ジル・ペイトン・ウォルシュ 『ウィンダム図書館の奇妙な事件』2022/12/13



イモージェン・クワイは32歳のケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジのカレッジ・ナース(訳では学寮付き保健師)。
ある朝、学寮長のサー・ウィリアム・バックモートが取り乱しながらやって来て、<ウィンダム図書館>に急いで来てくれという。
<ウィンダム図書館>は”神秘主義者”で莫大な資産の持ち主であったクリストファー・ウィンダムが母校であるセント・アガサ・カレッジに寄贈したものだ。
行ってみると、<ウィンダム図書館>の館長のミスター・クリスピン・マウントネッシングが読書用のテーブルのかたわらに立っていて、彼の足元の床に一人の若者が横たわっていた。
それは学部の一年生のフィリップ・スケローで、彼は田舎の公立校から初めて入学を許された優秀な学生だった。
イモージェンが見ても彼は手遅れの状態だった。

フィリップは施錠されていた部屋の中で何かの拍子に倒れて頭を打ったと思われたが、彼のそばに一冊の本が落ちていた。
彼はその本を盗もうとしていたのか…。

たまたまその日にフィリップのルームメイトのジャック・タヴァハムが部屋でパーティを開いていて、フィリップが最後に目撃されたのがそのパーティの時だった。
警察はパーティに参加していた学生たちから話を訊こうとするが、彼らが非協力的だったため、イモージェンは顔見知りのマイク巡査部長から彼らに捜査に協力するように説得してくれないかと頼まれる。
イモージェンは承知するが、翌朝パーティの主宰者のジャックが行方不明になってしまう。

イモージェンは両親から遺された広い家に住んでいる。
家を維持していくためにサイモンとリズという学生と古書蒐集に余生を費やしているワイリー教授の三人の下宿人を置いていた。
ある日、家に帰るとワイリー教授が大事な稀覯本の一冊がなくなっていると騒いでいた。リズとサイモンも一緒に探すが、本はない。
そうこうしているうちに、ワイリー教授までもが行方不明になってしまう。

これらのことに何か関係があるのだろうか?
疑問に思うイモージェン。

イモージェンは32歳という年の割に人生を達観しているようです。過去の裏切りがそうとうこたえたようです。
一般的なコージーミステリの主人公たちとは違っていますが、とても魅力的な女性です。
「イモージェン(Imogen)」という名前はシェークスピアの『シンベリン』の登場人物の名前から来ているようですが、よく使われている名前なのかしら?
私にはとても古風な感じがしました。

パブリックスクールの話とかを読むと、イジメなどが結構あるようですね。
1990年代のお話ですが、日本よりも国際化の進んでいるイギリスでも未だ階級意識は強いのですね。

このシリーズは4冊出版されているようなので、続けて翻訳されることを期待しています。


<今週のおやつ>


ミニミンスパイ。温めるとより美味しくなります。
楽しみに少しずつ食べようと思っていましたが…もうありません(T.T)。
(私じゃないですよ、全部食べたのは、笑)


オーストラリアのホーフベッカライ エーデッガー・タックスのお菓子が届いたので、こちらの方をこっそり食べることにします。


お菓子と一緒にパンも頼みました。
ハンドカイザーやプレッツェル、キプフェル、ザルツシュタンゲル、クロワッサンなど美味しそうです。バターを使っていないので、カロリー少なさそう。

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