ローラ・チャイルズ 『ハニー・ティーと沈黙の正体』 ― 2025/04/09
「お茶と探偵」シリーズの26冊目。

インディゴ・ティーショップのセオドシアとドレイトン、ヘイリーの三人は新しく整備されたペティグルー公園で行われる「蜜蜂のお茶会」のケータリングをしていた。
お茶会はイマーゴ・ギャラリーのあらたな始まりを祝い、芸術愛好家やアーティストをもてなし、ビジネスチャンスを掴もうとするギャラリーのオーナー、ホリー・バーンズのためのものだった。
それなのに選挙の時期ということで、招待されていないオズグッド・クラクストン三世が長々とみずからの輝かしい業績と州議会の議席を自分にあたえるべき理由を語っていた。
セオドシアは演説を続けようとする彼を止め、お茶会を始めた。
ふた品めを出そうとした時に突然、防護服姿の養蜂家が現れた。
お客はイベントの一部だと勘違いし喜んだが、養蜂家はクラストンに近づき、燻煙器を彼の顔に向け、乳白色の蒸気を噴射させた。
それはただの煙ではなかった。
会場は混乱し、お客はパニックになる。
そこに一発の銃声が響き渡る。
気づくと、クラストンが養蜂家の足元に倒れていた。
養蜂家は満足そうにクラストンを見てから、全速力で走り出した。
危険をかえりみずセオドシアは彼を追いかけたが、のがしてしまう。
その翌日、ホリーとホリーのビジネス・パートナーのジェレミーがティーショップに現れる。
昨日の殺人事件の連帯責任を負わされ、契約を交わした画家の何人かが手を引くと言ってきた上に、大口顧客のうちの三人が注文をキャンセルし、全額返金を要求してきたという。
イマーゴ・ギャラリーはこのままでいくと立ち行かなくなる。
困ったホリーたちは「ご近所探偵」のセオドシアにオズグッド・クラクストンを殺した犯人を突き止めて欲しいと頼みに来たのだ。
チャールストン警察殺人課のティドウェル刑事からも、恋人のライリー刑事からもかかわるなと言われていたので躊躇するセオドシアだったが、好奇心と冒険心に負け、調べてみることにする。
「ご近所探偵」と言われていい気になり、セオドシアはまた殺人事件に手を出してしまいます。
もう誰にも彼女を止められません。殺人事件を調べると聞き、本来なら止めなきゃいけないティー・ブレンダーのドレイトンもシェフ兼パティシエのヘイリーも一緒になってウキウキしているんですもの。
ドレイトン、お年なのに大丈夫?
殺人事件を解決することは麻薬みたいなものなんですかねww。
さて、お茶会ですが、ドレイトンは「キツネと猟犬のお茶会」とか「秘密の花園のお茶会」を考えつきます。次回に開催されるでしょうかね。
今回は「たのしい川べのお茶会」を御紹介しましょう。
『たのしい川べ』はケネス・グレーアムが書き、E.H.シャパードがイラストを描いた、川辺に住む動物たちの日常生活を描いた児童書です。

岩波書店の岩波少年文庫から出版されています。
セオドシアが考えたお茶会のテーブルの飾り付けは、緑色のドライモスを敷き、黄色いラッパズイセンをクリスタルの花瓶にいけ、『たのしい川べ』の絵本を何冊か置き、動物のぬいぐるみをずらりと並べるというものです。
お皿は『たのしい川べ』の世界を描いたロイヤル・アルバートのもの。
最初のひと品は、あなぐまのバジャーの大好物のクランペットにクロテッド・クリームとエルダーベリーのジャム添え。
ふた品めは、ひきがえるのトード特製、イギリスのマヨネーズを使った燻製マスのティーサンドイッチ。
メインはもぐらのモールのチェダーチーズとソーセージのスコッチエッグ、つけ合わせとして緑の葉物野菜を柑橘ドレッシングで和えたサラダ。
デザートは、川ねずみのラッティーのジンジャービールのカップケーキ。
お茶はたのしい川べと名づけた特製オリジナルブレンドで、紅茶に細かく砕いた桃、リンゴ、ヒマワリの種を混ぜたものです。
ジンジャービールはショウガを発酵させて作るジュースで通常はノンアルコールだそうです。美味しいのかしら?
一度でいいから本格的なお茶会に参加したいのですが、お茶会なんてどこでやっているのでしょうね。
自分で考えてやってみましょうか。
そのうちに何がいいか、考えてみますわ(たぶん)。
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