ヘイリー・リンド 『暗くなるまで贋作を』2012/11/16

元天才贋作師アニー・シリーズの三作目。


画家兼疑似塗装師アニー・キンケイドは真夜中に納骨堂の壁画を修復していました。
丘の上の霊廟に懐中電灯の灯りが見えたので行ってみると、シンディ・タナカという大学院生の若い女性がいました。
シンディと話をしていると、墓場荒らしらしき男の姿が。
シンディはすぐに追っていくのですが、逃してしまいます。
名刺を渡して修復作業に戻ろうとすると、名刺を見てアニーが芸術に詳しいと思ったシンディが、コロンバリウム(地下墓地)にあるラファエロの『若い婦人の肖像――ラ・フォルナリーナ』は19世紀の模写と書いてあるけれど本物ではないか、是非一度見て欲しいと言い出します。

ちなみに、こんな絵です。


アニーは約束どおりに見に行ったのですが、コロンバリウムにあった絵はデジタルコピーでした。
何故シンディはこれを真作だと思ったのでしょうか、そして何故この安物のデジタルコピーに、19世紀に描かれた模写というラベルが添えられているのでしょうか?
アニーは俄然興味を引かれます。
シンディとまた会う約束をしていたので詳しい話を聞こうと思っていたのですが、彼女は現れません。
なんとかしてシンディに会おうとし、やっとつきとめたアパートで彼女は死んでいました。
次の日、絵画の修復に行くと、女性がスーツケースを置いていったと言われます。
どうもその女性はシンディらしく、スーツケースの中を見ても謎は解けません。

今まではクラッシャー・アニーという感じでしたが、今度の本では大人しくなっています。
絵画泥棒だったはずのマイケルと一緒に新しい仕事を始めることになるし、大家のフランクとの関係は進まず、おじいちゃんは相変わらず現れず・・・。
どういう風に進んでいくのか楽しみではありますが。
いつもいつも思うのですが、もっと贋作に関する薀蓄が欲しいですわ。