髙森美由紀 『陽だまりランチボックス』 ― 2026/01/25

日葵は三十一歳。
ブラック企業を辞めたばかり。
ハローワークに通ってはいるが再就職への意欲はわかず、銀行の通帳の残高を見てはため息をつき、不動産屋の前で手ごろな物件がないか探している。
食事は安くて調理いらずで空腹を満たせるカップ麺と食パン、卵。
そんなある日、おじいちゃんが連れているミニチュア・シュナウザーに導かれ、古民家のお弁当屋を見つける。
弁当などを買う余裕はないと思いながらも、焼き肉の香りに誘われ、列に並ぶ。
残念ながら弁当はおじいさんのところで売れ切れてしまい、待っていてた男性が怒り出す。
日葵はつい男性に余計なことを言ってしまうが、おじいさんが弁当を譲り、一件落着。
このことが縁となり、日葵はこのお弁当屋の古民家にあるシェアハウスに引っ越すことになる。
お弁当屋「旬菜厨川」の店主はぶっきらぼうで愛敬もない菜月という女性で、シュナウザーの飼い主、照井はご隠居さんと呼ばれている常連さん。
他に喫茶店『Beans&Leaves』のマスター藤森氏と喫茶店のバイトの谷地さんことやっちゃんがほぼ毎日店にやって来る。
日葵は調理の手伝いやご隠居さんたちと庭の植物の世話をしながら、地域の人たちと交流するようになり、やがて自分を取り戻し、新しい一歩を踏み出すこととなる。
よくあるお話と言ってしまうといけませんが、同じような設定の話をいくつか読んだ覚えがあります。
女性が会社の仕事に疲弊し、辞めてしまうということが、この頃多いのでしょうか。
心身を壊してまで働かなくてもいいとは思いますが、働かなくては暮らしていけませんものね。
仕事をすると、本当に色々なことがあります。
若いからこそできるということも多々あります。
年を取った今やれといわれても絶対にできませんものねぇww。
登場人物にそれぞれ隠された不幸な出来事があり、それがほどよいところで描かれています。
本のようにうまくいかないのが現実かもしれませんが、読み終えると元気になれるお話です。
仕事に疲れてしまい、何もしたくない時に、手に取ってみてください。
何か食べたくなったら大丈夫。
明日も生きていけます。
最近のコメント