M・W・クレイヴン 『グレイラットの殺人』2023/09/25

ワシントン・ポー・シリーズの第四弾。


ポーはトマス・ヒュームからハードウィック・クロフトを買い、そこにあった羊飼い小屋を改修して住んでいた。
ところがこの小屋が歴史的建造物に当たるので、購入した状態に戻すようにという訴えが起こされた。
ティリーの助けを借り裁判に挑み、けりがつきそうなときに、二人の男が現れ、ポーとティリーに同行を願った。殺人事件が起ったというのだ。

その頃、カンブリアで首脳会議が開催される予定で、ビーアマン&マクデイドという会社が要人をヘリに乗せ、空港と会場を往復することになっていた。
そのヘリコプター会社の経営者、クリストファー・ビーアマンが売春宿として使われていた住宅で殺されていたのだ。

ポーが連れて行かれたのは、マンチェスター郊外の工業団地に建つMI5の建物。
殺人事件の捜査を国家犯罪対策庁とカンブリア州警察が共同で指揮することになる。
連絡調整担当としてMI5の職員、ハンナ・フィンチがあてがわれた。
ポーは自分が呼ばれた理由がわからずごねていると、現れたのがFBIのメロディ・リー特別捜査官。
彼女はアメリカの要人が安全に入国できるかを確認しているという。
殺人事件を解決できる、本物の刑事として、彼女がポーを推薦したらしい。

殺人現場でポーは違和感を覚える。
暖炉の上に置かれていた置物はもともと4個。
しかし最初に殺人現場に到着した巡査が撮っていた映像には5個ある。
捜査関係者の誰かが1個盗んでいたのだ。
置物から三年前の銀行強盗事件との関連が疑われる。

MI5からの妨害から始まり、ゴタゴタ続きの捜査だったが、ポーはティリーが発掘したデータを元に、思わぬことへと足を踏み入れていくことになる。

捜査は二転三転し、最後に行き着いた先はとんでもないことでした。
まあ、自分たちに不利なことを隠そうとするのは、どの機関でもやっていることなのでしょうけど、その犠牲になった家族は真実を知りたいですよね。
ポーはどんな妨害にも負けず、真実を求めて一直線です。
ティリーもポーのために頑張ります。
でも今までの作品と比べると、ティリーの言動がそれほど常識を逸脱していないし、身体をはってポーを助ける場面もなく、今回ポーと一緒に行動するリー捜査官がそれほど面白い人物ではないので、物足りなかったです。
とにかくティリー、可愛いくて大好きwww。
彼女とポーが行動を共にして事件を解決していって欲しいです。

五作目は「The Botanist」。
ポーが気になる(好きなのかな)病理学者のエステル・ドイルが父親殺害容疑で逮捕され、the Botanistと呼ばれる犯罪者が人々を次々と毒殺していくらしいです。
この2つの事件をポーとティリーがどう料理していくのか、楽しみです。


<今月のスコーン>


マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンのスコーン。
2個も食べるとお腹がいっぱいになります。1個でいいわ。
マーマレードがあったので、クロテッドクリームと一緒に食べました。
やっぱりジャムがある方が、カロリーがたっぷりですが美味しいです。

コメント

_ ろき ― 2023/09/25 16時58分30秒

建造物の規則が厳しくて、自分の不動産でも改修に許可が必要だったりしますが、遡って「元にもどせ」と言われるのは辛いですねー。

ポー刑事は優秀そう。FBIも出てきてややこしいですが、面白そうなシリーズですね。

_ coco ― 2023/09/25 19時10分04秒

元に戻すということは、そこには住めないということです。
ポー、かわいそうです。

ポーは直感で動く人で、分析力が高いです。
ティリーはIQが高く、学校生活や日常生活をちゃんと経験していないので、常識を知らない不思議ちゃん。
ポーといいコンビ。
アクが強い二人だけど、好きになれれば面白いと思います。

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