アドベントカレンダーを買ってみる ― 2022/12/01
いつかアドベントカレンダーを買ってみたいと思っていました(子どもか・笑)。
紅茶のとどちらにしようか迷ったのですが、美味しいリンツのチョコレートのにしてみました。

テディベアが可愛いカレンダーです。
甥っ子の子どもに送ってやりたいのですが、まだチョコレートは食べさせていないみたいなので、チョコレートが解禁になったら送りますわ。
12月1日から順番に開けていきますが、順番通りに並んでいなくて、どこに何日があるのか探すのに時間がかかります。
今日のは左上にありました。

プレゼントを持ったベアで、4㎝×2.5㎝ぐらいのチョコです。
健康診断が終わるまで、おあずけです。(夫に食べられてしまいそうですが)

ソファに置いておくと、兄犬が来てクンクン嗅いでいます。
チョコレートは犬には厳禁なので、食べたことがなく、いつもは食いしん坊の兄がすぐに興味をなくしたみたいです。

「ママちゃん、おやつ下さい」とカメラを持っているこちらを見ます。
弟犬は全く興味を持たず、おもちゃを咥えて駆けずり回っています。

こういう風になると、お遊びは終わりです。
おやつを貰うために、おもちゃを咥えてハウスに入っていきます。

人間用のおやつはこの前買ったパネットーネです。
休日に私が一切れ、夫が二切れ食べ、後は冷凍庫で凍らせています。
昨年買ったシュトーレンは甘すぎでしたが、パネットーネは普通のパンがちょっと甘い感じなので、1㎏あっても食べられそうです。
直島翔 『警察医の戒律(コード)』 ― 2022/12/02

NY市検死局に十一年勤めていたという幕旗治郎は、横浜で外科医をしていた祖父の<幕旗医院>を自分の法医学研究所にしている。
幕旗の法医学研究所は神奈川県警と警察医契約を結んでいる。
幕旗は偏屈な性格で、ハッキリ言えば変人。例えば、ノックの音が嫌い。忙しくなると、遺体の隣に寝る。自分で決めたコードがあり、コードに合わないと無視するのに、コードの内容を教えない。死人と話をするetc.。
過去に何かあったことはわかりますが、それにしてもあまり魅力のない人です。
助手の小池一樹は二十九歳。関西の公立医大の博士課程を修了したが、助教の選考にもれ、幕旗の研究所に入った。学問が中心だったので、実務経験は乏しい。
幕張の研究所に入ったことを少し後悔している。
幕旗がもたらす遺体の情報を元に捜査に当たるのが、県警の捜査一課に新設された「ジェンダー班」。
「ジェンダー班」とはその名の通り、「女性が被害者となる重大事件はもちろん、多様化する性を取り巻く犯罪に適切に対処しようと新設された部署」。
この班の班長が幕旗の元妻の妹、村木響子で、班員は刑事歴が長いがやる気が乏しい久米勝治と技術支援員で、科学捜査研究所から異動してきた戸口遙香、そして元白バイ隊員の金沢佐織の三人という弱小班。
幕旗とジェンダー班の面々が三つの事件を解決していきます。
幕旗が主役とはいえ、実際に捜査に当たるのがジェンダー班なので、彼らの捜査のことがメインに描かれていますし、この本では主人公よりも脇役の方が面白いキャラをしているので、読んでも損はないですよ。
幕旗のことばかりだと、ただの変人の生活を読まされている感じで、サッサと本を閉じてしまう人が多くなりそう、笑。
今回明らかになったコードは1、2、3、7、21の四つです。
ちなみにコード7は「黙ってろ」。コードで言わないで、口で言えばいいのにね。
コードがすべて明らかになっていないので、シリーズ化して、まだわかっていないコードを教えて欲しいですわ。
21もある(もっとあったりしてww)なんて、どんななのかなぁ?
最初はとっつきにくいかもしれませんが、だんだんと慣れてくると面白くなるという感じの本です。
ヘニング・マンケル 『五番目の女』 ― 2022/12/03
クルト・ヴァランダー・シリーズの六作目。

ヴァランダーは父親とのイタリア旅行を楽しむ。
旅行から帰って来て、父との関係が前よりも良くなるかと思っていたら…。
バイバに結婚を申し込むが明確な返事はない。それでもヴァランダーは彼女と暮らすために一軒家を買って犬を飼おうと考え始める。
娘のリンダはまだ何をやりたいのか、はっきりしていない。父親の仕事に興味を持ち始めたようだ。
父との休暇から帰って来たヴァランダーの最初の仕事は、先週の木曜日にヴェストラ・ヴァルガータンの花屋に不審者が侵入したが何も盗まれていないという事件。床に血痕があった。花屋の主人のユスタ・ルーンフェルトはアフリカへ旅行に行っているという。
ヴァランダーはフーグルンドと一緒に花屋に行ってみて、事件性はないと判断する。
別の日に燃料オイルを配達しているスヴェン・ティレーンが、彼の客のホルゲ・エリクソンが失踪したと言ってくる。
彼の家には鍵がかかっておらず、コーヒーメーカーに電気が入っていて、コーヒーが焦げ付いていたという。
ヴァランダーがエリクソンの家に行ってみると、ティレーンの言うことが本当であることがわかる。
およそ一年前にその家に不審者の押し込みがあったと通報があったが、なにも盗まれていなかったという。
窓の外を見ると、カラスが群がっており、群の向こうの小高いところに塔が見えた。ヴァランダーが塔の方へ歩いていると、濠があり、その中で人が死んでいた。竹槍に串刺しにされて…。
その後、花屋の店員から連絡が来た。旅行会社に電話をして店主の帰国便の時間を訊くと、店主は空港に姿を現さなかったと言われたという。
二人の失踪は偶然なのか。それとも何らかの繋がりがあるのか…。
やがてオリエンテーリングの練習をしていた男が森の中で木に縛り付けられた死体を見つける。
それは花屋の主人で、失踪してから三週間が経っていた。
この国に起ることには、もはや限界がないのか?
よりひどく、より残酷になった。
なかなか二つの事件の共通点が見つからず、焦燥するヴァランダーたち…。
そんな警察に業を煮やした市民たちが自警団を結成する。
ヴァランダーはリンダに言う。
「だれも穴の開いた厚手のくつ下をかがらなくなった。社会全体が変わってしまった。古くなったものを捨てるのは、社会全体の風潮になってしまった」
「おまえのように若い人たちはとくに、自分の国にいながら必要とされていない、それどころか歓迎されていないように感じている。そういう人たちはどう反応するか?攻撃と破壊だ」
スウェーデンだけではなく、どの国にも当てはまることのように思います。
ヴァランダーの時代から今、世の中はより良くなっているでしょうか?
ドラマでは花屋の店員さんと同棲するまでになっていましたが、小説では何もありません。
孤独を感じているヴァランダーはこれからどうなっていくのでしょう。
バイバはスウェーデンに来るのでしょうかね。
七作目の『背後の足音』で結果が出るのかどうか…。
アリスン・モントクレア 『疑惑の入会者 ロンドン謎解き結婚相談所』 ― 2022/12/05
なかなか痩せないと思っていたのですが、減量講座が終わってから一ヶ月が経ち、2㎏ぐらい減っていました。今月中に後2㎏減ってくれると良いのですが。
ボーナスも出ることですので、体重計を新しくしました。
今までの体重体組成計は足で測るものだからか、体重が減るにつれ基礎代謝量も減っていきました。
それが納得いかず、買った両手両足測定ので測ってみると、基礎代謝量は病院で量ったものと似た数値になりました。足測定よりも正確なのね。
Bluetoothで連携していて、スマホに数値を送ってくれます。
自分でグラフにしていかなくてもいいので、便利そうです。
ガッカリしたことに、内臓脂肪は標準になったのに、皮下脂肪はまだ多いです。
今以上に有酸素運動は増やせないので、今の状態を続けていくしかないかも。
筋トレをしないと、筋肉ってつかないモノなのかしら。
ウエイトを持ちながらやるエクササイズがあったので、ウエイトも買ってやってみようかしら。

第二次大戦後のロンドンで元スパイのアイリスと上流階級出身のグウェンは<ライト・ソート結婚相談所>を開きました。
ある日、相談所にサイモン・ダイーレイと名乗るアフリカ出身の男性が入会したいとやって来ます。
二人は国際的なクライアントにも門戸を開くことにしますが、グウェンの直感が彼が嘘をついていると告げています。
なんとグウェンは家付近で彼と出くわします。つけているのかしら?
一体彼の目的はなんなのか…。
グウェンの屋敷では大変なことが持ち上がります。
義父のベインブリッジ卿がアフリカから帰って来たのです。
彼はグウェンに会った初っぱなから孫のロニーを聖フライズワイド校にやると言い放ち、食事の席ではロニーが味見をしたいと言ったので、まだ早いと言ったグウェンを無視して六歳児にワインを与え、礼儀として全部飲めと言い、飲ませます。
帰って最初の夜から毎夜、妻を顧みず、<リヴィングストン・クラブ>へ行きます。
料理人には三日後の金曜日の晩に八人分のチキンを用意するように命じます。配給切符を使ってもそんなに沢山のチキンは手に入らないというのに…。
そしてロニーの家庭教師には暇を出します。
ベインブリッジ卿は帰って早々、屋敷の女性のほぼ全員を敵にまわすのに成功します(笑)。
金曜日の晩餐会に<ベインブリッジ・リミテッド>の取締役会の人たちがやってきます。グウェンはこの会社の株を亡くなった夫から相続していましたが、彼女の法的後見人が財務上の問題をベインブリッジ卿に一任していました。
その日に取締役会が開かれることを知ったグウェンが取締役会に出ようとすると、ベインブリッジ卿は彼女を家から追い出すと脅します。
グウェンはベインブリッジ卿と戦うことを決意し、クラブに行く車に無理矢理乗り込みます。
しかし車は銃を持った者たちに待ち伏せされていました。
男に反撃したグウェンは頭を殴られ、気づくと寝台に固定され、猿ぐつわをかまされ、目隠しまでされていました。
ベインブリッジ卿とグウェンは誘拐されたのです。
レディ・ベインブリッジは嫌っていたはずなのに、アイリスに助けを求めます。
果たしてアイリスはグウェンを助けることができるのか…。
アイリスとグウェンの友情が素晴らしいです。
戦後間もない頃はまだ女性の権利が認められていなかったのですね。
この事件でベインブリッジ卿は少しはグウェンのことがわかったのではないでしょうか。
もはや妻に頭が上がらなくなったベインブリッジ卿は、これからずっと妻に仕える暮らしをしていくのでしょうかね、笑。
グウェンに冷たかったレディ・ベインブリッジでしたが、これからはグウェンに味方してくれるのではないでしょうか。
家のことが落ち着けば、次は結婚相談所。
今後の活躍が期待できそうです。
<今日のおやつ>
アドベントカレンダーの中に入っていたチョコレート。

一日目は大きかったのですが、だんだんと小さくなっているような…。
一日一つずつならカロリーも少なさそうでいいかなとは思いつつも、まだ食べていません。
米澤穂信 『栞と嘘の季節』 ― 2022/12/07
図書委員シリーズの新刊。『本と鍵の季節』の続編。

高校で図書委員をしている堀川次郎は、放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
そこにいた同じく図書委員の松倉詩門が、押し花の花がトリカブトではないかと言い出す。
植物図鑑で調べてみると、トリカブトだった。
栞の持ち主はこのことを知っているのだろうか?
二人は栞のことを二人だけの秘密とし、持ち主にトリカブトの毒性を警告することにして栞を隠し、持ち主に向けて掲示を出すことにする。
別の日の放課後、たまたま写真コンテストで金賞を取った写真を見た堀川は驚く。
写真のモデルが持っている花がトリカブトだったのだ。
堀川はすぐに松倉を呼び出す。
二人は写真を撮影した岡地恵に撮影場所を聞きに行く。
岡地が写真を撮ったという校舎の裏に行ってみると、花壇のところに瀬野という女子がいた。
彼女は墓を掘っていたというのだが、嘘に気づいた堀川が掘り返してみると、埋められていたのは、トリカブトの塊根だった。
彼女とトリカブトの関係は…?
次の放課後、図書室に瀬野が二人に会いに来る。
栞は自分のものだと宣言し、返すように強いる。
しかし堀川は本を返却した女子生徒の後ろ姿を見ていて、それは瀬野ではなかった。
そのことを指摘され、瀬野は栞を奪い、ライターで焼いてしまう。
その翌日の昼休み、救急車が学校にやって来る。
運ばれたのは生徒指導の横瀬という教師だった。
翌週の月曜日に瀬野がまた図書室にやって来て、栞の持ち主のことを訊いてくる。
どうやら横瀬はトリカブト中毒っぽい症状で倒れたらしい。
堀川と松倉は乗りかかった船だと、瀬野とともに栞の持ち主を追うことにする。
翌朝、横瀬が毒を飲まされて倒れたという噂が出回る。
やがてその毒が憎んでいる相手の食べ物や飲み物にそっと混ぜられ、服んだ者の半分は死に、半分が生き残るという嘘がまことしやかに広まっていく。
そのためパニクる子が…。
そもそも水仙の花も知らない松倉がなんでトリカブトの花のことを知っていたのかしら?
今の高校生は友人とあんな話し方をするのでしょうか。ちょっと大人び過ぎていませんかね。
そして「切り札」が必要なほどに、女の子たちにとって今は生きにくい状態なのでしょうか。
〇十年も前に高校生だった私にはところどころに散りばめられた嘘がなかなかわかりませんでしたし、動機がピンと来ませんでした。
結末も何やらはっきりしないし、次作まで待つしかないのでしょうかね。
トリカブトの花ってどんなものか知りたくなりますよね。
東京薬科大学の東薬植物記をご覧ください。
紫の美しい花です。
読んだ漫画 ― 2022/12/09
腸内フローラ検査というものがあるというので、やってみました。
結果はC判定で、腸内フローラのバランスは可もなく不可もなく標準的でした。
腸内細菌の多様性は低めでしたが、健康長寿の人に多いビフィズス菌とフィーカリバクテリウム属は豊富とのこと。
大腸がんやポリープとの関連が示唆されている菌はほぼ検出されなかったそうです。
ショックだったのは、やせ菌が少ないことです。だから太っているのかと頷けましたけど、肥満菌は多くないのです。
ひょっとすると、やせ菌を増やすと痩せるのかしら?
やせ菌を増やすには果物やヨーグルト、乳酸菌飲料、玄米雑穀米の摂取がいいそうです。
実は果物やヨーグルトなどは食べると、特に冬には体が冷えるような感じがするので、あまり食べていません。
玄米は胃の消化に良くないので、苦手なのです。
避けている食べ物が腸内フローラに影響しているのですね。
これからちゃんと食べるようにします。

中山有香里 『泣きたい夜の甘味処』
連作短編漫画。
熊と鮭が営む真夜中だけ営業している甘味処は、毎日一品だけスイーツを提供している。
毎日の生活に疲れた人がふと店の前で立ち止まると、優しい店主が店に誘ってくれ、出されるスイーツが心を癒やしてくれる。
誰でも泣きたくなる日はある。一時、スイーツに身を委ねると、また進んで行ける。
レシピはそれほど難しものではないので、誰でも作れそうです。
疲れて何もかも投げ出したくなる時や心が傷ついた時、悲しい時…などに読むと泣けてきますよ。
中山有香里 『疲れた人に夜食を届ける出前店』
今度はクマの夜食の出前店のお話。従業員はサケ、ゴリラ、ネコ。
頼みもしないのに、夜食が届くのがいいですね。
家にも来てくれないかしら。
レシピはご飯もので、卵を使うものが多いみたいです。
私としては野菜が少ないのが気になりますww。
内容は『泣きたい夜…』の方が心に響きます。
ゆざき さかおみ 『作りたい女と食べたい女 1~3』
小食の野本さんは一人暮らし。料理を作るのが大好きで、いつかゲームに出てくるレシピの再現やデカ盛り料理、大量に作る系の料理を作りたいと思っていた。
ある日、隣の隣に住む女性、春日さんがフライドチキンを大量に持っているのを見かける。たまたま話をすると、彼女が一人で食べると言う。
別の日、野本さんは料理を大量に作り過ぎてしまい、処理に困って春日さんに助けを求める。そうすると春日さんは見事に全部平らげてしまう。
それから二人は予定が合えば一緒に食事をするようになる。もちろん野本さんが作って、それを春日さんが食べるのだ。
取り上げているテーマがジェンダーとLGBTQです。
野本さんも春日さんも家族から強いられている役割から逃げだそうとしています。
まだまだ日本は遅れていますからねぇ。
二人の関係がどうなっていくのか。これからの展開が楽しみです。
オノ・ナツメ 『僕らが恋をしたのは 1~3』
教授、キザ、ドク、大将の四人は定年後、山奥の暮らしを楽しんでいる。
そこにひとりの女神がやって来る。彼女は一人旅の途中で、蕎麦屋にあった貸家の張り紙を見て来たという。その家は教授が借りているので、完成間近のログハウスを貸すことになる。
男たちは彼女を「お嬢」と呼ぶことにする。
お嬢は元女優らしいが、一体何のために山奥までやって来たのか。
疑問に思いつつも、お嬢の魅力に翻弄される男たち…。
謎めいた女性の過去が気になります。
男四人の楽園は続いて行くのか、それともこの女にメチャクチャにされるのか。
年老いたイケメンはいいですね。私の好みは…。
今回の漫画はすべてオススメです。
南原詠 『ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来』 ― 2022/12/11
『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』の続編。

ミスルトウ特許法律事務所の弁理士・大鳳未来は、宮城県久郷村にある久郷いちご園の組合長・初田祐司から相談を受ける。
大手商社の田中山物産から「『絆姫』という名匠が当社が持つ商標権を侵害している」との通告書が届いたというのだ。
『絆姫』は初田の娘で宮城農工大・植物科学研究所の研究員の優希が開発したいちごで、突然変異だったため性質の固定化が遅れ、商標登録どころではなかったという。
通告書が届いたのが出荷の前日の夜だったので、未来はとりあえず出荷を一時中止にするように助言する。
田中山物産の調査部門は五年前から商標権の先取りビジネスを考えていた。
つまり有名になりそうな商品名を有名になる前に先取りして登録し、相手の足下をみて高いライセンス料を払わせようと目論んでおり、その最初のターゲットになったのが『絆姫』だったのだ。
運の悪いことに、有名なパティスリーのカリスがクリスマスケーキに『絆姫』を使うことが決まっており、『絆姫』の初出荷日にその大型コラボの情報を公開しちゃったので、もはや名称は変えられないという。
田中山物産はそこにあわせてカリスにまで警告書を送っていた。
未来はカリスから初田と結んだ契約通り、『絆姫』が原因で損害を負った場合、久郷いちご園が全責任を負うということで問題がないかと念押しされる。
ちょうどその頃、久郷村は隣町の和多利町から合併の話を持ちかけられていた。
和多利町はここぞとばかりに合併話を進めようとする。
さて、未来は田中山物産からの権利行使を損害なしで解決し、久郷いちご園による商品イチゴについての商標絆姫の自由使用を確保できるのか。
いちごというより身近なものを取り上げているからか、前作よりもわかりやすい内容で、読みやすいです。
とにかく絆姫の美味しそうなこと。
私の買うイチゴはハズレが多いので、絆姫のようなイチゴがあれば、絶対に買いますわ、笑。
話を戻すと、アッという展開で、よくこんなこと思いつくなと思いました。
弁理士という仕事のことがわかりやすく書かれていますので、お仕事の本としても読めますね。
そうそう、前回は未来の性格がマンガチックで極端すぎて嫌いでしたが、今回は普通になっていました。スイーツのことになると、我を忘れるのはご愛嬌、笑。
私はよく勘違いをしますが、前回同様にこのシリーズを書いた人が新川帆立さんだと思っていました。全く違い、南原詠さんという男性作家です。
えらい間違いですww。
<今週のおやつ>

AOSANのクリスマスブレッドです。
ナッツやらチョコやら何やらが入っている甘くて美味しいパンです。
犬たちにはクリスマス限定セットというおやつを買いました。
当たりの歯ブラシとうんち袋が入っていました(ラッキー)。

手前にあるのが、ウォーカーのミニミンスミートタルトです(もちろん人用よ)。
クリスマスが近付いたので、買ってみました。
停滞期になってしまったので体重の減少は諦め、増えなければいいとすることにしました。お正月後から再度頑張りますわ。
ジル・ペイトン・ウォルシュ 『ウィンダム図書館の奇妙な事件』 ― 2022/12/13

イモージェン・クワイは32歳のケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジのカレッジ・ナース(訳では学寮付き保健師)。
ある朝、学寮長のサー・ウィリアム・バックモートが取り乱しながらやって来て、<ウィンダム図書館>に急いで来てくれという。
<ウィンダム図書館>は”神秘主義者”で莫大な資産の持ち主であったクリストファー・ウィンダムが母校であるセント・アガサ・カレッジに寄贈したものだ。
行ってみると、<ウィンダム図書館>の館長のミスター・クリスピン・マウントネッシングが読書用のテーブルのかたわらに立っていて、彼の足元の床に一人の若者が横たわっていた。
それは田舎の公立校から初めて入学を許された優秀な学生で、学部の一年生のフィリップ・スケローだった。
イモージェンが見ても彼は手遅れの状態だった。
フィリップは施錠されていた部屋の中で何かの拍子に倒れて頭を打ったと思われた。そばに一冊の本が落ちていた。
彼はその本を盗もうとしていたのか…。
たまたまその日にフィリップのルームメイトのジャック・タヴァハムが部屋でパーティを開いていて、フィリップが最後に目撃されたのがそのパーティの時だった。
警察はパーティに参加していた学生たちから話を訊こうとするが、彼らは非協力的だった。
そのためイモージェンは顔見知りの巡査部長のマイクから彼らに捜査に協力するように説得してくれないかと頼まれる。
イモージェンは承知するが、翌朝パーティの主宰者のジャックが行方不明になっていた。
イモージェンは両親から遺された広い家に住んでいる。
家を維持していくためにサイモンとリズという学生と古書蒐集に余生を費やしているワイリー教授の三人の下宿人を置いていた。
ある日、家に帰るとワイリー教授が大事な稀覯本の一冊がなくなっていると騒いでいた。リズとサイモンも一緒に探すが、本はない。
そうこうしているうちに、ワイリー教授までもが行方不明になってしまう。
これらのことは何か関係があるのだろうか?
イモージェンは事件の謎を解けるのか…。
イモージェンは32歳という年の割に人生を達観しているようです。過去の裏切りがそうとうこたえたようです。
一般的なコージーミステリの主人公たちとは違っていますが、とても魅力的です。
「イモージェン」という名前はシェークスピアの『シンベリン』の登場人物の名前から来ているようですが、よく使われている名前なのかしら?
私にはとても古風な感じがしました。
パブリックスクールの話とかを読むと、イジメなどが結構あるようですね。
1990年代のお話ですが、日本よりも国際化の進んだイギリスでも未だ階級意識は強いのですね。
このシリーズは4冊出版されているようなので、続けて翻訳されることを期待しています。
<今週のおやつ>

ミニミンスパイ。温めるとより美味しくなります。
楽しみに少しずつ食べようと思っていましたが…もうありません(T.T)。
(私じゃないですよ、全部食べたのは、笑)

オーストラリアのホーフベッカライ エーデッガー・タックスのお菓子が届いたので、こちらの方をこっそり食べることにします。

お菓子と一緒にパンも頼みました。
ハンドカイザーやプレッツェル、キプフェル、ザルツシュタンゲル、クロワッサンなど美味しそうです。バターを使っていないので、カロリー少なさそう。
中山七里 『特殊清掃人』 ― 2022/12/15

『部屋には住む者の性格と嗜好が現れる。片づけ具合からは精神状態が、ゴミからは生活水準が窺える』
「特殊清掃」とは、ゴミ屋敷や死体が発見された部屋などの事故物件のハウスクリーニングを指す。
秋廣香澄は勤めていた事務機メーカーが倒産したので、就職活動を始め、六社目に応募したのが<エンドクリーナー>。
仕事は特殊清掃の他に供養・遺品整理・家具の買い取り・リフォーム・物件の買い取りまでを請け負う。
会社の代表は五百旗頭亘(いおきべわたる)で、社員として前にイベント会社に勤めていた白井寛がいる。
1・祈りと呪い
32歳の女性が亡くなっているのが見つかる。死後一ヶ月半だった。
部屋はゴミで埋もれていたが、クローゼットだけは整然としており、中に派手な色合いのジャケットと山高帽があった。
床には「みんな、滅びろ」とボールペンで書かれていた。
香澄は何故か彼女のことが気になり、遺品整理を口実に彼女のことを調べて行く。
2・腐食と還元
入浴中に亡くなった四十代半ばのベンチャー企業社長の男性は、複数の女をとっかえひっかえしていたという。
遺品整理のため、五百旗頭は付き合っていたという女たちに会いにいくが…。
3・絶望と希望
1Kの部屋で29歳の独身男性が熱中症で亡くなっていた。
彼は白井の学生バンド仲間で、作詞作曲兼ベースギターを担当し、音楽センスがよく、バンドのリーダーを任じていた。
バンドはボーカルの女性にレコード会社から声がかかり、彼女がソロデビューしたので、結局空中分解に終わった。
遺されたパソコンの中に音源があったので、白井はそれを形見わけすることにする。
連絡先のわからないボーカルの女性のことを調べてみると…。
4・正の遺産と負の遺産
一戸建てに住んでいた<平成最後の相場師>と呼ばれた男は、家政婦が夏季休暇を取っている間に亡くなっていた。
五百旗頭たちがハウスクリーニングを終える寸前に、娘の三姉妹がやって来て、我が物顔で屋敷に入り込み、遺品をあさり始める。
五百旗頭は介護ベッドの下に隠し金庫を見つけ、鍵も暗証番号もわからないので壊すと、中に遺言状が二通見つかる。
弁護士を呼び、遺言状を開けてみると、一通目には全財産を姉妹三人で均等に分けるようにと書かれており、二通目には家族の誰かが自分を殺そうとしているので、不慮の死をむかえることがあれば、他殺を疑ってほしいと書かれていた。
警察が呼ばれる。
五百旗頭は乗りかかった船ということで、弁護士に協力することにする。
嬉しいことに『鑑定人 氏家京太郎』の氏家さんが登場します。
特殊清掃のことですので、描写が真に迫っています。こういうのが苦手な方は読まない方がいいでしょう。私は意外と平気です。
下手をすれば誰にでも可能性があるのが、死後何日かで発見されるということです。
特殊清掃人の方々には頭が下がります。ありがとうございます。
人に迷惑をかけないように、今から施設に入るか、どこかの会社と契約して、見守りをしてもらうか、考えておきますわ。
その前に断捨離してすっきりしなければ。なかなか捨てられないのよねぇ。
今がやり時なので、頑張りますわ(たぶん)。
そういえば昨夜夫に「皿を売れば」と言われたわ。いっぱいあるのよ、笑。
特殊清掃人のお仕事を垣間見られ、亡くなった方々の隠された生き様と思いを知ることのできるお話です。
氏家さん同様にシリーズ化してくれると嬉しいです。
<今日のおやつ>

アドベントカレンダーの中身です。
あ、知りたくない人は見ないでね。6日ごとにクマさんが出てくるみたいです。
同じクマさんでちょっと残念。
子どもは一日ごとに食べてしまうので、同じとはわからないか。
私は他に食べたいものがあるので、夫にあげようかしらww。
篠田節子 『セカンドチャンス』 ― 2022/12/16

大原麻里は終日母につきっきりの介護生活を二十年間続けてきた。
そのため婚期を逃し、独身。
昨年、母を見送り、今は眼科の検査助手をしている。
勤務中にめまいを起こし、眼科医に勧められて市の検診を受けると、結果が思いのほか悪かった。
遺伝とはこういうものなのか、自分は母よりも若い年齢で亡くなるのかと思う麻里。
そんな頃、かつての同僚で今は文書課長を務めている人に大学病院で行う生活習慣病撲滅プロジェクトに誘われ、参加することにする。
三週間おきに医師の診察と看護師の指導を受け、ときに管理栄養士による講義も受けるのだが、検査結果の数値は悪くなるばかり。
これでは完全な落ちこぼれだ。
友人の千尋とお茶をしている時に、自分一人では続かないけれど友達と一緒なら続くかと思い、プールに誘ってみる。
地元の「相模スポーツセンター」に体験の予約を入れるが、当日千尋は行けなくなり、麻里一人で行くことになる。
「相模スポーツセンター」は老朽化が激しい、貧乏くさい建物で、ここはないなと思ったが、健康増進水泳が意外とおもしろく、麻里はプール専用のアクア会員になる。
麻里が選んだクラスのレッスンのインストラクター、岸和田元気は鍛え上げられた体が見事な好青年だが、理屈っぽくて、レッスンは説明ばかりなので、主婦たちには人気がない。
メンバーは出版社の編集者で糖尿病のある古矢や知的障害のあるゆう君など男ばかりで、唯一の女性は筋肉質で愛想の悪い伊津野七海だけ。
結局、主婦グループにもクラスにも馴染めない麻里。
続くのだろうか…。
そんな麻里に千尋は言う。
「一回でも休んだら負けだよ。知らん顔して通いな」
「少しは自分ファーストにしな。このままじゃ、あんたの人生は人に利用されるだけで終わるよ」
実にありがたい友人です。
少しずつ泳げるようになった麻里は、とうとうIFCマスターズカップの4人組混合リレーに参加することになる。
しかし、前途多難。次々と人が抜けていく…。
篠田さんらしからぬ小説です。
真正面から一人の女性にエールを送っているんですもの。
どんでん返しがあり、いつか彼女に不幸が起るのではと思っていたら、とんでもない。最後には何故か泣きそうになりました。
51歳はまだまだ若い。いくらでも自分の人生を変えることができます。
必要なのは、決心して一歩を踏み出すだけなのです。
私には医師の「治らない人っていうのは、必ずそういう言い訳を用意して、ここに来るんだよね」という言葉が痛かった。
その通りなんです。
できない言い訳を言っているうちはダメなんです。
減量生活がマンネリ化してしまい、今は気を抜きすぎているので、再度褌を締め直しますわ。
麻里さんは私とは性格も、育った環境も違っているので、それほど共感できませんでしたが、小説は面白かったです。
読んでいると、ジムや水泳教室とかに通うのが嫌になりました。人間関係が面倒くさそう。
私はお家ワークアウトでいいですわ、笑。
四十代や五十代以降の人が読むと、身につまされることがあるかも。
篠田さんの作品にしては読みやすいので、元気が欲しい時に読んでみることをおすすめします。
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