宮部みゆき 『新しい花が咲く ぼんぼん彩句』 ― 2026/02/10

宮部さんの俳句集だと思って読まずにいたのですが、全く違いました。
あとがきによると、宮部さんが十四年ほど前(単行本2023年刊行)に仕事を通して親しくなった同年代の人たちとつくった「BBK(ボケ防止カラオケ)」のメンバー十五人が、2012年に宮部さんが「怖い」俳句に興味を持ったことから句会も開くようになりました。
もちろん「BBK」は「ボケ防止句会」という意味もつくようになりましたww。
しばらく楽しく句作を続けていたのですが、宮部さんが俳句を小説の題材にできないかと考え始め、BBKで生まれた句をタイトルにして短編小説を書こうと思いついてできたのがこの本です。
気をつけてください。普通のお話ではないですよ。
「怖い」句をもとにした短編小説ですよ。
どんな感じか、ちょっと紹介してみましょう。
「枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる」
寿退職したアツコだったが、婚約者に一方的に破談され、うつうつとした日々を送っていた。ある日、アツコは急に思い立ち、ハローワーク近くのバス停からバスに乗る。アツコが終点で出会ったのは…。
「鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす」
夫、智之と彼の家族が知花に隠していたことがある。そのことを知っても知花は軽く考えていた。しかし、あることを知り、限界を悟った知花は最後に一つ、智之たちに意趣返しをしようと思う。
細部はぼかしていますが、こんな感じで十二句に「怖い」お話がついています。
どのお話も、流石、宮部さん、と思える出来です。
作家の想像力は底知らずですね。
宮部さんは続編も考えているようなので、楽しみです。
どうぞ宮部さん独自の怖い世界をお楽しみください。
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