群ようこ 『サチコ』 ― 2026/07/03

スズキサチコは55歳で長年勤めた会社を早期退職するまで、なんの苦労もせずに、のほほんと生きて来た。
親が年を取ってからの子どもで、兄とは十三歳、姉とは十二歳違いだ。
両親からは溺愛されて育った。
サチコは内向的で、愛想がなく、読書さえしていれば幸せだった。
学校も就職先も親がすべてお膳立てをしてくれ、サチコはそれに乗ればいいだけ。
一人暮らしをしようとすると、父親が投資用に買っていたと言ってはいたが、実はサチコのために買っていたマンションをあてがわれる。
勤めて二十年ほど経ったときに、父親が亡くなり、しばらくして母親も亡くなる。
兄夫婦は両親の財産を多くもらおうとするが、久しぶりに会った姉は、遺産には興味がないようだ。
サチコはいかに自分が彼らに守られてきたかを知る。
五十代半ばになり、サチコは早期退職をする。
何もすることのなくなったサチコは不安になり、アルバイトを探す。
近所のスーパーマーケットでアルバイトをするが変な噂を流され、抗議をしてから辞める。
そんな時に自宅から歩いて三分の食堂キングでアルバイト募集の張り紙を見て、応募してみると、すぐに採用される。
サチコの新たな人生が開幕する。
こんな風にサチコさんの日常が淡々と描かれたお話です。
こんな女性はさがせばどこかにいそうですね。
食堂キングの奥さんとご主人、常連さんたちがいい人でよかった。
意地の悪い人たちだったら続かなかったでしょう。
それにしてもサチコさんは体が丈夫なんですね。
わたしならすぐに辞めてます。
仕事が事務職で趣味は読書といいますから、体に無理をしていないからかしら。
普通なら腱鞘炎になったり、腰痛になったり、色々と体が悲鳴を上げると思いますけど。
恵まれていますねぇ。
食堂キングの行く末も、謎の女スズコのことも明らかになっていないので、続編がありそうですね。
淡々と行くのもいいけど、サチコさんの心がもっと波立つことが起こることを期待しています。
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