川口俊和 『コーヒーが冷めないうちに』&『この嘘がばれないうちに』2018/09/17



もともとは舞台の脚本だったと聞いて、納得しました。
映画化されているようですが、どうでしょう?

ある喫茶店のある席に座り、コーヒーを飲むと過去に戻れる。
そういう都市伝説のある喫茶店のお話。
ただし、過去に戻れるとは言っても、この喫茶店の中だけ。
ということは、喫茶店に来ていない人には会えないと言うこと。
そして、会えるのはコーヒーが冷めない間だけ。
過去に戻っても、現実に起きた出来事は変えられない。
それでも過去に戻りたいですか?

私には過去のいつに戻りたいかを考えてみても、戻りたい時はありませんでした。
戻って、もう一度人生をやり直せるなら、お願いしてもいいかな・・・。
たぶん、こう思う人って多いですよね。

本の中のいい言葉を。

「心ひとつで、人間はどんなつらい現実も乗り越えていけるのだから、現実は変わらなくとも、人の心が変わるのなら、この椅子にもきっと大事な意味がある・・・)」(『コーヒーが冷めないうちに』より)

「・・・あなたは幸せになっていいんです」(『この嘘がばれないうちに』より)

本屋大賞2017年のノミネート本でもあるので売れたのでしょうね。
今思いつく文庫本で出ている本では、喫茶店の話なら『珈琲屋の人々』(池永陽著)、死者に会う話なら『ツナグ』(辻村深月著)、若年性アルツハイマーなら『明日の記憶』(萩原浩著)の方がお勧めです。
次に何を読もうかと迷ったら読んでみて下さい。
あ、ちょっと重いかもしれませんので、軽い物を望む人は止めた方がいいかも。