宮部みゆき 『昨日がなければ明日もない』2019/01/09

用事で代官山に行ったついでに蔦屋に行ってみました。


本の並べ方とか素敵です。


Anjinでお茶をしました。
メニューはタブレットで見ます。
タブレットでAnjinにある蔵書の検索ができたり、朝日新聞とかが見られます。


抹茶と柚のケーキ、美味しかったです。
日本人だけではなく、外国人(たぶん中国系?)が沢山来ていました。



杉村三郎シリーズの五作目。三作品が収録されています。

離婚した後、探偵事務所を開業した三郎。
やってくる事件はどれも気持ちのいいものではありません。
まず、一つ目。
自殺未遂をして病院に入院したというのに、娘に会わせてもらえないと相談に来た母親。
娘の夫に毒親とまで言われたそう。
調べていくと、娘の夫の大学のサークル関係のどんでもないことがわかってきます。

二つ目は、大家さんの竹中夫人に頼まれて運転手兼荷物持ちとして赤の他人の結婚式にいったら、信じられない騒動に巻き込まれてしまう三郎のお話。

三つ目は、16歳で子供を産んだシングルマザー、29歳の自己チュウのバカ女とその女に悩まされていた妹のお話。
バカ女は自分の息子が交通事故で怪我をしたというのに、息子の心配ではなく、どうやって金をぶんどるかを考えています。
そんな女が悲劇を招きます。

感心するのは、三郎がどんなに嫌な女でも、冷静に対処しているところです。
彼のおかげでどんなに後味の悪い事件でも、どうしようもないよなぁという気になります。
宮部さんの描く三郎の独特の雰囲気がそうさせるのでしょうねぇ。
いい探偵ではないけれど、いい人だものね。
そうそう、大家さんちの人たちもいい人たちだわ。
それに<侘助>。
そうか、周りがいいから、とんでもない人が登場してもなんとかなるのねぇ。