西條奈加 『二月に憂鬱な君へ お蔦さんの神楽坂日記』 ― 2026/07/24
神楽坂日記シリーズの五巻目。

七編の短編集。
かつて芸者で女優もしていたお蔦は、今は神楽坂の本多横丁で多喜本履物店を営んでいる。
孫の滝本望は両親が北海道に転勤したので、入学した中間一貫校に通うためにお蔦の家に住んでいる高校一年生の男子。
「向日葵の少女」
お蔦のところに塚本知佐子という女性がやって来る。母親が亡くなり、手元にあった母の若い頃を描いた肖像画を画家の父、谷伊織に渡して欲しいという。というのもその絵は切り裂かれており、そんな状態の絵を自分で渡したくないというのだ。一体誰がやったのか。
「青い鳥」
望は幼馴染の洋平と肉まんを買いに行った時におばあさんと一緒にいた洋平の同級生、乃木と出会う。彼女はおばあさんは荒井里子という赤の他人で、転んだのを助けてからたびたび様子を見に行って、話し相手になっているという。望は乃木の態度に引っ掛かりを覚える。
ある日、洋平から里子さんが警察に行くと言ってきかないという電話がくる。急いでお蔦と里子の家に行くと…。
「二月に憂鬱な君へ」
図書館に行った望は、たまたま図書委員の千曲弥生(チマ)が『記憶の記録』という本の中に挟まっていた手紙を見つけた場に居合わせる。気になった望はチマと同級生の彰彦と三人で手紙の謎を解いてみることにする。
「渦中の人」
不倫がバレ、今や時の人となった女優の志月美琴をしばらくお蔦の家であずかることになる。そこに奉介おじさんの娘の楓がやって来て、美琴を見て、不倫をして、人の家庭を壊すような人は許せないと怒り狂い、帰っていく。戸惑う望。
「春の朝」
望は好きな楓がこの前急に帰って行ったことで悩んでいた。そんな頃、お蔦が留守の時に、店に南米か中東出身の外国人女性が来て、祖母の着物を譲りうけたので、それに合う草履を選んで欲しいと頼まれる。この女性、どこかで見かけたような…。
「深い緑の部屋」
望と洋平は神楽坂で個展を開く女性画家の絵の展示を手伝いに行く。
展示作業が終わった時に気味の悪い、スーツ姿の男が現れる。どうもその男はコレクターという名のストーカーのようだ。
女性画家を彼から守るために、洋平たちはお蔦に相談し、策を練ることにする。
「家路」
近所の鈴木フラワーの央子が結婚で悩んでいると聞き、望は相手の息子に話をしに行く。
そんな頃、画家である奉介おじさんの絵が完成した。望は楓たちも呼び、完成祝いに特別な料理を作ることにする。
祝いの食事の後、奉介はみんなに完成した絵をみてもらいたいと言う。
はたしてみんなは描かれた絵に何を思うのか。
今回はお蔦さんの活躍が少なくて、残念です。
その代わりに望の学校生活と料理の割合が増えています。
「お蔦さんの神楽坂日記」ではなくて、「望の神楽坂日記」か「望のお料理日記」に変えた方がいいですよww。
決して望君が嫌いというわけではないので、お間違えなく。
ただきっぷのいいお蔦さんを読みたいのです。
それに挿絵がこんなにありましたっけ?章ごとの絵はいりません。
大人向きからYA向きに路線を変えるのかしら?
話が面白くないと言うのではないのですが、お蔦さんのファンの方、心して読んでくださいね。
神楽坂日記シリーズの順番
①『無花果の実のなることに』
②『いつもが消えた日』
③『みやこさわぎ』
④『よろずを引くもの』
⑤『二月に憂鬱な君へ』(本書)
コメント
_ ろき ― 2026/07/24 22時28分31秒
_ coco ― 2026/07/26 06時50分48秒
作家さんもお蔦さんが活躍する場が思いつかなかったんで、急遽高校生の方を書いてしまったのかもw。
お料理が出てくるお話は多いものね。
新人女性アーティストの作品を買って、パトロン気取りをする奴が問題です。
詳しくは書けませんが、お蔦さんは「目には目を」方式を使いました。
お料理が出てくるお話は多いものね。
新人女性アーティストの作品を買って、パトロン気取りをする奴が問題です。
詳しくは書けませんが、お蔦さんは「目には目を」方式を使いました。
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作家としては気分転換でしょうかね?
女性アーティストの個展などに居座る不気味なお客って、けっこういるそうですね。よけいな苦労をして気の毒。どう撃退したのかな?