リン・メッシーナ 『公爵さまが、あやしいです 行き遅れ令嬢の事件簿①』2023/02/15

新しいコージーミステリーのシリーズです。
シリーズ名が「行き遅れ令嬢の事件簿」なんて、今時の若い子は「行き遅れ」などという言葉を知っているのかしら?


十九世紀初頭のイギリスでは、ミドルクラス以上の女性たちに仕事に就くという選択肢はなく、実家を出て行くには結婚するしかなかった。
主人公のベアトリス・ハイドクレアは五歳の時に両親をボートの事故で亡くし、叔父夫婦に引き取られた。
そのため常に周りに気兼ねしながら生きてきたので、本来の性格とは違う内気な性格になってしまった。
その上特に美人というわけでもなく、結婚市場では誰にも見向きもされず、いつしか二十六歳の行き遅れになってしまい、こうなったら叔母の話し相手になるか、従兄弟たちの子どもの家庭教師になるしか選択肢はなかった。
しかしベアトリスはどちらも嫌だった。

九月下旬のある日、叔父夫婦は湖水地方にある侯爵家のハウスパーティに招待され、ベアトリスも従兄弟たちと一緒に同行させられた。
侯爵夫人と叔母さんが女学校時代の友人だった。
ベアトリスたち以外のゲストは、ケスグレイブ公爵ダミアン・マトロックと資産家のトーマス・オトレー、侯爵夫人の学友だったオトレーの妻アメリア、オトレー夫妻の娘エミリー、侯爵の息子アンドリューと彼の友人アマーシャム伯爵、そして侯爵のいとこのヌニートン子爵。

ケスグレイブ公爵は見目麗しいルックスと明晰な頭脳、そして資産まであり、何から何まで完璧過ぎて、ベアトリスはすぐに嫌悪感を抱いてしまう。
オトレー夫妻は娘をアンドリューと結婚させるためにハウスパーティにやって来たようだが、ベアトリスの見たところ、叔母も同じ狙いがあるようだ。
しかし叔母の娘のフローラは美貌のエミリーに夢中だ。
はたから見ているぶんには楽しめるのだが、ベアトリスはパーティなんかよりも読書している方がよかった。

その日は部屋にひきあげてもベアトリスに眠りは訪れず、仕方なく図書館に伝記の本を探しに行くことにする。
しかしそこでベアトリスはオトレー氏の死体を見つけてしまう。
それのみか死体のそばに公爵がいたのだ。
ベアトリスは公爵に体よく追い払われてしまう。
次の日、驚いたことにオトレー氏は自殺をしたことになっていた。
もしかして公爵が彼を殺したのか?
疑心暗鬼になるベアトリスだったが、いつしか公爵と協力して犯人を捜す羽目に…。

十九世紀の貴族の様子が垣間見られるお話です。
とにかくこの時代の貴族の女性にはなりたくないですわ。
色々と面倒なんですもの。
ちなみに貴族の階級は、公爵→侯爵→伯爵→子爵→男爵だそうです。

公爵と接していくうちに、だんだんとベアトリスは失われていた自分を取り戻していきます。
階級社会なので、公爵の言うことが絶対らしいのですが、内気なはずのベアトリスは躊躇せず、公爵に自分の意見を言っていきます。
公爵はそういう女性に出会ったことがなさそうで、初めは面食らっているようでしたが、だんだんとベアトリスを憎からず思うようになっていきます。
これから二人の間がどう進展していくのか、興味があります。

不満といえば、題名です。
原題は『A Brazen Curiosity(厚かましい好奇心)』なのに、『公爵さまが、あやしいです』ですか。
主人公が26歳にもなる女性だとは思えない題名ですねぇ。
二巻目の『A Scandalous Deception』をどうするのかしら。「公爵さま、スキャンダルです」かな?
楽しみですわww。


<バレンタインのチョコレート>
この頃、企業では義理チョコは止めましょうというお達しがあるそうですが、夫が貰って来たのがこのチョコレート。


JOHN KANAYAの葉巻ショコラ(赤ワイン)。
「伝説のレストラン「西洋膳所ジョンカナヤ麻布」のオーナー、ジョン金谷鮮治氏が愛し、トレードマークにもしていた葉巻をモチーフにして作られた」チョコレートだそうです。
「クリームをあえて使わず、赤ワインだけで仕上げたガナッシュチョコレートにクーベルチュールチョコレートを薄く塗り、職人技で巻き上げ」ているそうです。
赤ワインと一緒に食べるといいらしいです。
昨日は赤ワインがなかったので、見るだけでした。
週末にワインと一緒に食べてみますわ。


缶が可愛くて、自分で食べるには高いけど買ってしまったKEITAMARUYAMAの詰め合わせチョコレート。
五種類のチョコレートが入っています。
包み紙も可愛い。


特に気にいったのがチェリークランベリー。2個しか入っていないのが残念。
5種類ありますが、どれも好きです。
クッキーもあるそうなので、買いたいと思ったら遅かった。柄の缶入りは売り切れです。
次は絶対に買うことにします。

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