ABT 『スペシャル・ドン・キホーテ』2011/07/22

昨日、今日と涼しくて、やっと夜中に眠れます。
今日はまたまた上野の文化会館へ行ってまいりました。
座席はバッチリでした。前の人の頭が全然舞台にかからず、全体も見える場所でした。よかったわ。
『スペシャル・ドン・キホーテ』とは、なんと幕ごとにキトリとバジルが変わるというものです。一回で三組の踊りが見られるという贅沢。



2011年7月22日(金) 18時半開演

原振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂:ケヴィン・マッケンジー、スーザン・ジョーンズ
音楽:ルードヴィヒ・ミンクス

<キャスト>
ドン・キホーテ:ヴィクター・バービー
サンチョ・パンサ:アロン・スコット
エスパーダ:コリー・スターンズ
メルセデス:ヴェロニカ・パールト
キューピッド:サラ・レイン

<第一幕>
キトリ:パロマ・ヘレーラ
バジル:ホセ・マニュエル・カレーニョ

キトリとバジルは恋人同士なのに、父親は反対しています。貴族のガマーシュと結婚させられそうになります。
そこにドン・キホーテとサンチョがやってきて、キトリを愛するドルシネアだと勘違いしてしまいます。
キトリとバジルは逃げ出します。彼らをドン・キホーテとサンチョ、父親のロレンツォとガマーシュが追いかけます。

見かけ的には一番キトリとバジルに合っていたのがこのカップルです。
カレーニョも元気に飛んでいました。
エスパーダがイケメンで、スタイルのいい若手のプリンシパルのコリー・スターンズ。いつか彼のバジルを見てみたいですね。

<第二幕>
キトリ:シオマラ・レイエス
バジル:アンヘル・コレーラ

[第一場]
キトリとバジルはロマの野営地に逃げ込んでいました。
彼らを見つけたドン・キホーテはキトリが別人であると納得します。
突然風の勢いが強くなり、ドン・キホーテは風車をドルシネアを襲う巨人だと思い込み、勇敢にも風車に突っかかっていきますが、地面に振り落とされて、眠り込んでしまいます。
[第二場]
ドン・キホーテは美しい娘たちの夢を見ています。
[第三場]
ドン・キホーテは起こされ、キトリとバジルに同情し、ロレンツォたちを道に迷わせることにします。
[第四場]
キトリたちは居酒屋でロレンツォたちに見つかり、ガマーシュの求婚を受け入れるようにと言われます。バジルは狂言自殺を試み、それに気づいたキトリはドン・キホーテに頼み込み、ロレンツォにバジルとの結婚を認めさせます。
バジルは生き返り、二人は結婚式のために出ていきます。

衣装がブルー系。
ボリショイで見た時もそうだったかしら?キトリは赤という印象が強いので、ちょっと違和感がありました。
シオマラ・レイエスは顔は地味ですが、バランスがよく、安定感のある踊りです。
二幕はあまりバジルに出番がなくて、ちょっと残念でした。
ボリショイの時と内容がちょっと変わっていました。

<第三幕>
キトリ:加治屋 百合子
バジル:ダニール・シムキン

シムキンは何回も見ています。彼はまだソリストなのですね。小柄ながらジャンプが高いです。王子様には背が足りないか・・・。
ワシーリエフ君は太腿ムキムキになっちゃったので、シムキン君はそうならないように祈っています。

こういう風に幕ごとに主役を変えると、実力の差がわかってしまいますね。
加治屋さんは残念ながら、他の二人に比べるとピタッと決めなければならない時にグラグラしていたり、メリハリのない踊りです。緊張しているのでしょうか?

全体的に群舞もそろっていなかったりしていました。明日からの公演で盛り返してくれるでしょう。
私的にはどうしてもボリショイの若いワシーリエフとオーシポワの『ドン・キホーテ』を思い出してしまい、ちょっと物足りなく感じてしまいました。

『ドン・キホーテ』はどのカップルがいいのか決められなかったので、見に行きませんが、次はジュリー・ケントとマルセロ・ゴメスの『ロミオとジュリエット』に行きます。