桐野夏生 『顔に降りかかる雨』 ― 2025/11/11

椿にしては花が小さいなと思って調べてみたら、「茶ノ木」と検索結果が出ました。
ツバキ科ツバキ属なので、椿の一種なのは確かでしょう。
お茶の木にこんな花が咲くとは知りませんでした。
村野ミロシリーズの一作目。
桐野さんのデビュー作で、江戸川乱歩賞を受賞した作品だそうです。

村野ミロは夫が自殺してから仕事を辞め、父親が経営していた新宿の探偵事務所があったマンションに住んでいる。
ある日、親友の宇佐川耀子の恋人の成瀬から電話がくる。
耀子がいないのでミロのところに行っていないか、もしくはどこかに行くと言っていなかったかというのだ。
電話を切った後すぐに、君島というパンチパーマの派手な若い男を連れて成瀬はミロのマンションに現れる。
耀子が預けた一億円ごと、どこかに行ってしまったらしい。
耀子が消える前にミロに電話をかけていたので、ミロが何か知っていないかと疑っているのだ。
一億円は反社企業シダー・コーポレーションの上杉から回された裏金だった。
共謀を疑われたミロは成瀬と二人で一週間以内に耀子を探し出し、金を返さなければならなくなる。
1993年に発表されたお話なので、若い人にはピンとこないところがあるでしょう。
1990年代というと、まだ携帯電話がなく、フロッピーディスクを使っていた時代です。
1990年にドイツが統一してから三年後にドイツに行ったことを思い出しました。この年にチェコとスロバキアが分離して独立国になったはずです。
私がまだ若かった頃で懐かしいですが、その頃のお話なのに今読んでも古い感じがしません。
ミロにとっては初めての事件で、大企業でマーケティングをやっていただけあり、調査能力は抜群です。
それにしても暴力団関係者に対する恐怖がミロにそれほどないのはどうしてだろうと思いました。
夫との関係絡みで色々とあり、生きることにあまりこだわりがないからかしら。
耀子が関わっていた世界、SMやネオナチ、死体写真愛好家などのエログロ関係がちょっと気持ち悪かったです。
シリーズの一作目を読了ということで、次の『天使に見捨てられた夜』をそのうち読んでみます。
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