信州旅行2011/05/01

信州に行ってきました。
何とか桜の季節に間に合いました。
新幹線に乗り長野で降り、レンタカーを借りて移動しました。
詳しくはHPの旅行記に書きますが、ブログには印象的だったことだけ書きますね。

まず最初に行ったのが、一生に一度は行ってみようという善光寺です。


白い花が咲いていたので、お寺の人らしき人になんていう花ですかと聞いたのですが、忘れたとのことです。桜の一種でしょうか?


善光寺では内陣に入ってお戒壇巡りをやったのが怖かったです。というのも、お戒壇巡りとは、御本尊が安置されている瑠璃壇の床下にある光が届かない真っ暗な回廊を手探りで進むというものですから。
何故か途中で止まること数回。そのたびに真っ暗な中で立ち止まり、今地震が起きたらどうしようとか、後ろの人に押されて転んだら嫌だなとか色々と考えてしまい、息苦しくなってしまいました。パニックを起こさないようにと頑張りました。なんで進まないのでしょう。
後でガイドブックを見ると、御本尊の真下に錠前があり、その錠前に障ると極楽往生が約束されると言われているそうです。中に入った人がみな触ろうとして探すので時間がかかっていたのですね。
どうりでガチャガチャいう音が聞こえていたわ・・・。
や~、もう二度とやりませんわ。

善光寺の後は、吉永小百合さんのJRのポスターを見て、一度は行ってみたいと思っていたパワースポット、戸隠神社です。
戸隠がどこにあるのかを全く考えていませんでした。山の上なのですね。
東京と同じだろうと思って、服装を考えてきていなかったので、えらい目に会いました。
ゴールデンウィークに戸隠に行く人は気をつけてください。特に靴は雪の上を歩けるものにしていくのを忘れると大変です。
なんと、まだ雪が積もっていたのです。


有名な奥社の杉並木ですが、道には雪があります。すべらないようにと気をつけて歩いて行ったのですが、まだここまではよかったのです。
杉並木を抜けると、そこには雪の積もった坂道が・・・。


まだ上りはよかった。下りは滑り落ちないようにと、どの人も必死になっていました。
帰りにおばあさんがスキーのストックのようなものを持っていたのを見て、流石と思いました。地元の人でしょうかね。準備万端です。

二日目は小布施を見て回りました。
小布施は高橋克彦の『北斎殺人事件』を読んで以来、行ってみたいと思っていました。
小さいけれど、お花のたくさんあるいい町です。とっても気に入りました。
残念だったのが、岩松寺にある「大鳳凰図」が畳に横になって見られなかったことです。
小説では寝転がって見ていたのですが、椅子に座って見るようになったそうです。観光客が多いので、できなくなったのでしょうかね。



お寺の近くに桜の咲いている公園らしきところがあり、きれいでした。


小布施は10年前に北斎館付近を倉敷の美観地区みたいにしたそうです。


所々に杏(だと思うのですが)の木があります。白い花とピンクの花があるようです。
雨が降ってきたので、北斎館に逃げ込みました。

最終日は千曲川河川公園に行きました。菜の花が満開です。




真田家に所縁のある松代にも行きました。


これは弓道場です。今と同じですね。

なんか長野で5年分の桜を見た感じです。
長野へは大学時代に山に行っただけで町の観光はしていなかったので特に印象はなかったのですが、今回行ってみて本当にいいところだと思いました。
残念だったのは、食事です。野菜は美味しかったのですが、私たちが食べた食事とおそばが美味しくなかったのです。
次回は美味しいと評判の店を探してから行きますわ。
そして戸隠には夏、小布施には春に訪れます。

旅行記は今週中にHPに載せておきます。

ジョン・J・ラム 『嘆きのテディベア事件』2011/05/02

長野で読んだミステリーです。


アメリカのミステリーは主人公が多種多彩で、色々とためになります。
今回はミステリー云々よりも、書かれているテディベアに関する薀蓄の方が面白いです。

勤務中の怪我のためにサンフランシスコ市警察強盗殺人課の刑事を辞めさせられたブラッドリー・ライオンは、妻のアシュリーの実家のあるレメルケンプ・ミルでのんびりと暮らす予定でした。
アシュリーはテディベア作家で、ブラッドリーは刑事を辞めてから彼女の手伝いをしています。二人のテディベア会社の名前は<ライオンさんちのトラとクマ>。かわいい名前です。

妻はスザンナと言うテディベアを”テディベア・フェスティバル”のコンクールに出品していました。
このテディベアは正確にはミス・スザンナ・S・セラフィムという名前で、手縫いのヴィクトリア朝風ドレスに麦わら帽子とワイヤーフレームの眼鏡をつけた、体長24インチのピンクのジャーマン・シュルテ・モヘアのテディベアです。(本の表紙の絵とは違いますね)
コンクールの発表がある日、出かける用意をしていると、飼い犬のキッチが川をじっと見ています。気になったブラッドリーが様子を見に行くと、岸から二十ヤードのところに男がうつぶせに浮いていました。

マサナッテン郡保安官助手は不慮の溺死として扱おうとしますが、元殺人課の刑事だったブラッドリーは絞殺であると助手に教えます。後からやってきた保安官は彼の言うことをまともに取らず、これは不慮の事故による溺死か自殺だと断定し、ブラッドリーに「よけいなお世話だ」と言うのでした。

一時は引き下がろうと思ったブラッドリーですが、”テディベア・フェスティバル”からの帰り道で、赤信号を無視していないにもかかわらず、保安官の息子の巡査部長に違反切符を切られてしまいます。

これがブラッドリーとアシュリーに火をつけました。
頭にきたブラッドリーは独自に川で見つかった男の捜査をすることにします。
もちろんアシュリーもブラッドリーに協力します。
おしどり夫婦探偵の誕生です。

何回も妻を今でも愛していると言うブラッドリー。いいですね。
我が夫はこの頃「なんでこんなに太っちゃったの?」としか言いませんわ。

そうそう、今回出てくるテディベアは”嘆きのテディベア”です。
このテディベアは本によると「沈没したタイタニック号の犠牲者を追悼するために、ドイツのおもちゃメーカーのシュタイフ社が1912年に発表した黒いモヘアのテディベアで、全部で655体しか製造されなかった」ため「世界一レアで貴重なぬいぐるみのひとつ」だそうです。
イギリスのオークションでは9万4千ポンドで落札されたというので、日本円では約1200万円ですか。
画像を探すとレプリカの写真がありました(↓)。 レプリカでも結構なお値段です。


これ、全然かわいくないですわ。目が赤いのは泣いているからでしょうか。

さて、この夫婦がこれからどんな活躍をしてくれるのか楽しみです。これからどんなテディベアが登場するのでしょうね。

根津神社のつつじ2011/05/03

午後から谷中墓地経由根津神社に行ってきました。
谷中墓地の木々は若葉をつけて生き生きとしています。
秋に黄色く色づく大イチョウの木も、今日は緑色。


ねんねこやの前を通り、いつものように猫の置物を売っている「無遊舎・音羽屋」のウインドウを覗くと、鯉に乗っている猫がいました。


かわいいですね。

路地をウロウロしていると、手製のバッグ屋さんがあり、ちょうど夏用のななめがけするショルダーバックが欲しかったので作ってもらうことにしました。私はなで肩なので普通の肩から掛けるショルダーバッグは持てないのです。すぐ落ちてくるのですから。
できあがりは7月下旬。どんなのができるのか楽しみです。

根津神社に行く頃には雨が降ってきました。




つづじはちょうど満開です。
いつもより人が多く、お参りをしようと思ったのですが、結構並んでいます。


とりあえず今日やるべきことだけをして帰ることにしました。
それは・・・。


5月の月次花御札を買うことです。
右が4月のつつじ、左が今日買った5月の菖蒲です。菖蒲の花が開く前の絵なのが残念です。

月ごとは何か書いておきますね。
1月:松 2月:梅 3月:桃 4月:つつじ 5月:菖蒲 6月:竹
7月:梶葉 8月:撫子 9月:菊 10月:楓 11月:南天 12月:椿

6月と7月はないので、また買いに行きます。毎月来ていても、買うのを忘れてしまうのです。

御札を買ってから雨が大降りになり、ジーパンがびしょ濡れになってしまいました。
次回はつづじ祭が終わって静かな根津神社に来ることにします。

吉永 南尚 『萩を揺らす雨』2011/05/04



一応ミステリーの中に入れましたが、ミステリーというほどのもんじゃないです。
「日常の謎」と書いてあります。でも、謎ほどではないような・・・。

主人公がいいのです。

主人公の杉浦草(そう)は、親の死後、古い民家の古材を譲り受け、家を建て替え、65歳で好きなコーヒーと和食器のお店「小蔵屋」をやり始めたおばあさんです。
店では彼女がコーヒーの無料試飲を受け持ち、和食器の方はアルバイトの体育会系女性の久実がやっています。草の入れるコーヒーが美味しいので無料試飲目当てにたくさんの人がやって来ます。

草は若い頃、大恋愛をして結婚しましたが、29歳で離婚し、実家に戻り家業を手伝っていました。この結婚で一人息子を婚家に残してきました。しかし、息子は幼くして用水路で溺れて死んでしまいます。このことが今でも草の心を痛ませます。

近くに由紀乃という幼馴染が住んでいます。彼女は一人暮らしをしており、脳梗塞で倒れたため後遺症が残っています。
彼女は「話そうとしないことは訊ねない、話すことだけを静かに聞いてくれる」人です。
草の心配はいつまで由紀乃が側にいてくれるかということです。九州に住む由紀乃の長男夫婦が由紀乃を引き取ろうとしているのです。

この本を読みながら、老いることの残酷さを思いました。人は誰でも老いていきます。どんなに抵抗しようが、無駄に終わるのです。
赤ちゃんは一つ一つできることが増えていくことに喜びを覚えます。
しかし、ある地点を超えると、一つ一つできなくなることが増えていくのです。
それを諦め、潔く受け入れていくことが老いには必要なのです。


「筋肉は、運動で壊れた組織を再生して強くなる。考えてみれば、気持ちも同じだよ。時には煩わしく感じる付き合いや、人との衝突を繰り返すうちに基礎ができて、たまには荷物の持ちっこができる力も養われる。運動すると筋肉痛が起きるが、それを嫌がっていたら弱くなるばかりだ」


自分ができなくなったことを躊躇なく他の人に頼めるような、そんな心が持てるように、老いを受け入れていくようにしなければと思います。

人にはそれぞれの物語があり、語られない物語が多いほど人を強くするものです。

草さんのように、そろそろ本屋兼喫茶でもやろうかしら。でも、土地がないわ。残念。

三上 延 『ビブリア古書堂の事件手帖』2011/05/05



この本、買う時に躊躇してしまいました。だって表紙の絵が、あまりにも漫画チックで・・・。
読んでみると、大人でも十分読める内容でした。

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」が舞台です。

五浦大輔は、本が読めない体質(ってあるのかしら?)でした。これには理由があります。幼い時、祖母から祖母の部屋の本には触らないようにと言われていたのに、魔が差したというのでしょうか、ふと手に取り見ていると、祖母に見つかり、びんたを二発くらったのです。
それ以来大輔は活字が苦手になったのです。

祖母も昨年亡くなり、大輔は就職も決まらず、ブラブラしていました。
そろそろ一周忌なので、祖母の残していった本を整理していた時に、大輔の母がある本を見つけます。

『第八巻 それから』

この本の見返しに「夏目漱石 田中嘉雄様へ」というサインがあったのです。

夏目漱石の全集がどれぐらいの価値があるか知りたいという母の意向を受け、大輔は値札の隅に印刷されていた「ビブリア古書堂」に行ってみることにします。この時、祖母の隠された秘密を知るところとなります。

祖母の古本を持って行ったことから大輔は高校時代の憧れの人に再会し、彼女が入院している間、古本屋の手伝いをすることになります。

大輔の憧れの人が「ビブリア古書堂」店長篠川栞子です。彼女は人見知りがひとくて普段はまともに人とは会話ができないのですが、本に関することでは饒舌になるという変わった人です。
彼女は言うなれば香菜里屋の店長と同じ、少ない情報をもとに謎を解くという謎解きの達人です。
そう、この本は古書にまつわるミステリーなのです。

扱われている本は夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)、小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)、ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)、太宰治『晩年』(砂子屋書房)など全13冊。漱石と太宰以外は知らない本が多いです。

今は大学院生とか研究者、よっぽどの本好き以外は古本屋に行かないのではないでしょうか。私も大学時代以降神保町の古本屋には行っていません。(ウソ、何回か行ったかも)
古本と言えば、昔引っ越す時に本を処分しようとしたら4万円以上になり、びっくりしたことがあります。その時、古本屋のおじさんが山関係の本は高いと言っていましたが、今もそうでしょうか?
今はブックオフがあるので、新しい、古本としての価値のない本は引き取ってもらいますが、文庫本一冊10円ぐらいでしたっけ。意外と映画のDVDが高く売れました。
たまっていく本をどう処分するかが問題です。

この本、シリーズ化するといいでしょうね。ビブリア古書堂栞子さんシリーズなんてね。

鎌倉移住が夢となった今、鎌倉の町を思い描きながら読んでいました。

そういえばこの本の出版社のメディアワークスって有川浩さんの『図書館戦争シリーズ』も出版してましたっけ。
ライトノベルというジャンルを得意としている出版社ですか。ライトノベルというと普通の小説よりも軽い内容を扱っていると思う人がいるかもしれませんが、本は表現や内容が難しいものよりも、読むのが簡単で深い内容のものの方が私は好きです。読書は娯楽ですから。

あ、そうそう、「ビブリア」とはラテン語で「本を愛する人」だそうです。

神田明神と湯島聖堂2011/05/06

用事のついでに神田明神と湯島聖堂に行ってきました。


神田明神では今日は結婚式がないようです。
神田明神と言えば、お祭りが有名ですよね。私は人ごみが嫌いなので、一度もお祭りには行ったことがないのですが、なんと今年、お祭りが中止になったそうです。
自粛自粛と、何故被災していないところのお祭りまで止めるのか、私には理解できませんわ。
神田明神では「幻の神田祭ガイドブック」を300円で売り、売上金を義捐金にするそうです。


いつものように屋上庭園にも行ってみました。残念ながらお花はあまり咲いていません。


つつじも終わりのようです。
庭園の隣に「神田の家」があります。「神田の家」とは、「材木商を営んできた遠藤家が関東大震災後の昭和2年に建てた店舗兼用住宅」だそうです。


5月の公開日は8日、18日、28日なので、中は見られませんでした。毎月8のつく日の11時と15時に内覧できるようなので、今度日があったら見てみたいと思いました。

湯島聖堂は数回行ったことがありますが、また行ってみました。


湯島聖堂は徳川五代将軍の綱吉が1690年に林羅山の邸内にあった孔子廟を移し創建したそうです。
1922年の関東大震災で入徳門と水屋以外は焼失したので、1935年に再建したそうです。




再建したとはいえ、何やら重々しい雰囲気のある建物です。





階段を下りていくと孔子様の像がありました。


屋根の上に何やら不思議な像があります。
これはなんでしょう?


HPを見ると毎年正月元旦から4日まで特別拝観があるそうです。その時に来ると大成殿の中が見られるようです。来年にでも来てみようかしら。

上野・東照宮 ぼたん苑2011/05/07

上野のばたん苑を見に行くことにしました。
前回は冬牡丹でしたが、今回は春牡丹です。
まず御徒町で電車を降りて、夏用の白いスニーカーを買いに行きます。
相棒によると、この頃広島で作られたスニーカーが流行っているとか。歩きやすければ、私はどこのスニーカーでも気にしません。
気に入ったデザインのは売り切れでした。買ったのは、


何の変哲もない靴ですが、作りが特殊とか。履いて靴づれもなく、歩きやすければいいのですが・・・。

上野公園は思ったより人が多いです。久しぶりに前を通った西郷さん前は人でいっぱい。高校生風が多いです。今頃修学旅行に来ているのかしら?
西郷さんの前にイタリヤレストランがあったので、ランチを食べながら、西郷さんの前に集う若者観察をしていました。

この前入った韻松亭の横からぼたん苑入口へ向かいます。上野のつつじは盛りを終えたようです。


精養軒前の藤もあっという間に咲いてしまったようです。探さないと花が見つかりませんでした。


上野公園には人がいっぱいいたのですが、ぼたん苑に入る人は少なく、ゆっくり鑑賞できました。




まだ蕾の牡丹がたくさんあったので、牡丹の見ごろは続きそうです。





ファンダーで見ると明るかったのに、家で見ると天候が悪いので暗く映っています。カメラって難しいですね。もっと花を撮りたいので、マクロレンズでも買って、写す練習でもしようかしら。

万歩計がまだ一万までいっていないので、日暮里まで歩いていくことにしました。

こども図書館には入ったことがありません。誰でも入れるのでしょうか?


寛永寺を抜けていきます。




パティシエ・イナムラショゾウの前に出ました。今日は並んでいないようです。


谷中墓地周辺で見つけた花です。



1万20歩の散歩でした。

「ギャレス先生 ユース・オペラに挑戦」――ギャレス再び2011/05/08

ギャレスと私って縁があるのか、ないのか?
昨夜何を見ようかな・・・とチャンネルと回していると、ギャレスじゃないですか。
それなのに最終回とは・・・。
仕方ないので、見ましたよ。
第三回目だということですから、一回目と二回目の人を集め、やる気にさせるためにギャレスが駆け回る姿が見られない。いつも(画面で)ギャレスに会う時は上手くいって安心しているギャレスの顔しか見られません。いいんだか、悪いんだか。


真ん中がギャレスです。

今回のギャレスはイギリス南部のイースト・サセックス州にあるオペラハウス「グラインドボーン」で、オペラなんか聞いたことも見たこともない少年少女がユース・オペラに参加するのを手伝います。

演目は「ナイト・クルー(騎士団)」という現代オペラです。
どうも不良たちの話らしく、彼らは主人公の友人たち(ナイト・クルー)を演じます。若者たちの母親役として、地域の親たちも参加します。

ギャレスは彼らを「希望を失っていた子供」と言います。
イギリス社会は未だに階級社会なんでしょうね。参加する少年少女の生活を見ていると、「ナイト・クルー」の世界そのままです。
「僕の家の近くでナイフで死んだ人がいる。この前はパブでナイフによる殺人があった」なんて、10代の男の子が告白していました。

女の子が一人、短時間ですが舞台でソロを歌えることになりました。
ギャレスはフィリッピンから三年前にやってきた14歳のゲイルがふさわしいと思っているのですが、オペラの指揮者たちは他の子を選びました。
何故ギャレスはゲイル(写真の前列左から2人目)がいいと思ったのでしょうか。
彼は子供たちの未来を見る人なのです。現在は他の子がいいかもしれない。しかし、ゲイルは一回も練習を休まず、将来は女優になりたいと思っている。今はダメでもこれから本番まで一生懸命練習すればゲイルは歌えるはずだと思ったから、ギャレスはゲイルが選ばれて欲しいと思ったのです。
ギャレスって「先生」なんですね。

ゲイルの代わりに選ばれたエルシー(写真前列右端の子)も訳ありです。私はこの子が選ばれて、ゲイル以上によかったと思いました。ゲイルは14歳ですから、まだまだチャンスはあります。
しかし、エルシーは17歳。彼女は中学校になじめなかったため学校に行くのを止めて自宅学習をしています。友達もいない、自分に自信のないエルシーにとって、ユース・オペラに参加するということには大きな意味があります。
ユース・オペラで自信を得た彼女は、自分の手で社会に出ていく勇気が持てたと思います。
スーザン・ボイルのように羽ばたくかもしれませんね。

本番当日、ギャレスは若者たちに言います。「君たち一人一人がこの舞台の主人公だ」と。

もちろんユース・オペラは大成功。

そういえば、日本は文化祭や合唱祭などというものがあるので、みんなで目標に向かって何かをやり遂げるという経験をしていますが、イギリスには日本みたいな行事がなく、こういう経験をしていなさそうです。(もし間違っていたら教えてください)
そういう子たちにとって、こういう経験は得難いものですね。

ギャレスが次にどこに行ったのか興味があります。
でも、また最終回しか見られないんだろうなぁ。このユース・オペラも2月に一度やっていたらしいし・・・。

ギャレスの活躍を見たい人は今日再放送2回目が深夜からあるようなので、調べて見てみてください。私は明日仕事があるので・・・。

新国立バレエ 『アラジン』2011/05/09

震災後、久しぶりのバレエです。
反対方向の電車に乗ってしまったため、会場についたのは2分前。汗をかいてしまいました。




入り口の水が暑い時期には気持ちよく感じます。


公演ごとに変わる盛り花です。ほかの人が来ないうちにと急いで撮ったら、頭が切れていました。


なんと魔法のランプがありました。

5月8日(日)14時開演

<キャスト>
アラジン:八幡顕光
プリンセス:小野絢子
魔術師マグリブ人:富川祐樹
ランプの精 ジーン:吉本泰久
アラジンの母:遠藤睦子
サルタン(プリンセスの父):イルギス・ガリムーリン

アラジン」は2回目です。前回も八幡さんと小野さんコンビで見ました。
初めての主役を踊る彼らは初々しくて、とっても素敵でした。
2度目ということで、どれぐらい変わっているかと期待して見ました。


一回目は八幡さんの元気さに圧倒されていましたが、今回は目が慣れたのか、元気さが一回目よりも抑えた演出なのか、それほど感動はしませんでした。
小野さんは出てきた時からかわいいという言葉がぴったり。アラジンからのりんごを受け取ったり、湯浴みの場面など、ホント、プリンセスそのままです。
彼女が「ロミオとジュリエット」に挑戦するようなので、チケットを買って帰りました。リアンとモラレスのは買ってあったのですが。世間的にはなかなか新国立では踊らないという酒井はなさんの回が人気のようです。

オーケストラは最初ホルンが音をはずしたようなので心配しましたが、だんだんとよくなってきました。指揮者のおじさん、素敵です。

2回目のわりに覚えていなくて、特に二幕目なんて、こんな場面があったんだという驚きばかりで、ホント、私って記憶力がないです。
前も思ったのですが、アラジンって「千夜一夜物語」に出てきますよね。それなのに何故中国風なのか?
それがとっても不思議です。
でも獅子舞とか龍舞(っていうのかしら)があって、景気がよくていいですか。

前は宝石の踊りが長過ぎて眠気が襲ってきたのですが、今回はメリハリがあって飽きませんでした。

3回目の公演があったら、他のキャストで見てみますわ。

今月は英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団を三回、見に行く予定です。でも何で「眠れる森の美女」なんでしょう?ビントレーのをやればいいのにね。

乃南アサ 『女刑事音道貴子 花散る頃の殺人』2011/05/10

蒸し暑い日でしたね。こんな日が続いて、クーラーを使えないと、熱中症になる人が増えそうです。北海道人ゆえ、暑さと湿気に弱い私なので、気をつけなければと思っています。あ~、汗疹が怖いわ~。


この本に書かれていることは『』以前の話だと思います。

「何かおもしろい本がない?」と相棒が聞いてきたので、この本を渡しました。
彼がつくづく言ったことは、「女の人って大変だね。ストッキングなんて面倒くさそう」。おいおい、「そんなことに感心しているのかよ~」、と言いたくなりました。
この頃の私は絶対にストッキングなんて穿きません。スカートなんてお葬式以外では10年以上も穿いていないような。ストッキングの大変さなんて、しばらく味わっていませんわ。
アレ、なんで女刑事なのにスカートを穿いているのだろう、音道は?

女刑事と言えば、刑事でなくて私立探偵ですが、私は「アリバイのA」のキンジー・ミルホーンや「サマータイム・ブルース」のV.I.ウォショースキーを思い出します。
彼女たちは自立した女を売りにしない格好いい女性です。
これらの女性に比べると、日本の刑事音道はちょっとお子ちゃまです。
強い女がまだまだ受け入れられていない日本社会の反映なんでしょうね。

私も20代の頃に、馬鹿な上司(男)に、「○○さんは、コーヒーさえ入れてくれれば何もしなくていいよ」なんて言われたり、同僚(男)に「かわいげがないんだよ」とも評されました。年を取るといいことのひとつは、もう「かわいげがない」とは言われないことです。年齢的にそんなこと期待されもしませんから。

この本が書かれたのは10年以上も前ですが、たぶん警察なんて今も変わんないでしょうね。(警察に知り合いいませんから、想像で書いてます)

男が書いた刑事には嘘くささがあるのですが、さすが女が書いただけあって音道の生活が現実目を帯びています。
でもストーカーに会ったり、米屋のおばさんに身分を知られ、面倒なことをお願いされたり、高校生に「ウザい女」と呼ばたりなどはされたくないです。踏んだり蹴ったりの音道の日常です。
女であり、刑事であることは、大変なのですね。

ひとつ気になったことがあります。
「花散る頃の殺人」で、癌に罹った夫が自分の死期が近いことを悟り、白内障で「少しずつ視力の衰えている妻の身を案じ、無理心中を企てた」とあるのです。
白内障で視力は衰えません。手術すれば眼鏡がいらなくなるほど見えます。家の父がそうです。
これって緑内障の間違いではと思いました。
それとも、昔の感覚で白内障にかかると見えなくなると思っている夫婦と言う設定なのでしょうか?
白内障と緑内障の違いを知らないで書いたとしたら、ちょっと心配です。

みなさん、白内障は手術をすれば見えます。手術時間は10分ほどです。今は日帰り手術もありますよ。上手い医師に手術してもらいましょうね。

意外と音道が気に入ったので、他の文庫本も買ってしまいました。そのうちに読みますわ。