フィンランド旅行⑤ーアアルト三昧の日2024/08/03

【第七日目】
家の食卓テーブルと椅子はアルヴァ・アアルトがデザインしたものです。
何年か前の引越しの時に食卓テーブルを買いに行って出会ったのが、アアルトがデザインしたテーブルでした。
お店では食卓ではなく、事務机として使っていたのですが、売り物かどうか尋ねると、使用していたものなので何%か割引きして売ってくれるというので、一緒に椅子も頼みました。
その後、スツールも買い、植木鉢置きとして使っています。
何年経っても飽きないデザインは流石です。

そんなわけで、アアルトに関係する場所は見ておきたいと思いました。
アアルト自邸(Alvar Aallon kotitalo / Alvar Aalt huset )とアアルトのアトリエ(Studio Aalto | Alvar Aalto's office)にはガイドツアーがあり、ツアーに参加しなければ中は見られません。
アアルト自邸はここで、アアルトのアトリエはここで予約出来ます。
わたしはアアルト自邸は12時、アトリエは14時半で予約しました。
Alvar Aalto Museumもあるようですが、ユバスキュラというタンペレよりも遠いところにあるようです。
アアルトについて詳しく知りたい方はこちらのアアルト財団のHPをご覧下さい。

簡単にアアルトの紹介をしておきます。
アルヴァ・アアルト(本名:Hugo Alvar Henrik Aalto)はフィンランドが生んだ20世紀を代表する建築家、都市計画家、デザイナーです。建築から家具、ガラス製品などの日用品もデザインしています。

           1940年代のアルヴァ・アアルト
(*写真はアアルト財団のHPよりいただきました)

「モダニズム建築においては単に理念中心の建築家ではなく、その人間的、有機的なアプローチで知られている」(リネア建築企画「アルヴァ・アアルトを訪ねて」より)
「モダニズムに自然の要素を取り入れ、人々の暮らしをより良くする建築や家具デザインなどを追及した」(神奈川県立美術館、「アルヴァ・アアルトーもうひとつの自然」展より)

1898年、フィンランド大公国、クオルタネで生まれる。
1903年、家族と共に、ユバスキュラに移るが、その後アラヤルヴィに移り住む。
1916年-1921年、ヘルシンキ工科大学で建築を学ぶ。
1923年、ユバスキュラで建築設計事務所を開設。建築家リストのトップに名前が来るようにAlvar Aaltoにしたと言われている。
1924年、建築家のアイノ・マシシオと結婚。ハネムーンで行ったイタリアに生涯にわたる影響を受ける。
1927年、トゥルクの農業組合本部とヴィープリの図書館の建築設計競技で一等を獲得し、事務所をトゥルクに移す。
1928年、パイミオのサナトリウムでコンペの一等を獲得し、国際的な建築家として知られるようになる。
1933年、事務所をヘルシンキに移す。
1939年、ソ連軍がフィンランドに侵攻。戦時中は戦後の復興計画を練りながら過ごす。
1946年ー1948年、アメリカのマサチューセッツ工科大学の客員教授を務め、MIT寄宿舎やベーカーハウスの設計をする。
1946年からはドイツ軍により破壊されたサンタクロースの町、ロヴァニエミの復興にかかわる。
1946年、妻アイノ死去。これまでの作品はアイノとアルヴァと署名していたという。
1952年、建築家エリッサ・マキニエミと再婚。
1963年ー1968年、フィンランド・アカデミー会長を務める。
1976年、ヘルシンキにて死去。没後の仕事は妻のマキニエミに引継がれる。


アアルト自邸に行くにはソコスデパート横のLasipalatsiからMunkkiniemi行きの4番のトラムに乗ります。
ちゃんと切符は事前に買っておきましょうね。
わたしはここで初めて検札官に出会いました。途中の駅から乗って来て、一人一人チェックしていきます。本当に検札しているんだ、とびっくりしてしまい、帽子を忘れてしまいました(嘘よww)。
アアルト自邸はLaajalahden aukioで降ります。徒歩三分ぐらいです。
晴天で暑い日だったので、スーパーで水を買いましたが、炭酸水入りだったら嫌なのでレジのお兄さんに訊くと、わざわざ水のある場所まで来てくれて、これだよと手渡してくれました。ありがとうございます。
フィンランドの人ってホント、親切です。

少し時間が早かったので、アアルト自邸の隣にあるMunkkiniemi Libraryにお邪魔しました。


アアルト・コーナーがあり、アアルトに関する日本語の本もありました。


オーディとは違い、日本のどこにでもある図書館風です。
クーラーがなく、扇風機はありましたが、暑くて久しぶりに東京の暑さを思い出しました。
10分前ぐらいにアアルト自邸に行くともう参加者が来ていました。


早く来たら庭を先に見るといいでしょう。右側から入れると思います。


              庭から見た自邸


60代ぐらいの女性が出てきて、名前を確認してから中に入れてくれます。
彼女が説明をしてくれました。
(古いカメラと腕の悪いわたしが写真を撮ったので、残念な写真ばかりですが、雰囲気だけでも味わってください)

               アトリエ


ここの奥の席でアアルトは仕事をしていたようですが、後にスタジオに移ったようです。

            階段から見たライブラリー

               リビング

           ピアノのそばにあったテーブル             

             リビングから見た庭

                ダイニング


二階のリラックスホール。女性はガイドさん。

          アノイのお母さんの肖像画(?)

               寝室兼子供部屋

           未亡人になってから使用した寝室
      
                 主寝室

             ゲストルーム

ホテルでも思ったのですが、フィンランド人の体格のわりにベッドが小さいです。

              バスルーム

              テラスから見た庭

ダイニングとキッチンはアイノのデザインだそうです。
大建築家のわりにこじんまりした家に住んでいたんだなとか、こんな家に住みたいなぁというのが、わたしの感想ですww。特に窓の緑が印象的でした。
建築関係の人が書いたアアルト自邸のことは下記をご覧下さい。
写真も美しく、説明も詳しいです。

   
ガイドツアーは約一時間(説明30分、自由見学30分)です。
スタジオ見学まで時間があるので、浜辺にあるCafé Torpanrantaに行き、ランチにしました。
アアルト自邸から歩いて7分ぐらいです。
サーモンサンドイッチとアイスラテ(14.20ユーロ)を頼んで、外の席でくつろぐことにしました。


なんて言えばいいのかわからなかったので、写真に撮り、見せました。


ライ麦パンにサーモンが挟んであります。ライ麦パン、結構腹持ちがいいです。


とにかく日が当たると暑いです。
フィンランドの気温は20度から25度ぐらいですが、思ったよりも湿気が多く、陽向にいると汗が出てきます。

スタジオ見学まで少し早いので、浜辺を歩いてみることにしました。


          
アラ、またカオジロガンかしら?


ここら辺は高級住宅地らしいです。



お散歩するにはいい所です。


紫陽花のような花が咲いていました。


カフェからアアルトのスタジオまで約8分です。


最初に庭を見ておきます。


段々になっていて石が円形に置かれています。ここで大学の講義をやることがあるそうです。近くにアアルト大学がありますものね。


今度は若い女性のガイドさんです。
名前を確認してから、中のダイニングに案内されます。


実際に使われているダイニングのようです。左側にキッチンがあり、右側にテーブルと椅子があります。真四角の部屋ではなく、台形です。人が座っているので、写せませんでした。
天井には窓があり、布がかかっていました。落ち着くダイニングです。

                製図室

              昔使われていた道具

                アトリエ

                アトリエ
右側の女性がガイドさんです。

               タイルの色見本

            テーブルや椅子の脚の部分
     
               打ち合わせ室 
参考:
*富田秀雄建築アトリエ、アルヴァ・アアルト自邸とかアルヴァ・アアルトアトリエと検索すると削除されている記事が出てきます。

このガイドツアーもガイドの説明、30分、自由見学、30分です。
ここでアアルトのデザインの鍋敷きを買いました。


これを見せられたら、鍋敷きだと分かる人がいるかな?

地図を見ていて、わたしは近くにあるディドリシュセン美術館(Didrichsenin 
taidemuseo)が気になりました。
個人の別荘を美術館にしたようで、近くにドイツやハンガリーの大使館があります。
次回フィンランドに来ることがあったら、行ってみたいです。

スタジオ・アアルトの次は行こうかどうか迷っていたのですが、ついでにアカデミア書店のカフェ・アアルトに行くことにしました。
トラムのTiilimäkiからKatajanokka行きの4番のトラムに乗り、Ylioppilastaloまで行きます。
この日は検札によく会う日で、帰りもまた検札に会いました。
それほど人が乗っていないのに、検札する意味があるのかしらね。
観光客らしき家族が電車から降ろされていました。切符を買っていなかったのかもしれませんが、罰金は取られていないみたいです。

アカデミア書店は結構大きな書店です。フィンランド語はわからないので、本は買いませんでした。
二階にカフェアアルトがあります。普通のカフェでは先に注文してお金を払うのですが、ここは席に座って待っていると注文を取りに来ます。


日本語のメニューがあって驚きました。それほど日本人が来るのかと思って見回すと、三人の女性たちと一家族いました。


シナモンロールかケーキか迷ったのですが、ケーキを食べていなかったので、ラズーベリーケーキとアイスラテ(15.30ユーロ)を頼みました。


書店側。天井が吹き抜けになっています。
アイスラテはコーヒーの苦みがきいていて、わたしには苦手な味でした。
シナモンロールを持ち帰りできないか訊いてみたら、ダメでした。
他に何か言っていたのですが、ボソボソ小さい声なので聞き取れず、面倒なので適当に相づちをうっておきましたww。

ケーキのせいか、お腹がすかないので、スーパーでいつものサーモン寿司を買って帰りました。

今日で旅行記を終わろうと思ったのですが、後一日、お付き合い下さいませ。

コメント

_ ろき ― 2024/08/03 18時45分53秒

ここは次回ぜひ行ってみたいです。いかにも住み心地の良さそうなお宅、アートの使い方などデコレーションもさりげなく、インテリアの参考になりますね。
ベッド、確かに狭いですよね。フィンランド人は寝相が良いのか?

_ coco ― 2024/08/03 21時28分49秒

ろきさん、素敵なお家でした。住むにはこれくらいの家がいいですね。
フィンランド人と日本人の感覚とか感性が似ているみたいです。
フィンランドの海辺に住みたいです。フィンランド語が難し過ぎなのが問題です。

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