読んだ文庫本と漫画2024/08/22



ほしおさなえ 『琴子は着物の夢を見る』
琴子はリユース着物を扱う「本庄の蔵」で古着の査定をしている。
店主の柿彦とは姉弟の様に育ち、社交性のない琴子とは気が合う仲だ。
琴子が着物の世界に入ったのは、育ての親から着物の見方を教わっていたこともあるが、琴子には不思議な力があるからなのだ。
琴子は着物に触れると頭の中に着物の来歴、すなわち持ち主の強い思いや風景、人の姿が浮かんでくるのだ。
ある日、琴子と柿彦は着物の出張買い取りに行く。
買い取りは上手くいくが、その後、売主が祖母の物だという一枚の銘仙の着物を見てもらいたいと言う。
琴子はこの着物に不穏な空気が漂っているのに気づく。心の蓋を少し開けてみると、声が聞えた。
とりあえず着物と、着物といっしょにはいっていた雑誌を借りていくことにする。
琴子は着物にこめられた戦前の秘めた思いを手繰っていく。

ほしおさんの新しいシリーズで、今度は着物を取り上げています。
八王子というと、ユーミンの実家が呉服屋というのは有名ですよね。
八王子は「桑都(そうと)」と呼ばれていて、古くから養蚕や織物が盛んだったんだそうです。
失われていく日本の古き良き物が、こういう風に本に書かれることにより、残され継承されていくようになるといいですね。

椹野道流 『最後の晩ごはん 優しい犬とカレーライス』
元イケメン俳優、現在「ばんめし屋」の店員という五十嵐海里は俳優の倉持悠子に師事し、朗読のレッスンを受けている。悠子が病気療養中と言うことで、自主練に励む毎日。
そんなある日、練習場のある淡海の家から出たところで黒いラブラドール・レトリバーと出会う。淡海と海里が犬に着いて行ってみると、彼は一軒の家の中に入って行き、そこで淡海は遺体となった飼い主を見つける。
黒ラブはマヤと名づけられ、淡海が一時的に保護することになる。
ところがマヤを引き取ってから淡海の周りで不思議なことが起こる。
松葉が家の中のあちこちに落ち、海里に声が聞えたのだ。

このシリーズも長くて、20巻目です。
ラブラドール・レトリバー、可愛いですよね。家は10㎏以上の犬はダメなので、飼えませんが。わんこのおかげでいつも以上にほっこりするお話になってます。
今頃気づいたのですが、テレ東でドラマ化されていたのですね。

秋川滝美 『ソロキャン!3』
榊原千晶、三十一歳。総合スーパー『ITSUKI』を軸とするグループ会社『五木ホールディングス』に勤めて七年。近頃、学生時代に楽しんでいたキャンプを再開。
第一話「二泊三日のキャンプ」
キャンセルが出たということで、二泊三日で父親の友人の息子が管理人をしているキャンプ場に行く。孫の美来が進路に悩んでいるということだ。
第二話「ご褒美キャンプ」
人事異動で、千晶は商品開発部の主任となる。そのため車で二時間かかるキャンプ場でご褒美キャンプをすることにする。今回は中華鍋を買い、中華に挑戦!ついでに仕事のレシピ紹介に使えるかと思ったら、結構大変だぁ…。
第三話「花恵の傷心」
商品開発部の『愛されキャラ』、野々村花恵が元気がないと思ったら、推しの動画配信者・治恩に恋人がいるのが発覚したという。
その上、花恵は治恩が主催したキャンプイベントのあとに結成されたキャンプグループに入っているが、そのグループのメンバー間でも問題が起っていて、キャンプに行けない状態だという。ソロキャンプよりもグループキャンプ派だという花恵はみんなとキャンプに行けるようになるのか。
千晶は花恵を火熾しメインの半日デイキャンプに誘い、火打ち石やファイヤースターターなどを使い火熾し競争をする。
第四話「迷える少年」
一泊の予定で初めての直火可のキャンプ場に行った千晶は、火を熾せるような空き区画がないというのに、火熾しをしようとする少年を見かける。山火事になっては大変と思った千晶は少年に声をかけ、自分の区画で火熾しをやるように言うが、結局、ご飯も食べさせることになる。時間が遅くなり、一人で帰らせるわけにはいかなくなり、困る千晶。どうする。
第五話「高圧的な管理人」
千晶は規則厳守と五月蠅い管理人のいるキャンプ場に行く。彼女は利用者の行動すべてを管理しようとし、特に火の始末に五月蠅い。彼女に腹を立てた利用者は『二度と来ない』と言い捨てて帰っていく。管理人がなぜあんなふうになったのか気になった千晶がネットで調べてみると…。

千晶ちゃんはカウンセラー志望だったらしいです。
そういう設定だからか、今回は色々と扱いに注意しなければならない人たちが登場しています。カラッと明るいソロキャンではないですねぇ。
美味しいキャンプ飯とお悩み相談、なんかそぐわないわぁ。
でもソロキャン好きは根暗なのかも。ひろしさんもどちらかというとそうだしね。
次回はもう少し日常の雑事を忘れられる内容でお願いします。

漫画でも面白いものがあったので、紹介しておきます。

猪川朱美 『鵺の絵師 14』
亡きひとたちへの生者の思いを絵にする菅沼英二郎。戦争は激化し、とうとう英二郎にも赤紙が来る。彼と彼と関わった人たちの戦後は…。
14巻で完結。戦後を知らない若い方々に是非読んでもらいたい作品です。

原作 七海仁 漫画 月子『Shrink 精神科医ヨワイ 12~13』
薬物依存症を描いています。相談先も載っていますので、興味を持った方は読んでみて下さい。

原作・漫画 ヨンチャン 原作 竹村優作 
『リエゾンーこどものこころの診療所ー17~18』
「離婚と子ども」と「依存症」が描かれています。

著者 モリコロス 監修 吉田直子 
『猫と紳士のティールーム 1~4』
最初はキモいおじさんにしか見えなかった店長も慣れてきたのか、素敵に見えてきましたww。私がいつも思うのは、こんなティールームがあったらいいな、しかないです。
この前行ったコーヒーショップは女性二人の声が大きすぎたし、アフタヌーンティールームは並んでいるし…。どこか近所に人の少ない、いいコーヒーショップかティールームがないか、探し中です。
猫のキームン君、可愛いです。家のわんこの2倍以上の大きさで、抱きがいがありそうですね。

最後のティールームは私の趣味みたいな漫画ですので、紅茶好きの方以外は読んでも面白くないでしょう。
他のシリーズはオススメです。

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