上橋菜穂子 『獣の奏者Ⅰ・闘蛇編』&『獣の奏者Ⅱ・王獣編』2009/08/24

「守り人シリーズ」の上橋さんが書いた、シリーズ物です。
またまたおもしろく、文庫で出ているこの2冊を読んでから、わざわざ大きな書店まで行き、単行本のⅢ・探求編とⅣ・完結編まで買ってしまいました。
この本はファンタジー分野に入るようです。
ファンタジーは子どもの読み物のように思われていますが、子どもだけに読ませておくにはもったいないですよ。

リョザ神王国の闘蛇村に暮らす少女エリンの話です。
彼女の母親、ソヨンは女でありながら獣ノ医術師で、闘蛇の中でも特に大きく強い<牙>の世話をしていました。
ある日、ソヨンが世話をしていた<牙>がすべて死んでしまいます。
<牙>の死は世話をしていたソヨンの罪となってしまい、ソヨンは<闘蛇の裁き>を受けることになります。
<闘蛇の裁き>とは、野生の闘蛇のいる沼に落とされ、食い殺されるという恐ろしい裁きでした。
エリンは母を助けるために、沼まで行きます。
ソヨンは娘のエリンを助けるため、破門されたアーリョ(霧の民)の掟を破ります。
指笛で闘蛇を操り、自分は闘蛇の餌食になり、エリンを闘蛇の背に乗せ、逃亡させるのでした。

アーリョとは緑の目を持つ背の高い民で、昔に起きた過ちを二度と繰り返さないように、一ヶ所に暮らしてはならないという掟を守っているのです。
ソヨンはアーリョ以外の者と結婚したために破門されたのでした。
エリンが闘蛇に連れて行かれたところに、蜂使いのジョウンがいました。
ジョウンは倒れていたエリンを助け、その後彼女の面倒を見てくれました。
しかし、ジョウンの息子が現れたことにより、二人の生活は終わりを告げます。
汚名が返上され、息子と暮らすために王都に行くジョウンと別れ、エリンはずっと前に見てあこがれていた王獣の医術師になるために、カザルム学舎に行くことにしたのです。
王獣にかかわることにより、エリンの人生は大きく変ることになります。

王獣と闘蛇の秘密はリョザ神王国の過去と今後の運命にまでかかわっていたのです。
私は見ていませんが、NHKで『獣の奏者 エリン』というアニメが土曜日6時25分からやっています。
『守り人』シリーズもアニメになっていますが、評判がとってもよかったので、エリンもいいかもしれません。