新川帆立 『女の国会』2024/05/31



国民党の三世議員、「お嬢」こと朝沼侑子が自殺した。
その前日に、性同一性障害特例に関する法律の改正案が総務会で通らなかったことで、「憤慨おばさん」というあだ名の高月聲がこの法案で共闘関係であった朝沼に噛みついていたため、高月は謝罪と国対副委員長の辞任を迫られる。
しかし、朝沼が自殺したことに納得がいかない高月は朝沼の死亡の経緯を調べることにする。

そんな時に毎朝新聞社の和田山伶奈が高月に会いに来る。
彼女が高月に見せたのは、一枚のメモ紙の画像。
朝沼が亡くなる直前にメールで和田山に送って来た遺書だという。
高月は、特例法に反対したという三好顕太郎と朝沼の間で何があったのか、和田山に調べさせることにする。

高月たちが辿り着いた真相とは…。

ミステリではありますが、謎を解くということよりも、政治の世界がいかに男たちの魑魅魍魎の世界であるかに目がいきます。
例えば、こんなことが書いてあります。

「政治は男がするものだと思っている」
「女性は党の公認をとりづらい」
「(前略)女性はあくまでピンチヒッターなの。困ったときだけ、目新しい印象を与えたいときだけ、女性を入れればいい。残酷だけど、彼らの素直な感覚はそんなものよ」
「野党であれば、与党にはない新鮮さを印象づけるために女性候補者をもくろむことがある。与党であれば、野党に惨敗したあとの選挙のときに、イメージ刷新目的で大量の女性候補者を擁立することがある。いずれにしても、ピンチヒッターにすぎない」
「私たち女性は、味変(あじへん)調味料ってことですか」

「味変調味料」とは、言い得て妙。
他にも色々とリアルにありそうなことばかりで、読むほどに嫌~な気分になります。
男性政治家たちの性差別発言がどういう土壌で培われてきたのかがよくわかります。
女性議員の中にはあまり好きになれないタイプの人がいますが、彼女たちはこのようなことを乗り越えて来たのだなと思うと感慨深いです。
男たちに足を掬われないように、頑張っていってもらいたいです。
百年後の女の子たちが、「そんなひどい時代があったのか」と驚くようになることを願っています。

最後の朝沼の弔い合戦の選挙の場面にはワクワクしました。
この続きもあるのでしょうか。
「でも腹立つじゃん。男だけで権力のボールをまわしてるんだよ。女がてっぺんをとって、変えなくちゃ。他にやる人がいないなら、私がやる」という高月の活躍を見たいですね。

衆議院と参議院の中庭に鯉がいるということです。
衆議院の鯉はニシキゴイ。一度、見てみたいです。
参議院は平日のみ、衆議院は毎日、無料で見学できるそうです。


<今日のわんこ>
お昼前に晴れて、それほど暑くなさそうだったので、別々にお散歩に行きました。


紫陽花の前に行くと、クンクン匂いを嗅ぎます。
近頃知ったのですが、紫陽花には毒があるので、犬はもちろんのこと人間も食べてはいけないそうです。
兄は落ちているものを何でも口に入れてしまうので、気をつけなければ…。


右足は大丈夫でした。
紫陽花の前で写真を撮ろうとすると、おやつがないのでそっぽを向きます。


弟はお座りをしますが、兄同様、なかなか顔を向けてくれません。
前を向いたと思ったらシャッターを押しました。そうすると、前よりもいい顔で撮れました。

コメント

_ ろき ― 2024/06/02 01時42分09秒

女性の政治家は、たとえ三世議員だとしても、警察官に負けず劣らず大変そう。根性要りますね。がんばってほしいです。

いろんな紫陽花がきれい。毒があるとは知らなかった。美味しそうにも見えないけどw ワンコが口にしないように注意ですね。
お兄ちゃんしっかり歩いているようで、このまま膝が収まってくれるといいですね。

_ coco ― 2024/06/02 17時47分32秒

女の政治家は根性いります。というか、そんな政界がおかしいのでしょうね。定年制にした方がいいかもね。
イギリスの選挙は7月ですね。どうなるのでしょう。

兄は外に行くと跳ねています。大丈夫かしら…。

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