上橋菜穂子 『天と地の守り人』2008/03/10

この本は昨日紹介した外伝の『蒼路の旅人』を読んでから、読んでください。
外伝だから、「守り人」とは関係ないと思わないでください。
話は『蒼路の旅人』と繋がっています。

タルシュ王国からの帰路、チャグムは新ヨゴ王国が戦乱に巻き込まれない道はないかどうか考え続けていました。
枝国になった国の民は重税に苦しみ、徴兵され、苦しんでいました。
そんなめに自分の国の民を遭わせたくなかったのです。
そして考えついたのが、タルシュ王国の見張りの目を欺き、ロタ王国に行くことです。
そのために父の帝の命じた暗殺が成功したと思わせることにします。
計画は上手く行き、チャグムは海に落ち死んだと思われ、国では葬式まで行われます。
バルサはチャグムの死の噂を聞き、本当にチャグムが死んだのかどうかを調べ始めます。
しばらくするとチャグムが生きていることがわかり、チャグムの身を案じ、探しに行きます。
バルサと会ったチャグムは彼女の助けをかり、ロタ王国までの旅を続けます。
無事ロタ王に会えたのですが、ロタ王はただの皇太子でしかないチャグムの同盟の申し出に応じることができない、ただし、カンバル王を説得させることができたなら、同盟を結んでもいいと言います。
チャグムはロタ王国からカンバル王国へと行かなければならなくなります。
チャグムが旅を続けている時に、新ヨゴ王国は鎖国をして国を守ろうとしますが、タルシュ王国への回答の期限は迫っています。
戦いが始まろうとしています。

一方異界「ナユラ」に春が来ました。
その影響で、人の住む世界「ナグ」の気温が上がり、山の万年雪が溶け始め、川の水位が上がってきました。
このままでは大洪水が起こります。
各国の呪術師たちが集まり、村人たちに注意を促すことになりました。

チャグムは国を救えるのでしょうか?
国を思うチャグムの苦悩と、国と国の駆け引き、陰謀など息をのむ展開です。
絶対におもしろいです。是非、読んでください。