池井戸潤 『下町ロケット』2011/08/07



めずらしく相棒が読みたいと言って買ったので、ついでに私も読んでみました。
直木賞を取った本で、内容がベタだけれどサクサクと読めます。
読後感もスッキリとしていて、この本って会社に勤める男の人の好きそうな本ですね。

佃航平はロケット開発の研究をしていましたが、ロケット打ち上げが失敗したことから責任を取って辞めるというような感じで研究の道を諦め、大田区にある従業員200名程度の実家の町工場を継ぎました。
順調に業績が上がっていたのですが、ある大企業が取引を止めると言ってきたことから運がつき、銀行から融資を断られるは、特許を巡って法廷闘争に巻き込まれるは、倒産の危機か!という状態になってしまいます。
しかし、地道に、誠実にやってきた佃を天は見捨てなかった。
諦めていたロケット開発にかかわるチャンスがやってくるのです。

中小企業の歓びと悲哀がよく伝わってきます。こういう人たちがいたからこそ、今の日本があるのです。
夢をいつまで持ち続けていけるのか。現実を見ろ、青臭いことをいうなと必ず言う人がいるでしょう。
でも、「カネ」よりも「ユメ」を取ったっていいじゃない。
それでなくても今は「ユメ」を持ち辛い世の中なのだから。

経理担当の殿村さん、大好き。
(相棒に私がこの本の中で一番好きな人って誰だと思うというと、当てられてしまいました)
彼の言う、目先の利益だけを考えないで、十年先、二十年先のことを考えようという視点が、今の社会(特に政治)に抜け落ちているような気がします。

これは絶対にドラマになるなと思って帯を見ると・・・。
三上博史主演で8月21日から放送されるんですね。しかし、WOWWOW。と言っても我が家はまだ地デジ対応のテレビを買っていないので、どっちにしろ見られません。
しかし、弁護士が寺島しのぶってどう?(本では弁護士が男なので、特に寺島さんが嫌いってわけじゃないです)


「ものつくり」に関して、関係あるかな?
御徒町から秋葉原へ続くJRの高架下に職人の店が集まった所があります。
2k540 AKI-OKA  ARTISAN」という不思議な名前。この頃マスコミで取り上げられているので、知っている人も多いでしょう。
先々週の水曜日に行ったら休みだったので、再度行ってみました。まだ全部できあがっていないようで、工事をしているところがありました。入り口がなかなか見つからなくて、御徒町から歩いたのに、秋葉原側まで行ってしまいました。


小さなお店ばかりなので、ちょっと入りずらいです。
日傘の骨が壊れてしまい、気に入っていた傘だったので捨てられずにいたのですが、思い切って傘屋さんで聞いてみると、直せるものなら直して下さるとのこと。今度持っていきますわ。
早く工事を終わらせて下さいませ。