阿部暁子 『カフネ』 ― 2026/10/22

2025年本屋大賞受賞作品。
大賞を取ったので図書館で借りようとしたら、何百人も予約していたので諦め、文庫本になったので読みました。


弟の春彦が死んだ。
自然死だというが、本当だろうか。
法務局に勤める野宮薫子は、弟の遺言で受遺者となった元恋人の小野寺せつなに会いに行く。
愛嬌もそっけもないせつなは取り付く島もなく、遺産はいらないと言う。
言い合いになったときに、薫子は気を失う。
救急車を呼ぼうというのを断り、タクシーを呼んでもらい、一人暮らしのマンションに帰るが、心配したせつなはついてきて、無理やり家の中まで入ってくる。

薫子は去年、離婚していた。
予兆のようなものはなかった。
離婚で生皮を剝がされるような痛みを感じたが、春彦と過ごすひとときに癒されていた。
それなのに…。
酒に逃げる毎日で、部屋の中は今やゴミ溜めだ。
せつなはそのことには触れず、昼食を作って、いっしょに食べて帰っていった。

薫子の誕生日の日、春彦から荷物が届く。
いっしょにせつなへの鉢植えまである。
添えられたカードにせつなに渡して欲しいと書いてある。
泣きながら酒を飲んでいると、せつなから電話が…。

二度目に薫子の部屋にやってきたせつなは、部屋がきれいになっているのに驚き、薫子を掃除の有段者だと認め、自分の勤めている家事代行サービスの会社「カフネ」でやっている『チケット』という活動を手伝ってくれないかと薫子に頼む。

せつなといっしょに二時間無料の家事代行ボランティアをやるうちに、薫子は…。


41歳の薫子は四角四面の性格で、誰にでも愛される弟に劣等感を感じつつも、努力して何でも手に入れましたが、どんなに努力しても子どもは授からず、離婚までしてしまいます。
自分は女として、人として価値がないのではないかとまで思いつめます。
しかし、ボランティアで「ありがとう」と言われたことで、少しずつ変わっていきます。
薫子と春彦の親ははっきり言うと、毒親です。
自分の生きる道を選択した薫子は、そんな親でも最後まで面倒を見ようと決心しています。
大丈夫でしょうか。親とはこれから色々とありそうです。
そんな親、関係を切ってしまってもいいのにと思ってしまいましたがw。

題名の「カフネ」とはポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」のことだそうです。
この題名が相応しい、ちょっとミステリ風の優しいお話です。
私はこんなお話、好きです。

ヨーキー、おもちゃで遊ぶ ― 2026/10/21

いつもおもちゃを持ってきて、遊ぼうと言ってくるヨーキー弟。


この頃はカモちゃんがお気に入り。


その気がないふりもします。


さー、やる気になりました。


カモちゃんを取りに行って、ママのところに持ってきて、床に落としてママにとらせようとします。


ママ、取ってみてよ!
ママが手を出すと…。


カモちゃんを咥えます。
何回も繰り返すので、だんだんとめんどくさくなってきたら、ハウスに入って終わります。
別の日にはクマちゃんで遊びます。


遊ぶ前から頭の毛が乱れていますねぇ。


はい、クマちゃんを取ってください。


ママはトロイですねぇ。
何回も持って来いを繰り返し、最後は自分のハウスの中に持って行ってしまいました。


遊びは終わりです。
昨日は珍しくアヒルちゃんを持ってきました。


ジッとアヒルちゃんを見ています。
このままにしておくと、取ろうとジャンプしてきます。


ヨーキー特有の床をはうような走り方です。


もう一度、お願いします。


僕は待っています。投げてください。


アラ、ヨーキーを邪魔しようと兄が前を横切っていきます。


もう一回。

アヒルちゃんは飽きたらしいので、クマちゃんを投げます。
ところがクマちゃんを持ってこようとしません。
では、最後にカモちゃんの登場です。


飽きたら片付けせずに置いておくのは人間の子どもと同じ?


ママとカモちゃんの取り合いをします。
ママが勝ち、カモちゃんを投げました。
何回もやったので疲れたのか、ハウスに持っていきました。


ハウスに入ったら遊びは終わりです。
兄はおやつが待てず、ソファの上でクウ~ン、クウ~ンと鳴いています。


はい、おやつです。

カモちゃんをハウスに持っていった弟は夜の歯磨きの時、カモちゃんを咥えて離しませんでした。
おやつを見せてもなかなか離さないんです。(躾が悪くて…)
おやつよりもおもちゃがいいんですねww。

近藤史恵 『たまごの旅人 プリンセスとお茶』 ― 2026/10/20

「たまごの旅人」シリーズの二作目。


「1st trip 松島(ソンド)の天使」
堀田遥は外国人観光客向けの飲食店の契約社員。
元は海外旅行添乗員だったが、コロナ禍の影響で仕事がなくなり、飲食店のバイトを始めたのだ。
正社員になり店長になるという話があるが、迷っている。
そんな時に三日ほど休みが取れることになり、去年の夏に続き、韓国にやって来た。前回はソウルだったが、今度は釜山だ。
バスに乗り、松島に行き、どこに行こうかと考えている時に、遥は天使に会った。

「2nd trip ブタペストの貴腐ワイン」
飲食店を辞め、五年ぶりにフリーの海外旅行添乗員を始めた遥の最初の仕事は「ウィーン・ブタペスト七日間。ハプスブルク家の歴史をたどる旅」。
五年のブランクがある出戻り添乗員であることを隠し通さなければと思う遥。
それなのにツアー客の六十代後半の夫婦の妻が食事中に離婚しましょうと言い出した。

「3rd trip 王女様と召使い」
十一月の頭、遥はロンドン七日間の旅を引き受けるが、参加者は三十四歳の女性がひとり。彼女の希望はミュージカルを見て、アフタヌーンティをすること。
空港に現れた彼女は思いもかけない服装だった。
彼女がロンドンに来たのには何か理由がありそうだった。
遥は彼女と上手くやっていけるのだろうか。

「4th trip ひとりとふたり」
二月に遥は女性ひとり客限定のベトナムツアーに添乗する。
特に問題もなくスムーズに進んでいたが、ツアー参加者の中に以前からの友達であることを隠して参加している人たちがいるという匿名のクレームがくる。
友人なのは誰で、一体誰がクレームをしたのか?

「5th trip リスボンの犬」
「ポルトガル十二日間、ヨーロッパの最果てを見る旅」に添乗していた遥はポルトガルに恋してしまう。ご飯は美味しいし、街も空気さえも肌になじむ。
気になる参加者は疲れやすいと言っていた六十代女性とひとり参加の三十代半ばの女性、青柳さん。
青柳さんはリスボンのホテルの前にいた犬に懐かれ、餌付けをしてしまう。
私たちは旅人で、犬の責任は取れないのだが。

こういう本を読んでいると、旅に出たくなりますね。
特に今回はハンガリーとポルトガルに興味が湧きました。
ポルトガルは映画「ポルトガル、夏の終わり」を観たときに行きたいと思っていましたが、本当にいい国なのですね。
次はポルトガルに行こうかしら。
ポルトガル語をやってみるのもいいかも。
ベトナムは見るところがあるのかしらと思っていましたが、あるんですねぇ。
知りませんでした。
まだまだ行っていない国がありますから、体力をつけ、お金を貯めて、行きましょう。

前回のように問題のある参加者はいません。
その点、嫌な気持ちになることはないですし、遥も慣れたのか添乗員の仕事の大変さが前面には出ていません。
物語として考えると、ツアーなので仕方ないのかもしれませんが、ほぼ全部どこに行ったのか書いてあるので、それがちょっと余計に感じてしまいました。
もっと簡潔にしてもよかったかも。
それでも最後の犬が出てくるポルトガルのお話が一番好きです。

遥は「わたしは、世界が同じ色ではないことを知りたいから、旅に出るのかもしれない」と言っていますが、そうなのかもしれないですね。
大分前から若者が海外に行かなくなったといわれています。
ネット社会になり、海外のことがわかるようになったので、なおさら行かなくなりそうです。
特にトイレのことを聞くと、行く気にならないかも。
中国の青空トイレとかインドの喧騒なんか、いい思い出になってますww。
体験するのと見て知ったと思うのとは違うと思いますので、一度でもいいから、外国に行ってみるといいのではないでしょうか。

とにかく女性の旅行好きの方にピッタリの本です。

柴田よしき 『ドント・ストップ・ザ・ダンス』 ― 2026/10/19

花咲慎一郎シリーズの六作目になります。
2009年に出版されてから書かれていませんが、物語は終わりではないので、麻生龍太郎シリーズのように作家さんの気まぐれで続きを書いてくれるのを待つしかないようです。


花咲慎一郎ことハナちゃんが園長をしている無認可保育園「にこにこ園」では、昔は人気があったが今は売れない推理作家の並木俊太郎の子で、五歳の浩太郎を長時間、預かっている。
逃げた母親が残した借金の返済があるため、並木は仕事を探しながら、昼間に小説の執筆をし、ハローワークに通い、夜にオフィスビルの掃除とラーメン屋の皿洗いのバイトを掛け持ちしている。

その頃、ハナちゃんは城島に呼ばれ、パリでケーキコンテストの賞を取り、日本に帰国したケーキ職人内野真哉の身辺調査の仕事を任される。
経費は使い放題だというが、うさん臭さを感じながらも、背に腹は代えられないと調査を始めるが、内野には殺人疑惑があり、命を狙われているという噂があった。

そんなある日、並木が何者かによって金属バットで頭を殴られ、病院に運び込まれる。
手術は成功したが、意識不明のままの状態が続いている。
このままでは浩太郎をどうするのか、入院費は誰が払うのかという問題が発生する。

仕方なくハナちゃんはケーキ職人の身辺調査をやりながら浩太郎の母親、久美の行方を捜し始める。
ピンチに陥りながらも、ハナちゃんは捜索を続ける。
すると思いがけない接点が見つかる。

いつも思うのですが、ハナちゃんの子どもに対する思いが素晴らしいです。
子どものためならたとえ火の中、水の中であろうが躊躇なく飛び込んでいきます。
子どもは未来の希望ですものね。
彼のように思う人が増えれば、日本ももっとよくなるとは思いますけど…。

残念ながら山内練との絡みは少なく、まあ、彼の秘書の長谷川環が出てくるからいいかって感じです。
でも、これで終わりはないでしょう。
続きをお願いします。
私はその間に猫探偵正太郎シリーズかお勝手のあんシリーズを読んでいます。

<シリーズの順番>
⑤『ドント・ストップ・ザ・ダンス』(本書)


<ヨーキー弟のこの頃>
兄は一人(一匹)できままに走るのが好きですが、ヨーキー弟はおもちゃがないと走りません。


ビニールのアヒルちゃんはお年なのか、この頃咥えにくいらしいので、仕方なくカモちゃんを渡しました。
カモちゃんをママが取りにくるように、わざと床に置いています。
明日にでもヨーキーとカモちゃんの様子をお伝えしますねw。

柴田よしき 『ア・ソング・フォー・ユー』 ― 2026/10/18

花咲慎一郎シリーズの四作目。
なんで続けて紹介しているかというと、五作目がkindleでは発売していなくて、文庫本を図書館で借りたのです。
期限があるので、返す前にサッサと五冊目を紹介したいのです。
それにまた四冊、新刊の予約本が入ったとメールが来たし。
出版社にも新刊を出す時期を考えてもらいたいものです。
他にもやらなければならないことがあり、眼精疲労がひどくなるばかりです。


では、花咲慎一郎ことハナちゃんが関わった案件を紹介していきましょう。

「ア・ソング・フォー・ユー」
ハナちゃんが城島から紹介されたクライエントは、エミコ・バーナビーというハリウッド・スターの妻。
案件は人探し。十五年前、美容師として働きながら横浜のアパートで一人暮らしをしていた頃のこと。地下鉄の銀座線に乗っていた時、座っていた彼女の前に大学受験用の参考書を見ている高校生の男子が立っていた。問題集の表紙を見つめていた彼女の膝の上に呪いの藁人形が落ちて来た。その藁人形を持っていた男子を探して欲しいというのだ。

「アカシアの雨」
にこにこ園のある建物と隣の建物の隙間に誰かが生後数日の新生児を捨てていった。警察に届けると、赤ん坊をくるんでいたタオルから覚醒剤が見つかる。
まさか小学生が赤ん坊を産み、捨てたのか…。気になるハナちゃん。
そんな時に、城島が寄こしたのは、行方不明のオカメインコ探し。

「プレイバックPART3」
ハナちゃんの知り合いの元ハコ師で今は靴磨きをしているカンちゃんが女に突き飛ばされて足を骨折した。怒ったハナちゃんはその女を探すことにする。

「骨まで愛して」
ハナちゃんは恋人でカウンターだけのレストランのオーナーシェフ、里紗から探偵仕事の依頼を受ける。常連客の母親が内縁だった男性の骨を家に置いておいたら、それがなくなったという。盗んだ相手は見当がついているというが…、

長谷川環がまた登場。嬉しいですね。
ハナちゃんが気に入ったようで、彼女がハナちゃんをいたぶるところなんか、好きですww。
山内練の片思いの男=麻生龍太郎までちょこっと出てきて、欣喜雀躍。
シリーズも後、一冊になってしまい、読み終わるのが楽しみでもあり、終わってしまうのが悲しくもありという感じです。


<この頃の兄犬>

夜はママのベッドの上で寝るのが定位置になってきました。
ママに遅くまで予定があると、起きれないことがあり、ママのベッドにはこれませんが、頑張って起きようとしています。


これなんか、ぐっすり眠っていて、ママが動いでも起きません。
かわいいんですが、朝の五時半ごろにママの上にのって起こすのは止めて欲しいですw。

柴田よしき 『シーセッド・ヒーセッド』 ― 2026/10/16

本業、保育園の園長、副業、探偵という花咲慎一郎シリーズの三作目。


「ゴールデンフィッシュ・スランバー」
花咲真一郎のところに城島からストーカー被害に遭っている女性依頼人がまわされてきた。
立花亮子、二十一歳、自由業。
ここ二、三年以内に別れた恋人が、俳優の辰波嶺二。
ここで芸能音痴のハナちゃんは気づく。
この女は中・高校生にカリスマ的人気を誇る歌手、A-YAだと。

三ヶ月前、一部の人間にしか教えていない携帯に無言電話がかかってきた。
非通知の着信を拒否したら、今度は白紙のハガキが三~四日おきに届くようになり、最後の一枚にエンボス加工で「死ね」という文字が施されていた。

何で売れっ子の芸能人が城島のところに仕事の依頼をしたのか?
何か裏があるのでは?
そう思い城島に問い詰め、警察に介入してもらうように進言したが、とにかく城島は脅迫者が誰なのか突き止めてくれと言う。

とりあえず亮子がピックアップした携帯番号と住所を知っている人のリストをもとに、聞き込みを始める。
そんな時に亮子のマネージャーから亮子にまつわる思わぬことを聞く。

「イエロー・サブウエイ」
山内練の個人秘書、長谷川環から依頼を受ける。
生後二か月の赤ん坊の母親捜し。
赤ん坊の父親があのイースト興行社長、山内練で、母親はイースト興行傘下のデートクラブで働いていた菅野美夏。
彼女は山内のマンションの部屋の前に赤ん坊を置いていなくなった。

美夏とマンションの部屋をシェアしていた女に話を聞くと、美夏が置いて行った荷物を会員制スポーツクラブのロッカーに保管してあるという。
なんとそれは大粒のダイヤモンドらしき宝石が埋め込まれた、大きなブローチ。
赤ん坊の母親捜しが、とんでもない騒動に巻き込まれることになるのか…。

「ヒー・ラブズ・ユー」
城島から三日でカタがつく、ヤバクないという仕事を受ける。
ある女の尾行を含む素行調査。
依頼人はノーベル化学賞の候補者、竹本信三。
竹本に会ってみると、ストーカーかと思えるほど、その女に関して情報収集をしていた。
明日からロンドンに行くらしく、毎日、調査結果をメールするように指示される。
メールだって!JPEGって何だ?インターネットなんてやってないよ、と焦るが、とりあえず園のバイトの子に教えてもらう。

尾行はひとりではできないので、助っ人を笹村えつ子に頼む。
えっちゃんは探偵のイメージから遠い女性で、女性探偵の中でも指折りの優秀な探偵だ。
えっちゃんは早々にターゲットが勤める研究室の教授と仲良くなる。

ところがビルの非常階段の踊り場で監視をしていると山内が現れ、美夏の子どもと正式に親子鑑定をしたいと言い出す。
なにやら事情が変わったというが。
ついでに山内は園で預かっている子供の保護者のことで忠告して去っていく。

そんな日に、ターゲットはいつもと違う行動を取る。
彼女は誰かを脅迫しているのか…。


今回は短編集でした。
一章であったことをずっと引きずっているハナちゃんでしが、どうしようもないです。それも彼の気の良さの表れです。
山内練が出てきて、嬉しくなりました。
RIKOシリーズとはまるっきり違う山内です。
彼は女はあまり好きじゃないようです。
ハナちゃんは男で身体の芯から善人だから、山内は彼に対して優しい(程度の問題です)のでしょう。

とても魅力的な登場人物が出てきました。
長谷川環です。
彼女は性別適合手術を受けて女性になった人です。
子ども好きな面があり、用事がなくても「にこにこ園」にやって来て、子どもたちと触れ合っています。
このシリーズを読まなければわからなかった一面です。

ハナちゃんがメールやらネットで困っているのは、この本が出版されたのが2005年だからです。
その頃は今ほど一般的ではなかったのです。
今の若者は携帯とかネットがなかったころなど想像ができないでしょうね。

あと二冊あるようなので、楽しみに読んでいきます。

「マリメッコ展 模様のちから Marimekko:Art of Printing--Beauty, Dream, Love」 ― 2026/10/14



東京都庭園美術館で行われている「マリメッコ展」に行ってきました。
失敗だったのが、先着順で来館者にミニカードが一枚、プレゼントされるらしく、最初の回の入場者が多かったみたいだったことです。
いただいたのが、目玉みたいなもので、もらってもねぇ…。
知っていたら午後にしたのになぁ。


マリメッコというと、結構知っている人が多いと思いますが、一応、説明を載せておきます。


「フィンランドを代表するデザインハウス、マリメッコ。その名は「マリのドレス」を意味します。1951年の創業以来、鮮やかな色彩と大胆な模様によって、ファッションからインテリア、テーブルウェア、日常の小物にいたるまで、私たちの暮らしを明るく彩るデザインを生み出してきました。
これまでに世に送り出されたプリント・デザインは3,500種類以上にのぼり、世代や国境を越えて広く支持されています。」


マリメッコの創業者のアルミ・ラティアはラドガ・カレリア地方で生まれました。
大学でテキスタイルを学んだ後、広告代理店でコピーライターとしてキャリアを積み、1951年に夫のヴィリヨ・ラティアと共にマリメッコを立ち上げた、フィンランドで最も有名な起業家です。
彼女の波乱万丈な人生は、私はまだ見ていませんが映画「ファブリックの女王」で描かれているようです。
表題の「Beauty, Dream, Love」は彼女が14歳の日記に書いたものからとっているようです。

「ただひとつの責任は、美。
 ただひとつの現実は、夢。
 ただひとつの強さは、愛。」


彼女は早熟な少女だったのでしょうか。
ちなみに「Mari」は「Armi」のアナグラムだそうです。
この展覧会のところどころに彼女の言葉が表示されています。

写真を写せるのは、本館の第二、三展示室と新館の三部屋のみです。
とにかく人、それもほぼ女性で、室内が狭いため込み合っています。
人を写さないように写真を撮ったので、横からの写真が多いです。


じっくり見ようとする人が多く、詰まってしまい、立ち止まらないで奥へ入って下さいと何回も言われていました。
とてもゆっくり見る雰囲気ではないので、説明など見られませんでしたので、印象に残ったことだけ書いていきます。


二階にマリメッコの日本人デザイナー、脇坂克二さんのデザインしたものが展示されています。
和テイストだなと思えるものでした。
カーテンや壁一面に張られたファブリックなどがとてもこの邸宅と合っていました。家にも欲しいわw。
新館への途中にあった輪飾りの展示もよかったです。
後から調べると、「ミナ ペルホネン」の皆川明がデザインした新作ファブリックと、マリメッコのアーカイブ・ファブリックを用いて作った、「皆川明との新たなクリエイティブ・ダイアローグー国境・領域・時を超えて」でした。

新館ではマリメッコのファブリックの作る過程がわかります。


切り絵みたいのを作って配置を考えているのかな。



デザイナーたちの試行錯誤の様子がよくわかりますね。


シルクスクリーン版。


工場の機械が印刷していく様子。
最後の展示室が面白かったです。
ずっとスクリーンを見ていたいと思いました。

マリメッコは好きですが、大きな柄のものは着る勇気がありません。
西洋人には合いそうですが、東洋人にはどうでしょう。
今年、フィンランドでTシャツとワンピースを買いました。
どちらも地味な小さなウニッコの柄のものですが、ワンピースは旅行先で着ただけです。
マリメッコってすぐにわかるものは町では着にくいです。
可愛いんですけどね。


庭を通って帰ることにしました。


西洋庭園の方から出ようと思っていたら、工事中で入れません。


仕方ないので、芝庭に戻ります。



後ろから北海道美唄市出身の安田侃作、「風」を撮ってみました。
入り口のところで雨が降って来たので、テントでしばし休憩しました。


家にあるマリメッコのガラスのお皿にもらったミニカードを載せてますw。
目黒駅前に人気のパン屋があるというので、行ってみました。
「Les Joues de Bébé」という名前のパン屋で、外国人観光客も並んでいました。
イートインはいっぱいで、待たないと座れません。
あまりゆとりのない席なので、ランチは諦めて、パンを買ってきました。


クロワッサンとチョコクロワッサン、カレーパン、そしてマリメッコはフィンランドなので、シナモンロールです。
美味しいかしら?

<参考>

秋川滝美 『朝焼けキッチン』 ― 2026/10/13

図書館の本が溜まってきているので、急いで読んでいます。
4~5冊も予約の本が来てしまうと、困ります。


第一話:キッチンカー始動
25歳の八嶋鼓乃果は大学を卒業してから家族で営むスーパー『八嶋マート』で働いていた。
というのも就活の時に、ストレスから体が不調になってしまい、就活ができなかったのだ。
タイミングよく従業員が辞めることになり、『八嶋マート』で働くことになったのだ。
しかし、初めのうちはまともに働けなかった。
やっと一年半を過ぎた辺りから丸一日働けるようになった。
だが根っからの真面目体質なので、このまま家族に甘えていてはいけないと思い、スーパーで出る『元』商品を使ってなにかできないか、と考え始めた。
その結果、キッチンカーで使うことを思いついた。

第二話:夜間労働者の悩み
開店したはいいが、なかなかお客は来ない。
一応、常連客らしき人はできた。
その一人、工場勤めの男性から鼓乃果はアドバイスをもらい、店名や営業時間を変えることにする。
店名は「キッチン・アルバ」。営業は早朝のみ。

第三話:酔っ払い登場
午前四時半に現れた酔っ払いの女性、ルイと彼女を探しに来たジュンジと鼓乃果は親しくなる。
どうもルイは職場に問題があって酔っぱらうほど飲んでしまうようだ。
ルイの愚痴を聞くうちに問題の根底にあることが明らかになる。

第四話:ドライバー親子の食事情
ある日、キッチンカーに中学生の少年がやって来る。
その日は校外学習なのに、トラックドライバーの父親に言うのを忘れ、お金がなくてお弁当を買えないというのだ。
父親が帰ってきてお金がもらえたら払いに来るということで、鼓乃果は彼にお弁当を作り、渡した。
しかし、なかなか少年は来ない。
常連さんに彼のことを話していると、ドライバーの父親が現れる。
彼ら親子のことが気になる鼓乃果はお節介を焼いてしまう。


秋川さんの作品の特徴で、基本、いい人しかでてきません。
家族関係が本当に羨ましくなるほどいいです。
でてくるお料理も美味しそうです。
こんな風にうまくいくと、本当にいいですね。
私みたいにちょっとひねた人はそこまでやるんかいと思っちゃうところが多々あります。
友人関係に問題ないみたいに書いてあるけど、鼓乃果の性格ならありそうなんだけど…。

しんどいお話は読みたくない方にはピッタリかも。
お仕事の本としては勧めません。

<三連休のわんこたち>
土曜日はパパはお仕事で、日曜日はママパパは用事があり、お出かけしたので、公園には行けませんでした。


日光を浴びるように昼間にお散歩すると、結構暑かったです。


兄はよくママの方を見ます。ママ=おやつになってしまったらしいです。


珍しくヨーキー弟がママの方を見ました。


水飲みを差し出すパパがかわいそうですねww。


残念でした。ママはおやつを忘れてきました。


ちょっと熱いので、サッサと帰りましょうね。

石田衣良 『乙女道 スカウト狩り 池袋ウエストゲートパーク22』 ― 2026/10/12

池袋ウエストゲートパーク・シリーズの22作目。


「北口ゾンビタバコ」
トラブルシューターのマコトに池袋の王様・安藤崇(タカシ)から電話がある。
仕事の依頼だ。
案件は「ゾンビタバコ」。依頼人は台北から来た林永永(ヨンヨン)。
ひと月前、ヨンヨンの兄、林銘傑(ミンチェ)が池袋大橋の側道に停めた車のなかで、遺体で発見された。
アルコールと薬物を摂取していたらしい。
ヨンヨンは兄が死ぬ前にどんなふうに生きていたのか知りたいという。
ヨンヨンの兄、ミンチェはゾンビタバコのディーラーの可能性がある。
マコトはその可能性も含め、調査を始める。

「埼京線スクランブル」
タカシから仕事依頼が来る。
今回は埼京線のゴキブリ退治だ。
Gボーイズのメンバー、ナツキの妹、ユノの友達、カエデが埼京線の集団痴漢被害に遭っているという。
彼らはSNSで呼びかけて、集団でひとりの女の子を狙っているそうだ。
つぎの犯行予告は来週の水曜日。
マコトとGボーイズの出番だ!

「池袋極楽マンション」
十二月だというのに、裸足にビーチサンダルを履いた小柄な女の子がマコトの店がある西一番街を歩いている。
お節介焼きのマコトの母親が彼女を呼び止め、みかんと化粧品を渡す。
マコトは彼女から名前と年齢を聞き、彼女を尾行する。
彼女が入っていったのは、北口のラブホ街にある半分風俗が入っているマンションだった。
母親に頼まれ、彼女を救うためにマコトは頭を絞る。

「乙女道スカウト狩り」
ネットでマコトのことを知ったと言って、志崎新多がやって来る。
彼の妹のハルヒが専門学校の声優科で勉強するのと並行してアイドルをやりたいという。
彼女が声をかけられたのが、地下アイドル専門の事務所、FLORAプロジェクト。
マコトにその会社の代表、華村玲侍を調べてもらいたいという依頼だ。
調べ始めると、とんでもないことが判明する。

「ゾンビタバコ」の成分はエトミデートという合成の医療用麻酔薬で、通常は静脈内に注射や点滴で入れます。即効性が高く、数秒で劇的な鎮痛効果があります。
ところが電子タバコのカートリッジに数滴たらし、気化したエトミデートを肺から吸入すると、即効的に中枢神経系が抑制され、身体が小刻みに震えたり、意識が朦朧としてふらついたり、路上に倒れこんだりし、その姿がまるでゾンビのようであることから「ゾンビタバコ」とか「ゾンビVAPE」と呼ばれるようになったそうです。
近頃では広島東洋カープの選手が摘発されています。
違法薬物なので、絶対に手を出してはいけないものです。
それからこの頃のデザイナードラッグって普通に売っているお菓子やサプリメントに酷似した形やパッケージのものがあるそうです。
知らない人からもらったお菓子やグミ、カプセル状のものは口にしないようにしないとダメです。
嫌な世の中になりましたね。

東京で痴漢被害に遭ったことのない女性は少ないと思います。
本に書いてあるようなことをされたら、男性不信や男性恐怖、PTSD、うつ病、パニック障害など様々な精神的・心理的な影響が出るのが当たり前です。
痴漢は迷惑行為ではなく、犯罪です。
警視庁では防犯アプリ「デジポリス」を提供しているので、痴漢に困っている人は使ってみてください。


風俗の方は全く分からない世界ですが、違法に未成年者を働かせているところがあるんですね。
取り締まりもなかなか一筋縄でいかないようですが、警察の方々、頑張ってください。

スカウトグループは「トクリュウ(匿名・流動型グループ)」のひとつのようです。
SNSや求人サイトなどを通じてメンバーを集め、女性を性風俗店やメンズエステなどに違法に紹介して多額の利益を得ているらしいです。
男性、女性、関係なく、簡単な仕事で高収入とか書いてあるものには応募してはいけませんね。

昔に比べると、危ない世界への入り口は益々広くなっているようです。
どう騙されないか、気をつけていかなければなりません。
このシリーズを読んで、現代の犯罪について知ることも役に立ちそうです。
是非、若者たちに読んでもらい、犯罪に巻き込まれないように自衛してもらいたいです。

中山七里 『刑事葛城 正義の銃弾』 ― 2026/10/10

中山さんはすごいですねぇ。
『暗殺の交響曲』の後、一カ月でこの本が出版されました。
新しいシリーズです。


新宿歌舞伎町で広域指定暴力団宏龍会とトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)の大規模な銃撃戦が起きた。
銃撃戦は鎮圧されたが、その現場で組織犯罪対策課の鍬形松彦が至近距離から額を撃ち抜かれて死亡しているのが発見された。
そばに凶器となったトカレフが落ちていた。

鍬形は殉教者として祭り上げられ、警察庁主催の葬儀が執り行われた。

警視庁捜査一課の葛城公彦は鍬形の死に疑問を持つ。
鍬形は至近距離にいた身内に狙撃されたのではないのかと。

葛城は新宿署刑事課の紅島雛多と組み、聞き込みを始める。


このお話では鍬形を殺した犯人は最初からわかっていますが、あえてここには書きません。
犯人は動揺がすぐ顔に出る人らしく、動機がイマイチで、ちょっと残念でした。

葛城ってどのシリーズに出て来たのか、記憶にありません。
そこでAIに聞いてみると、『静おばあちゃんにおまかせ』や『秋山善吉工務店』、『有罪、とAIは告げた』に登場しているそうです。(間違っていたらAIのせいよw)
葛城って刑事らしさが一片も感じられず、「澄んだ目に童顔、物腰の柔らかさは実直な営業マンを彷彿させる」人らしいです。
滋賀県出身で彼女がいるらしい。(高遠寺円の彼らしい)
ようするに平凡な男で、温厚で人当たりがよく、威圧感を感じさせないので、子ども受けがいいようです。
「一番刑事らしくない刑事」、「善意の塊」で、「罪は憎んでも、犯人は憎まない」という信念の人だそう。
刑事の中で一番やっかいな刑事ですね。
そういう刑事なので、私は彼にあまり魅力を感じませんでした。
やっぱり癖のある刑事の方が好きです。

中山さんはこれから葛城のシリーズを書いていきそうですが、葛城が犯人をどうじわじわと追い詰めていくのかという犯人との心理戦が主となるのでしょうね。
次回はもっと骨のある犯人をお願いしますww。