野川公園に行く2023/05/01

犬たちを連れて野川公園に行って来ました。
兄は小さな時に何回か来ているのですが、弟は初めてです。


鯉のぼりが泳いでいました。


野生犬の兄は駆けまわっています。


どうです、嬉しそうでしょう。


野原が大好きです。


「ママ、楽しいです」


「ヤッホー」


ママのところに駆けて来ました。
とってもいい笑顔なのに、ママの指が入ってしまいました。
パパは指じゃなく、道みたいだから大丈夫と言っています(笑)。


本当に野原が好きなんですね。


一方弟はというと、実はお外が苦手です。
兄に着いて行くのでリードが絡まってしまいます、笑。


絶対に兄のように駆けません。
パパの後を着いて歩きます。


そんなに歩いていないのに、しゃがみ込んでしまいました。
そういえば初めてのお散歩の時にも歩こうとしませんでした。


「ママ、僕、こういう所嫌いです」
ヨーキーはネズミ捕りだから、お外は苦手なのかな?


二匹をお座りさせました。


兄がいつものように気難しい顔をして、弟の方がよく舌を出すので、笑って見えます。
二匹共に前を見て欲しいのですが、とりあえずこれぐらいの写真でよしとしますわ。
次はおやつを忘れずに持っていき、前を向かせようと決心したママです。
「ママは忘れっぽいので心配です」by わんこず

岐阜に行く2023/05/06

昨年亡くなった叔父のお墓参りと甥の子どもたちに会いに岐阜まで行ってきました。
お墓は岐阜の山奥にあるので車で行ったのですが、これが失敗でした。
新しいナビが使えず、中央道で行こうと思っているのに、東名を使わせようとするので、高速になかなか乗れませんでした。
これで約1時間のロス。
中央道に乗ったところで今度はナビがナビを拒否。
諏訪を過ぎた辺りで何故か高速を出てしまい、また入り直しました、笑。
ナビ子(頭に来たので、名前をつけてやりました)がナビを拒否したので携帯の
google mapを使いましたが、バッテリーの減りが早くて困りました。
旅には携帯のモバイルバッテリーを忘れないようにしようと思いました。

10時半ごろに東京を出て宿泊予定の下呂温泉に着いたのが、17時半ごろ。
かかっても六時間ぐらいかと思っていたら、七時間半もかかってしまいました。
通りかかった温泉街の中心地は人通りが多かったです。


宿は国の有形文化財にもなっている、古いといっても昭和の建物ですが、旅館です。
七時にご飯にしてもらい、急いでお風呂に入りました。
コロナのこともあり大浴場は使いたくないので、露天風呂がついている部屋にしました。露天風呂はちょっとぬるめで、物足りなかったです。

お風呂から出て浴衣を着てびっくり。背の高さに合わせて大きいサイズ(160㎝以上)にしたはずなのに、ツンツルテンです。
後でわかったのですが、もっと大きいサイズ(165㎝以上)が棚の横のタンスの上に置いてあったのです。気がつかなかったわ。
どこの旅館に行っても女性用浴衣がツンツルテンなので、この頃ははっきり告げて男性用にしてもらっています。
縦も横も大きいと大変です、笑。


夕食の飛騨牛のステーキがとても美味しかったです。
もう一度たべたいです(涎)。

翌朝、少し早く起きて、宿の中を散策しました。
この宿は建て増しを続けたらしく、本館やら別館やら色々とあって迷いそうです。
朝っぱらから出歩くのは私ぐらいのようで、誰にも出会いませんでした。


ここで本でも読みたいです。
この隣に足湯があります。


誰もいません。


階段の窓ガラスやシャンデリアが面白いデザインですね。


クラブ「ムーンライト」を上から見た感じです。夜にはここでお酒が飲めます。
昔はダンスホールだったそうです。


ここはボックス席なのかな?
椅子の後ろに凝った装飾のタンスがあります。何を入れたのでしょうね。


ビリヤード室があります。


何に使われていた部屋なのでしょうね。


廊下に卓球台を置いています。予約制でした。


床のタイルがレトロっぽくて素敵です。
内風呂は人がいないので見るのを遠慮しました。
会議室とサンルームがあるのを知らず、見られず。
調べてから行こうね、笑笑。


窓から下呂温泉街を見下ろします。
こじんまりした町です。温泉街って川のそばが多いのかな。

散策の後はお風呂につかりました。


朝に和食は久しぶりだったので、あまり食べられませんでした。
この日はしばらくゆっくりして、10時過ぎにおじさんのお墓を目指して出かけました。
1時間ぐらいで着くはずですが、ナビがつかえないので、前夜google mapで調べて、道順をメモしておきました。
都会のように道が多くないので、メモを見て、なんとか迷わずに行けました。
しかし恐るべし県道。山の中の一本道で、曲がりくねっています。
向こうから車が来たらどうしたらいいのよ。
幸いなことに、それほど狭い道じゃないところで二台ほど車に出会っただけで終わりました。
山奥とは聞いていましたが、こんな山道を通るとは思ってもいませんでした。
夫のドライブテクニックのおかげで(と言っておこう)、無事におじさんのお墓に着きました。

お墓参りの後は甥の子どもの三歳半になる双子ちゃんと初めて会いました。
待ち合わせは関市にある百年公園。ここまでの道のりもメモしていましたが、ナビ子がやっとやる気を出しました、笑。
百年公園は入場無料で、子どもが遊べるところが沢山あります。
ひょっとして東京の昭和記念公園よりも広いかもしれませんね。
残念ながらわんこは禁止です。

甥の家族は午前中から公園で遊んでいました。
私たちが山道をなんとか通って、公園に辿り着いたのが1時過ぎ。
昼食を買っておいてくれたので、公園で子どもの相手をしながらいただきました。


体重が13㎏もあると聞いてびっくり。それでも標準らしいです。
いけないことですが、犬たちを四匹抱いたぐらいかと想像してしまいました、笑。
男の子の方が少し小さいのですが、重いです。骨と筋肉が女の子よりもあるのでしょうか?
最初は人見知りしていましたが、しばらくすると女の子が寄ってきました。
男の子はママがいいようです。男の子は一人でおじいちゃん家に泊まれるというので、東京のおばさん家に泊まりにおいでと言うと、「行く」と答えてくれました。
(甥の子からみると祖父・祖母の部類に入りますが、面倒だから東京のおばさん、おじさんにしときましたww)
名古屋から新幹線に乗せてもらい、私たちが東京駅に迎えに行けば迷いませんものね。小学生になったらいいかも。
子どもは可愛いですね。このまままっすぐ育って欲しいです。
二時間ぐらい遊んでからお別れしました。

宿に着いたのが4時半過ぎ。
今度は昨日よりものんびりできます。


後から増設した露天風呂。ぬるかったので、あまりつかれませんでした。


お部屋はそれなりに広いのですが、私はもっと広いと思っていました。
柱にリスが蝉を狙っている彫刻がありました。アサブロでは縦の写真を入れるとヘンになるので、それぞれの写真を載せます。


蝉です。この下にリスがいて、狙っています。


リスって木の実を食べると思っていたのですが、蝉も食べるのかしら?


夕食は飛騨牛のしゃぶしゃぶでしたが、肉がたった二枚。
せめて四枚にしてください、笑。


日本食らしい盛り付け。

この旅館には最近中国よりもフランスなどヨーロッパからの旅行客が泊まっているそうです。
中国人旅行者もこれから増えていくのでしょうね。
従業員に中国の方が何人かいましたし、古い旅館で働いているのは四十代以上の人たちが多いと思っていたのですが、今は若い人たちの方が多く働いているようで、テキパキしていて頼もしいです。

旅館は古い建物なので廊下を歩くとギシギシいいます。
広縁に座っていると揺れているような感じがしました。
部屋の洗面所やトイレが古かったです。
階段が多いので足が悪い方は気をつけてください。仲居さんも階段で躓いていました、笑。
温泉のお湯はいいです。
こういうレトロな建物が好きな方にお勧めします。

これから海外の宿泊客が増えていくと、だんだんと古い旅館の風情が薄れていき、サービスがホテルのようになっていくのでしょうか…。


朝食は昨日よりも食べられました。

行きよりも帰りの方が渋滞がなさそうだったのですが、わんこたちのお迎えがあるので、9時半ごろに出発しました。
ところがまたナビ子が邪魔をします。
中央道を行く予定だったのに、いつの間にか標識が多治見に。
新東名に入ってしまったのです、笑。


まあ、そのおかげで富士山が拝めましたけどね。
出発時にナビ子は三時十分ごろに着くと言っていた(ちなみにgoogleさんは五時過ぎでした)のに、だんだんと遅れていきます。
途中で大渋滞に巻き込まれてしまいました。
結局東京に着いたのが六時過ぎで、家に帰らず直接わんこのお迎えに行きました。
わんこたちはそれほど嬉しそうでもなく、ママはガッカリ。
どうも疲れていたみたいです。
兄犬は3.6㎏あった体重が3.4㎏に減っています。ご飯は全て食べたそうです。
心労かしら?
弟犬は落ち着きがいつも以上にありません。ママとパパに会って嬉しい?
体重を量ると、3.2kg。兄と同じく0.2kg減っています。
遊び過ぎ?
二匹共に良い子にしていたと言われましたが、本当かしら?

寝る前に体重を量ると、2㎏増えていました。
車に乗っているだけで動いていませんからね。
なのに脚の骨格筋率が上がっています。
ひょっとして和室で立ったり座ったりするのは脚の筋力をつけるのにいいのかしら。

家に帰って、わんこたちはぐっすり眠っていましたが、ママが五時過ぎに起きて兄を呼ぶと、ハウスから出てきました。
それからしばらく兄と一緒に寝ました。
兄は元気がなく、疲れているようです。
トリミングで慣れているとはいえ、宿泊は別なのでしょうね。
これからはわんこたちは預けず、一緒に旅することにします。
そしてそろそろママは海外旅行に行きたいので、その時はパパに面倒をみてもらいますわ。


ママがブログを書いているとつまんなさそうにしていた兄ですが、急に顔を上げました。


「ママ、いい加減にしてください。こんなに可愛い僕を置いて行くのですか」

アラ、兄犬に怒られてしまいましたwww。

サエタカ 『ワンコ17歳―老いゆく愛犬と暮らしたかけがえのない日々』2023/05/07



サエタカさんが新聞の投稿を見て芝系雑種犬を貰って来てからワンコが15歳の老犬になりました。
そんな頃に「Twitter#秘密結社老犬倶楽部」というハッシュタグを見つけ、自分もやってみようと思い、Twitterを始めました。
この本はTwitterを始めてからワンコが17歳11ヶ月で亡くなるまでの生活を描いています。

犬を飼ったことのない人はわからないでしょうねぇ。なんで犬ごときにこんなに夢中になるのだと思うでしょう。
とにかく可愛いいんです。子どもと比べたら怒られるでしょうが、あえて比べますと、同じように可愛いいんです。
犬は永遠の三歳児と言いますからね。
サエタカさんは犬が高齢になってできないことが増えていくごとに、可愛いも増えていくと言っています。わかるわぁ。
犬の介護もこの可愛いの気持ちでやっていけるんですね。

うちのわんこは今年で11歳と9歳になります。
もう立派なシニア犬です。
10歳を超えた頃からだんだんと、いつお別れの時が来るのか、それが気になってしょうがなくなりました。


8月に9歳になるヨーキーの弟。
抱かれるのが大嫌いで、遊ぶのが大好き。


6月に11歳になるミックス犬の兄。
この頃、朝から夕方まではママと一緒にいたい甘ったれでツンデレ性格。


コロナ禍が終わったので、これから沢山思い出作りをしようと思います。

「にっこり、ほっこり、ちょっとほろり。老犬介護は大変だけどやさしい気持ちにもなれるー。」
そんな本です。
読んだら少し、これから来る老犬介護が楽しみになりました。


<今日のおやつ>


甥にもらったよしやのバームクーヘンと夫が欲しいといったゆべし。
バームクーヘン、美味しかったです。よしやってバームクーヘンの専門店なんですね。

M.C.Beaton 『Death of a perfect wife』2023/05/09



紫陽花の花の蕾が続々と出てきていますね。
紫陽花は好きですが、梅雨が近付いていると思うとちょっと憂鬱です。

さて、ヘイミッシュ・マクベス巡査シリーズの四巻目を読みました。
読んでから時間が経ってしまったので、記憶が曖昧なところもありますが、思い出しながら書いてみます。


ロックドゥ村のWillets’s houseにTrixie & Paul Thomas夫妻が引越してくる。
早速ヘイミッシュは引越しの様子を見に行く。
引越しを手伝いながら話してみると、彼らはそこをB&Bにするようで、家具に使うお金がないので、村人からいらない家具をもらうのを当てにしているようだ。
引越しが終わった後に駐在所で歓待するので来ないかというと、彼らは本当にやって来る。
Trixieは断りもなく部屋を見て回り、石炭バケツがないので、ヘイミッシュの持っている古い石炭バケツが欲しいなどと言い出す。そのバケツはおばからもらった 18世紀のもので、ヘイミッシュは気にいっていたので断る。
そうすると今度は台所の棚を見て、ホームメイドのストロベリージャムがあるのを見つけ、ホームメイドジャムが大好きとか言い出す。そんなわけでヘイミッシュはジャムをやることになる。
段々とヘイミッシュはTrixieのことが嫌いになっていく。
不思議なことにお金がないといいながらも彼らは新聞にB&Bの宣伝広告を出したようだ。

TrixieはDr Brodieの妻Angelaが家事が苦手なことを聞き、彼女の家に行き、家事を完璧にしてあげ、そのお礼にちゃっかりと彼女の家にある古い椅子をもらう。
そのことをAngelaから聞いたヘイミッシュは椅子がアンティークで価値のあるものではないかという疑いを持つ。

AngelaはというとTrixieに傾倒してしまい、彼女の言うことはすべて正しいと思い込み、行動に移すようになる。
服装もTrixieの真似をし、Trixieが言うからと夫が煙草を吸うのを止めさせ、その上ダイエットまでさせようとし、夕食にフライドポテトやステーキを出さなくなる。
これにまいったのがDr Brodie。
我慢できなくなり、離婚まで考えるようになる。

だんだんとTrixieは村人たちの生活に干渉するようになり、Bird Society meeting やClean Up Lochdubh campaign、Protect Our Batsなどの活動も始め、味方と同じぐらいの敵を作っていく。
もちろんヘイミッシュはTrixieに胡散臭さを感じているが、なんと牧師の妻のMrs 
Wellingtonやプリシアの父までもがTrixieに取り込まれてしまう。

とうとう悲劇が起る。
Trixieが彼女の部屋で殺されていたのだ。
またまたやって来たのが、懲りないブレア警部。
彼はヘイミッシュを事件から外すという間違いを再び犯す。

捜査を続けるうちに明らかになっていくTrixieの裏の顔。

実はヘイミッシュはブレアの裏をかいていました。
馬鹿なブレアは釣りをしに行った新任の警視がロックドゥ・ホテルに泊まるから、彼に近寄るなとわざわざ電話をしてきたのです。
いいことを聞いたとヘイミッシュはプリシラを連れてホテルに食事をしに行き、首尾よく警視夫妻と仲良くなります。
ですから警視は事件の始めからヘイミッシュの味方です。

そうそうこの巻で悲しいことが起こります。
プリシラとヘイミッシュの間に亀裂が入ってしまったのです。
プリシラは昇進して大きな町に住むようになることがヘイミッシュの幸せだと思っています。(たぶんプリシラにとっても)
しかしヘイミッシュは昇進など望んでおらず、ロックドゥ村で今までと同じように暮らしていくことを望んでいたし、それが彼にとっての幸せの形なのです。
二人の考え方の違いに気づいたヘイミッシュはプリシラが前のように魅力的に思えなくなってしまいます。
二人の間がこれからどうなっていくのか、続きを読まなければ…。


<今週のおやつ>


DEAN & DELUCAのクッキーですが、私の好みの味ではなかったです。

アイルランドの映画を観る2023/05/11

アイルランドが舞台の映画を二本観ました。
まず最初が「イニシェリン島の精霊」。


1923年、アイルランドでは内戦が起きていた。
しかしイニシェリン島では平和な毎日が続いていた。

パードリックは毎日年上の友人のコルムを迎えに行き、一緒にパブで酒を飲みながら馬鹿話をするのを日課にしていた。
ある日、いつものようにコルムを迎えに行くと、コルムは答えず、窓から覗くと座って煙草を吸っていた。
妹のシボーンに話すと、兄さんが嫌いになったのかもと言われ、もう一度パブに行ってみるように言われる。
パブに行くとコルムは来ていなく、店主に喧嘩したのかと聞かれる。
再度コルムを迎えに行くと、彼はレコードをかけたまま出かけていて、遠くに歩いている姿が見えた。
パブに戻るとコルムがいたので、彼のテーブルに座ろうとすると、コルムは向こうに行けと言う。
先にここにいたのは自分だと反論すると、コルムは外に行って座る。
コルムに理由を聞くと、「お前は何もしていないし何も言っていない。ただお前のことが嫌いになった」と言うだけ。
その日からコルムはパードリックを無視するようになる。

無視されると追いかけてしまうのは人の常。
パードリックはしつこくコルムに迫る。
そうするとコルムはこのまま年を取るのが恐い。残りの時間を思考や作曲に使いたい。お前のつまらない話に時間を取られたくないとパードリックに告げた。

妹のシボーンがコルムに文句を言いに行くと、コルムはパードリックが退屈で、もう退屈に耐えきれなくなったと言う。
シボーンがこの島には退屈しかない。退屈以外に何を求めるのかを聞くと、コルムは「静けさだ。心の安らぎだ。君ならわかるはず」と答える。

素朴で気のいいパードリックはコルムのことが理解できない。
シボーンは読書家で、今は兄の世話をして暮らしているが、たぶん親が亡くなるまでは本土で司書の仕事をしていたように思われる。
コルムはパードリックより大分年上で、音楽家として各国を回り、その後故郷の島に戻って来たのだろう。
シボーンにはコルムの気持ちがわかる。それは彼女が普段感じていることだから。
でも兄の気持ちを考えると…。

コルムと変わり者のドミニク、そして妹以外に友だちのいないパードリックは納得がいかず、コルムにしつこく絡んでいく。
とうとう怒ったコルムはパードリックにお前が話しかけるたびに1本ずつ指を切っていくと宣言し、本当に指を切り、パードリックの家のドアに指を叩きつけていく。

段々と二人の行動は過激になっていく。
やがてシボーンもドミニクも去って行き、一人残されたパードリックが大事にしていたロバも…。

大人げない二人だとは思いますが、私には二人の気持ちがよくわかります。
どちらかといえばコルム派ですが、笑。
でもどうして指を切断するという極端な行動を取ったり、どちらかが死ぬまでこの戦いを続けていくというように拗れてしまったのかが理解できません。
自然は変わらず、そのままで、人間たちのやることは愚かとしか言えません。

この映画は小さな諍いを描いていますが、アイルランドの内戦の寓話だとも言われています。

美しい島の風景と可愛いロバと犬を見るだけでもいい映画です(私にはね、笑)。
ロバのジェニーは人の言葉もわかるし、頭がいいですよww。



1969年、北アイルランドのベルファストで生まれ育ったバディは9歳。
愛する家族と隣人たちと幸せな生活を送っていた。
しかし8月15日、バディのすむ地域にプロテスタント系の武装集団が現れ、カトリック系の住民を襲撃する。
それ以来同じ町で暮らしていたプロテスタント系住民とカトリック系住民の対立が
激しくなっていく。

バディの父親(パー)はロンドンに出稼ぎに行って、たまに帰ってくるという生活をしていた。
家族のことを心配し、一家全員でロンドンやオーストラリアなどに移住しようと言うが、母(マー)は住み慣れたベルファストから離れるつもりはない。

ある日、プロテスタントの暴徒がカトリック教徒の経営する雑貨店を襲撃し、略奪を繰り広げる。
この時その場にいて怖い目にあったバディとマー。
このことをきっかけにマーは真剣にベルファストを離れて新天地に移り住むことを考え始める。

しょっぱなのカラーの現在のベルファストから白黒の1969年のベルファストになっても違和感がありませんでした。モノクロ画面が綺麗です。
監督のケネス・ブラナーはベルファスト出身で、自伝的な映画だそうです。

無邪気な幼いバディの目を通し、北アイルランド紛争を描いた作品です。
子どもたちの目の輝きを消してはいけません。
争いはどこでも起こりうるし、どんな理由があってもやってはいけないことなのです。

お勧めの映画です。
どちらも共に映画館で上映していませんが、ネットで観られます。

ヘニング・マンケル 『スウェーディッシュ・ブーツ』2023/05/12

スウェーデンのミステリー作家マンケルが書いた小説『イタリアン・シューズ』の続編です。
英語版の『After the fire』を読む前に翻訳が出てしまいました(恥)。


元医師のフレデリック・ヴェリーンは70歳。
未だ祖父から遺された小島に一人で住んでいる。

ある夜、火事で目覚める。
警察が調べると、放火であることがわかる。
とんでもないことに警察はフレデリックがやったのではないかと疑っている。
そんな彼のところにインタビューをしたいとリーサ・モディーンという女性記者がやって来る。
フレデリックは彼女と関係を持ちたいと思う。

娘のルイースに家が焼けたことを連絡するとすぐに島にやって来る。
フレデリックは娘とどう接したらいいのかわからない。
彼女はエキセントリックで、何かと腹を立てるのだ。
いったい何をして暮らしているのだ。
やがて警察から呼び出しが来る。
ルイースは一緒に行くというが断ると喧嘩になる。
翌日、ルイースはいなくなる。

しばらくしてルイースから電話が来る。
パリで警察に捕まっているので助けて欲しいというのだ。
フレデリックはパリへ向かう。
親しくなっていたリーサ・モディーンも誘うが断られる。

パリでは大使館員に助けられ、ルイースと会うことができた。
ルイースは思ってもいなかったことをフレデリックに告白する。
そしてフレデリックに付近の群島の家が焼けたという連絡が…。

この本はミステリではないので、フレデリックは犯人捜しをしませんが、彼の悪癖から偶然に犯人を突きとめてしまいます。
読みながら私も彼ではないかと思っていました。
誰もが人を正確に理解しているわけではなく、人には思いもかけないことがあります。
中学校の人気教師が強盗殺人事件を起こしてしまうようにね(本当のことなのか、信じたくないですが)。

それにしても70歳になるというのにフレデリックには驚きました。
自分よりも大分若い女性のことをすぐに好きになってしまうんですもの。
そういえば50代のヴァランダー(マンケルのミステリーの主人公)もヴィスティング(ホルストのミステリーの主人公)も女性を求めていましたね。
年を取ると一層、特に一人暮らしだと男女関係なく、そういう関係を求めるのかもしれませんね。

この小説はマンケルの最後の作品です。
そのためか死の影がどの場面にも色濃く感じられます。
マンケルはスウェーデンに明るい未来を感じていなかったのでしょうか。
新しい命に希望を託していたと思いたいです。

ちなみに「スウェーディッシュ・ブーツ」とはスウェーデンのトレトン社製のゴム長靴のことです。
火事で片方無くし、注文するのですが、何故かすぐに手に入らないのです。

老年に足を踏み入れた人が読むと身に染みる本かもしれません。

深町秋生 『探偵は田園をゆく』2023/05/13

2016年に発売された『探偵は女手ひとつ』の続編です。
約6年ぶりの女探偵・椎名留美の登場です。
山形弁が珍しかったのか、彼女のことは覚えていました。
今回は長編です。


探偵の仕事よりも便利屋の仕事の方が多いぐらいなのに、今年の冬は暖冬で仕事がない。
そのため椎名留美は仕方なくデリヘルの送迎ドライバーを始めたが、余計なことに首を突っ込んでしまい首になる。
そこに知り合ったばかりのホテルの従業員から仕事が入る。
息子が行方不明になっているので、探して欲しいというのだ。
早速彼の勤め先に行き話を聞くが、彼の評判は思わしくない。
みんなから借金をしているという。
彼の部屋を調べてみると、その場にそぐわない物が見つかる。
子なんかいないはずなのに西置市が子育て支援の一環として、新一年生に配っているという「すこやかパッケージ」があったのだ。
彼はそれが金になると言っていたという。
留美はそこから彼の行方を探っていくことにする。

今回も留美は活躍します。
前回よりも(記憶が正しければ)暴力沙汰が少ないです。
助っ人の逸平と麗夫婦がとにかく最強。だれもが恐れる狂犬夫婦です、笑。

山形は祖母の故郷なので、親近感があります。山形弁は難しいですが。
地方独特のしがらみやらなんやらが大変そうですが、そんな中を留美は頭を使い、上手く立ち回っています。
亡くなった夫の家族や自分の母や娘のことなどで悩みが尽きません。
それでも留美はカッコいいです。
また会えてよかったわ。

赤羽は行ったことがないのですが、もつ焼きとかが美味しいところがたくさんあるんですかぁ。
行ってみたいと思いますが、赤羽はちょっとくたびれた男性たちが羽を休めるところなのかな?

六年後ではなく、もっと早く続編をお願いしますね。

タスキメシ・シリーズの三冊を読む2023/05/15



紫陽花の季節が近付きました。
普段は目につかないのに、何故か雨が多くなると紫陽花が目立ちます。


他の場所の紫陽花は小さいのですが、ここの紫陽花はもうこんなになっています。
紫陽花も日当たりが関係するのかしら?それとも水はけがいい、悪いが関係するのかしら?



「タスキメシ」とは何だろうと思うかもしれませんが、「タスキ」と言えば…。
そうです、駅伝です。
駅伝にかかわるお料理のお話だと思って読んでみましたが、一巻目以降それほどお料理のことは出てきません。
どちらかと言えばスポーツに関わる人たちの熱い思いを描いた作品です。

『タスキメシ』
眞家早馬は茨城県の私立神野向高校三年生。
陸上部で長距離選手として期待されていたが、昨年の冬に右膝を剥離骨折し、手術を受けた。
リハビリをしているが、仮に競技に戻れるまで回復しても、その頃には三年生は引退だ。
そんなことなど色々と考えていると、やる気もでない。
そんな彼に担任の生物教師・稔が料理研究部の井坂都を紹介する。

早馬の家は母親が亡くなってから家事は祖母がやってくれていた。
しかし昨年の九月に祖母が腰を痛め、伯母の家で介護をしてもらうことになり、それ以来家事は早馬と父が担当している。
一学年下の弟の春馬は甘やかされて育ったせいか、偏食で小食。毎日コンビニ弁当を食べる始末。
陸上部に入り活躍していて自分より見込みがありそうなので、早馬は春馬の偏食をどうにかしたいと思っていた。
都はそんな彼に色々と料理を教えてくれる。

陸上部部長で親友の助川とライバル校の藤宮たちは、早馬が競技に戻って来るのを待っていた。
しかし早馬は競技から引退したその先を考え始めていた。

『タスキメシ 箱根』
高校卒業後、眞家早馬は日本農業大学応用生物科学栄養科学科に入学し、陸上部で長距離走に励み、卒業後は管理栄養士として病院で働いていた。
しかし夢を諦めきれない上に上司とも馬が合わず、仕事を辞め、紫峰大学の大学院でスポーツ栄養学を本格的に学ぶことにする。

紫峰大学駅伝部は寮の管理人で栄養士の資格を持ち食事を作ってくれていた男性が退職してしまい、代わりの人をさがしていた。
たまたま早馬のことを聞いた駅伝部の監督が、栄養管理兼コーチアシスタントとして箱根駅伝出場を勝ち取るために協力してほしいと、早馬を駅伝部に勧誘する。
早馬は引き受けることにする。
だがそんな彼を駅伝部キャプテンの四年生・仙波千早は受け入れられなく、ことごとく反発する。
しかし…。

『タスキメシ 五輪』
仙波千早は大学卒業後食品会社に就職し、食堂運営部門に配属され、オリンピックの選手村食堂プロジェクトの一員となる。
裏方として世界のアスリートたちを支えていくようにと任された仕事だったが、やがてその中に、使命感や尊さを見いだしていく。

井坂都は就職した和食料理店が閉店することが決まり、選手村のスタッフ募集に応募し、採用される。
眞家早馬は大学院を卒業後、正式に紫峰大学駅伝部のコーチとして雇われる。
春馬は東京オリンピックのマラソン代表になれなかったが、次のパリを目指し、世界陸上へ。
一方助川と藤宮は…。

主人公が一貫して同じ人ではなくて、それがちょっと残念でした。
特に三作目は早馬がオリンピックのマラソン選手になった誰かを管理栄養士として支えていくお話だと思って読んだので、裏切られましたわ、笑。
私、早馬君推しなんです。

ホント、東京オリンピックって何だったんでしょうね。
あの時の異常な雰囲気を思い出しました。
関わった人たちにとっては思い出深いんだろうなぁ。
でもその後に色々あったし…。

「タスキ」からちょっと外れちゃったけど、それなりに面白かったです。
オリンピック選手村の食堂のことでわかったことは、一日四万五千食を二十四時間体勢で提供し、大会期間中の提供量は八十万食の予定だった。七百種類の料理を二千人近いスタッフで均一に調理し、餃子がとにかくすごい人気だったなどなどww。
や~、よくやれましたねぇ。すごいです。
オリンピックの選手村のお話だけでも一冊の本になりそうですね。
アラ、オリンピック選手村の食堂のお話で、前の二冊の記憶がどこかに行ってしまったわ、笑。


<今週のおやつ>


母の日にちなんだカーネーション柄の缶に入ったクッキーです。
この缶、使えそう。

体重はほぼ戻りましたが、運動が思ったように出来ず、減量できていません。
二ヶ月ほどになるのに、腕をちょっと使っただけで肩から手先にかけて痛みが出てくるのです。
体重が変わらなくても筋肉量が減り、脂肪が増えていますわ(泣)。

医学生と医師が主人公の三冊2023/05/17



中山祐次郎 『悩め医学生 泣くな研修医5』
雨野隆治は薩摩大学の医学部に入学した。
入学式で学長が言っただいたい毎年10名が医師国家試験に不合格になり、次の年に受験しても合格率は約50%で、一割が医者になれないという現実に衝撃を受ける。
雨野は同じ高校の一年下の伊佐と入学式の時に宣誓をした指宿真子と同じ班になり、解剖や病院実習をすることになる。

現役の医師が書いたシリーズなので、リアルな医学生の姿が描かれています。
解剖学の田村教授の言葉がいいです。

「諸君らはこれから医師として厳しい修業を積まねばならぬ。その修業の中でも最も重要なことは、知識でも技術でもなく、精神の鍛錬である。言い換えるならば、人間としての胆力を鍛えることである」
「諸君らはこれから医師になる。医師は選ばれしエリートである。であるからして、当然、人々が味わうことのない苦しみもまた引き受けることになる。これを高貴な者の義務(ノーブレス・オブリージュ)、という」

医学生は悩みながらも厳しい試練を乗り越え、仲間と切磋琢磨し合い、患者に教えられながら、一人前の医師となっていきます。
それなのに、世の中には患者の気持ちに添えない医師が結構多いと思うのは私だけ?

午鳥志季 『君は医者になれない 膠原病内科医・漆原光莉と血嫌い医学生』
医学生の戸島光一郎は血が苦手だ。
医者には向いていないと言われ続けているが、医者になることは彼の夢。
医師免許を手に入れるために日々努力しているが、血をみると、嘔気がし、その果てに気絶してしまい、周りに呆れられている。
もちろん解剖なんてダメ。
でも「解剖学」の単位を取らないと進級できない。
留年しそうな学生の面談の時に医学部学部長に留年回避の直訴をすると、補講による救済措置という形なら認めてもいいと言われる。
その措置とは、外来の総括で膠原病内科医・漆原光莉に医師としての適性を認められたら、進級を許可するというものだった。
漆原医師は院内でも悪い意味で有名人。歯に衣着せぬ人で、人使いが荒く、光一郎はパシリに使われる。
彼女の性格ゆえに患者とよくトラブルを起こすが、その割に外来患者が絶えない。
光一郎は漆原の元で様々な患者と出会い、学んでいくうちに、漆原の医者としての能力が本物であると認めるようになる。

漆原光莉の言葉。
「中途半端な知識で間違った治療をすることほど有害な医療はない」
「医者にとって大切なのは、自分の力と責任を自覚することだ。なら、アレルギー・膠原病内科医に大事なのはなんだと思う」(中略)「患者から逃げないことだ」

題名と表紙から軽い内容のものだと思いましたが違いました。
光一郎君の成長物語で、未だ途上です。続きが出るかな?
膠原病内科のことが少しわかりました。
午鳥さんも医師です。

小松亜由美 『遺体鑑定医 加賀谷千夏の解剖リスト』
久住遼真は神楽岡大学医学部法医学部法医学講座の新人法医解剖技官。
教授の柊侑作と助教の加賀谷千夏の解剖補助に入っている。千夏が無表情で何を考えているのか分らず、苦手だ。
この頃法医学が自分に向いているのかどうか悩んでいる。

「エクソシズム」
田淵好美の娘、優衣が部屋で亡くなっていた。優衣は語学専門学校生だが、この頃自宅にひきこもっていたという。好美は精神疾患があるらしく、娘は悪魔に身体を乗っ取られたとか意味不明の供述をしている。好美の信仰する『黒水仙の会』には『悪魔祓い』の教義があり、京都府警は好美が優衣を『悪魔祓い』という名目で虐待していたのではないかと疑い、優衣の検屍と司法解剖を千夏に依頼する。

「梟首」
京都市北区の河川敷で首のない死体が見つかる。遺体には右手小指の先がなく、襟足からは刺青が覗いていた。暴力団関係者だとみなされ、捜査一課の他に捜査四課マル暴の警部、鬼窪が現場にやって来る。
検視官都倉は血痕が不可解で、現場に来たときから違和感を覚えていた。
千夏は都倉の勘は当たっているといい、遺体を開けばわかると言う。

「赤い墓標」
京都美術大学の裏山で人間の膝から下の両足が見つかる。両足の膝下辺りに何やら大きな創が平行に走っていて、足の爪には真っ赤なマニキュアが塗られていた。
その日は休日だったため、千夏が一人で検死と解剖をする。
千夏は足の創はバンパー創で、両足は鋭利な刃物で死後に切断されたと断言する。
マニキュアとみなされたものは、<胡粉>でないかと思われた。
両足に該当しそうな京都美術大学の女子生徒が見つかるが。

「腐爛と凍結」
検視官の都倉から検屍依頼が来る。東山区古川町商店街の久保田精肉店で男女二体の異状死体が発見されたという。
久住が体調不良でダウンしていたため、柊は彼の代わりに現場に赴く。
遺体の一つは久保田邦雄のもので、腐敗が進んでおり、乾燥して変色していた。
しかし邦雄の妻、美登の遺体は頭部が挫滅しているが、腐敗は進んでおらず、遺体が凍っていた。
第一発見者によると二人はショーケースの前に並んで倒れていたというのに、何故美登だけが凍っているのか…。

一話ごとに視点が変わり、千夏の秘密が少しずつ明らかになっていきます。
と言ってもすべてではないので、シリーズになって徐々にわかっていくのでしょうね。
両親の殺害犯人がわかっていないので、千夏は法医学者になって探そうとしていたりして。
脇役の久住や柊教授、都倉検視官などはいいのですが、鬼窪警部とか秋田から千夏を追いかけて来て京都府警の警官になったという北条がちょっとウザいです、笑。
ミステリとして読むと物足りないですが、小松さんは解剖技師だそうで、リアルな検屍や解剖の様子が垣間見られます。


<今日のわんこ>
兄はこの頃甘えん坊です。パパはそろそろ寿命かなと嫌なことを言います。
そんなことないですよ、(`ヘ´) プンプン。
朝(4時頃)になると、起きてきてママと一緒に寝ようとします。


前はこういう風に自分のベッドで寝ていたのに、


この頃はベッドを抜け出し、ママの布団の上で寝るようになりました。


これは足の間に挟まっています。
ママは動けず、迷惑なんですが…。

わんこの寝相2023/05/18

暑くなると楽しみなのが、兄犬の寝相です。
昨夜、こんな感じで寝ていました、笑。


いつもは丸まって寝ているのですが、頭が落ちてます。
お腹が熱いんでしょうか。

ママのベッドの上にわんこのベッドを置き、寝せると、こんな感じです。


ママの布団の半分を使って寝ています。迷惑なんですけどぉ、笑。
昨夜と同じように頭が落ちるのは何故かしら?