「チャイコフスキーの妻」を観る ― 2024/09/06
「ボレロ 永遠の旋律」はラヴェルの生涯を描いた映画で、音楽が素晴らしかったので、この映画もチャイコフスキーが妻に振り回されつつも、素晴らしい曲を書いていく様子が描かれていると思って観に行きました。
ところがとんでもありませんでした。主人公はあくまでも、チャイコフスキーの妻なんです。
よく映画の内容を調べてから観に行けばよかったと思いましたww。

ピョートル・チャイコフスキーがピアノを演奏している姿を見て、アントニーナは恋に落ちる。
おばに音楽院に行きたいからと、チャイコフスキーに紹介してもらうが、彼は冷たく、女は結婚した方がいいと言い放ち、帰って行く。
アントニーナは音楽院に入るが、チャイコフスキーに近づけない。
そのため彼女は熱烈なラブレターを書く。
ラブレターを読んだピョートルはアントニーナに会いに来て、彼女の気持ちに応えられないと言う。
しかし、アントニーナは諦めない。
またラブレターを書く。
よせばいいのに、ピョートルはまたアントニーナに会いに来る。
そして、自分は女を一度も愛したことがないと告白し、それでもいいならと結婚を申し込む。
アントニーナは有頂天になり、結婚を承諾する。
結婚式もその後の食事会もお通夜のようだと妹に言われるが、アントニーナは気にしない。
自分はピョートルを愛しているし、ピョートルも自分を愛してくれていると思い込んでいるのだ。
しかし、ピョートルは結婚してもアントニーナと同衾しようとはしない。
酒に酔ったり、お腹が痛いなどと言ってはぐらかしているのだ。
ある日、アントニーナはピョートルの部屋に押し入るが、ピョートルに拒絶されてしまう。
それ以降、ピョートルは仕事だと言って、家を出て行き、帰って来なくなる。
弁護士が来て、離婚を勧められる。
しかし、アントニーナは断る。
彼女は頑としてピョートルと自分は愛し合っていると言うのだった…。
見ているといたたまれなくなる映画です。
アントニーナが何故「チャイコフスキーの妻」であることにあれほど固執するのか。この時代の女性の地位と何か関係があるのでしょうか。
それとも彼女の性格なのでしょうか。
ピョートルも同性愛者であることがバレているにもかかわらず、世間体のために結婚しますが、相手が悪すぎですよ。人を見る目がなかったんですね。
結婚生活は数週間(?)で破綻し、彼は自殺を図ったりしたらしいですが、この頃に「白鳥の湖」や「オネーギン」を作曲しています。
精神的に追い詰められても、作曲だけはやるという、結構タフな人ではないですか。
妻とは上手く行かなくても、別のところではラブラブだったのかもしれませんね。
私は脳天気にもチャイコフスキーの三大バレエ音楽が流れてくるのを期待していましたが、見事に裏切られました。「白鳥の湖」はちょこっと流れましたがww。
壊れていく女性を見るのは辛いです。
そういうのに耐えきれる方はどうぞ観に行って下さい。
コメント
_ ろき ― 2024/09/06 18時48分13秒
_ coco ― 2024/09/07 07時05分32秒
ろきさん、フランス語とロシア語の両方が使われていましたよ。
私には奥さんが悪いのか、作曲家が悪いのか、わかりません。でも結婚しなければよかったと思います。と言うことは、世間体で結婚を申し込んだ方が悪いのか…。
自業自得?
私には奥さんが悪いのか、作曲家が悪いのか、わかりません。でも結婚しなければよかったと思います。と言うことは、世間体で結婚を申し込んだ方が悪いのか…。
自業自得?
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2024/09/06/9714874/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
奥さんがひどくて(笑)良い仕事する芸術家や哲学者はいますから、世の中のためにはよかったのかな。本人たちはつらい。