近藤史恵 『たまごの旅人 プリンセスとお茶』 ― 2026/10/20

「たまごの旅人」シリーズの二作目。


「1st trip 松島(ソンド)の天使」
堀田遥は外国人観光客向けの飲食店の契約社員。
元は海外旅行添乗員だったが、コロナ禍の影響で仕事がなくなり、飲食店のバイトを始めたのだ。
正社員になり店長になるという話があるが、迷っている。
そんな時に三日ほど休みが取れることになり、去年の夏に続き、韓国にやって来た。前回はソウルだったが、今度は釜山だ。
バスに乗り、松島に行き、どこに行こうかと考えている時に、遥は天使に会った。

「2nd trip ブタペストの貴腐ワイン」
飲食店を辞め、五年ぶりにフリーの海外旅行添乗員を始めた遥の最初の仕事は「ウィーン・ブタペスト七日間。ハプスブルク家の歴史をたどる旅」。
五年のブランクがある出戻り添乗員であることを隠し通さなければと思う遥。
それなのにツアー客の六十代後半の夫婦の妻が食事中に離婚しましょうと言い出した。

「3rd trip 王女様と召使い」
十一月の頭、遥はロンドン七日間の旅を引き受けるが、参加者は三十四歳の女性がひとり。彼女の希望はミュージカルを見て、アフタヌーンティをすること。
空港に現れた彼女は思いもかけない服装だった。
彼女がロンドンに来たのには何か理由がありそうだった。
遥は彼女と上手くやっていけるのだろうか。

「4th trip ひとりとふたり」
二月に遥は女性ひとり客限定のベトナムツアーに添乗する。
特に問題もなくスムーズに進んでいたが、ツアー参加者の中に以前からの友達であることを隠して参加している人たちがいるという匿名のクレームがくる。
友人なのは誰で、一体誰がクレームをしたのか?

「5th trip リスボンの犬」
「ポルトガル十二日間、ヨーロッパの最果てを見る旅」に添乗していた遥はポルトガルに恋してしまう。ご飯は美味しいし、街も空気さえも肌になじむ。
気になる参加者は疲れやすいと言っていた六十代女性とひとり参加の三十代半ばの女性、青柳さん。
青柳さんはリスボンのホテルの前にいた犬に懐かれ、餌付けをしてしまう。
私たちは旅人で、犬の責任は取れないのだが。

こういう本を読んでいると、旅に出たくなりますね。
特に今回はハンガリーとポルトガルに興味が湧きました。
ポルトガルは映画「ポルトガル、夏の終わり」を観たときに行きたいと思っていましたが、本当にいい国なのですね。
次はポルトガルに行こうかしら。
ポルトガル語をやってみるのもいいかも。
ベトナムは見るところがあるのかしらと思っていましたが、あるんですねぇ。
知りませんでした。
まだまだ行っていない国がありますから、体力をつけ、お金を貯めて、行きましょう。

前回のように問題のある参加者はいません。
その点、嫌な気持ちになることはないですし、遥も慣れたのか添乗員の仕事の大変さが前面には出ていません。
物語として考えると、ツアーなので仕方ないのかもしれませんが、ほぼ全部どこに行ったのか書いてあるので、それがちょっと余計に感じてしまいました。
もっと簡潔にしてもよかったかも。
それでも最後の犬が出てくるポルトガルのお話が一番好きです。

遥は「わたしは、世界が同じ色ではないことを知りたいから、旅に出るのかもしれない」と言っていますが、そうなのかもしれないですね。
大分前から若者が海外に行かなくなったといわれています。
ネット社会になり、海外のことがわかるようになったので、なおさら行かなくなりそうです。
特にトイレのことを聞くと、行く気にならないかも。
中国の青空トイレとかインドの喧騒なんか、いい思い出になってますww。
体験するのとネットで見て知ったと思うのとは違うと思いますので、一度でもいいから、外国に行ってみるといいのではないでしょうか。

とにかく女性の旅行好きの方にピッタリの本です。