読んだ本2022/03/31

散歩途中で見させていただいているお庭では花が盛りです。



しだれ桜が満開になりました。


アーマンディーというクレマチス属の花だそうです。
そばに咲いている黄色いミモザと白い色が合っていました。



群ようこ 『子のない夫婦とネコ』
kindleで安くなっていたので、読んでみました。五編の短編小説集です。

「子のない夫婦とネコ」
結婚三十九年の子のない夫婦、モトコとツヨシ。新婚の時からネコを飼い続けています。ネコとは言っても、家族の一員。亡くなると悲しくなります…。
「男やもめと犬」
妻と離婚し、五十五歳から一人暮らしをしているコウジが公園のベンチで缶ビールを飲んでると、一匹の犬がやって来て、焼き鳥をご馳走するとアパートまで着いて来た。大家さんに飼えばと軽く言われ、飼いだしますが…。
「中年姉妹とネコ」
築六十年の古い木造の家に二人で住んでいるヒロコとヒトミ姉妹。
一匹子ネコを保護したら、もう一匹来ちゃいました。二匹のネコが姉妹のかすがいです。
「老母と五匹のおネコさま」
70歳で夫に先立たれた母が急に人が変わってしまいます。父が亡くなってせいせいしたと言い出し、五匹のネコを飼い始めます。五匹も世話が出来るのか、お金はあるのか心配する娘でしたが…。
「歳の差夫婦とイヌとネコ」
サトコは六十六歳、夫のオサムは四十八歳。近所のスポーツジムで出逢いました。
オサムは動物第一主義の人。ひとり暮らしのおばあさんが施設に入るので、イヌを飼ってくれる人を探していると聞くと、オサムはすぐにイヌを引き取ると言います。ところがイヌを飼いだしてからしばらくすると、近所の奥さんがネコを連れてきて、押しつけていきます。二人と二匹の生活は楽しいのですが…。

ほのぼのとしたネコやイヌとの生活、いいですねぇ。
ネコ好き、イヌ好き、必見の本です(?)。

青木祐子 『これは経費では落ちません! 9』
29歳の森若沙名子と太陽とのおつき合いも安定かと思ったら、30歳の壁ってあるんですね。沙名子は違うと思ったら、やっぱり「結婚」がネックなんです。
トナカイ化粧品との合併後、経理部はやっと落ち付いたのに、営業部の鎌本が絡んでくるし…。なんなんですか、彼は(怒)。
その上、国税局の税務調査が入るって!

仕事が出来る森若さん。次回に結婚するとしても頑張ってもらいたいです。

三上延 『ビブリア古書堂の事件手帖 3』
北鎌倉にあるビブリア古書堂は古書に纏わる特別な相談を請け負っている。
ある日、古書店の跡取り息子が亡くなり、遺された蔵書のことで相談される。
蔵書は高校生になる息子が相続するはずなのに、古書店の主である祖父はすべてを売り払おうとしているという。
ビブリア古書堂も出店する即売会場で古書店の主の説得を試みるのだが…。

読みたいと思ったのが、山田風太郎の『人間臨終図鑑』。
歴史上のあらゆる人物の臨終の様子を蒐集している本だそうです。
扉子の祖母・千恵子の存在が不気味です。何を考えているのやら。

澤村御影 『准教授・高槻彰良の推察 7 語りの底に眠るもの』
今回も講義ネタが面白いです。
第一章:「違う世界へ行く方法」
今回の『隣のハナシ』に寄せられた怪異に遭って困っている人の依頼は、文学部一年の女子学生からです。
エレベーターで『異世界に行く方法』を試した友人がいなくなったと言うのですが…。
第二章:「沼のヌシ」
深町尚哉と同じ経験をし、同じ力を与えられた遠山宏孝から依頼が来る。
山を潰して別荘地を作る計画に関わっているが、地元の老婆がヌシ様の祟りを訴えている上に、不審な出来事が相次ぎ困っている。ついては高槻に地元住民と話をして欲しいというのだ。
早速、高槻と尚哉は栃木県の那須町にある沼に行くことにする。
第三章:「人魚の肉」
人魚の肉を使った料理を出すレストランが都内にあるという。
高槻がレストランに予約を入れ、尚哉と共に調査に出向くと、長野で出逢った海野沙絵がフロア係として働いていた。彼女によると、特別料理は月に一、二回あるかどうかで、オーナーに何か耳打ちすると個室に通され、提供されるらしい。
沙絵の助けを借り、顧客情報を手にいれ、自称ライターの林原が顧客から話を聞き、合言葉のヒントを手に入れる。
高槻が合言葉を推測し、再び予約を入れ、レストランに行くと…。

BLの本ではないのですが、高槻と尚哉の関係は仄かにBLっぽさが漂っています。イケメン高槻に「一人でどこかに消えたりしたら駄目だよ」なんて言われたら…。

ほしおさなえ 『紙屋ふじさき記念館 春霞の小箱』
紙屋ふじさき記念館の閉館まで後少し。
ワークショップも一ヶ月に一回、定期的に行われるようになりました。
これで本社の会議室で続けることもできるでしょう。
夏休みにサークルで紙の産地・東秩父と小川町を訪れた時に出逢った墨流し職人の岡本さんと記念館には意外な縁がありました。
百花の父が書いた『東京散歩』の活版冊子作りの話も実現しそうです。
しかし、二月になると…。

本の中で気になった言葉を書いておきます。
柳宗英悦の言葉、「手仕事は一面に心の仕事」
「歌う身体、作る身体。身体を使うとき、心は自分を超えてはるか遠いところまで広がっていく。」

出てくる紙などに纏わる蘊蓄が楽しい本です。
昔、書道をやっていたので、墨をするお話なんか、なるほどと思いました。
そんなにいい硯を使っていないので、石紋を楽しむなんかできませんでしたけど。
せつない終わりでしたが、次は希望に溢れるお話になるといいなぁと思いました。

今回の本はどれもおすすめです。

<今日のわんこ>
夏用に買った金魚鉢の形をしたハウスを部屋に置いてみると、早速新し物好きの兄が入っています。


夏用だからか上が開いています。
兄が可愛らしく、見上げていました。