「プラン75」を観る2023/02/28



2025年、若者が老人を襲撃するという事件が立て続けに発生していた。
老人が増えすぎたしわ寄せが若者にきていると、恨みに思っての犯行だ。
国会では75歳以上の老人が死を選択することができるという制度<プラン75>が可決される。
テレビでは<プラン75>のCMが流れ、街中に<プラン75>を推進する広告が…。

角谷ミチは78歳。夫と死別し、ホテルの清掃員をして生計を立てている。
ミチの住んでいる部屋は立ち退きを迫られている。
そんな中、高齢の清掃員が勤務中に倒れたことから、ホテルは高齢者の雇用を止めることにし、ミチたち高齢者は全員解雇されてしまう。
不動産屋に行くが高齢を理由に断られ続け、やっと貸してもらえると思ったら、家賃を二年分先払いするという条件だ。
仕事も見つからず、やっと夜の交通整備の仕事が見つかるが、高齢のミチにはきつい。

マリアは生まれつき心臓の悪い娘の手術費用を稼ぐために、単身フィリピンから日本に来て、介護職員をしている。
仲間から<プラン75>の関連施設を紹介され、働くことにする。

岡部ヒロムは市役所の<プラン75>の申請窓口を担当している。
ある日、彼のところに長年音信不通だった叔父が<プラン75>の申請にやって来る。

にっちもさっちもいかなくなったミチは<プラン75>に申し込む。
ミチのところに死を選んだ高齢者をサポートするコールセンターのスタッフ瑤子から連絡が来る。話し相手ができ喜んだミチは彼女に様々な話をする。
しばらくしてミチは、会うことは禁止されているのだが、黙っていればわからないからと、瑤子にあるお願いをする。
昔夫とデートをしたボーリング場に一緒に行ってくれと。

最後の通話で、瑤子はやめることもできると告げるが、ミチの決意は揺らがなかった。

ミチは<プラン75>の施設に向かう。
同じ日、ヒロムは寝坊をしてしまったという叔父に頼まれ、車で施設まで送っていく。
叔父を引き留めることができず、帰ろうとするヒロムだったが、途中で思い返し、施設まで戻るが…。

近頃「老人は集団自決しろ」などという発言が炎上していました。どういう意図で言ったのかわからないので、ここでは論じませんが、この発言を支持する人は少なからずいるのではないでしょうか。
ひょっとすると<プラン75>のような制度が近い将来できないとはいえないと思います。
老人は生きていく価値がないという社会が生きやすいかどうか考えてみるといいと思います。「老人」が様々な言葉で置き換わっていくでしょうね。

80歳を超える倍賞千恵子さんがすっぴんに近い姿で出てきて驚きました。
彼女の演技を観たことがなかったのですが、ミチという身寄りがなく不遇ではあるけれど、芯の一本通った人をうまく演じていたと思います。
若い頃よりも好きかも。

色々と考えさせられるオススメの映画です。
今ならamazonのプライム・ビデオで観られますので、観たい方は会員になって観てみてください。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2023/02/28/9566034/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。