「落下の解剖学」を観る2024/04/02

カンヌ映画祭のパルム・ドールとパルム・ドッグ賞、受賞作品。


人里離れた山荘で、サンドラの夫、サミュエルが転落死する。
事故か、自殺か、それとも殺人か?
やがてサンドラは殺人罪で起訴される。

転落死の当日、サンドラは学生のインタビューに答えていたが、サミュエルが大音量で音楽をかけ始めたため、インタビューは途中で終わる。
11歳の息子のダニエルは犬のスヌープと散歩に出かけ、帰って来た時に雪の上に横たわっている父親を見つける。

サンドラはドイツ人の作家。
サミュエルはフランス人で教師をしているが、作家になりたいという望みが捨てきれていない。
ダニエルには視覚障害がある。
息子を迎えに行くはずだったサミュエルが忙しいからと、シッターに迎えを頼んだ時に起った事故が原因だ。
この事故以来、サミュエルは鬱状態になり、医師から薬をもらっていた。
事故の時にイギリスに住んでいたが、医療費がかかり過ぎるため、二年前にサミュエルの故郷のフランスに住むことにした。
サンドラはフランスに住むことに反対だったようだ。
彼らは家では英語を話している。

サンドラは友人の弁護士ヴァンサンに弁護を頼む。
裁判で明らかになっていく夫婦の秘密。
真実は一体どこにあるのか?

フランスの法廷を見るのは初めて…かな?
法廷の場面がメインの映画です。
なんかこれといった証拠もなく、推測ばかりなようなんだけどね。
検察官がサンドラの本の抜粋を読んだりしましたが、それでいいのかと言いたくなりました。
なんか印象操作ですよね。

わたしはどちらかと言えば妻のサンドラ側なので、サミュエルの言い分にはサンドラ同様怒りを感じました。
妻の才能に嫉妬している夫そのものじゃないですか。
そりゃあ、妻にも色々とありますけど。
可哀想なのは子どものダニエル君。
フランスに来てから山奥に住んでいるためか、週に一回しか学校には行けず、常に父親と一緒なんて、わたしなら嫌だわ。
犬のスヌープが唯一のともだちです。


スヌープの本当の名前は「メッシ」です。
最後の出演者のところで一番先に出てきました。
頭の良さそうな犬で、パルム・ドッグ賞を取りました。
気を失う場面があり、わたしは本当に死んだのかと思いましたよ。

サミュエルが自殺か他殺か、それとも事故なのかは最後まで明らかになりません。
観た人がどう思うかですね。
わたしはサミュエルがサンドラへの嫌がらせで自殺したか、サンドラがサミュエルに激怒して衝動的に殺したかの二択だと思います。
まさかダニエル、それともスヌープが…?

ちょっと長い二時間でした。
もっとスヌープが見たかったわ。
最後にサンドラに寄り添って寝てあげるなんて、なんて良い子なんでしょう。


見て下さい。
わが家のわんこは寄り添うのではなく、ベッドの上にドンと寝ます。
ベッドの半分を占領しているので、ママは足を縮めて寝ています。
求む、スヌープのような可愛いわんこwww。

堂場瞬一 『守護者の傷』2024/04/04



やっと桜が満開に近くなりました。


残念ながら、天気が今一。
明日にでもわんこを連れて花見に行こうかしら。


三十歳の水沼加穂留は神奈川県警の巡査部長。
両親が共に警察官という警察一家で、父親は数字の水さんという捜査二課のレジェンド的な存在で、昨年退職した。
父に刑事に向いていないと言われたのを根に持ち、しばらく会っていない。
捜査一課に異動希望を出しているが、叶えられることは無く、今度の異動で「訟務課」に配属された。
「訟務課」は警察が訴えられた民事裁判の対応をする部署だ。

ある日、訟務課に弁護士の資格を持つ新崎大也がやって来る。
彼は職員採用で、警察学校には行っていない、特例だという。
加穂留たちは何故弁護士が警察職員になったのか、不思議に思う。

そんな時に捜査一課が中心になって摘発した連続強盗事件で主犯とされたが、不起訴処分となっていた人間が訴訟を起こす。
捜査一課の刑事五人が違法捜査をしたというのだ。
新崎が中心になることが決まり、加穂留は新崎のサポート役を申し出る。

裁判対象の捜査一課五係に事情聴取をするが、暴言や威圧的な取り調べはなかったという。
しかし、法廷で証拠として音声ファイルが提出され、五係の嘘が暴かれ、敗訴となる。
県警は控訴の手続きを取る。

判決後、新崎が捜査一課に対し厳しく当たるようになったため、捜査一課の不満が高まり、疑心暗鬼になっているという。
訟務課でも新崎のやり方に不満を持つ者が出てくる。
このままでは訟務課が分断されると思った加穂留は、新崎が警察官になった事情を探り出そうと奔走する。
やがて思いもかけず、加穂留は県警内の闇を知ることに。

堂場さんの本を読んでいていつも思うのですが、女性の描き方が下手です。
警察官になる女性だからというのかもしれませんが、鼻っぱしの強い、何でも首を突っ込みたがるタイプばかりです。
「検証捜査」シリーズの保井凛や「警視庁総合支援課」シリーズの柿谷晶もそうですし、この水沼加穂留もそうです。
加穂留がなんで新崎の過去を執拗にほじくり出そうとするのか、わたしには全くわかりませんでした。(そうしないと話が続かなくなるけどね、笑)
警察官って同僚のことがそんなに気になるんですか?
恐ろしい職場ですわ。

題名の「守護者」で思い出したのが、水村舟の『県警の守護神』です。
この本にも訟務係が出てきました。
どちらも扱うのは警察の隠蔽行為。
絶対にそんなことあり得ないと言えないところが怖いです。
本に書いてあるように奈川県警って問題が山積みなんですか?

主人公があまり好きになれませんでしたが、まあ、こんなもんでしょう。
訟務課(訟務係)のことを知りたかったら、是非読んでみて下さい。


<今日のおやつ>


いただいたマロングラッセ。久しぶりに食べました。
ア、中身見せた方がよかったかしら?

堂場瞬一 『時限捜査』2024/04/05

「検証捜査」シリーズの四作目。


大阪府警梅田署署長の島村保は明日で二年間に渡る署長としての勤務を終える。
次の異動では警察学校長に就任し、それが警察のキャリアの終点となる予定である。
そんな日に、同時多発的に事件が起る。
最初に大阪のシンボル、太陽の塔が燃え、次に大阪市中央公会堂で火災が発生し、続いてUSJの入り口にある地球儀が燃やされ、最後はあべのハルカス。
島村は気になり、自分の管内を一回りしてこようと思い、パトカーに乗り込んだところに銃声が聞える。
電話をかけてきた警備課長の増島によると、十二時ちょうどにJR大阪駅構内で発砲事件が発生したというのだ。

JR大阪駅の時空の広場にあるカフェにライフル銃を持った者たちが男女各一名を人質に立て籠もる。具体的な要求はない。
目的は何なのか。愉快犯なのか、それとも…?

しばらくしてから犯人と名乗る人間から電話がかかって来る。
駅の構内に爆弾をしかけた。
要求は現金十億円と逃走用のヘリとパイロット。

そんな頃、警視庁捜査一課の神谷悟郎は殺しで呼び出される。
被害者は伏見史郎。元自衛官で、五年前に大阪府警に逮捕されていた。

やがて東京と大阪の事件の繋がりが見えてくる。
島村は後一日だけの署長在任中に事件を解決できるのか…。

『検証捜査』での島村のことはあまり覚えていません(恥)。
後から来て、犯人の取り調べをした人ですよね。
彼がこんなに人間味溢れる人だとは思いませんでした。
彼は上司の鏡です。
息子さんとの関係も微笑ましいです。

日本の立てこもり事件は時間がかかって大変ですよね。
人命第一だから仕方ないのでしょうが、外国のように短時間でスパッといかないものでしょうか。
本では人質のことは初めから分かるし、読んでいてもどかしいところがありましたが、臨場感あふれる最後で、楽しませていただきました。

テレビドラマのことは全く知らなかったのですが、2017年にテレビ東京で『検証捜査』をドラマにしていたのですね。
神谷悟郎役が仲村トオルだなんて、カッコよすぎじゃないですか。
神谷より年齢的にはやや上のようですけど。(仲村さんは今年58歳ですって。見えないわぁ)
「アナザーフェイス」の大友鉄役の方が合っていそう、なんて思ったら、なんと2012年にテレビ朝日系で大友鉄をやっていました。
わたしは時代に遅れてますねぇwww。

最初の方で『凍結捜査』を紹介してしまったので、「検証捜査」シリーズも後一冊。(シリーズとは言わないみたいだけど、便宜上シリーズにしときます)
舞台は海外のようです。

お花見に行く2024/04/06

天気が悪そうだったので公園には行かず、毎年花見に行っているところに行くことにしました。
雨が降ってきたら困るので、わんこたちはお留守番です。
いつもは朝の7時とか8時頃に行くのですが、天気の具合をみていたので、お昼ぐらいになってしまいました。
人が沢山います。上野や千鳥ヶ淵は歩くスペースがないほどかもしれませんね。
ここは地元の人がほとんどです。


曇り空なので、写真が暗くなってしまいました。


お昼時なのでお弁当を広げている人が結構います。


川にいるはずの鴨が川の堀を登っています。


二匹仲良く登っています。お花見に来た人の食べ残しでも探しに来たのでしょうか?


途中の家の庭に綺麗なクリスマスローズが咲いていました。


ちょっと毒々しいクリスマスローズ。
色々な種類がありますね。
うちのクリスマスローズはいつの間にか数が少なくなってしまいました。
花が終わった後に葉を取ってしまったからかしら?


これはどなたかの家の桜の木で、公園の桜よりも満開で、咲き誇っていました。
家に帰るとすぐにわんこたちのお散歩です。


兄は家ではまったりしていますが、お散歩になるとシャキッとします。


そろそろトリミングが必要になってきたようですね。

<今日のおやつ>


薄暗いところで撮ってしまったので、美味しそうではないですが、さくらのタルトです。半分以上が生クリームです。
ダイエットが進まないですぅww。(まだ諦めてないのよ、笑)

この頃つくづく物価が高くなったと思います。
10年ぐらい前にケーキが1個600円で、高くなったなと思ったものですが、今や千円越えもありますからね。
野菜などではなく、ケーキで物価を考えるわたしです、笑。

中島京子 『うらはぐさ風土記』2024/04/07



田ノ岡沙希は30年ぶりに日本に帰って来た。
カリフォルニア州の私立大学で日本語を教えていたが、日本語科が閉鎖されてしまった上に夫のバートの浮気がわかり、どうしようかと思っていた時に、母校の女子大から二年間の仕事のオファーが来たのだ。
とりあえず武蔵野の一角のうらはぐさ地区にある伯父の家に住ませてもらい、母校に通勤することにする。

そこで出会ったのが、伯父の家の庭の手入れを無料でしてくれている秋葉原さんとその妻の刺し子姫、不思議な敬語を使う、国際文化研究科一年生の亀田マサミことマーシーと彼女の友だちで人文科学研究科の水原鳩ことパティ、大学の同僚で日本近現代史専攻の非常勤講師、来栖先生とパートナーでリサーチ会社を経営している猿渡くん、あけび野第三小学校の校長、車谷武蔵など、多彩な人たちだ。

沙希はうらはぐさ地区に暮らすうちに、あけび野商店街のところに、道路拡張計画があることを知る。
商店街がなくなるのかと不安に思う沙希。

そこに元夫のバートが現れる。

コロナ禍を沙希がこう思っています。

「あんがい、コロナというのは、呼吸器官にはりついて肺炎を引き起こすばかりではなく、どこか人の弱い部分や無意識の部分に入り込んでその本質を露呈させるような、奇妙なウィルスだったりするのだろうか」

淡々とした日常が描かれ、これと言った出来事はないけれど、そこに生きる人たちがとても愛おしく思えるお話です。
武蔵野にある女子大と言うと、あそこかと思って中島さんの経歴を見ると、そうでした。商店街というとたぶん、あそこね。
そこがこのお話のようなところであるとは思いませんが、なんとなくそうあってもいいなぁと思えます。
武蔵野を知っていると、より面白く読むことができるでしょう。
別に知らなくてもいいんですけど、笑。


<今週のおやつ>


La nature Kのクッキー缶です。
胃の具合があまりよくないので、あまり食べられません。(食べるのかよ・笑)
無添加、白砂糖不使用と、材料を吟味しているらしいです。
チョコチップ、サブレココ、ガレット、ごまサブレの4種類です。
きび糖は意外と甘いんですね。
ここのプリンが美味しいというので、いつか食べに行きたいと思います。

堂場瞬一 『共謀捜査』2024/04/08

「検証捜査」シリーズの六作目で、最終巻です。


警察庁のキャリア官僚、永井はフランス東部の町、リヨンにある「ICPO(国際刑事警察機構)」本部に出向している。
国境を越えて暗躍する犯罪組織と対峙するための新しい組織、「ICIB(国際犯罪組織捜査局)」の発足準備に従事しているのだ。
ある日、永井はアパルトマンに帰ろうと自転車に乗っていた時に、後ろから来た車にぶつかられ、意識を失う。

保井凛はICPOの同僚であるアンドレ・クレマンからの電話で、永井が何者かに拉致されたことを知る。
すぐにメールで身代金の要求がある。
ICIBの設立を妨害するための犯行か?
永井との因縁のあるロシアン・マフィア、ブランの宣戦布告なのか?
凛はリヨン署と協力して永井の行方を追うことになる。

一方、東京の警視庁捜査一課の神谷警部補は本庁の浦部官房長から呼び出される。
かつて神奈川県警の不祥事を調べた時、捜査線上に上がったが、逮捕も書類送検もされず、懲戒処分を受け、県警を辞めた松﨑泰之が、警視庁の管内で殺された。
この件に例の神奈川県警の事件が影響を及ぼしている疑いがあるので、その背景を探ってほしいというのだ。
浦部に呼ばれたのは、神谷の他にあの時のメンバーの神奈川県警捜査一課の刑事、桜内省吾と福岡県警の皆川慶一郎。(ちなみに大阪府警の島村保は定年退職をしている)
特命捜査チームが再度集結し、捜査を開始する。

やがてフランスと日本の二つの事件が繋がり、意外な真相が暴かれるが…。

フランスからスイスへとスケールが大きくなるのかと期待したのですが、それほどではなくて、ちょっと残念でした。
そうそう、フランスの警察のことが書いてありました。
日本のような「中央官庁と地方組織」に分れていなくて、「地方の警察組織は全て、中央官庁の当該部署の直属だから、中央の情報が地方でも即座に共有される」そうです。

堂場さん、書きすぎです。
「神奈川県警は、内輪の人間を庇うために平気で冤罪事件を起こすような連中だ」とか、「職員の質が悪い」のは「一説にはうち(警視庁)の試験を落ちた連中が向こうへ行くーー警視庁の滑り止めだ、なんて言われているけど、実際にミスや不祥事が多いのは間違いない」なんて書いてあるんですよ。
神奈川県警から訴えられませんかねww。

『時限捜査』で島村さんがいい上司だと書きましたけど、今回も退職しているにも関わらず活躍してくれました。
そうだろうなと思ったのが、『複合捜査』の主役、NESUの班長・若林が一ヶ月前に急死したということです。
彼の性格と生活態度ではそうなるでしょうね。ご冥福をお祈りします。

あとがきに書いてありましたが、堂場さんは「○○捜査」を「シリーズ」とは認めていないそうです。
全てが『検証捜査』のスピンオフ作品とのことですが、作者なりのこだわりなんでしょうねぇ。
海外にまで進出したわりにスケールが小さいと書きましたが、コロナ禍になってしまい、取材出張ができなかったそうです。
仕方がないのかもしれませんが、最後が…という方が多いでしょう。
フランスとスイスに行けてたら、もっとすごいものが読めたかもww。

最後まで読んだので、読んだらいい順番を載せておきます。

検証捜査 (2013年集英社文庫)
 複合捜査 (2014年集英社文庫)
 共犯捜査 (2016年集英社文庫)
 時限捜査 (2017年集英社文庫)
凍結捜査 (2019年集英社文庫)
⑥共謀捜査 (2020年集英社文庫)

『複合捜査』と『共犯捜査』、『時限捜査』の3つはスピンオフですから、順番はどうでもいいです。
『凍結捜査』と『共謀捜査』は続けて最後に読むといいでしょう。
わたしみたいに『凍結捜査』を先に読むのはお勧めしませんわ、笑。

坂木司 『うまいダッツ』2024/04/10



明治天皇荻窪御小休所。雨で桜が散っています。


井の頭恩賜公園の桜も盛りを過ぎました。


桜が咲く前には人が沢山来ていたのに、終わるとすぐにいつもの姿に戻ります。
しゃれた大型犬がお散歩していました。



とある高校では、生徒全員が必ず何かの部に所属しないといけない。
「何もしたくない人」用の抽選のないクラブといえば、『喫茶部』だ。
高校一年のライトオカルト野郎のアラタと鉄オタのコウ、アニメと声優オタクのタキタ、家が空手道場というでかいセラの四人は、『喫茶部』で出会い、ジャンクなスナック菓子が好きだという好みが合ったため、つるむようになった。まぁ『喫茶部』の中の『おやつ部』って感じ。
活動はというと、ぶっちゃけて言うと、駄菓子を食べておしゃべりしているだけ。
そんな彼らが出会った謎とは…。

うまいダッツ
「うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい」という噂がクラスで流れた。
興味を持った四人はショッピングモールへ未来の予言をするというおっさん探しに行く。
おっさんとは一体誰なのか?

チロル・ア・リトル
コウはおばあちゃんに呼ばれた。家のどこかに落としたブローチを探して欲しいらしい。
セラが唐突に一緒に探したいと言い出し、四人でおばあちゃんちに行くことになる。
コウを呼んだおばあちゃんの隠された意図は?

バカみたいにウケない
三年のテラウエ先輩からおやつ部にインスタライブのお菓子クイズに参加するので、勝つために協力してくれと頼まれる。
勝敗は?そしてテラウエ先輩の真の目的は?

それは王朝の
タキタに今週の日曜日にモールで開かれる声優のミニライブに付き合ってくれと頼まれる。SNSで出会った同じ声優推しのサノイという子と会いたくないのだが、向こうが近付いて来ては嫌みを言うそうな。
彼女はタキタの何が気に入らないのか?

百年の愛
四人は二年生になり、三人の新一年生が『喫茶部』に入ってくる。
先輩になったはいいが、四人は憂鬱。というのも、一年が真面目すぎで、お菓子を食べている四人を冷たい目で見ているようなのだ。
おやつ部が研究しに今週末モールに行くと聞くと、一年も行っていいかと言い出す。
モールを七人で歩いていると、「無料でおいしい和菓子を食べたくない?」と話しかけられる。『茶道教室の無料体験』に人が来ないので、要するにサクラになって欲しいというのだ。
果たして彼らはちゃんとお茶を飲めるのか?

可愛い(おばさんからしたら高校生は可愛いのよww)高校生たちがいいです。
今の高校生ってこんな感じでしゃべっているのでしょうかね。
わたしは高校生よりもおばあちゃんに近い年齢ですから、コウのおばあちゃんのことは身に染みました。
出てくるヘルパーみたいに老人を子ども扱いしたり、『困ったおばあちゃん』扱いする人は多そうです。そうされるのは嫌ですわ。
自分も年を取るんですよ。その時に同じようにされたら、どう思うんでしょうね。

ライトな感じの高校生ミステリですので、どなたでも楽しめると思います。
出てくるおやつはみんなが知っているものばかり。
適当に書き出しましたが、さて、あなたはいくつ食べたことがありますか?

「キャベツ太郎、うまい棒、菊水堂のポテチ、ビックカツ、いかフライ、餅太郎、おやつカルパス、チロルチョコ、おにぎりせんべい、アポロ、ロアンヌ、ヴェルタースオリジナル、ポテロング、なげわ、チョコボール、ボールチョコ、カントリーマアム芋ようかん、ハッピーターン、ばかうけ、シルベーヌ、マリービスケット」

わたしは21個中11個。少ないかな。


<今日のおやつ>


駄菓子にすればよかったのですが、美味しそうだったので、たねやの柏餅三種類とよもぎ餅を買いました。

「枯れ葉」を観る2024/04/11

フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキによるフィンランド映画。


アンサはゼロ時間雇用契約でヘルシンキのスーパーで働いている孤独な女性。
警備員は従業員が賞味期限切れの商品をゴミ漁りに来た人にあげたり、持って帰っていないか見張っている。

ある晩、アンサは同僚のリーサと一緒にカラオケバーに行き、ホラッパとフオタリと出会う。
フオタリはリーサを口説こうとするが、アンサとホラッパは言葉を交さなかった。

ある日、アンサが賞味期限切れの商品を持ち帰っているのがバレ、スーパーを首になる。
上司の理不尽なやり方に頭に来た同僚の二人も辞める。
しかし、働かないと、お金がない。
そのためパブの皿洗いをするが、給料日にオーナーが麻薬の売買で警察に捕まってしまう。
そこに通りかかったのがホラッパ。
彼はアンサをコーヒーに誘い、パンをご馳走し、映画に行く。
映画の後、アンサは電話番号を書いて渡すが、ホラッパは紙をなくしてしまう。

ホラッパはサンドブラスト職人で、アル中。
酒瓶を作業場に隠しておき、仕事中に飲んでいる。
週末になってもどこにも行かず、漫画を読んだり、酒を飲んだりして過ごしている。
カラオケバーに行ったのは、同僚のフオタリに誘われたからだ。

ホラッパはアンサに電話をしようにも電話番号をなくしたためできず、アンサは電話を待ち続ける。
ホラッパは映画館にアンサが来ないかと、毎晩前まで行く。

とうとうホラッパは仕事中に怪我をして飲酒がバレ、首になり、住む所もなくなる。
そんな頃、二人は映画館の前で再会し、アンサはホラッパを食事に招く。
食事が終わり、こそっとジャンパーから酒を取りだし、酒を飲むホラッパ。
アンサはホラッパの飲酒を見て、「アル中はゴメンよ」とホラッパに言う。
彼女の父と兄は酒に溺れて死に、母親は嘆いた末に亡くなったのだ。
ホラッパは「指示されるのはゴメンだ」と言って出ていく。

ホラッパは新しい仕事を手に入れるが、また仕事中の飲酒がバレて首になる。
アンサは工場の職を得る。
工場に来ていた犬が殺処分されると聞き、アンサはその犬を飼うことにする。


ホラッパは仕事を首になってから、益々酒に溺れるようになる。
しかし、ある日、酒をシンクに捨て、酒を断つ決心をする。
そして、アンサに電話をする。
アンサは「すぐに来て」と答えるが…。

実はこの映画、益田ミリさんの「今日の人生」で紹介してあったので気になり、観に行きました。
最初は、暗いヘルシンキと救いようのない孤独な男女が出てきて、陰鬱な気持ちになりました。
どう考えても、二人が幸せになれそうもないのですもの。
アンサが犬を飼うことにした時も、食べるのに苦労しているのに、何も犬を飼うこともないのにと思いました。
それに仕事は体力勝負の汚れ仕事で、か弱い彼女が体を壊さないかと心配になるものです。
でも人はかけがいのない存在ができると強くなれるものです。
彼女にとって、犬がそういう存在なんでしょうね。
なんと犬の名が「チャップリン」ww。映画の最後にわかります。映画を観る予定の人は楽しみにして、剥がして見ないで下さいね。
この犬は監督の愛犬、ライカ君だそうです。
そういえば、フィンランドの病院は犬を病室に連れて行くのはOKなんでしょうか?

映画で気になったのが、二人が観た映画と歌う二人組の若い女性。
二人でわざわざ「デッド・ドント・ダイ」というゾンビ映画なんか観ますかね。
二人組の女性はこんな感じです。


姉妹シンセ・ポップ・デュオのマウステテュトットって言うんですって。
「マウステテュトット」ってフィンランド語って「スパイス・ガールズ」。
映画で歌うのが、「悲しみに生まれ、失望を身にまとう(Synthnyt suruun ja
puettu pettymyksin
)」という曲です。
とても印象的な二人と歌声なんですが、歌詞を見ると、暗いんですよぉ。
フィンランドにいったら二人のCDでも買ってこようかしら。

映画の中ではアンサが皿とカトラリーを一人分買うところと、その後、ゴミ箱に捨てる場面が印象的でした。
映画が進むにつれ、二人が幸せになって欲しいという思いが強くなってきました。
このままなら、ラジオが告げるように、希望のない、絶望的な世界になってしまいます。
せめて、ささやかな幸せを二人に、と願わずにはいられなくなりました。
色彩の感じられない毎日が、ちょっとの明るさが加わった未来へと続いて行くという、そういう感じが最後にしたので、救われました。
色々と監督のこだわりが垣間見られる、心にジーンとくる映画です。

枯れ葉」予告編

麻見和史 『追憶の彼女 警視庁文書捜査官』2024/04/12

警視庁文書捜査官シリーズの10作目。


警視庁文書解読班の矢代朋彦は、休日を使って、幼馴染みの水原弘子が七年半前に田端一丁目の階段から落ちて亡くなったという事件を個人的に調べている。
M302という古い機種のフィルムカメラを持っていた男が事件に関係しているという情報があり、矢代はM302を手に入れ、そのカメラを持って事件現場付近を歩き、聞き込みをしている。

矢代がいつものようにカメラを持って歩きながら、カメラ好きの人たちが集まる掲示板を見てみると、田端第二公園のフリーマーケットでM302が出品されているという書き込みがある。
早速行ってみると、まさしくM302。出品していた少女の祖母のものだが、残念ながら、彼女の祖母は七年半前の事件の後すぐに亡くなっていた。
少女の家はあの階段の脇だという。
ボディを確認すると、フィルムが入っていた。
現像してみると、写真が六枚写っていた。

南千住で殺人事件が起き、文書解読班に出動要請が出る。
被害者はフリーランスのデザイナー、皆川延人、三十九歳。
遺体の口は接着剤かなにかで塞がれ、目はスキンステープラーの針で留められていた。
そして見つかったチラシには、血で二文字が書かれていた。
矢代と夏目は鳴海主任の分析をサポートするために、情報収集をすることにする。

翌日、本庁捜査一課から江東区住吉で南千住事件と手口が似ている殺人事件が発生したという連絡が入る。
被害者はコンサルティング会社の社長、桐原哲生。
遺体の喉はハサミで、体は何度もカッターで傷つけられたようだ。
矢代は桐原の顔が田端で買ったカメラのフィルムに写っていた顔であることに気づく。

二件の殺人事件と七年半前の弘子の事件に関わりがあるのか…。

このシリーズも10冊目。予想に反して長く続きますね。
今回は鳴海主任ではなく、倉庫番の矢代が主人公です。
生きていたら、もしかしたら結婚していたかもしれないと思われる彼女のために、矢代、頑張ります。

今回は文書解読がそれほど役に立っているようには思えません。(いつもだったっけ?)
血文字の件では、詳しくは書きませんが、わたしの読みの方が正しかったようです。
事件を解決するには、聞きこみが大事なんだと思いますよ、笑。

主人公が矢代の方が落ち着いた雰囲気で、わたしは気に入りました。
鳴海は…。
次は是非とも夏目に活躍してもらいたいです。

八重桜とトリミング2024/04/13



ソメイヨシノが散った後に、今度は八重桜が満開になりました。


隣の白い花はハナミズキでしょうか。次々と花が咲き始めました。
近くのお宅の庭の花が咲き始めています。
桜の次は薔薇と紫陽花かな。

さて、我が家のわんこたちは月に一回のトリミングに行って来ました。


寒い時は5㎜、暑くなると3㎜の長さに切ります。
兄にボーロをやったのに、見向きもしません。ボーロよりも鳥肉のジャーキーが欲しいみたいです。兄は小さい頃から口が肥えていて、まずいドッグフードは食べませんでした。


兄は人垂らしで、トリマーさんや動物看護師さんたちに気に入られるように振る舞うらしく、「かわいい」とよく言われます。


一方、弟はヤンチャで動き回るので、あまり好かれていないようです。


写真だけ見ると可愛いのにね。(親バカですみません)


ジャーキーを見せると、やる気が出てきたようです。


お兄ちゃん、がっつきすぎ、笑。
弟の側にいることも忘れ、前に出てきました。


兄は食べること、弟は音の鳴るおもちゃで遊ぶことに命を賭けています。


兄はやっと弟が側にいることに気づいたようです。
弟の右の毛が気になります。

小さい頃は懐かなかったヨーキー弟が、この頃兄にライバル心を持ち、兄を押しのけて前に出てくるようになりました。
先に弟をかわいがると兄がヘソを曲げるので、兄を優先していますが、弟は兄ばかりかわいがっているようにみえるのかしら。

フィラリアの検査と健康診断の血液検査をしました。
五月からフィラリアの薬を飲み始めます。
兄は太って3.5㎏、弟は3.3㎏で、兄はこれ以上太れません。
少しダイエットをしましょうかね。