングライター、K、中国出身の調理師、孫成順、イタリア出身の翻訳家、ドイツのテレビプロデューサー、駐日フィンランド大使館商務部上席商務官、ペナン出身の大学助教、ウクライナ出身の声優、ベトナム出身の博士課程在籍の学生、ジョージア特任全権大史、ティムラズ・レジャバです。
日本語を話す私たちには思いつかないようなことや、日本語を教える人や日本語を学ぼうという人に役立つことが書かれています。
新書ですが、簡単な言葉で書かれていますので、興味があったら読んでみてください。
ニタ・プローズ 『メイドの推理とミステリー作家の殺人』 ― 2026/01/08
『メイドの秘密とホテルの死体』から四年後のお話です。

モーリーはいまや五つ星ホテル<リージェンシー・グランド・ホテル>のメイド主任となり、メイド研修生のリリー・フィンチに仕事を教えている。
世界的に名を知られるベストセラー作家、J・D・グリムソープが、改修されたばかりの<グランド・ティールーム>で重大発表を行うことになる。
モーリーは支配人のミスター・スノーから采配を任された。
ところがグリムソープがスピーチを始めた、その時に、彼は急に倒れて絶命してしまう。
因縁の女刑事スタークが再度現れる。
どうもスピーチ前に飲んだお茶に毒が仕込まれていたようで、お茶を供したリリーが疑われる。
「責められるのはいつもメイド」であることを知るモーリーは、リリーのために事件を解決しようと思う。
実はモーリーはグリムソープのことを知っていた。
おばあちゃんが彼の屋敷でメイドとして働いていたのだ。
あれから四年が経ち、モーリーの成長には目覚ましいものがあります。
恋人のファン・マヌエルと一緒に暮らし、アンジェラという友だちもでき、後輩を指導し、スタークにも互角に太刀打ちできるようにまでなっています。
まあ、たまに変なことを口走ってしまいますがご愛敬です。
今回の目玉は、現在とモーリーとフローラおばあちゃんの過去が交互に描かれているところです。
つくづく思うのは、おばあちゃんは本当にいい人だなぁということです。
最後までモーリーを信じてくれているんですもの。
彼女はモーリーに「希望の光を灯す方法を見つけてくれた」人です。
おばあちゃんの言葉がモーリーの生きるよすがになっています。
例えば、「一歩ずつ踏みだす。それがこの世でどこへ行くにもたどり着くための唯一の方法」。「表紙で本を判断してはいけません」などなど。
やっとスタークがモーリーの良さに気づくところがいいですね。
今回はメキシコに行っていて活躍できませんでしたが、彼氏のファンとちょっと危ない友人のアンジェラ、これからモーリーの片腕になりそうなリリー、そして刑事のスターク。この四人と他のホテルの面々がそろえば、怖い物なしですねww。
最後にミスター・ブレストンの言葉を載せておきます。
「孤独と虚しさ、その穴を埋めるために溜め込む。恐ろしい病だが簡単な治療法がある」(中略)「思いやり。辛抱強い耳。暖かい腕。(中略)」
またモーリーに会えて、とっても嬉しいです。
もっと嬉しいことに、昨年の四月に三作目『The Maid's Secret』が刊行されていたようです。
あらすじを見てみると、アラ、モーリーは昇進し、私生活でもいいことが起こったようです。その上、おばあちゃんが残した物が…。
おばあちゃんには隠されたことが沢山ありそうです。
翻訳される前に読みたいけれど、円安のためペーパーバッグでも高いのよ。
翻訳を待つしかないかしら…。
そうそう、おばあちゃんがクッションに刺繍した言葉はいろいろな説がありますが、「二ーバーの祈り(The Serenity Prayer)」と言って、アメリカの神学者、ラインホルド・ニーバーが作ったものと言われています。
「God, grant me the serenity
to accept the things I cannot change,
courage to change the things I can,
and wisdom to distinguish the one from the other.」
単語が少し違っているものやもっと長いものもあるので、本を見ないとどれなのかわかりませんが、一応載せておきます。
朝井まかて 『グロリアソサエテ』 ― 2026/01/10

大正十三年(1924年)、サチは昨年の地震の後、京都に居を移していた宗教哲学者、柳宗悦(1889-1961)の家で女中として働き始める。
サチは東京で生まれ育ったが、地震で父を亡くし、兄の勧めで大阪の遠縁の家に避難したが、京都の家で女中を求めていると追い出され、奉公先が決まるまで出町柳の八百久で居候をさせてもらっていた。
柳家は八百久から紹介された。
柳家には声楽家の奥様、兼子と子どもが二人、そしてばあやがいる。
時にばあやにいけずをされるが、奥様や子どもたちは優しく、柳家はサチには居心地のいい家だ。
柳家の家計はすべて兼子の稼ぎによりまかなわれている。
柳は好き勝手に金を使うばかりで、金を稼ごうとはしない。
その上、家ではいつも不機嫌で黙っている。
兼子がやっと留学費を貯め、ドイツに行きたいと言っても、反対するばかりで、兼子のことを「エゴイスト」だとまで言う。
兼子は女性たることと芸術家たることを両立したかったのだ。
柳宗悦の家には陶芸家の河井寛次郎や英国帰りの陶芸家の濱田庄司たちが訪れ、共に小道具市を巡り、「下手物」を買い、日用の品に美を見出していた。
彼らはそれらを後に「民藝」と名付ける。
サチはそんな彼らを身近で見守るが…。
このお話では1924年から1937年までのことが描かれています。
柳は1924年から木喰仏の調査を行い、1925年から「民藝」の言葉を使い、1926年に「日本民藝美術館設立趣意書」を発表、1934年に日本民藝協会設立、1936年に東京駒場に日本民藝館を創設し、柳は初代館長になります。
その後、この本に関係することでは、沖縄への工芸調査とそれにともなう方言論争などの活動をしたそうです。
私は柳宗悦よりも兼子(1892-1984)の方が気になりました。
兼子は凄いですよ。スーパーウーマンです。
柳と兼子は恋愛結婚で、声楽を続けることを条件に結婚したそうです。
彼女の声楽でお金が稼げると思っていたのかどうかはわかりませんが、柳の民藝運動の大きな助けになったことは確かです。
他の有名人の伝記などを読むと、柳だけを責めることができません。
この頃は何かを成し遂げるためには男は家庭を犠牲にし、金のような下賤なものなんかには構わず、大義のために戦うべきだという感じですものね。
兼子はお金のためもあるんですが、様々な場所でリサイタルを行い、夫の反対にもかかわらずドイツに留学し、ベルリンではドイツ人を驚愕させるほどのリート歌手だと言われながらも日本に戻り、夫を支え続けます。
戦中は軍歌を歌うことを拒否し、1961年に柳が死んでからも歌い続け、85歳まで公式のリサイタルを行い、92歳で亡くなる二カ月前まで後進の指導をしていたんですって。
やっと80歳になって歌が歌えたなという気がする。長生きしてよかったと思うというようなことを言ったそうです。
ひょっとして柳が亡くなってからの方が歌に集中できてよかったかもしれませんねぇww。
この本はサチの視点から書かれていますが、兼子の視点から書かれていたら、どんなになっていたでしょうね。
読んでみたかったです。
もしよろしければ、どなたか、兼子のことを書いてくれないでしょうか。
サチの隠された身の上が意外なものでしたが、最後に幸せになりそうな感じで終わっていたのでよかったです。
面白く読めましたけど、どことなく現実感のない柳家のことよりも、柳兼子のことが知りたいと思いましたけどねww。
高円寺の長仙寺に行く ― 2026/01/11
美しい庭園があるというので、真言宗の長仙寺に行ってみました。
ここは駅から近くて、歩いて2、3分です。

仁王門に「日王山」と書いてあり、左右に仁王像があります。
区のHPによると、「1704年(宝永元年)、中野の宝仙寺にいた住僧・貞秀がこの地に一庵を建て、日王山阿遮院と号した」とされているそうですが、開山はそれ以前で、初代住職は宥観和尚ではないかということです。
私は門の前の幟が気になりました。
「ペットのお墓」って書いてあります。
調べてみると、ペットの遺骨を納めるための供養塔(ペット墓)があるようです。
詳しくはお寺に聞かなければならないようです。都心ですからお高いのでしょうね。そろそろ考えておかなければ…。

門から見えるのは庫裏と枯山水の庭です。

入るのを躊躇します。

入って左に石登楼や五重塔、石橋などが見えます。
池もあるのですが、水はありません。

冬なので、苔は茶色くなっているみたいですね。
写真の右手に「歯神様」と言われている如意輪観音の石仏がありあます。

写真を引き延ばしてみましょうか。

昔の人に右手を頬にあてる姿が歯痛を我慢するように見えたそうです。
この石仏の右手に階段があります。

上って行くと、本堂です。

本堂には不動明王像がまつられており、戦火を免れた室町時代の作と言われています。

寄贈された石仏。

これも寄贈されたのかな。

古い灯篭。
冬ではなく、他の季節に来ると、緑が美しいのでしょうね。

仁王門にハトがいたので、写真を撮ってみると…。

アラ、鬼瓦が見えます。

怖いですねぇww。
新宿にあったパン屋の墨會が転居していたので、パンを買って帰りました。
お腹がすいていたら、イートインで食べたかったな。
内藤了 『SOUL 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』 ― 2026/01/12

椿が満開になり、

梅の花が咲き始めました。
まだ寒さが続きますが、花があるだけで気分がよくなりますよね。
さて、「警視庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花」シリーズの七作目が出ました。

警察庁特捜地域潜入班は今まで部屋がなく、班長の土井火斗志所有のオンボロキャンピングカーが班室の代わりになっていた。
ところが今までの働きが認められたのか、警察庁本部の資料検索室が班室として与えられた。
そして新たに本庁の通信官と兼任だった万羽福子と生活安全局の駆け出し刑事で連絡係だった丸山勇の二人が特捜地域潜入班の専任となった。
まだ部屋が片付いていないという時に、刑事局刑事企画課課長の反町秀造が一通の手紙を持って来る。
差出人は東京拘置所で教誨師を勤める住職の若原唯善で、彼の担当する五十四歳の死刑囚・西口治が、フリーマガジンの盂蘭盆会を扱った記事の写真を見たのをきっかけに、新たにサラリーマンと社長夫妻、三名の殺人を告白したという。
西口は元来の嘘つきで死刑確定者でもあるので、拘置所の所長に取り合ってもらえず、特捜地域潜入班の力を借りたいというのだ。
潜入班は西口の刑が確定するまでの経緯を調べていき、土井と成瀬が若原に会いに行く。
住職は、西口は虚言癖とは違い、計算ずくのような気がする。
嘘だらけのままで受ける処刑は『罪の償い』ではなく、『ただの死』だ。
彼を『人』として死なせてやりたいと語る。
割り切れない気持ちのまま、潜入班は西口の人生を調べていくが…。
盂蘭盆会の写真がちょっとご都合主義のような感じでした。
そんなオカルトっぽい写真は普通は載らないのではないでしょうか。
西口の人生を探っていくうちに浮かび上がる事実が悲しいものでしたが、はっきり言うと、西口はどんな家庭に生まれても、死刑囚にまではならなくても、何らかの事件に巻き込まれそうに思います。
住職の『人』として死なせてやりたいという言葉がありがたいですね。
死刑の是非については、考え続けていかなければならない課題です。
二回続けて東京が舞台になっていますが、メンバーが四人になった潜入班は、次回からまた地方に赴き、今まで以上に活躍してくれそうです。
「おくびょう鳥が歌うほうへ」を観る ― 2026/01/14
年末に見たい映画がなかったのですが、1月に入り、次々と見たいものが上映され始めています。
この映画は原題が「THE OUTRUN」で、シアーシャ・ローナンがプロデュース兼主演です。
エイミー・リプトロットによる原作があるそうで、そのうち翻訳がでそうですね。

ロンドンの大学で生物学を学んでいた29歳のロナは10年ぶりに故郷のオークニー諸島に帰る。
故郷には離婚した両親が住んでいる。
双極性障害を患っていている父親はトレーラーハウスに住み、農園で働いている。
母親は宗教に熱心で、家によく信者の女性たちが出入りしている。
ロンドンでのロナは酒で身を持ち崩していた。
仕事も恋人も、すべて失った。
暴力事件に巻き込まれ、やっと思い立ち、ロナはAA(Alcoholics Anonymous)の施設に入り、90日間の断酒をやり遂げる。
断酒をしても、酒への渇望はなくならない。
過去のフラッシュバックがふとした時に蘇る。
父親がうつ状態に陥り、ベッドで動けない時に、ロナはテーブルの上にあった酒に指を浸し、なめてしまう。
やがてロナは孤島に行き、一人で生活する…。
オークニー諸島の風と波が荒ぶるロナの心を表しているようでした。
安定しない家庭環境の中で育ってきたロナは寂しさを抱えて生きてきたのでしょうね。
そのため恋人との関係もうまく行かず、都会での生活にも適応できず、酒を飲んだ時の高揚感が忘れられず、酒にのめり込んでいきます。
お酒の飲めない私は酔うと気持ちがよくなるのは羨ましいですがww。
宗教に逃げざるおえなかった母の痛みと苦しみを知ることにより、ロナは今までのことに折り合いができ、少しずつ再生への道を辿り始めたのではないでしょうか。
AAの集会の初めにみんなで唱えているのが『メイドの推理とミステリー作家の殺人』に出て来た「二ーバーの祈り」です。
どんなに日が経とうが、酒への渇望がなくならないといいます。
ロナのこれからがよくなることを祈らずにはいられませんでした。
嬉しいことに最後にささやかな奇跡が起きましたww。
シアーシャ・ローナンがとてもいいです。
オークニー諸島は、いつもあんなに波が荒いのでしょうか。
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