結婚したくなった時に読む本 ― 2024/11/14
『最高のアフタヌーンティーの作り方』の続きです。
内容を知らずに借りました。表紙からは素敵な結婚にまつわるお話かなと思っていましたが、読んでびっくり。結構ガチな内容です。

老舗・桜山ホテルのアフタヌーンティーチームで働いていた遠山涼音は、約十一年間働いた職場を辞めた。
桜山ホテルの元シェフ・パティシエ、飛鳥井達也といっしょに自分たちのパティスリーを作るのだ。
店舗開業の目処もつき、婚姻届を出そうとしたときに、あることがひっかかる。
達哉の親と涼音の親が顔合わせをしたときも、ホテルスタッフとの送別会のときも、涼音は居心地の悪さを感じていた。
いつしか涼音と達也の独立は達也マターになり、涼音はただの添え物扱いになっている。
婚姻届では『婚姻後の夫婦の氏』を強制的に選ばなければならない。
結婚とはいったい何なんだろう。
誰にも考えを理解してもらえないことに苛立つ涼音。
いつしか達也との間もおかしくなりだす…。
タイムリーな選択的夫婦別姓問題が書かれています。
わたしの時は仕事で旧姓が使えたので、戸籍上夫の姓になりました。
友だちと元同僚はわたしのことを旧姓の○○さんと今でも呼びます。
給料明細などは旧姓は使えませんし、銀行やらパスポートやら色々と名義変更届を出すのが面倒でした。
はやく選択的夫婦別姓制度(法務省では「選択的夫婦別氏制度」なんですって)が決まってくれればいいのにと思いました。
あれから何年も経つのに、未だに別姓がダメというのが、なんとも言えませんわ。
この本には老若男女関係なく、様々な考え方をする人たちが出てきます。
昔の価値観を崩そうとはしない秀夫シェフ、ハイスペ男と結婚してしまえばこっちのもんと思って婚活している瑠璃、理路整然と世界の夫婦別姓について講釈するリャンイン、男社会に同化して、いかに上手く渡っていくかを考える園田チーフ、一番涼音に寄り添ってくれたおじいちゃん…。
できれば柔軟な考え方のできる人でありたいと思いました。
「人は、誰かが自分がしてきた苦労を免れて出し抜くように幸せになる世界より、全員で理不尽な不幸に甘んじている世界のほうが、いっそ認めやすいのだ」
残念ながら、こういうのが世間でしょうね。
でも「「美しい」とか「尊い」とか言う美辞麗句で、女性に献身や自己犠牲を強いる風潮に、もっとしっかり抗っていい。世間が言う「幸せ」に脅かされて、なにかを耐え忍ばなくていい」のです。
戦争孤児で国を信用していないおじいちゃんが言ったことはすごいです。
「幸せってのはな、なるもんじゃなくて、味わうもんじゃねえのか」。
「お前たちを簡単にまとめようとする連中なんかに、絶対負けちゃいけねえよ」
涼音と達也の選んだ道は、読んでのお楽しみということで。

青木祐子 『これは経費で落ちません!12』
いつの間にか、お仕事のお話から森若沙名子と山田太陽の結婚話になってしまったシリーズです。
11巻目からは具体的な結婚に関することが書いてあります。
まず、姓はジャンケンで決めました。しかし、世帯主や本籍は?
そして、新居、子どもなど話し合わなければならないことが沢山あります。
それなのに、沙名子に横恋慕する山崎が何やら不穏な雰囲気を醸し出しているのです。
どうなるのか、二人の結婚式。
なんて感じです。
具体的な結婚について知りたいときに役立つのはこちらの本かもしれません。
じっくり夫婦別姓制度について考えてみたい人は『最高のウエディングケーキの作り方』をお読み下さい。
本を読んで、結婚って面倒くさいので、止~めたと思ったとしても、わたしのせいではないですからね。念を押しておきますww.
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