能「小督」と「井筒」、「阿漕」、狂言「船渡聟」を観る2007/10/14

水道橋にある宝生能楽堂で能を観ました。
能は「小督(こごう)」と「井筒」、「阿漕」、狂言は「船渡聟(ふなわたしむこ)」です。

「小督」は禁中一の美人で箏の名手。
中宮、建礼門院徳子に仕えていて、天皇の寵愛がありました。
中宮の父親の平清盛は、それを面白くなく思い、小督を亡き者にしようとしますが、身の危険を察した小督は行方をくらましてしまいます。
それでも小督のことが忘れられない天皇は、彼女が嵯峨野辺りに隠れているのを知り、密かに手紙を届けさせることにします。
天皇の命を伝えるために高倉院の勅使が、仲国を呼び出し、嵯峨野に遣ります。
小督を見つけ出した仲国でしたが、初めは小督は仲国に会おうとはしませんでした。
しかし、侍女のとりなしで招じ入れられました。
天皇からの手紙を渡し、返事を請います。
その後なごりを惜しむ酒宴の席で仲国は舞を舞い、馬にまたがって帰って行きます。
仲国が舞(男舞)を舞う以外は動きが少なく、気を抜くと寝てしまいそうな能でした。(私のとなりのおばさまは、寝てました)

「舟渡聟」は、聟が舅のみやげに酒樽を持って渡し船に乗る話です。
渡し船の船頭が酒好きで、酒を飲むため嘘をつきます。
「今日は寒くて、手がかじかんで船が漕げない」と言って、まんまと酒を飲んでしまうのです。
さて、空の酒樽を持って舅の屋敷に行った聟はどうなるのでしょうか。
この狂言は2バージョンあり、船頭と舅が同一人物というのもあるそうです。
今回は別人バージョンでした。

「井筒」は昔古典でやったことのある『伊勢物語』の「筒井筒」に拠るものです。
旅僧が南都七堂の巡拝を済ませ、初瀬(長谷寺)に参ろうとします。
その途中、在原寺のそばを通りかかります。
ここが在原業平夫婦のすんでいた邸址であることを思い出し、境内に入って古塚の前にたたずんでいると、美しい女人が現れます。
女は業平ら二人の歌や、それにまつわる恋物語をし、自分がその紀有常の娘の霊で、井筒の女と呼ばれたものだと告げ、井戸の陰に隠れ消えます。
夜になり、僧がまどろんでいると、夢の中に業平の直衣と冠をつけた女の霊が現れます。
女は歌を詠み合った昔を懐かしみ、井筒の水に姿を映し見ると、それは業平の面影…。
夜明けとともに女の影は薄れ、僧も夢から覚めるのでした。

筒井筒井筒にかけしまろがたけ生ひにけらしな妹見ざる間に

残念だったのが、「井筒」の内容が全く分からなかったことです。
聞き取れなかったのです。
眠かったこともあるのかもしれませんが、図書館でコピーでもして、予習をしてから行った方がよかったようです。

能初心者には濃い内容でした。

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