宮部みゆき 『気の毒ばたらき きたきた捕物帖<三>』2024/12/05

「きたきた捕物帖」シリーズの三作目。


第一話:気の毒ばたらき
北一は文庫屋と岡っ引きの真似事をして暮らしている。
ある日、万作・おたま夫婦が親分の跡を継いだ文庫屋が放火により火事になった。
昼火事だったこともあり、万作もおたまも子どもらも、そして職人も奉公人も近所の連中も無事だった。
しかし、火をつけたのが台所女中のお染だという。
親分の家でお染に世話になった北一は信じられない。
お染の疑いを晴らすために、北一は人々に話を聞いて回る。
その時に北一は焼け出された人たちが暮らす仮住まいに現れる怪しげな男たちに気づく。いったい彼らは何物なのか?
調べて行くと、意外なことが判明する。

第二話:化け物屋敷
北一は貸本屋・村田屋治兵衛から貸本と朱房の文庫を組み合わせて新しい商いをしようと持ちかけられていた。
北一は乗る気になっていたが、作業場の職人頭の末三じいさんが治兵衛を嫌っていた。
というのも二十八年前の治兵衛の妻殺害事件と数年前の村田屋と親しかった若い浪人の惨殺事件の二つを重ねて、凶事に見舞われる者は業が深いと末三は思い込んでいたのだ。
末三が治兵衛を嫌がる気持ちを薄めるために、北一は治兵衛の妻の身に何が起きたのか、下手人は誰なのか突きとめようと決意する。

もちろん、北一は長命湯の釜焚きをしている喜多次の協力を求めます。
どうも喜多次は忍びの者と何やら関係がありそうです。
その他、新しいメンバーとして二匹のワンコ、シロとブチが登場します。
うちのワンコたちに爪の垢でも飲ませたくなりました。
富勘長屋のみんなや長命湯の爺ちゃん婆ちゃん、沢井と栗山の旦那、おでこさんなどいつものメンバーも元気です。
千吉親分のおかみさんにすごい能力があるのがわかりました。
目が見えないからとあなどってはいけませんよ。
そうそう、長崎にいる弓之助は暗号解読でちょこっと登場。いつ江戸に帰ってくるのかしら。

お話の結末はすっきりとはせず、しんみりとした悲しいものですが、北一の成長が感じられます。
喜多次に鍛えられ、北一がムキムキになっているかどうか、次のお話が楽しみですわwww。
本の厚さが気になりませんので、是非読んでみて下さい。

きたきた捕物帖・シリーズ
②『子宝船 きたきた捕物帖<二>』
③『気の毒ばたらき きたきた捕物帖<三>』

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