池井戸潤 『オレたちバブル入行組』&『オレたち花のバブル組』2011/08/27

昔は大学4年になってから就職活動をしていましたが、今は大学3年からになって長期化しているようですね。
結局2年間しかちゃんと勉強できないのではないでしょうか。
大学の方はどう思っているんでしょうね。
今年のように震災があって企業が採用を控えるようになると、女の子の方にしわ寄せがいき、就職できない女の子が増えそうですね。
今、大学生でなくてよかったとつくづく思います。


池井戸さんの『下町ロケット』以外の本も読んでみました。
『オレたちバブル入行組』の初めには銀行の採用試験の様子が描かれていて、それを読むと、姪なんか絶対に銀行には入れなさそうです。
バブルがはじける前には、内定者を拘束するなんてことを企業は平気でやっていました。今はそういうこともなくなっているそうなので、昔に比べるとよくなっている面もありますね。

池井戸さんは銀行に勤めていたので、銀行の実態には間違いはないのでしょう。読みながら、つくづくと銀行に勤めていなくてよかった、と思いました。
融資の失敗を部下に押し付け平気な上司や派閥争い、足の引っ張り合いなどなど、上を狙う人はどれだけのストレスを抱えることになるのでしょうか。
強靭な神経と身体がないと、競争には勝てそうもないですね。
どこかで競争を止め、他の生き方を選択しないと、後悔ばかりの人生(『あの日にドライブ』のような)になってしまいそうです。

主人公の半沢はピンチに陥っても、人脈を使い上手く立ち回っていきます。
本当にこんなことがあったら、この小説のようにはなかなかいかないでしょうね。
銀行に就職を考えている学生は読んでからもう一度、銀行の採用試験を受けるかどうか考えた方がいいでしょう。
しかし、もっと違った働き方ってないんでしょうかね。

半沢のお父さん(ねじ作りをやっています)の言葉がいいです。

「夢を見続けるってのは難しいもんだ」「それに比べて夢を諦めることのなんと簡単なことか」

一体世の中のサラリーマンの何パーセントが夢を見続けているのでしょうか。