クレア・チェイス 『アンティークショップ探偵 4枚のクイーン事件』 ― 2026/09/01

ベラ・ウィンターはホープ・イートンの町にある<ヴィンテージ・ウィンター>というアンティーク・ショップのオーナー。
ある日の朝、シャワーを浴びていると、水がドンドン冷たくなっていく。
ボイラーが壊れたのだ。
修理は明日しかできないということで、お節介な母親アマンダが詩人の友人夫妻に頼んで、彼らの大邸宅レイヴン・ハウスにベラを一晩泊めてもらうことにする。
翌日、レイヴン・ハウスから帰ろうと愛車に乗り込み、夫妻の所有地のレイヴン・ホールの遺構を通り過ぎようとしたところ、ベラは壁のそばに何か黒っぽいものがあることに気づく。
車を停め、降りていくと、それは人間の死体だった。
後からニュースサイトを見てわかったのだが、死体は大学教授、オリヴァー・バートンだった。
どうも彼は遺構で盗掘をしていたらしい。
ベラの店の副店長のジョンは教授と親しくしており、猫の餌やりをしたときに教授から銀貨を貰っていた。
いっしょにポーカーをした日には教授はトランプのクィーン4枚の話をしたという。
ベラはジョンが教授の家の鍵を預かっていたので、彼と一緒に教授の家に行って家の中を調べてみる。
すると、ベッドの下にハンマーがあり、教授宛の脅迫状が見つかり、屋根裏部屋に博物館のような隠し部屋があることがわかる。
ベラとジョンは殺人事件ではないかと思ったので、警察に話に行くが、警察は事故と見なしていた。
ベラはジョンの他に警察官だった父の元同僚で名親のトニーやジョンの家族を巻き込み、自分たちで真相を探ることにする。
ベラの父親は娘に刑事としての資質があると思い、捜査の仕方を教えていました。
そのためベラは自分は偽物、嘘つき、詐欺師などあやしげな人々を見抜く目がある。人の心を読み取ることができる。それに判断力もついたし、直観にしたがって行動できると思っています。
もう誰もベラを止められませんね。
なんでジョンの家族まで総動員するのか、ちょっと意味不明でした。
いつものように一巻目は様子見で、二巻目に面白いかどうか判断します。
このシリーズは四巻まで出版されています。
二巻目は『The Antique Store Detective and the May Day Murder』です。
メイデイの朝、見つかった全身に無数の針が突き刺さった住民のメアリー・ロバーツに似た人形と様々なメアリーに対する嫌がらせ。そしてついにメアリーの遺体が。ベラの出番ですねww。
何故かわかりませんが、このシリーズをkindleで買うとすごく安いです。
一冊が399円です。三冊買ってもペーパーバッグを一冊買うより安いです。
英語の勉強のために買おうかしら、でも、読んでいない本もあるし…。
M.W.クレイヴン 「ブラッディダイスの殺人」 ― 2026/09/02
ワシントン・ポー・シリーズの七作目。

ワシントン・ポーは石打ち殺人事件でPTSDを患い、トラウマ療法士の治療を受けている。
回復傾向にあるものの、現場に出ても差し支えないと判断されるまで、訓練部門に配属されていたが、教官と喧嘩をしたため異動させられ、国家警備隊の無能二人組と漁船への立ち入り検査をやらされていた。
その頃、イギリス全土で連続狙撃事件が発生していた。
犠牲者は十七人にものぼり、犯人の手がかりは皆無。
急遽、重大犯罪分析課の元メンバー、フリン主任警部とポー、そしてティリー・ブラッドショーが召集された。
狙撃犯はわずか十七発の50口径のBMG弾しか使用しておらず、被害者の選定基準はなく、北アイルランド以外のイギリス国内で犯行におよんでいた。
犯人の身長は六フィート以上で、射撃姿勢を取った場所に空薬莢が残されていた。
ポーたちは十七人めの犠牲者が殺害されたスコットランドのグレトナ・グリーン(駆け落ち結婚で有名な町)に向かい、発砲現場を見る。
ポーによると、狙撃犯はライフルの照準を合わせるためにゼロ調整を行わなければならず、そのすべての条件に合うのがスコットランドなのだ。
ブラッドショーは17件の犯行と現場に、ある法則を見つける。
犯人は正二十面体の特殊なサイコロ、イクサヘドロンを使い、犯行現場を決めているようだ。
身近で毎日イクサヘドロンを使用しているのは、ティリーによるとTTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)の愛好家だという。
ポーとティリーはバーミンガムで開かれているイギリス最大のテーブルトークゲームのコンベンションに行き、メーリングリストを集める。
ところが、またグレトナ・グリーンで銃撃がある。
ティリーの仮説は間違っているのか?
なかなかはっきりしない犯人の動機。
ポーはある人物の助けを借りようとするが…。
冒頭からショッキングなことが起こり、まさか、そんなことはないわよねと思いつつ、読んでいきました。
初っ端から心配させないで欲しいわ。信じませんでしたけど。
そうそう、なんで17人も亡くなってからポーたちが呼ばれたのか疑問です。
もっと早くに呼んでよね。
前作の『デスチェアの殺人』に比べると、気分の悪くなる場面がなく、気持ちのいい終わり方です。
どうやらポーとドイルは結婚式を挙げるようです。
ドイルはそんなことしそうもないと思ったのですが、侯爵で社会的身分がありますから、ちゃんとしとかないとダメなんですね。
結婚式のケータリングでキムチを出すなんて、大丈夫かと思いますけどw。
バーティおじさんがとてもいいキャラクターで、次回も出して欲しいです。
やっぱりポーとティリーの掛け合い漫才は最高です。
二人はバディとして最高の相性ですね。
次回からもっと活躍してくれそうなのが嬉しいです。
八月に八作目、『The Killer's Mark』が出たようです。
ポーとティリーはある少女の死んだと思われていた母親を探すようです。
裏で闇社会が関わっているような感じかな。
ペーパーバッグで五千円、kindleでも二千五百円なんてびっくり。
翻訳される来年を待ちますわww。
面白いシリーズなので、是非読んでみてください。
中山七里 『能面検事の挫折』 ― 2026/09/04
能面検事シリーズの四作目。

違法薬物による暴走車事故で運転手が死亡。
警視庁組織犯罪対策部と池袋署は覚せい剤売買の元締めであるとみられる男、高橋勝次を特定する。
運よく交際相手の喜多島加奈子からDVを受けたと言う被害届が出されたため、高橋は逮捕され、東京地検の不破俊太郎が捜査検事に任命される。
しかし、感情が顔に出てしまう不破は取り調べの際に重大なミスをおかしてしまい、加奈子が殺害されてしまう。
高橋の不起訴処分が決まる。
葬儀で不破は加奈子の弁護士から罵倒される。
後に高橋は逮捕寸前に火災で死亡する。
不破は大阪地検に異動させられた。
不破は完全に無表情で、何を考えているかわからない、まるで能のお面をつけているみたいだと言われるようになっていた。
そんなある日、心斎橋麻薬取締法違反事件で逮捕された女、折本里穂が、不破が東京地検時代に担当した事件の関係者であることがわかる。
折本にヘロインを渡した売人が判明し、これからという時に、売人とみられる男が水死体で見つかり、折本に殺害容疑がかかる。
そこに現れた折本の弁護人は、加奈子の弁護人でもあった、不破の宿敵、御子柴礼司だった。
不破と御子柴の因縁の対決が始まる。
不破は生まれながらの能面じゃなかったのです。
挫折があったからこそ、感情を出さないという技を身に着けたのです。
私生活でもそうなんでしょうか。
結婚していないし、彼女もいなさそう。
仕事人としてはいいけど、いっしょに暮らすのは疲れそうですね。
でも、意外とお茶目だったりしてww。
今回、御子柴以外にピアニスト、岬洋介の父、東京地検次席検事の岬恭平や鑑定人の氏家京太郎、検事事務官の総領美晴が出てきて嬉しいです。
ちょっと総領がうざいですけど。
不破と御子柴の対決は、なんかもわっとした終わり方でした。
中山さんでしたら、もっと緊迫した対決の場面が描けると思いますので、次回に期待ということで。
<久しぶりの美味しい物>
新宿方面に出かける用事があったので、伊勢丹に行ってきました。
食品フロアにフィンランド最古のベーカリーカフェ「エクベリ(Ekberg)」の店舗ができたというのです。
何故かフィンランドに行ったのに「エクベリ」には行っていません。
なので、コルヴァプースティ(korvapuusti:シナモンロール)がフィンランドのエクベリと同じ味なのかは私にはわかりません。

右上がシナモンロールでその下がヴォイシルマプッラ(voisilmäpulla)、左がハパン・コルップ(hapan korppu)。
ハパン・コルップは真ん中に穴の開いた薄いおせんべいみたいなライ麦クラッカーです。
サンドイッチみたいにしたりスープに入れたりして食べるということです。
パン類は大きくて一度に一個は食べられないので、半分に切って二度に分けて食べる予定です。
今朝食べたシナモンロールは甘いですが、カルダモンとシナモンが効いているという感じです。(美味しいのですが、私には甘すぎて、次はないな)
買いませんでしたが、他にラスクがありました。
五人ぐらい並んでいましたが、平日ならそんなに待たずに買えそうです。
フィンランドのシナモンロールを食べてみたい方は買って食べてみて下さい。
一個、540円です。
世界遺産記念上映 「アアルト」を観る ― 2026/09/06
この頃天気が悪く、眠気と戦う毎日です。
この眠気、どうにかならないでしょうか。
頑張って予定を入れて、起きていようとしていますが、それでも眠気に勝てなくて、寝てしまうことが多いのです。
思い切って寝てしまうのも手だと言う人もいて、その通りに寝ようかと思いますが、今の天気がずっと続くと、寝っぱなしになりそうww。
「アアルト」はアマプラでも観られますが、大きな画面でアアルトの建築物を見たいと思い、観に行ってきました。
静かな映画ですので、時に眠気が襲ってきて、ウトウトとしましたが、観られなかったところはアマプラで補いました。
主にアルヴァと二人の妻とのことを書いていきます。

アルヴァ・アアルトはフィンランドの20世紀を代表する建築家です。
彼を語る上でかかせないのは、妻のアイノの存在です。
彼らはヘルシンキ工科大学でほぼ同時期に建築を学びました。
アルヴァは数学が弱かったのですが、人柄と製図の腕でうまく切り抜けていきました。
この頃から人たらしの才能があったのですね。
1923年に事務所を開き、所員募集にアイノが応募してきました。
1924年にアイノと結婚し、ハネムーンでイタリアに行き、イタリアから生涯に渡る影響を受けます。
アアルト自邸のダイニングにイタリア家具が使われていましたね。

アイノとアルヴァ
モダニズムの歴史上もっとも独創的な建物と言われているパイミオのサナトリウム(1928-1933)は、アルヴァが体調を崩して入院していたことから、健康な人と病人の見方が違うことを学び、病床に横たわる人を念頭に設計したそうです。
1933年にアルヴァは船上で行われた近代建築国際会議に参加し、ヨーロッパのトップレベルの建築家と交流して人脈を広げます。
彼の人好きのする性格が役に立ったでしょうね。
家具製作は1920年から始められました。
アルヴァは職人たちやいっしょに働く人たちを大事にする人だったようです。
1933年から1939年までロンドンへの家具の輸出が全体の75%だったそうです。家具が多分野で使われ、H・G・ウェールズの映画(「来るべき世界」1936年)でも使われています。
1935年に「アート」と「テクノロジー」をもとに名付けた「アルテック」を設立し、アイノがアートディレクターとして入社します。
アルテックでアイノは数百点ものデザインをしました。
建築依頼が少なくなった時期に、アルテックの家具販売が生活を支えたそうです。
アルヴァは「幼い頃(8歳)に母親を失ったため、”育まれること”と”恐れ”の2つに向き合う必要があり、仕事で乗り越えていった」と映画で語られています。
どういうことかあまりよくわかりませんでしたが、アルヴァには人好きする性格の他に自由奔放なところがあり、不貞などもあったようです。
アイノは無駄に騒がず、うまくアルヴァをコントロールしていたように思います。
典型的な近代女性だったアイノですが、アルヴァの面倒をみるだけではなく、二人子どももいましたし、なによりも建築家、デザイナーとしての仕事がありました。
大変だったと思います。
この頃は建築業界では女性が軽んじられいたので、アイノの能力が低く見られていますが、実際はアルヴァの仕事に対するアイノの貢献度は非常に大きいのです。
それは建築や図面などのサインがアイノとの連名で記されていることが多いことからわかると思います。
1937年、パリ万博でアルヴァはフィンランド館を設計し、建築誌の批評家から大きな注目を浴びます。
1938年にはMoMAでアアルト展が開催されました。
1939年、ニューヨーク万博でもフィンランド館を設計し、アルヴァはイエール大学やサンフランシスコ美術館で講演をします。
アルヴァだけではなくアイノもマスコミで取り上げられます。
1940年代後半まで、アアルトの家具はアメリカでもっとも人気のあるものになりました。
1939年、フィンランドはソ連と開戦します。
アルヴァは予備役将校だったので、クオピオに赴き、靴下の仕分け作業に従事しますが、知り合いのロックフェラーに手紙を書いたことから、ロックフェラーが外務省に100万ドルの小切手を送り、「アアルトによろしく」と書き添えたため、ヘルシンキの情報部に異動できたそうです。うまくやりましたねw。
この頃からアルヴァは戦後の住宅に関心を寄せ、規格住宅の実証プロジェクトを考え始めます。
戦後の1946年から1949年まで、アルヴァはアメリカのマサチューセッツ工科大学の客員教授を務めます。
1949年、イタリア旅行に行きますが、アイノはその一カ月後に亡くなります。
アイノが亡くなってから、アルヴァの渡米が減りました。

エリッサとアルヴァ
1950年、エリッサ・マキニエミがアルヴァのもとで働き始めます。
彼女はアルヴァと区別がつかないほど、彼の作風を掴んでいました。
1952年、エリッサと再婚します。
エリッサははじめは髪をカールさせ、色のついた服を着ていましたが、アルヴァが好まないからと髪型も変え、服も黒と白しか着ないなどと、アルヴァの好みに従いました。
エリッサはアイノと似ていたといいます。
建築業界の男性優位もアイノの頃と変わっておらず、アルヴァが彼女の能力をいくら強調しても、アイノ同様にアルヴァの妻だったから仕事のパートナーになれたのだと言われ、エリッサは軽視されます。
1960年代はアルヴァにはつらい時代でした。
世界的な評価は上がっているのに、フィンランド国内では保守的な恐竜、資本主義の老建築家と見なされ、敬意もはらわれなくなったのです。
それに、新たな建築プロジェクトはかなり減少していました。
晩年、アルヴァは酒浸りになり、体調がすぐれないことが多くなります。
仕事で呼ばれたにも関わらず、ホテルに着くとすぐに酒浸りなんてことがあったそうです。
1975年、ボローニャの教会建築の依頼があったのですが、翌春の完成をまたずに死去します。
アルヴァを年金生活者かと尋ねた看護師にエリッサは激怒したそうです。
彼は生涯現役の建築家だったからです。
二人の女性に恵まれ、彼女たちの愛に包まれ、アルヴァは偉大な建築家になっていったのですね。
アイノもエリッサも才能のある建築家でありデザイナーだったのに、アルヴァの影に甘んじなければならなかったようですが、特に功名心があるわけでもないので、アルヴァと共に仕事ができて幸せだったのでしょうね。
特にエリッサは年下(24歳の差!)ですが、晩年のアル中アルヴァを支えた菩薩のような人だと思いましたww。
映画に出てくる建築物は数え間違えていなければ三十三ヵ所です。
もちろん世界遺産になったものも含まれます。
じっくりとご覧ください。
私はパイミオのサナトリウムやヴィーブリの図書館、マサチューセッツ工科大学のベイカーハウス、教会、邸宅、別荘などが好きです。
<世界遺産 アアルト建築群>
ヘルシンキ(5件)
・アアルト自邸
・アアルト・スタジオ
・国民年金機構本部
・文化の家
・フィンランディア・ホール
ユヴァスキュラ(3件)
・ユヴァスキュラ大学アアルト・キャンパス
・ムラッツァロの実験住宅
・セイナッツァロ役場(自治体庁舎)
その他の都市・地域(5件)
・パイミオのサナトリウム (パイミオ)
・スニラ・パルプ工場住宅地域 (コトカ)
・マイレア邸 (ポリ)
・セイナヨキ行政・文化センター (セイナヨキ)
・三つの十字架教会(ヴオキセニスカ教会) (イマトラ)
参考:
「アアルト」 本予告
畠中恵 『おにがわらう』 ― 2026/09/07
しゃばけシリーズの25作目。
いつもマンネリしてるとか言いつつも読んでしまうシリーズです。
食いしん坊の鳴家たちが可愛いのですものw。

「てあそび」
薬種問屋・長崎屋の若だんなが三度目の麻疹に罹り、一カ月ばかり寝込んでいた。
そんなところに赤月という狐が助けを求めてやって来る。この頃、狐の妙な噂が流れているというのだ。そこで妖たちが噂を探り始めると、広徳寺の寛朝や岡っ引きの白銀の親分、河童の禰々子親分、定廻り同心の筒井、猫又、田安門近くに巣くう小鬼たちなどが次々と若旦那に会いに来て噂を教えてくれる。ところがそんな時に広徳寺の秋英が何者かに斬られる。
「みょうやく」
熊吉という男が不老不死の薬を売ってくれないかと長崎屋に来るが、仁吉は断る。諦めて帰った熊吉はふく屋にその薬を持ち込んだらしく、ふく屋は二百両で売りに出すらしい。それなのに何故か長崎屋に客が押し寄せる。妙なことにならなければいいのだが。
「おにがわらう」
江戸に鬼が現れる。鬼たちは江戸で暮らしたいようだが、長崎屋に来た鬼は若旦那から無理だと言われ、江戸を鬼が支配すればいいとまで言い出す。さて、どうなる。
「なんでどうして」
寛永寺の寿真が弟子の黒羽を連れて長崎屋にやって来た。神の庭に住む大妖おぎんに仕えている化け狐の苅安が若だんなのために薬を作ったが、何故かそれが相手を意のままに動かすことができる薬効の琥珀のような薬玉になってしまう。そのため盗まれ、化け狐たちが何とか見つけ取り返したが、神の庭に持って帰る途中で奪い返される可能性があるので、おぎんに相談しに行く間に寿真に預けていく。そのため寛永寺に琥珀玉を狙った妖たちが入り込んでくることになった。寺ごと封じようとしたが、追い付かなく、広徳寺の寛朝にあずけようとしたら、広徳寺にも妖達が溢れている。そこで結界を張り終わるまで若だんなに琥珀玉を預かってもらえないかというのだ。若だんなが琥珀玉を預かったはいいが、今度は妖が長崎屋に現れる。困った若だんなたちは一計を案じる。
「ばけねこ」
妖医者の火幻が大名の猫、実は化け猫の白丸を連れてくる。殿様が毒のせいで寝付いるのが、白丸が祟ったからだということにされかねないので、しばらく預かって欲しいというのだ。ところが白丸は誰がどうやって、何の為に殿様に毒を盛ったのか調べることを高ピシャに若だんなたちに命じ、頼まれもしないのにその礼として若だんなの先々を語る。仕方なく調べ始める妖たち。
いつまでも病弱な若だんなですねぇ。
このまま続いていき、作者が亡くなって終焉となりそうですね。
一度人気が出て続くと、終われないのでしょうか。
ちょっと作者がかわいそう。
柴田ゆうさんの絵が可愛すぎるのも原因かもww。
頑張ってくださいね。
フィンランド映画「浮き雲」を観る ― 2026/09/08
アキ・カウリスマキ監督、フィンランド三部作の一作目。
原題「Kauas pilvet karkaavat」。

レストラン”ドゥブロヴニク”で給仕長をしているイロナと市電の運転士の夫ラウリはつましいが幸せな生活をしていた。
しかし、不況の影響で市電を使う人が減り、ラウリは解雇されてしまう。
イロナも”ドゥブロヴニク”が大手チェーンに買収されてしまい、失職する。
イロナは公共職業安定所に行くが相手にされず、目についたレストランやカフェなどに押しかけ求職するが、断られ、38歳なのに年寄り扱いされる始末。
仕方なく怪しい職業斡旋業者に高いお金を出して職を得るが、それは場末の安食堂のコック兼給仕の仕事。
しかし、その仕事も税務調査員が現れおじゃんになる。
一方、ラウリはロシアへの観光バスの運転手の仕事につけそうだったが、健康診断で病気が見つかり、ダメになる。
イロナの給料を請求しに食堂の経営者のところに行くと、袋叩きにされ、どこか知らない港に放り出される。
しばらくして家に帰ると、家財は差し押さえられてしまい、イロナはラウリの妹のところにいた。
どうしようもなく不幸な二人だが、はたしてどん底から這い上がれるだろうか…。
ソビエト社会主義共和国連邦の崩壊(1991年)により1992年にフィンランドが経済的打撃を受けた頃のお話のようです。
前に見た「枯れ葉」もこの頃のお話でしょうか。
アキ・カウリスマキの映画はあまり見ていないのですが、不況下の夫婦を描いた映画が多いのでしょうか。
ロシアと接していますからロシアの影響が強いですね。
1992年ごろにロシア経由でポーランドに行った時の頃を思い出しました。
飛行場にいたロシア人の老婦人が身振り手振りで、食べるものがないので恵んでくれと訴えていました。
三十年以上も経った今、彼女は幸せになれたかしら。
最後はうまく行き過ぎという感じでしたが、よかったです。
「Pietu」というわんこ(ポスターで旦那が抱いている)が出てきて、可愛かったです。
AIによると、カウリスマキ監督の愛犬で、名前は「ラカ」と言っていますが、間違っていますよねw。「ライカ」ですよね。
わんこは「ささやかな幸福や希望」の象徴だそうです。
フィンランド語は勉強を始めてから一年が経つというのに、簡単な単語以外はまったく聞き取れませんでした。
アマプラでフィンランド映画を観る時に字幕をフィンランド語にしようとしたら、ないではないですか。
お願いだから原語の字幕をつけてください。
<今週のわんこ>
人気者の弟はすばしっこいので、なかなか写真が撮れません。
兄は顔を動かすので、これまたいい写真が撮れません。
やっと撮れた兄の写真をお見せしましょう。

おやつが欲しくてお座りした兄。

ママのベッドの上で、幸せそうに眠るわんこ。
益々食い意地がはってきて困りますww。
堂場舜一 『守るべきもの 警視庁総合支援課5』 ― 2026/09/10
警視庁総合支援課シリーズの五作目。

警視庁総合支援課の柿本晶が微妙な間柄の弁護士・神岡琢磨とドライブしている時に、係長の若本大輔から電話がくる。
神岡の父親で弁護士の古谷大吾が襲われ、病院で治療を受けているという。
彼が所轄の事情聴取を拒否しているので、所轄から頼まれ、支援課がサポートをすることになったらしく、古谷を知っている晶にお鉢が回ってきたのだ。
古谷は神岡が小学校高学年の時期に外に女性を作って家を出ていき、その数年後に母親が亡くなったこともあり、神岡は古谷と長年絶縁状態になっていた。
晶は頑なな神岡に捜査の協力を求め、父親と面会させ、上手くいけば、父親との関係も修復されるのではと思った。
古谷は膝蓋骨骨折で、病院に内縁関係の女性の富田英美が来ていた。
神岡は協力拒否のまま早々に帰り、晶は古谷に神岡を連れて来たことで叱責され、明らかに何か隠しているようだというのに古谷は事件に関して話そうとはしない。
捜査が進まず、半蔵門署から晶に協力依頼が来る。
晶が動き始めた時に、古谷の依頼人らしき人物が新宿の古谷の事務所の近くで殺される。
はたしてこれが突破口になるのか…。
総合支援課なのに毎回刑事のような働きをしたりして、ちょっと不思議でしたが、今回は理由があるのですね。
あんなに鼻につくほどとんがっていた晶が、いつの間にか角が取れてきたようです。
愛嬌を身につけようとしていますが、難しいと思いますよ。あの性格じゃあね。
でも、自分以外の被害者家族と出会い、サポートしていくうちに、感じるものがあったのかもしれません。
お兄さんとの関係も改善されつつありますしね。
これからは友人以上恋人未満の神岡弁護士とどうなるのかが鍵になるのでしょうか。
父親のせいで神岡は自分が「女性を不幸にする男」ではないかと思って、怖くて踏み出せないようですから困ったものです。
異動もあるようですし、総合支援課も新しい局面に来ているようです。
<美味しいもの>

もう大丈夫かと思い、ポークときのこのシチュー仕立てなんかを頼んでしまいました。
少し早かったようで、胃の調子がイマイチになってしまいました。
まだ油っぽいものと塩っ辛いものは避けるか、少しだけ食べるようにしないとダメですね。
元気なわんこたち ― 2026/09/12
わんこたちは元気で、食欲旺盛です。
ヨーキー弟は走り回っています。

一方、ママはまた風邪をひいてしまいました。
東京は17日間連続の雨でしたが、湿気がママによくないようで、寒いのに汗をかき体が冷えてしまい、風邪をひくのだと思います。
37℃ぐらい熱があり、普通の風邪で熱を出すことがないのでインフルエンザかもしれないと思い、クリニックに行くと、行くのが早すぎて検査ができませんでした。
明日、37.5℃以上の熱が出たら保健所に行って調べるようにと言われました。
私のように熱の出ない人はどうなるのかしら?
今までは熱が出なくてもパパがインフルエンザだというと検査をしてくれました。
喉が痛いので、処方されたカコナールを飲みましたが、これって熱を下げるんじゃなかったっけ。
大人しく家に閉じこもっていますわ。

ヨーキーはしばらく持って来いを止めていましたが、また復活しました。
というのも、布製のしっかり咥えられるおもちゃで遊びたいのです。
でも、歯磨きする時に口から取るのが大変なので、無視していると諦めたのか、プラスチックのおもちゃで遊ぶようになりました。

「ママ、遊びましょうよ」と五月蠅いヨーキー。
兄はソファの上に乗り、おやつをくれと言っています。
ママは一人しかいないんですが…。
村上春樹 『夏帆』 ― 2026/09/13
村上春樹の長編小説は『IQ84』を読んで以来でしょうか。
だんだんとノーベル賞を取るかどうか話題になってきてから読まなくなってきました。
今回の本も読む気になれるかどうか自信がなっかったのですが、読み始めると最後までいけました。

26歳の夏帆は美大を出た後、絵本やイラストレーションを描いて暮らしている。
ある日、ブラインドデートで出会った男から「醜い」と言われてびっくりする。
自分を美人だと思ったことはないが、「醜い」と言われるとは思っていなかったので、純粋に驚いたのだ。
後から考えると、この時から夏帆の人生は変化していった。
ありくいの奥さんが現れ、武蔵境に引っ越さなければならないと言われ、夏帆は武蔵境の一軒家に引っ越す。
家の床下にありくいの夫婦が暮らすようになる。
ありくいの奥さんから頼まれて行った「とぎや」の主人はジャガーに乗り移られていて、夏帆は彼を助ける。
しばらくしてありくいの夫婦はブラジルに帰っていく。
そうこうするうちに夏帆の母親がシロアリの女王に取りつかれてしまう。
夏帆は母親を助ける決心をするが、超えていかなければならない試練があった…。
お話自体はそれほど難しくはないのですが、何を書きたかったのかを推測するのは難しいですね。
ファンタジーなのか、それとも…。
夏帆と母親の関係性がテーマかもしれませんが。
なんとなく昔の村上春樹の感じに戻ったのかなと思える内容でした。
読み始めたのが遅く、図書館に本を返してしまったので、詳しくは書けませんが、読みやすい作品でした。
ありくいとかジャガー、シロアリって何なのよ、とか思う人には合わないかもw。
そうそう、武蔵境を「文明の果つるところ」なんてディスってるところ、笑っちゃいました。
武蔵境はけっしてそんなところではありません。
村上さんは国分寺でジャズ喫茶をやってたことがあるから、あそこら辺のことは知っていると思いますが。
かく言う私も、昔、三鷹から国分寺の間の駅がいらないと思っていました(ごめんなさい)。
とても暮らしやすい町ですよ。
三浦しをん 『夜の恩寵』 ― 2026/09/15
三浦しをんさんの新刊は、素敵な装丁の本です。

「神馬に乗る女」
四月半ば、輝久に福井に住んでいる父から一度帰ってこないかと電話が来た。
お母さんがおかしいというのだ。
大阪の出張のついでに三年ぶりに福井に帰省した。
すると、母は四十近いはずなのに若々しく、体調が悪いようには見えない。
しかし、家には無数の万年青と杖があり、父は母にヌチガミさまが憑いたという。
「胡蝶」
祖母は「夢見」という夢占いをするひとで、わざわざ遠くから訪ねてくるひともいた。
二十一歳になった私も原因不明の熱の後、夢を見るようになるが、人には内緒にしていた。
二十代の終わりに付き合うようになった取引先のタロと、タロに精子が少ないことがわかっても結婚したが、夢見の話はしていない。
しかし、結婚記念日の夜、私は夢を見る。
おなかに赤ちゃんがいるという夢を。
そして…。
「夢見る家族」
千夜太と夜音次は兄弟。千代太は勉強だけではなく運動もできたが、夜音次は絵を描く以外はしない。
小学校に入ってから夜音次は自分の家がちょっと変なのではないかと思っている。
何故なら毎朝、母親が夢を記録するからだ。
実は千夜太が語る夢は夜音次の見た夢だったが、そのことは二人の間の秘密だった。
「金の糸」
高校に入学してからムツミはひとつ年上のゴンゾーの面倒をみることになる。
毎朝、ゴンゾーを迎えに行き、学校まで自転車に乗せていくのだ。
それだけでも大変なのに、ゴンゾーが始めたバンド、エイヒレのべースを弾くことになってしまう。
「夢の子ども」
輝久は弟の六実を連れずに父親の見舞いに行く。
母親は三十年も前に神がかるようになり、六実が生まれてからはその力はなくなり、六実がその力を持っていったというが。
なんとも不思議なお話です。
三浦さんがこんなお話を書くことがあるのですね。
お話自体は嫌いではないですが、三浦さんの書いた作品ということになると、私が望んだものではありませんでした。
霊能的な力を持つ「カリスマ」がテーマだということですが、私にはよくわかりません。
インタビューで三浦さんはこう言っています。
「人が何かを信じる、信仰するとはどういう心の動きなんだろう、と昔から興味があったんです。そこから想像を広げていくと、日常の中でそういう謎の力を持つ小さなカリスマが見えてきました。普段の暮らしでわずかな輝きを放ち、周囲に少し影響を与える人。でもその輝きはいいものだけではない、という物語です」
まほろ駅前シリーズや神去シリーズ、『船を編む』などのような作品を読みたい方は読むのを止めた方がいいかもしれません。
いつもと違ったしをんさんを読みたい方はどうぞ読んでくださいww。
<久しぶりの病気のお話>
いろいろと考えて、10年間変わりのないアルドステロン症の検査は今の病院で継続してやってもらいながら、日々の血圧管理などは循環器内科でしてもらうことにしました。
その話をすると、内分泌科の医師は今年で退職だそうで、すんなりと話が進み、紹介状を書いてくれるそうです。
病院や医師を変わりたいというと、嫌な思いをすることがあるので、何を言われても我慢と思っていたのですが、何事もなくてよかったです。
できれば次の医師がよい人だったらいいのですが、どうでしょう。
緑内障はしばらく炎症を起こしていません。
この前、医師の診察で緑内障と全く違うことを聞かれました。
「あなた、髪が長かったよね。なんで髪を切ったの?」
え?覚えていたの。びっくりです。
看護師さんが、「先生、そんなこと言っちゃだめよ」とフォローしましたがww。
長い髪がお好きなんでしょうか。
風邪のせいで免疫力が下がったらしく、今朝から目に炎症が起きました。
なんとか治さなければ、手術はまだ嫌です(泣)。
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