ラモーナ・エマーソン 『鑑識写真係リタとうるさい幽霊』2024/09/13



ナバホ族の遺留地で育ったリタ・トダチーニはニュー・メキシコ州アルバカーキ市警鑑識課の写真係をしている。
彼女には特殊な能力がある。幽霊が見え、話ができるのだ。
ナバホ族は死を強く怖れ、口にすることすら嫌う。そのためリタの能力はおおっぴらにはできなく、できるだけ霊には近寄らないようにしてきた。
しかし、仕事柄そうはいっていられないし、これが役立つこともある。
被害者の幽霊がリタに他の捜査官が見逃す手がかりを教えてくれ、リタは多くの事件を解決に導いてきたのだ。

ある日、高速道路の跨道橋から落下した女性の轢死現場を撮影していたリタの前に、その女性の幽霊が現れる。
彼女はアーマといい、自分は殺された、犯人を突きとめなければ生き地獄を味わわせてやるとリタを脅すだけではなく、しつこくつきまとうようになる。
仕方なくリタは独自に彼女の事件を調べることにする。

英語の題名『Shutter(シャッター)』が『鑑識写真係リタとうるさい幽霊』になりました。
原題よりも内容をよく表しています。
題名と表紙のイラストからコミカルなミステリなのかと思いましたが、違っていました。
この本では、リタの家族の歴史と彼女の生い立ち、そしていかにしてカメラと出会い、アルバカーキ市警に働くようになったかということと、リタが関わる事件が交互に描かれています。
そして本の半分以上がリタの過去とアルバカーキに起る事件現場に臨場するリタのことです。(グロい表現があるので注意してください)
アーマの事件はいつ調べるのかしらと思っていたら、半分以上たってからちょこっと調べてあっけなく終わった感じです。
事件よりもリタの素性の方が面白いからいいんですけどねww。

とにかくリタはわがままな幽霊のアーマには振り回されますが、リタの特殊能力を知っている祖母とまじない師のミスター・ビッツィリーがリタに会いに来て、お節介ではありますが、色々とアドバイスをしてくれます。
ナバホ族社会に溶け込めなかったリタでしたが、この二人がいてくれてよかったですね。
二人が次の事件でも登場してくれるといいなぁ。

作者のラモーナさんがナバホ族について詳しいのは何故かと思って調べてみたら、彼女はニュー・メキシコ州トハッチのディネ族出身で、現在アルバカーキに住んでいる作家兼映画制作者だそうです。
この本は三部作になる予定で、二作目の『Exposure(露出)』は今年の10月にアメリカで出版されるようです。日本では来年ですね。
次はニューメキシコ州ギャラップで起る貧しい先住民を狙った連続殺人事件。
犠牲者の幽霊が見える探偵が出てくるみたいですが、リタとどう関わるのでしょうかね。