森絵都 『カラフル』2018/06/11

現在、兄犬が私の前で寝ています。
そう、パソコンの前に横たわっているんです。
いつも自分のことに注目してもらいたい犬。
昨夜は帰って来たママの所に、駆けてきてかわいいと思ったけど。
やっぱりウザいわ(笑)。



目覚めると、そこは病院で、知らない男の体に入っていたぼく。
この男、小林真は自殺を図ったらしい。
変な恰好をした天使プラプラから、ぼくは天使業界の抽選に当たり、前世の罪を償うために人生の再チャレンジの機会が与えられ、真の体にホームステイをし、修行することになったということを告げられる。
修行中に自分の犯した罪を思い出さなければならないらしい。

小林家には色々と問題があった。
しかし、真として学校に通学し、真のことを知るようになり、友人もでき、次第に家族を別の観点から見られるようになっていく。

「みんなそうだよ。いろんな絵の具をもってるんだ、きれいな色も、きたない色も。人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。
この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはみんないつも迷っている。
どれがほんとの色だかわからなくて。どれが自分の色だかわからなくて。」

なかなか自分がどんな色かなんてわかりませんよね。
自分の色がわかったら、そのまま進むのもいいけれど、次の色探しに出てもいいと思います。
人間って変わるものだから。
一生、今の体にホームステイして、自分の色を探す旅が人生なのかな、と思います。

十代の頃に読んだら、どんな感想を持ったのか、知りたいです。