大門剛明 『不協和音 3 刑事の信念、検事の矜恃』2021/12/27

刑事になった兄・川上祐介。
検事になった弟・唐沢真佐人。
別々に育てられた二人は京都で再会し、反発し合いながらも共に事件に挑み解決していくシリーズ。
彼らの父親は元刑事で、「冤罪事件」を生み出したと言われており、二人は協力して父の事件の真実を追究していく。


<第一章:メドゥーサの証言>
父の事件のことで相談をしている元警察官・加藤博行に会いに行く途中で、祐介は火事に遭遇する。逃げ遅れた子どもを助けたのが加藤だった。彼は警察を辞めてからも散歩と称してパトロールをしていたという。病院に運ばれ、命をとりとめたが意識が戻っていない。
真佐人が助けられた子どもから話しを聞くと、放火犯の腕にメドゥーサの顔があったという。

<第二章:足跡>
強盗事件で呼び出された祐介。
認知症の妻の面倒をみている男の介護士が怪しいという証言から聴取をするが…。

第三章:かすり傷
事故を起こした車のブレーキホースが切断されていた。被害者は夫からDVを受け、夫と別居している妻。夕食後、窓の外に夫がいるのを見たと言っている。

<第四章&第五章:不協和音>
三十一年前の久世橋事件では、大山三郎兵衛という老人が殺され、三千万円以上の現金が盗まれた。西島茂という男が逮捕され、祐介たちの父、大八木宏邦が彼を取り調べ、自白させた。しかし九年後、西島は再審で無罪となる。
大八木は冤罪を生み出した刑事として周囲に責められ、失意のうちに死んだ。
昨年、西島は祐介に自分は無実であると言い残して亡くなった。
父は西島に謝罪し、犯人を捜していたことがわかる。
祐介たちは日常の事件を追いながら独自に久世橋事件を調べていくうちに真犯人と思われる男に行き当たる。


これでシリーズは完結でしょうか。
刑事の兄が検事の弟と比べると熱血すぎて、何回も兄だよねと確かめてしまいました、笑。

「捜査本部が一度方針を決めると、捜査員はそれに従うしかない。異を唱えることは許されず、一枚岩を強いられる」
「調和のとれた美しい音だけが残され、邪魔な音は排除される」

同調圧力は警察だけの話しではないですね。
行き過ぎると生きにくい世の中になってしまいます。
コロナ禍の今もちょっとそういうところがありますよね。

この作品は私は見たことがありませんが、テレビドラマにもなっているようです。
祐介が田中圭、真佐人が中村倫也。
写真でみると、ちょっとおちゃらけているのかな…?

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