奈良へ2010/01/01

明けまして おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

年末に京都、奈良、伊勢への旅行に行って来ました。
三日間に分けて、その様子を紹介します。
 
一日目は奈良に行きました。室生寺と長谷寺にもう一度行きたかったからです。
10時頃に京都に着き、ホテルに荷物を預け、すぐに近鉄に乗ったのですが、室生寺は遠かった・・・。

室生口大野駅まで行くのに、大和八木で乗り換えて、一つ手前の駅、榛原(はいばら)でまた乗り換えなければならないのです。
12時過ぎに室生口に着いたのですが、バスがなくて、タクシーで室生寺まで行きました。
そういえば前回室生寺に行った時もバスがありませんでした。
インターネットで行き方を見たのですが、バスの時刻表を調べるのを忘れていました(苦笑)。
室生寺までタクシーは2300円程度、20分ぐらいかかります。(バスでは15分ぐらい)運転手さんが話好きな人だったので、観光案内をしてくれました。
それがなければもっと短時間で着けたでしょうね。
またタクシーを使うのが嫌だったので、帰りのバスをチェックしました。(ちなみに室生寺から長谷寺までタクシーで行くと、運転手さん曰く、5800円程度だそうです。)


室生寺というと、やっぱり五重塔が有名ですよね。
この塔は日本で一番小さく、高さ16.1mだそうです。
室生寺は土門拳の写した写真が有名ですね。
こういう角度の写真だったでしょうか。


室生寺でショックなことが起こりました。
なんと、おみくじを引くとだったのです。今年2度目です。こんなに凶が当たるなんて、運がいいともいえるかも、笑。
やっぱり今年はよくなかったのね。
争いごとは負けるとあります。わたしは特に争っていませんけど。
でも旅立ち、転居はいいらしい。それに「来年よくなる」と書いてあります。
ということは、来年はいいということで、期待しましょう。

室生寺に奥の院というところがあります。
ここは健脚の人だけ行ってみてください。
私は普段の運動不足を感じることになってしまいました。
万歩計を買って普段から歩いているつもりだったのですが、ただ平地を歩くだけでは駄目ですね。


この石段が急で、ずーと続いているのです。一体何段あるのでしょう?
調べてみると、700段ぐらいあるらしいのです。
次の日、ふくらはぎが筋肉痛になってしまいました。なさけない・・・。


杉の巨木がたくさんありました。
奥の院からの見晴らしはいいのですが、とにかく疲れました。

冬だったからでしょうか、室生寺は寂れた風情でした。
こういう山奥によくお寺を建てたものだと、つくづく思いました。
そういえば今年、大晦日にカウントダウンをやるそうですが、ここまでどれぐらいの人が来たのでしょうか?

室生寺から出たすぐのところの旅館、橋本屋は土門拳が雪の室生寺を撮ろうとし、泊まっていたところだと思います。
食堂があったので入ってみました。
残念ですが、食事はあまり美味しくなかったです。
食堂から橋が見えます。


バスで室生口大野駅まで戻りました。
長谷寺に行こうと思ったのですが、長谷駅へ行くのにも榛原で乗り換えなければなりません。とにかく交通の便が悪いのです。
奥の院へ行くのに体力(脚力?)を使い尽くした私には長谷も大変でした。
坂道が多いのです。
欲張って二つも行こうと思わない方がよかったわ。
でも今回はこの長谷寺がよかったのです。


長谷寺は花の寺でもあります。季節ごとに花が咲いていて、途切れることがないそうです。ちょうど牡丹が咲いていました。


本堂では「長谷寺大観音特別拝観」をやっていました。
ご本尊観音様の御足に触れられるのです。
下から見ると、観音様の大きさがよくわかりました。
しっかりと足に触れてきました。

長谷寺にも五重塔があります。高さ31.39m。


長谷寺から長谷駅まで歩きましたが、最後に坂道があり、電車に間に合うかどうかの瀬戸際だったので大変でした。
もし行くことがあったら余裕を持って駅に向かいましょう。
足が疲れましたが、観音様と結縁を結べて嬉しかったです。
行ったかいがありました。

京都に戻ったのは6時過ぎでした。

伊勢へ2010/01/02

 京都から伊勢へは2時間ちょっとで行けます。
たいていの人なら京都に行ったのに何故伊勢まで行かなきゃならないのと思うのでしょうね。
でも、私達は違います。せっかく京都まで行ったのだから、もうちょっと足を伸ばして、神様のところに行ってこよう!って感じです。

9時過ぎの近鉄の特急電車に乗り、伊勢市駅へ向かいます。
伊勢神宮の外宮へは伊勢市駅から歩いて7分程度で行けます。
参拝するには外宮から内宮へと行くのが「古来からのならわし」だとのことです。
外宮には豊受大御神(とようけおおみかみ)がお祀りしてあります。
 

内宮から外宮までは循環バスで行きます。この道はいつも混んでいますが、だいたい15分から20分ぐらいかかります。
平成25年には20年に一度の式年遷宮が行われます。
その前段階として、五十鈴川にかかっている宇治橋が新しくなっていました。


20年の間に色がだんだん変わってくるんですね。
 

五十鈴川の御手洗所です。


石段の上に「皇室の御祖神である天照大御神(あまてらすおおみかみ) 」がお祀りしてあります。
写真を撮っていいのは、ここまでです。
しっかりと今後のことを祈ってきました。

神楽殿で御祈祷をしてもらいました。「病気平癒」を願いました。
10人ぐらい御祈祷をしていただいた人がいたのですが、私の名前は一番最後でした。前はお神酒をくれたようですが、今回はありませんでした。

さて、お腹がすいたので、おはらい町で伊勢うどんを食べることにしました。
今回は卵入り伊勢うどんにしてみました。
おつゆが黒いのですが、そんなにしよっぱくないのです。
卵が入るとまろやかな味になります。


赤福を買って、少し早い時間ですがバスに乗って宇治山田駅まで行くことにしました。年末だと道路が混むのです。
 
そうそう、伊勢神宮のおみくじは・・・ありません。
伊勢神宮にはおみくじはないのです。

NHK ニューイヤーオペラコンサート2010/01/04



1年の始まりのコンサートは何故かオペラです。
オペラまで手を出すと財政的に危ないので、見ないようにしています。
なのに、何故?
それは吉田都さんが「ロメオとジュリエット」の「バルコニーのパ・ド・ドゥ」を踊るからです。
来日時にも踊るようですが、引退公演なのでチケットは取れないでしょうから、彼女のジュリエットを垣間見られれば嬉しいのです。

    1月3日(19時開演) NHKホール

<第一部>
ハイドン オラトリオ「天地創」  合唱「リラをとって」
パーセル 歌劇「妖精の女王」から「聴け、いかにすべてのものが」
ブロスキ 歌劇「アルタセルセ」から「わたしは揺れる船のように」
モーツァルト 歌劇「後宮からの誘惑から「お前とここで会わねばならぬ」
        「あらゆる苦しみが」
        近衛兵の合唱
ベルリーニ 歌劇「ノルマ」から「清らかな女神よ」~「わたしの胸に帰れ」
ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」から狩人の合唱
        「誰も気がつかないように」
ベルリオーズ 劇的物語「ファウストのごう罰」から
         地獄への騎行と悪魔の合唱

<第二部>
プロコフィエフ バレエ「ロメオとジュリエット」から「バルコニーのバ・ド・ドゥ」
    (振付:ケネス・マクミラン)
    ジュリエット:吉田 都
    ロメオ:ロバート・テューズリー

<第三部>
オルフ 「カルミナ・ブラーナ」から「運命よ、世界の王妃よ」
ワーグナー 歌劇「ローエングリン」から
        「わたしを呼ぶのはどなた」~「あの方の妻となるために」
ウェルディ 歌劇「オテロ」から
        「清らかな思い出は、遠いかなたに」~「神かけて誓う」
ヴェルディ 歌劇「運命の力」から「神よ、平和を与えたまえ」
プッチーニ 歌劇「トスカ」から「たえなる調和」「星はきらめき」
リヒャルト・シュトラウス 歌劇「ばらの騎士」から
       「あれはほんの笑い話」~「心から愛しています」
ハイドン オラトリオ「天地創造」から合唱「大いなるみわざは成就し」

ライブ放送をやるので、7時に始まり9時ぴったりに終わりました。
後で考えると、家で見てもよかったんですねぇ。
発売してから大分たってチケットを買ったので、2階席の横になってしまいましたが、結構見やすかったです。
オペラと言っても、初心者向けだったので、いい面もありましたが、物足りなく思いました。
やっぱり「トスカ」なら「トスカ」を全幕見たかったです。
その前にDVDで予習しておかないと、筋がわからなくて大変でしょうがね。
そうそう、なんでオペラ歌手の衣装は変っているんでしょう?
未来風というか、なんというか・・・。普通でいいんじゃないのかしら?
吉田都さんはジュリエットなどの方が、身体も小さく、童顔なので合うようです。初めての恋にときめくジュリエットを情感豊に踊ってくれました。
ロバートさんは・・・、ロメオには年取ってるような・・・。

帰りは表参道まで歩き、イリュミネーションを楽しみました。


表参道ヒルズの中のイリュミネーションを見たかったのですが、閉まっていましたので、入り口のを載せておきます。

草津でファスティング2010/01/06

2010年は「リセットの年」と決めました。
その一環として身体のリセットをしようと、草津で2泊3日のファスティング(断食)をしてきました。
温泉については「温泉ビューティ研究家」という肩書きのついている石井宏子さんのブログを、たまに参考にさせていただいています。
その中でファスティングができるホテルを取り上げていたのです。
早速HPを見てみると、できてからそんなに経っていないホテルのようです。
断食というと、なにやら怪しい団体が主催していて、行くと何時に何をやりなさいとか強制されるような感じがあります。(あくまでも私の感じ方です)もっと気楽にできてもいいじゃないかと思っていました。
そんなわけで、温泉+ファスティングでのんびり(?)しに行っちゃいました。
草津まで上野を12時の特急で発つと14時半ごろ草津に着き、帰りは11時ごろに草津を発つと、13時半に戻ってこれます。
 
<ファスティングプログラム>
15時チェックイン
一日目:17時  人参ジュース2杯 具無し味噌汁  梅干+三年番茶
        お腹が空いた時用にポットで黒糖入り生姜葛湯

二日目: 8時 人参ジュース2杯 梅干+三年番茶
     12時  人参ジュース2杯 梅干+三年番茶
               17時  人参ジュース2杯 具無し味噌汁  
                            梅干+三年番茶
三日目: 8時  人参ジュース1杯 梅干+三年番茶
    10時 捕食(大根・人参・キャベツなどの入った味噌汁、
       玄米おかゆ、梅干、大根おろし、 煮豆、三年番茶)
    お昼用:玄米おにぎり(2個)、おつけもの


DVDを借りて、映画三昧でした。
本はなんだか読む気になれなかったのです。食べないと視力が落ちるのかしら?
やろうと思えばヨガやエステ、ネイチャーウォーキングなどできるようですネイチャーウォーキングをやるには、冬にはスキーウェアーを持っていったほうがいいようです。
スノーシュー(かんじき)を履いて歩くので、普通のパンツだと濡れちゃいます。私はスキーウェアーを持っていかなかったので、できませんでした。
雪のない時はウォーキングシューズを用意するといいでしょう。

温泉は100%源泉かけ流し。
草津の湯は酸性が強いので、前に入った時に頭皮や皮膚が荒れてしまいました。
今回はホテルの人に教えてもらったとおりに温泉に入った後にシャワーを浴びるようにしたので、肌は荒れませんでした。
お正月は混んでいたようですが、お正月明けということで、宿泊しているのも1日目は3組、2日目は2組だったので、本当に静かでした。
ホテルの中は特別なウェアが用意されていて、それを着て食堂やラウンジに行ってもOKです。


生成りで肌触りがいいのですが、色がついていた方が粗相の多い私的には安全でいいのですが・・・。
一応透けない素材です。シューズはオーナーのこだわりがあるそうで、持ち帰っていいそうです。もちろん家用に持ち帰りました。
 

部屋は一人だったので、スタンダードルームにキングベッド。
ファスティング用に黒糖とジンジャーティーが用意されています。
 

上から見たラウンジです。雑誌があるので、ソファに座ってゆっくり見られます。新聞が経済新聞しかなかったのが残念でした。
こういうホテルに泊まっていろいろな新聞を読むのが、私のささやかな楽しみだったのですが。
窓から遠く、浅間山が見えます。

二日目のお昼に、カモシカを見ました。
カモシカってずんぐりむっくりの体型だったんですね。
彼(角があるので・・・と思ったら、カモシカには雌雄共に角があるらしいです)は庭にあるいちいの木の葉を食べに来るそうです。


ガラス越しに目が合ってしまいましたが、逃げません。
ガラスがあるから安全だと知っているんですね。


目があっちゃいました、笑。

ファスティングをしてどうだったか?
ちょうどお正月に食べ過ぎていたので、何もたべないことが苦にはなりませんでした。いかに自分が食べ過ぎているのかがわかりました。
でも水分が多く、あまり普段から水分を取らない私にはちょっと苦痛でした。
ジュースはいいのですが、番茶が余計だったかも。
体重は・・・。
残念ですが、1キロぐらいしか減りませんでした。
水分を溜め込む体質ということもありますが、ちょうど減りにくい時期だったので、減らなかったのだと思います。
自分ではファスティングをしても身体に影響はないと思っていたのですが、東京に帰って道を早足で歩くと辛かったです。
結構心臓に負担がかかっているのかもしれません。
注意事項をみてみると心室性の不整脈のある方はできませんと書いてあります。
生理中も避けた方がいいとか。

温泉に入りながら、日常を忘れ、静かな時を過ごすというのは、いい体験でした。たまには一人の旅もいいですね。(実は相棒は仕事。断食もしてくれませんから)
とにかく、身近を整理していこうと思っています。家も贅肉も、人間関係も・・・。

ジェニファー・アッカーマン 『からだの一日 あなたの24時間を医学・科学で輪切りにする」2010/01/07

 

自分のからだの中で何が起きているのか、私達は意外と気にしていません。
この本を読むと、人体ってすごいんだと思います。
どういう風にすごいかって。一部を載せて見ます。
 
誰でも知っていますが、人には朝型人間と夜型人間がいます。
この違いは体内時計の性質の違いなんです。
遺伝子にインプットされているので一生変えられないそうです。
たいていの人は軽度から中度の夜行パターンをしています。
子供はヒバリ型(朝型人間)ですが、10代の後半からフクロウ型(夜型)に移行していくそうです。
だから、高校生ぐらいになると、朝起きれない子が増えるんですね。

覚醒のピークも違います。ヒバリ型は午前11時。フクロウ型は午後3時。
心拍数のピークもヒバリ型、午前11時。フクロウ型、午後6時。
好みの運動時間や食事時間、摂取するカフェイン量も違うんだそうです。
フクロウ型の人にとって、普通に働くのって体内時計に合っていないということで、大変ですね。
一般的に人は目覚めてから2時間半から4時間のあいだが一番頭が冴えているそうです。大事な仕事をするのは、この時間帯にしましょうね。

血小板の粘着性が高くなるのは午前8時。歯を抜くのには朝がよさそうです。
でも歯の痛感閾値が一番高いのは午後なのですが・・・。
普通の治療では歯医者には午後に行きましょう。

アルコールの悪影響が最小限になるのは午後5時から6時ぐらいだそうです。
肝臓のアルコール代謝作用が最高レベルに達するからです。
でもどう考えても、この頃には飲めないですね、笑。

運動でレースをするには午後遅くか宵の口がいいそうです。
ジョギングは午後にしましょう。
薬の効き目にも時間が重要だそうです。
どんな薬をいつ投与するのか時間帯を考えて行うと最大の治療効果が得られるそうです。でも実際はそんなことやってません。(やれない?)

なんといっても太った私にショックだったのは、「痩せた人は肥満気味の人に比べて、一日で2時間半も長く身体を動かしている」ということです。
そういえば私って座っているのが好きで、何時間だって平気ですもの。
今年はまめに動くようにしますわ。

面白い内容で、次々と使えそうなことがでてきますが、読み終わる頃には忘れています。困ったものです。

レニングラード国立バレエ 「バヤデル」2010/01/09

 1月8日(金) 18時半開演 オーチャードホール

       《キャスト》
ニキヤ(バヤデルカ):イリーナ・ペレン
ソロル(戦士):ファルフ・ルジマトフ
ガムザッティ(藩主の娘):オクサーナ・シェスタコワ
大僧正:ニキータ・ドルグーシン
ドゥグマンタ(インドの藩主):アレクセイ・クズネツォフ
幻影の場 ヴァリエーション:ダリア・エリマコワ
              オリガ・ステパノワ
                                         イリーナ・コシェレワ

心配していたルジマトフは故障もなく、よかったです。

<第一幕>
大僧正は聖職者であるにもかかわらず、聖なる儀式の時に美しい踊り子ニキヤが踊るのを見て、彼女のことが気に入ってしまい、ニキヤに言い寄ります。
しかし、戦士のソロルと愛し合っているニキヤは断ります。
その夜、ニキヤとソロルがこっそりと会っているのを大僧正は見てしまいます。
彼は嫉妬にかられ、復讐を企てます。
藩主ドゥグマンタは愛娘ガムザッティの婿を国で一番勇敢な戦士ソロルに決めます。ソロルを呼び、それを告げますが、ソロルは断ります。
しかし、ガムザッティを見ると・・・心が揺れます。
結局、一介の戦士でしかないソロルは結婚を受け入れるしかありませんでした。
 
ソロルとガムザッティの婚約を聞いた大僧正は激怒し、恋敵ソロルを陥れるため、ドゥグマンタにニキヤとのことを告げ口します。
ドゥグマンタはそれでも娘との結婚を取りやめようとはしません。
その代わりにニキヤを殺すと言うのでした。
ガムザッティは父親と大僧正の話を聞いてしまいます。召使に命じて、ニキヤを連れてこさせます。

女二人の戦いが見物です。
ガムザッティはニキヤに宝石を与え、ソロルのことを諦めるようにと言いますが、ニキヤは断ります。
ナイフを振りかざし、ガムザッティに立ち向かいますが、召使に取り押さえられます。
ガムザッティはニキヤを殺すことを誓います。

<第二幕>
ガムザッティとソロルの婚約儀式が開かれました。
ニキヤは悲しみの心のままに踊ります。
踊っている時に、花篭が渡され、それがソロルからだとニキヤは思います。
しかし、その花篭の中に毒蛇が隠されていたのです。
毒蛇に噛まれ苦しむニキヤに大僧正は解毒剤を差し出し、ソロルを忘れ、自分の愛を受け入れれば与えると。
しかし、ソロルの愛を失ったと思ったニキヤは断り、解毒剤の入った瓶を投げ捨てます。

<第三幕>
ソロルは悲しみ、悔恨にさいなまれていました。
彼はアヘンを吸い、まどろんでいます。
夢の中で影の王国が現れ、ニキヤに出会います。
白いチュチュを着たバレリーナが一人、一人・・・と現れます。
一体何人がと思わず思ってしまいました。(24人?)

ソロルとガムザッティの結婚式。(亡霊になったニキヤも出席してます。)
神の怒りによって寺院が崩壊し、大僧正のみが生き残り、人々は非業の死を遂げます。

始めて見たからか、分かり易い筋だったからか、飽きることなく見られました。(「白鳥の湖」はこの頃寝てしまうのよね・・・)
「バヤデルカ」の最後は「影の王国」で終わってしまうものもあるそうです。(マリインスキー版)

ルジマトフは何回もソロル役をやっているようですが、もっと若い時に見られたらよかったかもと、ちょっと思ってしまいました。
ペレンをリフトしているのを見ると、危なっかしくて、やっとかな・・・と思えるのです。
パンフレットに、有名な男性のヴァリエーションを踊っていないと書いてありました。
どこかは初めて見た私にははっきりと言えませんが(たぶん2幕)、女性ばかり踊っているなという印象がありました。
普通は二人で踊った後に、女性、男性と別々に踊りますが、男性のがないんですね。やっぱりお年のせいですか・・・。ジャンプなども冴えなかったような。
ガラで見た黄金の奴隷ほどの色気はなかったなと思っていると、なんと7月に『シェヘラザード』を踊ってくれるそうです。またエロい黄金の奴隷が見られるかも。


ペレンはニキヤのような劇的なヒロイン役がぴったりです。
彼女の腰のくびれと腹筋はすごいです。見習いたいものですが・・・。(彼女の「スパルタクス」見たいよ~)
シェスタコワは品のいい、ちょっと尊大な王女様でした。
ニキヤも踊っているようですが、ガムザッティの方が彼女の持っている雰囲気に合っていますね。
この二人、やっぱりソリストだけあります。
群舞の人がフラフラとしていても、絶対にぶれませんから。
実力の差はあるんですね。

気に入ったのが大僧正です。まじめそうな顔をしていて、最後の老いらくの恋?
後で調べると、71歳になるバレエ・マスターでした。すばらしいですね。
アレ、日本人が何ででてくるの?この人体型的にダンサー?あ、日本のバレエ団の子供さん、バレリーナのスカートを引っ張りすぎてたような。
なんて場面もありましたが、まあ、これもご愛嬌でしょう。

カーテンコールが妙に長くて、ルジマトフの人気ってすごいんだとつくづく思いました。
プログラムによると、彼は自分は「ダンサー」というより「アクター」という部分が大きくなってきていると言っていたということですが、たとえ若い頃のように踊れなくても、舞台で十分通用する見本のような人ですね。

ガラでは「アルビノーニのアダージョ」を踊るので、楽しみにしています。
 

東京ドームのイルミネーション2010/01/10

昨日の夕食は、ガツンと肉を食べようということで、水道橋まで行ってきました。
「かつ吉」というかつ屋では、食いしん坊は心置きなく食べれるのです。というのもキャベツの多いサラダとご飯、味噌汁がおかわり自由。キムチと大根のつけもの、野沢菜のつけものがテーブルに置いてあります。
私達はサラダを3~4回もおかわりしちゃいました。
白子(雲子ともいうらしいです。「う○こ」ではありません。「くもこ」です)とさつまあげ、一口かつなどをおつまみにし、最後はロースかつと気仙沼牡蠣フライの定食で〆です。
牡蠣がとっても大きくて、びっくりしました。ひとつぶ350円だそうです。
久しぶりにおなかいっぱいになり、幸せでした。(ファスティング効果で胃の調子がよくなりすぎて、まずいです。太ってしまったかも・・・)

外に出ると、東京ドームの方になにやらイルミネーションが見えます。早速行ってみる事に。


ラ・クーアに行くまでに、下の写真のようなイルミネーションがありました。入り口で「ワ~、素敵」という女の子の叫び声が上がっていました。奥の方がもっときれいだったのですが、携帯のカメラではこれぐらいですね。


 

メリーゴーランドがなんとも幻想的です。


一番気に入ったイルミネーションです。


お店でショッピングをして、くじびきに挑戦しましたが、スカばかりでガッカリしました。
今年もくじ引きは駄目そうです。

レニングラード国立バレエ 「スペシャル・ガラ」2010/01/11

1月10日(日)  17時開演  オーチャードホール

第一部:
「騎兵隊の休息」全一幕
 マリア:アナスタシア・ロマチェンコワ
 ピエール:アントン・プローム
 テレーズ:オリガ・セミョーノワ

オーストリアの片田舎のお話。
農民のピエールを巡る三角関係がおもしろいです。
マリアとテレーズがピエールを取り合いますが、ピエールはマリアのことが好き。

ある日、村に騎兵隊がやってきます。
兵士達は農民の家で休んで酒を飲もうとしますが、ピエールは断り、そのために逮捕されてしまいます。
マリアは頭を働かせ、ピエールを無事助け出します。

一方、テレーズは美人なので、2人の兵士や隊長に言い寄られます。
最初は相手にせず、彼らの真似をしてからかっていますが、ピエールとマリアが婚約してしまったのを聞き、仲を裂こうとします。
しかし、隊長からたしなめられ、彼の好意を受け入れます。
やがて召集のラッパが聞こえ、騎兵隊たちは村を去っていきます。
 
マリア役のロマチェンコワが美人でかわいいです。
プロームは二人の女性の間で困っている男性の感じが出ていました。
話の筋が単調でたわいないので、途中でウトウトしそうになってしまいました。
  
第二部:
「海賊」第二幕よりパ・ド・トロワ
 イリーナ・ペレン
 アルチョム・プハチョワ
 アイドス・ザカン
 
アイドス・ザカンって誰?という感じでした。
ちょっと肌が浅黒くて、何系でしょうか。
プハチョワがコンラッド役でザカンがアリ役でしたが、見た目にこれが合っていました。
ザカンは期待していたのですが、ジャンプなどを見る限り体が重そうでした。

「トンボ」  音楽:F.クライスラー
 アンナ・クリギナ
 
有名なクライスラーの音楽にのって、水色のトンボの衣装を着た女性が踊ります。衣装がきれいでダンサーもかわいいのですが、それだけ・・・。
特に印象に残っていません。

「チッポリーノ」よりパ・ド・トロワ
 サビーナ・ヤパーロワ
 アレクセイ・クズネツォフ
 ニコライ・コリパエフ

子供用のバレエなので、衣装も踊りもかわいいものでした。
これから敵に立ち向かいにいくぞという場面だそうです。

「スパルタクス」よりサビーナとクラッススのパ・ド・ドゥ
 アナスタシア・ロマチェンコワ
 アンドレイ・カシャネンコ

昨年ペレンとシェミウノフのパ・ド・ドゥを見ていたので、今回も楽しみにしていました。
スパルタクスの敵役のローマ軍司令官クラッススとその愛妾の踊りなんですね。
前回の時もそうでしたが、ペアのアイススケーターがやるような大技が続く、アクロバティックな踊りです。
特に男性が大変そう。
次から次へと続く技を滞りなく行うためには相当な練習とパートナーシップがないと駄目なんでしょうね。
ロマチェンコワのスタイルの良さに目を見張りましたが、踊りこんでいない感じがありました。
踊りは昨年のペレンコンビの方が見ごたえがありました。

「春の水」  音楽:S.ラフマニノフ
 イリーナ・ペレン
 マラト・シェミウノフ

「春の水」というと、日本人は小川のせせらぎを思い浮かべてしまいがちですが、これは雪国の春、雪が解けていく時の大量の水の流れです。
厳しい冬が終わり、春が来ることの喜びに溢れた作品です。
「スパルタクス」の主役コンビが踊りましたが、さすが息が合っています。
私は変なところに目がいきますが、リフトされながらペレンが片足を天に振り上げえた時の美しさにドキッとしました。

「アルビノーニのアダージョ」   振付:B.エイフマン
 ファルフ・ルジマトフ

暗いステージの奥に、7人の男性ダンサーに囲まれたルジマトフがいました。
イエス・キリストを思い出してしまいました。
一人の男の孤独感が身にしみる作品です。
 
第三部:
「パキータ」より
 オクサーナ・シェスタコワ
 エカテリーナ・ボルチェンコ
 イリーナ・ペレン
 ファルフ・ルジマトフ
 アイドス・ザカン


レニングラードの女王は私よ、という感じはまったくありませんが、やっぱりこのバレエ団を背負って立つのはシェスタコワなんですね。
でも古典ばかり踊っている印象があります。
「スパルタクス」などのようなダイナミックなものは踊らないようですね。
『バヤデルカ』の時に太ったかなと思ったのですが、あの体型で踊ると怪我するかな・・・。

ここで、ルジマトフ・ファンを怒らせる発言をしますので、どうぞ怒らないでね。
「パキータ」に最初にどの男性ダンサーが出る予定だったのかは知りませんが、ルジマトフが出ました。
カーテンコールを見ながら、ふと思ったのですが、レニングラード国立バレエの男性ソリストはどうなんでしょうね。
最後は女性ばかり舞台上にいて、男はルジマトフとザカンだけ。ルジマトフの趣味?
「パキータ」でシェスタコワと一緒に踊っている時も、この人は女性をサポートするんじゃなくて、自分ひとりで踊った方がいいんじゃないかと思いました。
もう古典バレエの王子様にはなれません。
ルジマトフはそれを超越してるんです。
もっと踊りたいからレニングラード国立バレエの芸術監督の職を辞したそうですが、それがよ~くわかりました。
踊りたいことはわかりますが、レニングラード国立バレエ団のガラですから、できれば現役の男性ソリストを躍らせてもよかったんじゃないと思いますし、それを見たかったです。
あ、そうそう、どうせなら「ルジマトフ・ガラ」にしちゃえばよかったんだ。

今月はあと新国立バレエの『白鳥の湖』を見に行きます。ザハロワ&ウヴァーロフです。

五木寛之 『親鸞』2010/01/13


『百寺巡礼』を読んでいる時に、五木さんの仏教への造詣の深さを感じていたのですが、『親鸞』を新聞で連載していたとは知りませんでした。
物を知らない私は、昔のえらいお坊さんだからいい家の出で何不自由なく過ごしてきたんだろうと思っていました。
しかし、この本を読むと、親鸞が私達のような迷いの多い人であったことがわかり、身近に思えてきます。

時は平清盛の時代。親鸞は日野忠範という名でした。
父は朝廷の下級官人をしていました。
しかし、急に出家してしまい、残された母は流行り病で亡くなり、五人の子供たちはそれぞれ縁者にあずけられたのでした。
忠範は弟二人と一緒に京に住む伯父の範綱に引き取られました。
日野家は祖父の日野経尹が放埓人と烙印を押されたため、日の当たる役職につけない状態でした。

忠範は幼い頃から老成したところのある子でした。
父と母の苦しみを見てきたからかもしれません。
本来なら比叡山には入れない身分だったのですが、縁があり、彼は12歳で入山し、名を範宴と変えます。
19歳で一旦山を降り、お世話になった慈円の命により法然の説法を聞きに行きます。
法然と出合ったことをきっかけに、範宴は命がけで行を行うことにします。
この時、彼の中にあったのは「仏とは何か」ということです。
やがて、彼は山を出、町の聖となり、今でいうボランティアのようなことをしながら、法然のいる吉水に通い続けます。

おもしろいのは、自分が生まれ変わったと思った時に名を変えるのです。
29歳で法然の門にくわわった時に、範宴から綽空(しゃくくう)となります。
綽空となった頃から、彼は鹿野という女を妻としました。(妻がいるなんて、意外でした。)
選択本願念仏集という法然が書いた書の書写を許され書写し終えた時に、また名が変わります。
今度は法然から与えられた名で「善信」と言います。
いつ親鸞になるのだろうと思っていると、越後へ流刑される時です。
彼は4度名を変えるのです。

この本は史実を忠実に辿っているのでしょうか?
そうだとすると、なんとも壮絶な人生です。
ただの人から親鸞になるまでが書かれています。
その後彼が親鸞から名を変えなかったことから考えて、一人の宗教者として自己が確立したということでしょうか。
 
何も難しい仏教用語を使わず、法然や親鸞の教えを簡単にわかりやすく書いてある本です。

研究者 浅川智恵子―「あきらめなければ 必ず道はひらける」2010/01/14

NHKのプロフェッショナルに全盲の研究者、浅川智恵子さんが出ていました。
彼女は日本IBM東京基礎研究所で働いており、専門は「情報アクセシビリティの研究」(アクセシビリティ技術とは障がい者や高齢者を含むすべての人が自由にIT機器を操作できるようにするための技術のこと)で、世界で始めてホームページを音声で読み上げるソフトを開発した人です。

彼女は14歳の時にプールで右目をぶつけたことをきっかけに、だんだんと目がかすれて見えなくなりました。医師にも原因がわからなかったそうです。
高校受験では、普通科には全盲の子を入れた前例がないということで受け入れてもらえず、盲学校へ行きました。
盲学校で点字を学び、教科書を読めるようになるにつれ勉強が楽しくなり、大学の英文科に入学し通訳を目指しますが挫折。
職業・生活訓練センターでプログラミングの勉強を始めます。

彼女の転機は25歳の時。
英語の点字翻訳ソフトの開発にかかわったことです。
「目の見えないことが強みになる」と気づいたのです。
彼女は今日本で3人目のIBMの最高技術職であるIBMフェローになって、7人の部下を率いるリーダーとして働いています。

彼女のいうプロフェッショナルとは・・・

「不可能と思える課題であっても、それに挑戦して努力し続けられる人。そして、その結果として、その自分のそれぞれの技術エリア、技術レベルを、一歩も二歩も前進させて、次の世代に引き継いでいくことができる人」


現在視覚障害者で点字が読める人は1割しかいないそうです。
14歳で全盲になり、高校で点字を勉強した浅川さんでさえ覚えるのが大変だったそうです。彼女がどれほど努力したことか・・・。
誰でも彼女のようにできるわけではないし、そうしなければならないわけでもないですよね。
彼女はとっても負けん気の強い人なのでしょうね。
彼女は自分のやれる限りを尽くし、淡々と自分の道を歩いてきたように見えました。