直島翔 『警察医の戒律(コード)』2022/12/02



NY市検死局に十一年勤めていたという幕旗治郎は、横浜で外科医をしていた祖父の<幕旗医院>を自分の法医学研究所にしている。
幕旗の法医学研究所は神奈川県警と警察医契約を結んでいる。

幕旗は偏屈な性格で、ハッキリ言えば変人。例えば、ノックの音が嫌い。忙しくなると、遺体の隣に寝る。自分で決めたコードがあり、コードに合わないと無視するのに、コードの内容を教えない。死人と話をするetc.。
過去に何かあったことはわかりますが、それにしてもあまり魅力のない人です。
助手の小池一樹は二十九歳。関西の公立医大の博士課程を修了したが、助教の選考にもれ、幕旗の研究所に入った。学問が中心だったので、実務経験は乏しい。
幕張の研究所に入ったことを少し後悔している。

幕旗がもたらす遺体の情報を元に捜査に当たるのが、県警の捜査一課に新設された「ジェンダー班」。
「ジェンダー班」とはその名の通り、「女性が被害者となる重大事件はもちろん、多様化する性を取り巻く犯罪に適切に対処しようと新設された部署」。
この班の班長が幕旗の元妻の妹、村木響子で、班員は刑事歴が長いがやる気が乏しい久米勝治と技術支援員で、科学捜査研究所から異動してきた戸口遙香、そして元白バイ隊員の金沢佐織の三人という弱小班。

幕旗とジェンダー班の面々が三つの事件を解決していきます。
幕旗が主役とはいえ、実際に捜査に当たるのがジェンダー班なので、彼らの捜査のことがメインに描かれていますし、この本では主人公よりも脇役の方が面白いキャラをしているので、読んでも損はないですよ。
幕旗のことばかりだと、ただの変人の生活を読まされている感じで、サッサと本を閉じてしまう人が多くなりそう、笑。

今回明らかになったコードは1、2、3、7、21の四つです。
ちなみにコード7は「黙ってろ」。コードで言わないで、口で言えばいいのにね。
コードがすべて明らかになっていないので、シリーズ化して、まだわかっていないコードを教えて欲しいですわ。
21もある(もっとあったりしてww)なんて、どんななのかなぁ?

最初はとっつきにくいかもしれませんが、だんだんと慣れてくると面白くなるという感じの本です。

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