中島京子 『うらはぐさ風土記』2024/04/07



田ノ岡沙希は30年ぶりに日本に帰って来た。
カリフォルニア州の私立大学で日本語を教えていたが、日本語科が閉鎖されてしまった上に夫のバートの浮気がわかり、どうしようかと思っていた時に、母校の女子大から二年間の仕事のオファーが来たのだ。
とりあえず武蔵野の一角のうらはぐさ地区にある伯父の家に住ませてもらい、母校に通勤することにする。

そこで出会ったのが、伯父の家の庭の手入れを無料でしてくれている秋葉原さんとその妻の刺し子姫、不思議な敬語を使う、国際文化研究科一年生の亀田マサミことマーシーと彼女の友だちで人文科学研究科の水原鳩ことパティ、大学の同僚で日本近現代史専攻の非常勤講師、来栖先生とパートナーでリサーチ会社を経営している猿渡くん、あけび野第三小学校の校長、車谷武蔵など、多彩な人たちだ。

沙希はうらはぐさ地区に暮らすうちに、あけび野商店街のところに、道路拡張計画があることを知る。
商店街がなくなるのかと不安に思う沙希。

そこに元夫のバートが現れる。

コロナ禍を沙希がこう思っています。

「あんがい、コロナというのは、呼吸器官にはりついて肺炎を引き起こすばかりではなく、どこか人の弱い部分や無意識の部分に入り込んでその本質を露呈させるような、奇妙なウィルスだったりするのだろうか」

淡々とした日常が描かれ、これと言った出来事はないけれど、そこに生きる人たちがとても愛おしく思えるお話です。
武蔵野にある女子大と言うと、あそこかと思って中島さんの経歴を見ると、そうでした。商店街というとたぶん、あそこね。
そこがこのお話のようなところであるとは思いませんが、なんとなくそうあってもいいなぁと思えます。
武蔵野を知っていると、より面白く読むことができるでしょう。
別に知らなくてもいいんですけど、笑。


<今週のおやつ>


La nature Kのクッキー缶です。
胃の具合があまりよくないので、あまり食べられません。(食べるのかよ・笑)
無添加、白砂糖不使用と、材料を吟味しているらしいです。
チョコチップ、サブレココ、ガレット、ごまサブレの4種類です。
きび糖は意外と甘いんですね。
ここのプリンが美味しいというので、いつか食べに行きたいと思います。

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