M.C.Beaton 『Death of a perfect wife』2023/05/09



紫陽花の花の蕾が続々と出てきていますね。
紫陽花は好きですが、梅雨が近付いていると思うとちょっと憂鬱です。

さて、ヘイミッシュ・マクベス巡査シリーズの四巻目を読みました。
読んでから時間が経ってしまったので、記憶が曖昧なところもありますが、思い出しながら書いてみます。


ロックドゥ村のWillets’s houseにTrixie & Paul Thomas夫妻が引越してくる。
早速ヘイミッシュは引越しの様子を見に行く。
引越しを手伝いながら話してみると、彼らはそこをB&Bにするようで、家具に使うお金がないので、村人からいらない家具をもらうのを当てにしているようだ。
引越しが終わった後に駐在所で歓待するので来ないかというと、彼らは本当にやって来る。
Trixieは断りもなく部屋を見て回り、石炭バケツがないので、ヘイミッシュの持っている古い石炭バケツが欲しいなどと言い出す。そのバケツはおばからもらった 18世紀のもので、ヘイミッシュは気にいっていたので断る。
そうすると今度は台所の棚を見て、ホームメイドのストロベリージャムがあるのを見つけ、ホームメイドジャムが大好きとか言い出す。そんなわけでヘイミッシュはジャムをやることになる。
段々とヘイミッシュはTrixieのことが嫌いになっていく。
不思議なことにお金がないといいながらも彼らは新聞にB&Bの宣伝広告を出したようだ。

TrixieはDr Brodieの妻Angelaが家事が苦手なことを聞き、彼女の家に行き、家事を完璧にしてあげ、そのお礼にちゃっかりと彼女の家にある古い椅子をもらう。
そのことをAngelaから聞いたヘイミッシュは椅子がアンティークで価値のあるものではないかという疑いを持つ。

AngelaはというとTrixieに傾倒してしまい、彼女の言うことはすべて正しいと思い込み、行動に移すようになる。
服装もTrixieの真似をし、Trixieが言うからと夫が煙草を吸うのを止めさせ、その上ダイエットまでさせようとし、夕食にフライドポテトやステーキを出さなくなる。
これにまいったのがDr Brodie。
我慢できなくなり、離婚まで考えるようになる。

だんだんとTrixieは村人たちの生活に干渉するようになり、Bird Society meeting やClean Up Lochdubh campaign、Protect Our Batsなどの活動も始め、味方と同じぐらいの敵を作っていく。
もちろんヘイミッシュはTrixieに胡散臭さを感じているが、なんと牧師の妻のMrs 
Wellingtonやプリシアの父までもがTrixieに取り込まれてしまう。

とうとう悲劇が起る。
Trixieが彼女の部屋で殺されていたのだ。
またまたやって来たのが、懲りないブレア警部。
彼はヘイミッシュを事件から外すという間違いを再び犯す。

捜査を続けるうちに明らかになっていくTrixieの裏の顔。

実はヘイミッシュはブレアの裏をかいていました。
馬鹿なブレアは釣りをしに行った新任の警視がロックドゥ・ホテルに泊まるから、彼に近寄るなとわざわざ電話をしてきたのです。
いいことを聞いたとヘイミッシュはプリシラを連れてホテルに食事をしに行き、首尾よく警視夫妻と仲良くなります。
ですから警視は事件の始めからヘイミッシュの味方です。

そうそうこの巻で悲しいことが起こります。
プリシラとヘイミッシュの間に亀裂が入ってしまったのです。
プリシラは昇進して大きな町に住むようになることがヘイミッシュの幸せだと思っています。(たぶんプリシラにとっても)
しかしヘイミッシュは昇進など望んでおらず、ロックドゥ村で今までと同じように暮らしていくことを望んでいたし、それが彼にとっての幸せの形なのです。
二人の考え方の違いに気づいたヘイミッシュはプリシラが前のように魅力的に思えなくなってしまいます。
二人の間がこれからどうなっていくのか、続きを読まなければ…。


<今週のおやつ>


DEAN & DELUCAのクッキーですが、私の好みの味ではなかったです。