乃南アサ 『女刑事音道貴子 花散る頃の殺人』 ― 2011/05/10
蒸し暑い日でしたね。こんな日が続いて、クーラーを使えないと、熱中症になる人が増えそうです。北海道人ゆえ、暑さと湿気に弱い私なので、気をつけなければと思っています。あ~、汗疹が怖いわ~。

この本に書かれていることは『鎖』以前の話だと思います。
「何かおもしろい本がない?」と相棒が聞いてきたので、この本を渡しました。
彼がつくづく言ったことは、「女の人って大変だね。ストッキングなんて面倒くさそう」。おいおい、「そんなことに感心しているのかよ~」、と言いたくなりました。
この頃の私は絶対にストッキングなんて穿きません。スカートなんてお葬式以外では10年以上も穿いていないような。ストッキングの大変さなんて、しばらく味わっていませんわ。
アレ、なんで女刑事なのにスカートを穿いているのだろう、音道は?
女刑事と言えば、刑事でなくて私立探偵ですが、私は「アリバイのA」のキンジー・ミルホーンや「サマータイム・ブルース」のV.I.ウォショースキーを思い出します。
彼女たちは自立した女を売りにしない格好いい女性です。
これらの女性に比べると、日本の刑事音道はちょっとお子ちゃまです。
強い女がまだまだ受け入れられていない日本社会の反映なんでしょうね。
私も20代の頃に、馬鹿な上司(男)に、「○○さんは、コーヒーさえ入れてくれれば何もしなくていいよ」なんて言われたり、同僚(男)に「かわいげがないんだよ」とも評されました。年を取るといいことのひとつは、もう「かわいげがない」とは言われないことです。年齢的にそんなこと期待されもしませんから。
この本が書かれたのは10年以上も前ですが、たぶん警察なんて今も変わんないでしょうね。(警察に知り合いいませんから、想像で書いてます)
男が書いた刑事には嘘くささがあるのですが、さすが女が書いただけあって音道の生活が現実目を帯びています。
でもストーカーに会ったり、米屋のおばさんに身分を知られ、面倒なことをお願いされたり、高校生に「ウザい女」と呼ばたりなどはされたくないです。踏んだり蹴ったりの音道の日常です。
女であり、刑事であることは、大変なのですね。
ひとつ気になったことがあります。
「花散る頃の殺人」で、癌に罹った夫が自分の死期が近いことを悟り、白内障で「少しずつ視力の衰えている妻の身を案じ、無理心中を企てた」とあるのです。
白内障で視力は衰えません。手術すれば眼鏡がいらなくなるほど見えます。家の父がそうです。
これって緑内障の間違いではと思いました。
それとも、昔の感覚で白内障にかかると見えなくなると思っている夫婦と言う設定なのでしょうか?
白内障と緑内障の違いを知らないで書いたとしたら、ちょっと心配です。
みなさん、白内障は手術をすれば見えます。手術時間は10分ほどです。今は日帰り手術もありますよ。上手い医師に手術してもらいましょうね。
意外と音道が気に入ったので、他の文庫本も買ってしまいました。そのうちに読みますわ。
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