読んだ日本ミステリ三冊(文庫本)2024/05/12



梅雨に向けて、紫陽花が出始めました。


薔薇が盛りです。


変わった花だと思って調べてみると、「ブラシノキ」というんだとか。
見たままの名前ですね。

読んでからだいぶ経つお話もあり、記憶が薄れていますが、三冊載せときます。


米澤穂信 『冬季限定ボンボンショコラ事件』
<小市民>シリーズの五作目。
小市民を目指す小鳩君と小山内さんが学校の帰りに寄った鯛焼き屋から家に帰ろうと堤防道路を歩いていると、車が突っ込んできた。
かろうじて小鳩君は小山内さんに体当たりして衝突コースから押し出したが、小鳩君は轢かれてしまう。
病院で目を覚ますと、医師に右足の骨をおっており、手術が必要だと聞かされる。
小鳩君の大学受験は早々に終了し、浪人が決まる。
轢き逃げの犯人は見つかっておらず、小鳩君は警察の聴取を受ける。
小山内さんは犯人捜しを始める。
小鳩君は見舞いに来た友人と話しているうちに、三年前にも堤防道路で轢き逃げ事件があったことを思い出す。
その事件は彼にとって汚点だった。
ベッドに横たわりながら、小鳩君は当時のことを思い出していく。
その時の轢き逃げ事件と今度の轢き逃げ事件と関係はあるのだろうか?

<小市民>シリーズもこれで終わりのようです。
春季限定いちごタルト事件』(2004年12月)から始まり、『夏季限定トロピカルパフェ事件』(2006年4月)、『秋季限定栗きんとん事件』(2009年3月)、『巴里マカロンの謎』(2020年1月)、そしてこの『冬季限定ボンボンショコラ事件』と続きます。
小鳩君と小山内さんの出会いが書かれていて、謎が解けました。若い、もちろんまだ二人は高三ですから若いんですけど、中学生の頃の二人を垣間見られて嬉しかったです。
二人の関係性は変わりませんが、大学でもまた会えますよね。
新しいシリーズとして大学時代篇を書いてくれるといいんですけど。
<小市民>シリーズの中で一番面白かったです。

三上延 『ビブリア古書堂の事件手帖<4>扉子たちと継がれる道』
扇ガ谷にある鎌倉有数の資産家の邸宅で開かれるガーデンパーティに、篠川大輔と彼の妻、栞子は招かれた。
パーティには娘の扉子も来ていて、もぐら堂の家族も招かれているという。
そして、なんと、栞子の母親の篠川智恵子までもが招待されていた。
戦中、鎌倉の文士たちが立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」にまつわる、三者三様の物語が語られる。

祖母、母、娘と顔も頭脳もそっくりな三人と関係する大輔君は大変だろうなと思います。一番厄介なのは、もちろん祖母の智恵子ですけどね、笑。当たり前ですが、彼女にも若い頃があったんですねぇ。
扉子が主人公になってからのお話があまり好きじゃなかったんですが、今回は智恵子がメインなので興味深く読めました。
「鎌倉文庫」は実際にあったそうです。よくこのようなお話を紡げたなと思いました。

澤村御影 『准教授・高槻彰良の推察10 帰る家は何処に』
「第一章 ミナシの家」
五月十五日、深町尚哉の二十一歳の誕生日会が行われた。祝ってくれたのは、高槻彰良と彼の友人で刑事の佐々倉健司の二人。
大学三年生になった深町はそろそろ卒後後のことを考えなければならない。
高槻ゼミではグループ発表が行われており、『ひきこさん』についての発表が行われた。
深町は高槻と一緒に事故物件の『ミナシの家』に出るという幽霊について調べる。
「第二章 消えた少年」
夏休みになり、深町は自分と同じ異能を持つ遠山の事務所でバイトする。
バイトの休みの日、大学に行くと、高槻にコーヒーを誘われる。
バイトについての話をしていると、そこにゴシップ誌の記者の飯沼が現れる。
彼は二ヶ月前に行方不明になり、神奈川県の丹沢で遺体となって発見された少年の話をする。彼の背中の皮膚が剥がされていたというのだ。
その少年は飯沼の近所に住んでいて、話をしたことがあり、死ぬ前に彼から鍵が送られて来ていたという。
高槻の事件と関係があるのか?
高槻と深町の二人が少年の家に行ってみると、異捜の刑事がいた。
【extra】花占い
高槻准教授の父、高槻智彰とバレリーナだった清花の二人の出会いと、彰良の事件後の親子の確執のお話。
【extra】向井の家の猫の話
飯沼と殺された少年、相原塔矢との関わりについてのお話。

深町くんが進路を決めました。彼の将来が輝かしいものになるように祈っています。
それにしても高槻先生のお母様は怖い。ゾーとしました。幽霊よりも怖いかも。
飯沼はそれほど悪い人ではないのね。殺された塔矢君はかわいそう。
高槻先生、無茶はいけませんよ。
次回に何が起るのか、楽しみなシリーズです。

三冊とも、お勧めです。


<この頃のわんこ>


ママの布団の上で眠っている兄。まだ右足を上げて歩きます。
意外と素早い動きをします。
お散歩では歩かせず、スリングの中に入れて行きました。
今週、獣医に行きます。なんとかなってくれるといいのですが。


元気いっぱいの弟ヨーキー。
荒々しい動きをするので、兄の足のために、これから別々のスペースで過ごさせようと思います。

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