森見登美彦 『夜は短し 歩けよ乙女』2007/11/06

これも司書の人のお薦め本です。
28歳の森見登美彦という奈良県生まれ、京都大学卒の人が書いた、ファンタジーノベルです。
出てくるヒロインが、メチャかわいいのです。
黒髪の乙女で小柄で、何故かいつも一人で歩いています。
見掛けに似合わずウワバミのように酒が強く、不思議な行動の多い人です。
学園祭では、手に入れた鯉のでっかいぬいぐるみを背中にしょい、こけし達を首にかけ、平気で歩いているんですから。
彼女に恋したのが、私=先輩。
彼女が行くという所には必ず行って、偶然を装うという、ちょっとストーカーが入ってる妄想癖のある男性です。
他の登場人物も普通じゃない。
春画大好き、スケベオヤジの錦鯉センターの東堂さん、金貸しで強突張りで、いろいろな催し物をやっている不思議な人物、李白さん、酒が好きで、人の宴会に紛れ込み、人の顔をなめるのが好きな羽貫さん、色あせた浴衣をいつも着ていて、自分は天狗だと言っている樋口さん、ある願掛けのために、パンツを替えないという、バッチイ、パンツ総番長などなど。

京都が舞台で、話が不思議。
李白さんとの酒飲み勝負では、偽電気ブランという酒が出てきて、この酒、芳醇な香りがする無味の飲み物で、口に含むと花が咲き、お腹の中が花畑になってしまうなどと書いてあり、そんな酒飲みたいと思います。謎の人物、李白さんが、火鍋というものをやり、最後に勝ち残ったらなんでも好きな古本をやるという話なんかがありましたが、ちょっとその火鍋などというものを食べてみたいと思ったりもしました。
とんでもなく辛いのだそうです。

他にも学園祭の話や、風邪が京都中に蔓延する話など、笑ってしまいます。
物語の最後はほんわか、幸せな気分。
もちろん、黒髪の乙女と先輩はハッピーになりますよ。
鹿男よりもこちらの方がお勧めです。